JPS6161817B2 - - Google Patents

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JPS6161817B2
JPS6161817B2 JP58142065A JP14206583A JPS6161817B2 JP S6161817 B2 JPS6161817 B2 JP S6161817B2 JP 58142065 A JP58142065 A JP 58142065A JP 14206583 A JP14206583 A JP 14206583A JP S6161817 B2 JPS6161817 B2 JP S6161817B2
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JP
Japan
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polymer
medical suture
block copolymer
thread
linear polymer
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JP58142065A
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Isao Shinohara
Yasuhisa Sakurai
Mitsuo Okano
Akira Shimada
Shigeo Aoyanagi
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、医用縫合糸に関するものである。詳
しく述べると、抗血栓性に優れた医用縫合糸に関
するものである。 先行技術 現在、医用縫合糸として使用され、あるいは研
究されている医用材料の種類は極めて他種類にの
ぼり、例えば非吸収性縫合糸として、銅線、タン
タル、銀等のモノフイラメント、マルチフイラメ
ント、絹、木綿、麻等の天然繊維、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリオレフイン、ポリフルオロ
エチレン、ポリウレタン等の合成繊維、また吸収
性(溶解性)縫合糸として、腸線、コラーゲン、
ゼラチン、フイブリン等の天然材料、ポリアミノ
酸、ポリビニルアルコール、α―ポリエステル等
の合成材料等がある。縫合糸は生体組繊維の種々
の部位を縫い、一部は体内に残される。したがつ
て、縫合糸には次の条件が求められる。すなわち
(a)完全滅菌が可能なこと、(b)適当な物性を有する
こと、(c)使用性が良好であること、(d)太さ、強度
等にバラツキがないこと、(e)生体内で一定期間強
度を保持すること、(f)生体適合性が良いこと等で
ある。しかしながら、前記のごとき縫合糸のう
ち、人工縫合糸は前記条件を満し得ない。特に、
血管同士あるいは血管と人工血管との吻合に使用
される縫合糸については、該縫合糸が血管内また
は血管と人工血管との内部を流通する血液と常時
接触することになるので、合成材料である縫合糸
は異物となるので血栓を生じることになる。この
ため、前記条件、特に、抗血栓性の優れた縫合糸
の開発が望まれている。 発明の目的 したがつて、本発明の目的は、新規な医用縫合
糸を提供することにある。本発明の他の目的は、
抗血栓性の優れた医用縫合糸を提供することにあ
る。 これらの諸目的は、糸の表面に、分子量1000〜
20000の親水性線状重合体と分子量1000〜20000の
疎水性線状重合体とをブロツク重合してなるブロ
ツク共重合体と被覆したことを特徴とする医用縫
合糸により達成される。 また、本発明は、親水性線状重合体がアクリル
酸またはメタクリル酸誘導体重合体である医用縫
合糸である。さらに、本発明は、疎水性線状重合
体がスチレン重合体またはポリアルキレングリコ
ールである医用縫合糸である。本発明は、ポリア
ルキレングリコールがポリエチレン,ポリエレン
グリコール,グリコールまたはポリプロピレング
リコールである医用縫合糸である。また、本発明
は、糸が合成繊維または天然繊維である医用縫合
糸である。さらに、本発明は糸が単糸、編糸また
は撚糸である医用縫合糸である。本発明は、ブロ
ツク共重合性中の親水性線状重合体と疎水性重合
体の合計に対する親水性線状重合体の割合が45〜
65モル%である医用縫合糸である。また、本発明
は、ブロツク共重合体被覆の膜厚が0.1μm以
上、好ましくは1〜500μmである医用縫合糸で
ある。 発明の具体的構成 本発明による医用縫合糸に使用される糸は、
絹、木綿、麻等の天然繊維、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリオレフイン、ポリフルオロエチレ
ン、ポリウレタン等の合成繊維等があり、好まし
くは合成繊維である。前記合成繊維のうち、ポリ
オレフインのように前記ブロツク共重合体との密
着性の比較的低いものは、予めプラズマ処理等を
行うことが望ましい。このような糸は、単糸、編
糸、撚糸等、その目的に応じていずれも使用でき
る。 前記糸の先端には、必要により縫合針が固着さ
れる。このような縫合針としては、弯曲の種類よ
り1/2円形、3/8円形、直形等があり、これらの針
についてそれぞれ刃の種類として、丸針、並角
針、逆角針、V針、Fカツト針、Pカツト針、K
カツト針、M針等がある。 前記糸の表面には、後述する抗血栓性の優れた
ブロツク共重合体が被覆される。 表面被覆に使用されるブロツク共重合体として
は、分子量1000〜20000の疎水性線状重合体の両
端に分子量1000〜20000の親水性線状重合体を重
合して得られるブロツク共重合体が好ましが前記
疎水性線状重合体と前記親水性線状重合体とのブ
ロツク共重合により得られるマルチブロツク共重
合体でもよい。このようなブロツク共重合体の分
子量は10000〜100000であり、好ましくは20000〜
50000である。 このようなブロツク共重合体としては、例え
ば、一般式 HX1―SR1NR2CONHR3NHCO―X2
CONHR3NHCOR2NR1S―X1H () [ただし、式中、X1は一般式 (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5
mが1のときは炭素原子数2〜10個またmが2〜
10のときは炭素原子数2〜3個を有するアルキレ
ン基、好ましくはmが1で炭素原子数が2〜3の
アルキレン基、nは10〜500の整数である。X2
一般式 (式中、R6は水素原子またはメチル基、lは
10〜1100である。)または一般式 (式中、pは10〜1000の整数である。)、R1
アミノ基を有するメルカプタン類の残基の炭化水
素、R2は該メルカプタン類の残基の水素原子ま
たはメチル基、またR3はジイソシアナート類の
残基の炭化水素である。]で示されるブロツク共
重合体がある。 このようなブロツク共重合体は、一般式 (式中、R6およびlは前記のとおりである。) で示されるポリアルキレングリコールまたは一般
(式中、pは前記のとおりである。)で示され
るポリスチレンとジイソシアナート類とを溶媒中
で反応させて得られる両末端にイソシアナート基
を有する重合体に、一般式 (式中、R1,R2,R4,R5,mおよびnは前記
のとおりである。)で示される片末端にアミノ基
を有する重合体を加えて不活性水素基を有しない
良溶媒中で反応させることにより得られる。 また、前記ブロツク共重合体は前記各成分のマ
ルチブロツク共重合体でもよい。この場合には、
一般式を有する重合体において両末端に同様な
アミノ基を有する重合体で前記片末端にアミノ基
を有する重合体の一部を置換することにより得ら
れる。 いずれにしても、親水性線状重合体と疎水性線
状重合体との割合は、親水性線状重合体が45〜65
モル%、好ましくは55〜63モル%である。 本発明におけるアクリル酸またはメタクリル酸
誘導体連鎖として用いられ水酸基を有するアクリ
ル酸またはメタクリル酸誘導体重合体は、連鎖移
動剤としては分子中に1個のアミノ基を有するメ
ルカプタン類の存在下に、水酸基を有するアクリ
ルはたはメタクリル酸誘導体を溶媒中において所
定の官能基濃度、モル比、温度で反応させること
によつて合成される。 本発明に使用する水酸基を有するアクリル酸ま
たはメタクリル酸誘導体としては、一般式 (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5
mが1のとき炭素原子数2〜10個またはmが2〜
10のとき炭素原子数2〜3個を有するアルキレン
基を表わす)で示される。その代表例をあげる
と、2―ヒドロキシエチルアクリレート、2―ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、3―ヒドロキシ
プロピルアクリレート、2―ヒドロキシブチルア
クリレート、3―ヒドロキシブチルアクリレー
ト、4―ヒドロキシブチルアクリレート、5―ヒ
ドロキシペンチルアクリレート、6―ヒドロキシ
ヘキシルアクリレート、2―ヒドロキシエチルメ
タクリレート、2―ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、3―ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2―ヒドロキシブチルメタクリレート、3―
ヒドロキシブチルメタクリレート、4―ヒドロキ
シブチルメタクリレート、5―ヒドロキシペンチ
ルメタクリレート、6―ヒドロキシヘキシルメタ
クリレートなどがある。 分子中に少なくとも1個のアミノ基を有するメ
ルカプタン類の連鎖移動剤としては、1―アミノ
メタンチオール、1―アミノエタンチオール、2
―アミノエタンチオール、1―アミノプロパンチ
オール、2―アミノプロパンチオール、3―アミ
ノプロパンチオール、1―アミノブタンチオー
ル、2―アミノブタンチオール、3―アミノブタ
ンチオール、4―アミノブタンチオール、1―メ
チル―2―アミノエタンチオール、1―メチル―
1―アミノエタンチオール、3―アミノシクロペ
ンタジエン―1―チオール、1―アミノベンゼン
チオール、2―アミノベンゼンチオール、3―ア
ミノベンゼンチオール、1―アミノメチルベンゼ
ンチオール、2―アミノメチルベンゼンチオー
ル、3―アミノメチルベンゼンチオール、1―ア
ミノエチルベンゼンチオール、2―アミノエチル
ベンゼンチオール、3―アミノエチルベンゼンチ
オールなどがある。これらの連鎖移動剤の使用量
は、前記水酸基を有するアクリル酸またはメタク
リル酸誘導体の単量体100重量部に対して1〜100
重量部、好ましくは1.5〜80重量部である。重合
体の分子量は連鎖移動剤の使用量、すなわち単量
体とのモル比によつて調節することができる。 有機溶媒としては、メタノール、エタノール、
n―プロパノール、イソプロパノール、n―ブタ
ノール、イソブタノール、sec―ブタノール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキサイド、ヘキサアルキルホ
スホルアミド、アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ベンゾニトリルなどがある。これらの有機溶
媒は、前記水酸基を有するアクリル酸またはメタ
クリル酸誘導体の単量体100重量部に対して100〜
1000重量部、好ましくは150〜500重量部使用され
る。 重合開始剤としては、tert―ブチルパーオクト
エート、ベンゾイルパーオキサイド、イソプロピ
ルパーカーボネート、2,4―ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、アゾビスインブチロニトリル
などがある。これらの重合開始剤は、前記水酸基
を有するアクリル酸またはメタクリル酸誘導体の
単量体100重量部に対して0.01〜30重量部、好ま
しくは0.05〜20重量部使用される。 水酸基を有するアクリル酸またはメタクリル酸
誘導体の重合体化反応は、前述の有機溶媒に単量
体、連鎖移動剤および重合開始剤を加え、50〜
200℃、好ましくは55〜150℃の温度で10分〜30時
間、好ましくは0.5〜25時間行なわれる。 このようにして重合体化された反応混合液から
重合体を回収するには、反応混合液を濃縮する
か、あるいはそのままもしくは有機溶媒で希釈し
て反応器から取り出し、10〜50倍容のエチルエー
テルなどのような貧溶媒中に滴下して重合体を沈
澱させ、別したのち、乾燥するなどの任意の方
法をとることができる。 得られる片末端にアミノ基を有する重合体は、
蒸気圧浸透法(Vappr Pressure Osmometry
Method)で測定した数平均分子量が約1000〜約
20000である(以下の数平均分子量は同一の測定
法によるものである)。 また、マルチブロツク共重合体の製造に使用さ
れる両末端にアミノ基を有するアクリル酸または
メタクリル酸誘導体重合体は、連鎖移動剤として
分子中に2個のアミノ基を有するジスルフイド類
の存在化に、水酸基を有するアクリル酸またはメ
タクリル酸誘導体を、前記片末端にアミノ基を有
するアクリル酸またはメタクリル酸誘導体重合体
の製造の場合と同様な条件下で反応させることに
よつて合成される。 このようなジスルフイド類としては、ビス―
(アミノエチル)ジスルフイド、ビス―(アミノ
プロピル)ジスルフイド、ビス―(2―アミノフ
エニル)ジスルフイド、ビス―(3―アミノフエ
ニル)ジスルフイド、ビス―(4―アミノフエニ
ル)ジスルフイド、ビス―(2―アミノエチルフ
エニル)ジスルフイド、ビス―(3―アミノエチ
ルフエニル)ジスルフイド、ビス―(4―アミノ
エチルフエニル)ジスルフイド等がある。 このようにして得られる両末端にアミノ基を有
する重合体は、数平均分子量約1000〜約20000で
ある。 本発明の方法によりポリアルキレンオキサイド
連鎖として用いられる両末端にイソシアナート基
を有するポリアルキレンオキサイドは、ジイソシ
アナート類の1個の官能基を保持したままもう1
個の官能基を選択的に、ポリアルキレングリコー
ルに有機溶媒中、所定の官能基濃度、官能基比、
温度で反応させることによつて合成される。 本発明に使用する両末端に水酸基を有するポリ
アルキレングリコールとしては、次の一般式 (式中、R6は水素原子またはメチル基、R7
炭素原子数1〜3個を有するアルキレン基、lは
10〜1100の整数を表わす)で示される。その代表
例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールなどがある。 これらの重合体は、再沈澱または分別沈澱法な
どを用いることによつて分子量1000〜20000好ま
しくは5000〜10000の範囲に渡つて任意の単分散
性の高い分画成分を得ることができる。 ジイソシアナート類としては、脂肪族または芳
香族ジイソシアナート、例えばm―フエニレンジ
イソシアナート、p―フエニレンジアソシアナー
ト、1―クロロ―2,4―フエニレンジイソシア
ナート、2,4―トリレンジイソシアナート、
2,6―トリレンジイソシアナート、3,3′―ジ
メチル、4,4′―ビフエニレンジイソシアナー
ト、3,3′―ジメトキシ―4,4′―ビフエニレン
ジイソシアナート、2,2′,5,5′―テトラメチ
ル―4,4′―ビフエニルレンジイソシアナート、
4,4′―メチレンビス(フエニルイソシアナー
ト)、4,4′―メチレンビス(2―メチルフエニ
ルイソシアナート)、4,4′―スルフオニルビス
((フエニルイソシアナート)などがある。前記重
合体へのジイソシアナート類の付加反応は有機溶
媒中でイソシアナート基対水酸基の官能基比が約
2対1の割合で官能基濃度0.002〜0.20M/lに
調整し、60〜120℃、望ましくは80〜90℃の温度
で20〜75時間、望ましくは30〜50時間行なわれ
る。 有機溶媒としては、クロルベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ベンゼンなどがある。 このようにして得られた反応混合液は所定時間
経過後未反応ジイソシアナート類がほぼ消失する
ので、再沈澱精製の際に生起すイソシアナート基
の失活を避けるために、さらに精製することな
く、そのままつぎの反応に用いることができる。 また、ポリスチレン連鎖として用いられる両未
端にイソシアナート基を有するポリスチレンは、
ジイソシアナート類の1個の官能基を保持したま
まもう1個の官能基を選択的にポリスチレンに、
ポリアルキレンオキサイド連鎖の製造の場合と同
様な条件下に反応させることによつて合成され
る。 得られた片末端および/または両末端にアミノ
基を有するアクリル酸またはメタクリル酸誘導体
重合体と両末端にイソシアナート基を有するポリ
アルキレンオキサイドまたはポリスチレンとの高
分子反応は、前記アクリル酸またはメタクリル酸
誘導体重合体をN,N―ジメチルホルムアミド、
ベンゼン、アセトン、THF等の活性水素をもた
ない溶媒中で、前記ポリアルキレンオキサイドま
たはポリスチレンの反応混合液と、イソシアナー
ト基対アミノ基の官能基比が約1対1の割合で混
合し、官能濃度0.002〜0.2に調整し、−10〜15℃
望ましくは0〜10℃の温度で20〜75時間、望まし
くは30〜50時間行なわれる。 このようにして高分子反応させた反応混合液か
ら反応混合物を回収するには、反応混合液を有機
溶媒で希釈しては反応器から取り出し、10〜50倍
容のエチルエーテルなどの貧溶媒中に滴下して、
反応混合物を沈澱させ、別したのち、乾燥する
など任意の方法をとることができる。得られたブ
ロツク共重合体は分別沈澱法あるいは再沈澱法を
用いて、精製することができる。この場合、分別
沈澱法とは、プレポリマーである2種の重合体と
ブロツク共重合体の溶解性の温度依存性の相違を
利用したものであり、再沈澱法とは、各プレポリ
マーが可溶でブロツク共重合体が不溶であるよう
な溶媒中に再沈澱操作を繰返す方法である。 このようにして得られるブロツク共重合体は、
前記一般式で示されるA―B―A型ブロツク共
重合体またはA―B―A―B―A型のごときマル
チブロツク共重合体である。このようなブロツク
共重合体は、親水性と疎水性を有するミクロ相分
離構造を有するだけでなく、親水性部分の割合が
45〜65モル%、好ましくは55〜63モル%である場
合には、200〜5000Å程度の親水性と疎水性のラ
メラ構造、親水性を海とする海島構造となるので
抗血栓性が極めて優れたものとなる。 このようなブロツク共重合体は、前記糸の表面
に被覆される。被覆方法としては、該共重合体の
溶液中に前記糸と浸漬するかあるいはその他の方
法でその表面に塗布したのち乾燥することにより
行なわれる。その被覆の乾燥膜厚は0.1μm以
上、好ましくは1〜500μmである。 つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。 まず、両末端にイソシアナート基を有するポリ
アルキレンオキサイドの製造方法について詳述す
る。 重合体 A 数平均分子量7110のポリエチレングリコール
100gと2,4―トルエンジイソシアナート4899
gをクロルベンゼンで1400c.c.に定容し、80℃の温
度で48時間反応を行なつた。反応前の混合溶液
は、官能基比のイソシアナート基対水酸基を約2
対1、官能基濃度が約0.02M/になるよう調整
した。反応終了後、分析したところ1分子中にイ
ソシアナート基を平均1.96個有する数平均分子量
7460の重合体が得られた。この反応率は98%であ
つた。 重合体 B 数平均分子量1000のポリエチレングリコール
100gと2,4―トルエンジイソシアナート34830
gをクロルベンゼンで2000mlに定容し、重合体A
と同様に反応を行なつた。反応前混合溶液の官能
基比はポリマーAと同一、官能基濃度0.1M/
になるように調整した。1分子中のイソシアナー
ト基板が1.98、数平均分子量が350である重合体
が99%の反応率で得られた。 重合体 C 数平均分子量16000のポリエチレングリコール
100gと2,4―トルエンジイソシアナート2.176
gをクロルベンゼン2400mlに定容し、重合体Aと
同様に反応を行なつた。反応前の官能基比は重合
体Aと同一、官能基濃度は0.005M/になるよ
うに調製した、1分子中のイソシアナート基板が
1.96個、数平均分子量が16350である重合体が98
%の反応率で得られた。次に、片末端にアミノ基
を有するメタクリル酸誘導体重合体の製造方法を
詳述する。 重合体 D 重合管に、2ヒドロキシエチルメタクリレート
100g、α,α―アゾビスイソブチロニトリル
0.25g、2―アミノエタンチオール41.50gおよ
びN,N―ジメチルホルムアミド290.3gをそれ
ぞれ仕込み、真空下に封管し、60℃の温度に保つ
た恒温槽中で振りまぜながら8.5時間反応を行な
つた。反応終了後の反応混合物をアセトンで希釈
して重合管から取り出した後20倍容のエチルエー
テル中に滴下して重合体を沈澱させ、別後真空
乾燥したところ、1分子当りアミノ基導入率が1
モルである数平均分子量2640の重合体が21,50%
の収率で得られた。 重合体 E 2―アミノエタンチオール26.68g、反応時間
5時間の他は重合体Dと同一条件下で反応および
精製を行なつた。数平均分子量5200である重合体
が19.20%の収率で得られた。 重合体 F 2―アミノエタンチオール20.75g、反応時間
3.5時間の他の重合体Dと同一条件で反応および
精製を行なつた。数平均分子量が11270である重
合体が24.33%の収率で得られた。 重合体 G 2―アミノエタンチオール4.02g、反応時間
5.5時間の他は重合体Dと同一条件で反応および
精製を行なつた。数平均分子量が6400である重合
体が25.93%の収率で得られた。 重合体 H スチレン107gおよびp,p′―ジイソシアナー
トジフエニルジスルフイド7.5gを石英重合管中
に真空下で封止し、水銀ランプ照射下で12時間30
℃で反応を行つた。また、希釈液としてテトラヒ
ドロフランを用い、再沈溶媒として20〜50倍容の
ヘキサンを用いて精製を行なつた。数平均分子量
が10500である重合体が25.1%の収率で得られた
分子中に導入されるイソシアナート基数は2.01で
あつた。 重合体 I p,p′ジイソシアナートジフエニルジスルフイ
ド15gの他は重合体Hと同様な条件で反応および
精製を行なつた。数平均分子量が5500である重合
体が19.4%の収率で得られた。 次に、両末端にイソシアナート基を有するポリ
アルキレンオキサイドまたはポリスチレンと片末
端にアミノ基を有するアクリル酸またはメタクリ
ル酸誘導体重合体とを用いたブロツク共重合体の
製造方法を詳述する。 ブロツク共重体 A 重合体Aの濃度が7.1重量%であるクロルベン
ゼン溶液100gと重合体Fの濃度が7.1重量%であ
るN,N′―ジメチルホルムアミド302gを混合
し、0℃の温度で48時間高分子反応を行なつた。
反応前の官能基比のイソシアナート基対アミノ基
が約1対1、官能基濃度0.02M/なるよう調整
した。反応終了後の反応溶液をメタノールで希釈
して反応器より取り出し、20倍容のエチルエーテ
ルに滴下して反応混合物を沈澱させ、別後乾燥
し、反応混合物を回収した。この反応混合物をエ
チルセロソルブに加え、50℃の温度で加熱溶解し
た後、一旦0℃の温度まで冷却し、低温で不溶の
ポリマーAおよびブロツク共重合体を析出させ
た。その後25℃の温度まだ徐々に加熱し、この温
度でブロツク共重合体を溶解させ、沈澱している
未反応重合体Aを除去するために遠心分離機にか
け5000rpmの回転数で分離を行なつた。遠心分離
後の上澄み液を再び0℃の温度まで徐々に冷却
し、ブロツク共重合体を析出させ、この温度で溶
解している未反応ポリマーEを除去するため遠心
分離機にかけ5000rpmの回転数で分離し、沈澱物
を採取した。以上の分離操作を2度繰返し、最終
的に得られた沈澱物をメタノールで希釈して取り
出し、20倍容のエチルエーテル中に滴下してブロ
ツク共重合体を沈澱さ、別後真空乾燥し、数平
均分子量3000のブロツク共重合体が76%の収率で
得られた。 ブロツク共重合体 B〜C 第1表に示す他のブロツク共重合体Aと同一条
件で反応および精製を行なつた。 ブロツク共重合体 D〜E 反応前の官能基比のイソシアナート基対アミノ
基が約1対1、官能基濃度が0.02M/になるよ
うに調整した。反応終了後の反応溶液をメタノー
ルあるいはアセトンで希釈して反応器より取り出
し、20倍容のエチルエーテルに滴下して反応混合
物を沈澱させ、別後乾燥し、反応混合物を回収
して第1表に示すブロツク共重合体を得た。
【表】 実施例 1〜5 直径0.5mmのポリエステル撚糸を、ブロツク共
重合体A―Eの1重量%ジメチルホルムアミド溶
液に浸漬したのち引上げて乾燥することにより前
記撚糸の表面にブロツク共重合体と被覆した医療
縫合糸を得た。 参考例 1 実施例1〜5で得られた縫合糸および未処理の
ポリエステル縫合糸および(比較例1)およびポ
リテトラフルオロエチレン縫合糸(比較例2)を
用いて、5羽のウサギの大動脈の一部を切除し、
その切除端同士を縫合して両者を連結し、30日後
に該血管の縫合部位の縫合糸について血栓の生成
状態を調べたところ、第2表のとおりであつた。
なお、3匹の犬について同様に試験したところ、
10日後の結果は第2表のとおりであつた。
【表】 発明の具体的効果 以上述べたように、本発明は、糸の表面に、分
子量1000〜20000の親水性線状重合体と分子両
1000〜20000の疎水性線状重合体とをブロツク重
合してなるブロツク共重合体を被覆したことを特
徴とする医用縫合糸であるから、前記ブロツク共
重合体のために血栓が生成し難く、このため特に
血液との接触部位、例えば血管と血管同士、血管
と人工血管との縫合に好適である。 また、前記ブロツク共重合体は、親水性線状重
合体がアクリル酸またはメタクリル酸誘導重合体
であり、また疎水性線状重合体がスチレン重合体
またはポリアルキレン、グリコール、特にポリエ
チレングリコール、またはポリプロピレングリコ
ールであるので、安価でかつ入手しやすく、しか
も生体適合性が優れているので、生体内で埋設し
ても長期間使用が可能である。また、本発明によ
る縫合糸は表面が前記ブロツク共重合体であるた
めに、極めて抗血栓性が優れているにもかかわら
ず基材が糸であるので、繊維的強度は大である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 糸の表面に、分子量1000〜20000の親水性線
    状重合対と分子量1000〜20000の疎水性線状重合
    体とをブロツク重合してなるブロツク共重合体を
    被覆したことを特徴とする医用縫合糸。 2 親水性線状重合体がアクリル酸またはメタク
    リル酸誘導体重合体である特許請求の範囲第1項
    に記載の医用縫合糸。 3 疎水性線状重合体がスチレン重合体またはポ
    リアルキレグリコールである特許請求の範囲第1
    項または第2項に記載の医用縫合糸。 4 ポリアルキレングリコールがポリエチレング
    リコールまたはポリプロピレングリコールである
    特許請求の範囲第3項に記載の医用縫合糸。 5 糸は合成繊維である特許請求の範囲第1項な
    いし第4項のいずれか一つに記載の医用縫合糸。 6 糸は天然繊維である特許請求の範囲第1項な
    いし第4項のいずれか一つに記載の医用縫合糸。 7 糸は単糸、編糸または撚糸である特許請求の
    範囲第5項または第6項に記載の医用縫合糸。 8 ブロツク共重合体の親水性線状重合体と疎水
    性線状重合体の合計に対する親水性線状重合体の
    割合が45〜65モル%である特許請求の範囲第1項
    ないし第7項のいずれか一つに記載の医療縫合
    糸。 9 ブロツク共重合体被覆の膜厚は0.1μm以上
    である特許請求の範囲第1項ないし第8項に記載
    の医用縫合糸。 10 ブロツク共重合体被覆の膜厚は1〜500μ
    mである特許請求の範囲第9項に記載の医用縫合
    糸。
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