JPS6176165A - 膜型人工肺を用いた補助肺装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、人工肺装置、殊に補助肺装置として長期間の
使用に適した人工肺装置に関する。

「ヅ、Ｙ本　７？−１鈷仕ｉ］ シリコーン膜等の均質膜や、ポリプロピレンまたはテフ
ロン等の疎水性素材からなる多孔質膜を用いて構成され
る模型人工肺は１例えば特開昭５４−１８００９８号等
により既に公知である。これら模型人工肺は、中空糸の
膜面を介して気体と血液とを接触させ、その間でガス交
換を行わせるものである。

このような膜を人工肺には、中空糸膜の中空部に血液を
流し、中空糸膜の外部に気体を流すもの（内部潅流方式
）と、その逆に、中空糸膜の中空部に気体を流し、外部
に血液を流すもの（外部潅流方式）との二つの方式があ
る。

内部潅流方式では、血液を多数の中空糸膜に均等に分配
供給すれば血液のチャンネリング（偏流）はないものの
、中空糸１１Ｑの中空部を流れる血液は完全な層流であ
り、酸素摂取能（単位■り面積当りの酸素移動速度）を
上げるためには中空糸膜の内径を小さくすることが必要
であり、このために　１５０〜３００μ程度の内径を有
する中空糸膜が人工肺用として開発されている。

しかしながら、径を細くしても血液が層流流動する限り
は酸素摂取能が飛躍的に向上するものではなく、径を細
くするにつれて血液の潅流圧力が上昇すると同時にクロ
ッキング（凝血による中空部の閉塞現象）が多発し、実
用上大きな問題となっている。また、一般的に人工肺で
は、中空糸膜が数万木束ねられた束として用いられてお
り、これら多数の中空糸膜のそれぞれに充分に気体を分
散供給するには特別の配慮が必要である。気体の分散供
給が不充分である場合には、炭酸ガス除去能（単位膜面
積当りの炭酸ガス移動速度）か低下する。

一方、外部潅流方式ではガスを均等に分配することが可
能であり、かつ血液の流れに乱れが発生することが期待
できるものの、血液のチャンネリングレこよる！１ｊ素
加不足あるいは滞留部に於いて凝血が生じ易いという問
題点があった。しかし、血液の流れに対して中空糸膜を
ほぼ直交するように配設すると、平行に配設したものに
比較すると血液の流れの乱れが大きくなるため、酸素摂
取能を向上させることができると同時に、血液の滞留部
の発生についてもかなり抑制できることが判明した。

また、従来の人工肺装置については、その殆どが心臓手
術の際に心臓と肺との両機能を代用させるために心臓に
帰還する血液の全量を短期的に人工肺装置へバイパスさ
せて使用する装置として開発されており、一般に人体か
ら脱血された血液は人工肺装置内のりザーパーに貯えら
れ、このリザーバーに貯えられた血液を血液潅流用ポン
プを作動させることによって中空糸膜を配したガス交換
機能部へ供給してガス交換させ、さらにガス交換機能部
の後に設置されたもう一つの血液潅流用ポンプにより体
内へ復液させていた。

しかし、人工肺装置内にリザーバーを設置することは、
人体に対する血液潅流用ポンプの影響を弱めつつ血液を
ガス交換機能部へ供給するために必須ではあるが１人工
肺装置のプライミング血液量を増加させる一因であった
。また、血液潅流用ポンプは高価であり、血液の損傷を
招くおそれがあると同時に、血液量、血圧等に依存させ
てその回転数を決定して作動させ・る必要かあ一す、こ
れらが人工肺装置を大型化、複雑化する要因となってい
た。しかし、呼吸不全症等に対して長期呼吸補助を行う
ＥＣＭＯ（Ｅｘｔｒａ　Ｃｏｒｐｏｒｅａｌ　Ｍｅｍｂ
ｒａｎｅＯｘｙｚｅｎａｔｉｏｎ）として使用する場合
には、このような大型で複雑なものではなく、ベッドサ
イドに設置して使用可能な程度のコンパクトな人工肺装
置の開発が望まれていた。

［発明が解決しようとする問題点コ 未発明者等は、このような１ＩＩ２型人工肺装置の問題
点を克黒し、ガス交換機能部゛の前にはりザーバーや血
液潅流用ポンプの設置を必要とせず、落差脱血のみによ
って血液のガス交換機能部への供給が可能であり、更に
は呼吸不全症に対する呼吸補助装置としてのみならず、
肺高血圧症に対する右心房補助装置としても機能させる
ことができ、ＥＧＭＯとして使用するのに適した人工肺
装置を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成する
にスズ　−　ト 本発明の目的は、酸素摂取能、炭酸ガス除去能に浸れ、
かつリザーバーを必要とせず、血液潅流用ポンプも一つ
の設置で作動可能なコンパクトな人工肺装置を提供する
ことにある。

［問題点を解決するだめの手段］ すなわち本発明の人工肺装置は、多数の多孔質中空糸膜
を内蔵し、酸素を含むガスは該中空糸膜の中空部を流れ
、血液は該中空糸膜の外側を流れるよう構成され、血液
導入口、血液導出口、ガス導入口およびガス導出口を有
するガス交換ハウジングと、前記血液導入口に接続し血
管と直接接続可能な血液導入管と、前記血液導出口に接
続し血液潅流用ポンプを介して血管と直接接続可能な血
液導出管とを有してなる人工肺装置であって、血液流量
１０００ｃｃ／　ｗｉｎのときの該ガス交換ハウジング
の血液導入口と血液導出口間の圧損が４（１ｍｄｇ以下
として構成される。

［発明を実施するための好適な態様］ 以下、本発明の人工肺装置につき図面を参照しつつより
詳細に説明する。

第１図は、本発明の人工肺装置を示す模式図であり、第
２図は、そのガス交換ハウジング部の一愈様例を示す縦
断面図（ａ）および一部欠截平面図（ｂ）である。

本発明の人工肺装置は、第１図に示されるように、基本
的には血液のガス交換機能を果すガス交換ハウジング１
と、血液導入管２と、血液潅流用ポンプ３をその途中に
有する血液導出管４とから構成される。

ガス交換ハウジング１の内部には、多数の多孔質中空糸
膜５が固定部材６により固定され、これらの部材により
ハウジング１の内部は、中空糸膜５の外側を血液が流れ
る接触室７と中空糸膜５の内部空間に酸素を含む気体を
供給するだめの気体流路８とに区分されている。ハウジ
ング】は、気体導入口９、気体導出口ｌＯ１血液導入口
１１および血液導出口１２を有している。また、中空糸
膜５は接触室７内をほぼ直線状で通過し、相い向かいあ
う二つの固定部材６により、それぞれの開口両端を気体
流路８に向は開口を保ちつつ固定されている。

ガス交換ハウジング１の具体的な内部構造としては種々
の態様をとることかできるが、血液導入口１１から血液
導出口１２へ至る接触室７を含むその血液流路の有する
圧損が小さいものであり、かつ酸素摂取能、炭酸ガス除
去能に優れたものであることが要請される。より具体的
には、血液流量１０００ｃｃ／　Ｉｏｉｎのときの該ガ
ス交換ハウジングの血液流路の有する圧損が４０ｍｍＨ
ｇ以下であることが必要である。ガス交換ハウジングの
圧損がこれより大きい場合には、落差脱血のみによって
血液をカス交換機能部を通過させることは実質的に無理
である。

ガス交換ハウジング１に対する上記要求性能を満たすに
は１例えば第２図に示されるように、ガス交換ハウジン
グ１が浅箱状の形状として形成され、接触室７内の中空
糸膜５が、血液の流れ方向とほぼ直行するよう配設され
ることが好ましい。

ここでいう血液の流れ方向とは、血液を接触室７内に流
した際に実際に形成される血液流の流れ方向をいうので
はなく、接触室７内での血液の入口から出口へ向かう方
向をいう、また、接触室７内に配設されたそれぞれの中
空糸膜５は、第２図に示されるようにほぼ直線としてか
つそれぞれが平行を保つよう並べて配設されるのが好ま
しいが、何本かの中空糸膜が束としてかつそれら中空糸
膜の束の中心軸に対して４５度程度までの角度で巻かれ
るようにして配設されてもよい。この第２図で示された
態様に於いては、接触室７の内部は、血液の流れる方向
を横切る方向に設置されかつ中空糸膜の設置方向に対し
て垂直な方向に幅をせばめるよう構成された血液流路部
１３と、この血液流路部１３を介してわけられその内部
に中空糸膜５を内蔵する複数の小室１４とに区分けされ
ている。血液流路部１３には、接触室の厚み方向に伸び
るような態様で支柱が配設されてもよい。接触室７の内
部にこのような血液流路部１３を設けるのは、接触室の
厚み方向についても血液流の乱れを生じさせて血液のチ
ャンネリングを防止するためである。接触室７内の中空
糸膜５の充填率は、１０〜５５％であることが好ましい
。ここでいう充填率とは、接触室７の容積に対する中空
糸膜５の占める容積の割合をいう、充填率が１０％より
小さい場合は血液のチャンネリングが生じ易く、また、
５５％より大きくなると血液の流動抵抗が過大となり、
接触室の圧損が増大すると同時に溶血を誘発することが
ある。

本発明の人工肺装置のガス交換ハウジング１内に設置さ
れる中空糸１１Ｕ５としては、ガス透過性に浸れた多孔
質中空糸膜が使用され、例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン系樹脂からなる微多孔質の中
空糸膜が好適に使用できる。

また、ガス交換を受ける血液を適温に保つために、本発
明の人工肺装置には熱交換手段が付設されてもよく、例
えばガス交換ハウジング１の接触室７の外側にジャケッ
ト式の熱交換手段を付設することができる。

ガス交換ハウジング１に於いては、酸素を含む気体は、
気体導入口９からハウジング１内の気体流路８へ供給さ
れ、中空糸膜５の内部を流れ、接触室７内で中空糸膜５
を介して血液とガス交換を行ない、酸素が減少し、炭酸
ガスの増加した気体となって気体流路８′へ導かれた後
、気体導出口ｌＯから排出される。なお、気体導入口９
から供給される酸素を含む気体は、もちろん純粋な酸素
であってもよい。また、酸素を含む気体は、通常は、圧
力ボンベ内に貯えられた酸素ガスを所望により他のガス
と混合し、減圧弁を介して気体導入口９に接続すること
により供給される。

一方、人体から取り出された血液（静脈血）は、血液導
入管２を介して血液導入口８からハウジング１内の接触
室７へ供給され、接触室７内で中空糸膜５の内部を流れ
る酸素を含む気体と中空糸膜５を介してガス交換を行な
い、血液が静脈血から動脈血化された後、血液導出口９
から血液導出管３を介して体内へ戻される。

従来、人体に対し人工肺装置を使用するに際しては、種
々の使用法があったが、股動脈から脱血して股静脈へ復
液させる方法、股静脈から脱血して腋下静脈へ復液させ
る方法、股静脈から脱血して股動脈へ復液させる方法等
が代表的なものであった。これに対し、ガス交換機能部
の後にのみ一つの血液潅流用ポンプを具備する本発明の
人工肺装置は、長期間に亘る袖助肺装置として使用する
のに適したもので、患者の血液の全量を人工肺装置内へ
潅流させずに、右心室またはその近傍の大動脈に血液導
入管２を接続し、その一部をガス交換ハウジング１内へ
導きガス交換実施後、左心房またはその近傍の肺動脈に
血液潅流用ポンプ３をその途中に有する血液導出管４を
接続して使用するのが適当である。本発明の人工肺装置
をこのようにして使用することにより、患者の心臓負担
を軽減することができ、また人工肺装置内でガス交換を
受けた血液の全量がすぐ肺へ流されるため１人工肺装置
内で血液中に多少ガスが混入しても肺でこれを除去する
ことができるので、特に脱気装置を付設することなく使
用可能である。

本発明の人工肺装置を構成する血液導入管２と血液導出
管４とは、いずれもポリ塩化ビニル等を素材とし、好ま
しくは抗血栓処理されたチューブからなり、ハウジング
１との接続端とは他端はそのまま血管と直接接続可能に
構成されている。ここでいう進管と直接接続可能である
とは、もちろん、カニュレーションされた血管のカニウ
レに接続することをも包含する。

血液導入管２はハウジングｌの血液導入口に接続し、血
液導出管４はハウジング１の血液導出口に接続してそれ
ぞれ構成されるが、これら管２および４とハウジング１
とは固着結合される必要はなく、取り外し可能に構成さ
れてももちろんよい。

血液導入管２はできるだけ圧損を小さくするためにその
途中には何も配設されない直管とされるのが適当である
。一方、血液導出管４については、その途中に血液潅流
用ポンプ３が配されるが、前述したように動脈化された
血液は概して肺動脈へ復液されるので、特に脱気手段を
その途中に配する必要はない。

［発明の効果］ このような本発明の人工肺装置は、酸素摂取能、炭酸ガ
ス除去能に優れ、かつガス交換機能部の圧損が低く落差
脱血のみによって血液のガス交換機能部の通過が可能で
あり、ガス交換機能部の後にのみ一つの血液潅流用ポン
プを有しているので、従来の人工肺装置と比較すると極
めてコンパクトに構成されている。したがって、長期間
ベッドサイドに設置して使用することのできる補助肺装
置として優れたものである。

［実施例］ 以下、本発明の人工肺装置につき実施例に従ってより詳
細に説明する。

実施例 第２図に示したような内部構造を有するガス交換ハウジ
ングの血液導入口および血液導出口に、血液導入管およ
び血液潅流用ポンプをその途中に有する血液導出管をそ
れぞれ接続して人工肺装置を構成した。

なお、ハウジング内に充填された中空糸膜は、ポリプロ
ピレン製の微多孔質の中空糸膜で、その内径は約２００
鱗、外径は約２４４鱗であり、ハウジング内の接触室に
おける該中空糸膜の外表面積は約０．５ｍ’、充填率は
約２５％、また血液流１１０００ｃｃ／ｍｉｎのときの
該ガス交換ハウジングの血液流路の圧損は３０ｍｍＨｇ
であった＠ この人工肺装置を１０〜１３Ｋｇの３頭の雑種犬に対し
て適用した。人工肺装置のプライミング血液量は　１０
０ｃｃであった。右心房近傍のカニュレーションされた
大動脈に血液導入管を接続し、ガス交換ハウジング、血
液潅流用ポンプを通して右心室近傍のカニュレーション
された肺動脈に血液導出管を接続し、補助肺装置として
約−日間使用し、その経過を観察した。

このときのバイパス血液流量は、２５０ｃｃ／ｍｉｎ〜
１２５０ｃｃ／　１ｉｉｎであり、圧損は人工肺全体と
して３０〜４０ＩＩ１ｍＨｇであった。

この人工肺装置使用中の血液、交換ガスおよびシャント
流量から算出した酸素加能および炭酸ガス除去能は、シ
ャント流量ＩＱＯＯｃｃ／　ｗｉｎ　／　ｒｒｒ’あた
りそれぞれ約８５ｃｃ／ｍｉｎ　、約１００ｃｃ／ｍｉ
ｎであった。また動脈血は、　Ｐ　０２１００〜２００
ｍＩＩＩＨｇ、　　Ｐ　Ｃ０２３０〜４０ｍｍＨｇの範
囲にあった。

−日間経過後１人工肺装置を取り外し元の自然状態に復
元したが、３Ｍとも良好な血液ガス、血行状態を示した
。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の人工肺装置を示す模式図であり、第
２図は、そのガス交換ハウジング部の一態様例を示す縦
断面図（ａ）および一部欠截平面図（ｂ）である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １）多数の多孔質中空糸膜を内蔵し、酸素を含むガスは
   該中空糸膜の中空部を流れ、血液は該中空糸膜の外側を
   流れるよう構成され、血液導入口、血液導出口、ガス導
   入口およびガス導出口を有するガス交換ハウジングと、
   前記血液導入口に接続し血管と直接接続可能な血液導入
   管と、前記血液導出口に接続し血液潅流用ポンプを介し
   て血管と直接接続可能な血液導出管とを有してなる人工
   肺装置であって、血液流量１０００ｃｃ／ｍｉｎのとき
   の該ガス交換ハウジングの血液導入口と血液導出口間の
   圧損が４０ｍｍＨｇ以下である人工肺装置。