JPS6160785B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は単一素子型印刷装置の活字素子を制御
する装置に関する。

米国特許第4094397号（特公昭57−43780号）に
は、米国特許第3983984号（特公昭57−41624号）
に開示するような単一素子型タイプライタ上で活
字ヘツド即ち活字素子が回転する量を制御し且つ
決定するのに有用な摺動子（織機の梭のようなも
の、シヤトル）及び摺動ブロツクが開示される。

米国特許第4094397号は、米国特許第3983984号
に開示したことを引用し、後者のシステムに含ま
れる摺動ブロツク１８を置換してそのシステムを
改良した装置を開示している。

この明細書は後者を引用した前者を更に引用す
るものである。ここでは冗長で不必要な記載を避
けるため前者の米国特許第4094397号の摺動子及
び摺動ブロツクの構成を本発明の改良構成ととも
に開示することにする。

本発明の目的は、駆動装置の最大負荷を増さず
に、選択制御システムと回転量決定停止部材との
間の力を増大させることにある。

本発明の他の目的は、活字ヘツドを確実に位置
付けるため活字ヘツドが不所望量移動することを
少なくすることにある。

米国特許第4094397号に開示された型の選択シ
ステムでは、摺動子及び摺動ブロツクが種々の停
止部材に向かつてバネで押付けられ、このとき摺
動ブロツクが移動する量がタイプライタの活字ヘ
ツドの回転移動量を決定する。

摺動ブロツクを停止部材に係合させる際の力を
増すためには、摺動ブロツクに対して与えられひ
いては停止部材に伝達されることになるバネ偏倚
力を増す必要がある。米国特許第3983984号に完
全に開示された印刷揺動機構に見られるような選
択システムのラツク・ピニオン部分の特にラツク
とタイプライタ枠との間に張力バネを付加すると
上記の力を増すことができる。摺動ブロツクと摺
動子との間のバネ力を増す代りにタイプライタの
枠とラツクとの間にバネを加えることによつて、
付加されたバネによる力が摺動ブロツクと停止部
材との間の係合力を所望の通り増すよう有効に働
く。これによつて選択駆動モータにかかる最大負
荷を増さなくて済み従つてモータも大きいものを
使う必要がない。これは以下の理由のせいであ
る。即ち駆動モータは一般的なマシン・サイクル
中任意のある時間に２個のバネのうちの一方のみ
にエネルギを貯えるよう働く。従つて駆動モータ
に関する限りマシン・サイクル中普通なら浪費さ
れてしまう期間を活用することになる。ここに開
示する張力バネの代りに、ラツクの反対側に作用
する圧縮バネを該ラツクとタイプライタ枠との間
に位置付けるよう構成することもできるが張力バ
ネの方がうまく働く。このように改良して構成し
たバネを含めることにより選択システムの信頼性
を高くする。何故ならばバネがシステム全体を常
時一方向に偏倚させておくので誤差が累積するこ
とがなくなり、またこれによつて活字素子のヘツ
ドの遊びも減らせるからである。活字素子の遊び
を減らすと、印刷動作の前に行なう活字素子のテ
テント（回転止め）動作も簡単になりこの信頼性
も非常に高くなる。

以下に本発明の実施例の構造を詳細に説明する
が、上述のように本明細書中に引用する米国特許
の参照番号はここでも同じものを使用する。

第１図に於て、モータ駆動シヤフト１０はモー
タ８によつて回転駆動される。シヤフト１０が回
転されると、摺動子１００はシヤフト１０の軸方
向に往復移動する。第４図（米国特許第4094397
号の第２図）に示したシヤフト１０の特に溝１１
６が、摺動子１００の一部に設けたピン１２６に
対して相互作用することによつてその摺動子１０
０がシヤフト１０に沿つて移動する。摺動ブロツ
ク１１８が摺動子１００とともに並進運動し、そ
の上の停止面１２２が第３図（米国特許第
3983984号の第３図、但し第３図の参照番号２０
は１２２に修正）に示した停止部材３２，３４の
面と係合するので、摺動ブロツク１１８が停止
し、これ以上摺動子１００が移動しようとしても
移動できずバネ１０８がその力を吸収することに
なる。バネ１０８は、停止面１２２が停止部材３
２，３４に対してとどまるよう確保するためのバ
ネ偏倚力を与える。この動作の詳細についてより
深く理解されたい方は如上の米国特許第4094397
号及び同第3983984号を参照されたい。

摺動ブロツク１１８がシヤフト１０の軸に沿つ
て軸方向に並進運動するので、摺動ブロツク１１
８に取付けられた運動増幅腕３０は静止点３１廻
りに枢動する。静止点３１はタイプライタ枠２７
の一部である。運動増幅腕３０が摺動ブロツク１
１８の運動に応じた並進運動をするので、その外
側の端部２９の変位は個々のレバー腕の長さに比
例する。運動増幅腕３０の端部２９はリンク５４
に取付けられ、第２図に示した揺動部材６８中に
それによつて支持されるように位置付けられたラ
ツク５６に腕３０からの運動を伝達する。ラツク
５６には２組の歯列が互いに向き合つた形態で設
けられる。ピニオン５７はラツク５６中の一方の
歯列と係合でき、活字素子６０に作用結合され
る。

ラツク５６を第１図の右下方に引張るよう該ラ
ツク５６に取付けられるのは張力バネ９０であ
る。張力バネ９０は、その反対側の端部が取付け
られた枠部材２７に向かつてラツク５６を偏倚す
るよう作用する。この偏倚は、製造時並びに組立
時の誤差が片寄るよう且つなくなるようそのシス
テム中の全ての遊びを累積し、また活字素子６０
が摺動ブロツク１１８の個別の全ての位置に斉一
に位置付けられるようにする。

揺動部材６８の枠とラツク５６との間の圧縮バ
ネ力としてバネ１０８に似たバネ構成を使用する
代替実施例が第２図に示される。この圧縮バネ９
２の力は、第１図のバネ９０によつて与えられる
バネ張力に実質的に等しくできる。何故ならラツ
ク５６に与えようとする両者のバネ偏倚力が摺動
ブロツク１１８に与えるバネ偏倚力を同じ方向の
ものだからである。

最初にシヤフト１０が回転し、その回転の結果
第４図に示すような溝１１６及びピン１２６との
相互作用により摺動子１００が揺動する際、バネ
１０８はその停止面１２２が第３図に示すような
文字選択用即ち活字素子の回転量又は傾け量決定
用の停止部材３２又は３４に係合するまで摺動子
１００の端部に摺動子ブロツク１１８を維持す
る。尚、停止部材３２は摺動子１００の停止面１
２２の移動経路内に設けられた固定の停止部材で
ある。また複数個の停止部材３４は夫々１単位、
２単位、４単位等の所定の幅を有し、オペレータ
の押したキイに応じて選択的に固定停止部材３２
の前に出入りできるように可動である。そのため
各停止部材３４は第３図の紙面に直角の延びてい
て枢支された対応するインターポーザ３４の先端
に設けられ、個別に枢動可能である。可動の停止
部材３４が固定停止部材３２の前に入り込んでい
ると、第３図の右方から（第４図では右方に）移
動される摺動子ブロツク１１８上の停止面１２２
を固定停止部材３２よりも手前の位置で停止させ
る働らきがある。種々の幅の停止部材３４によつ
て変化される停止位置が運動増幅腕３０を通じて
ラツク５６、ピニオン５７間の相対的な変位量を
変え、活字素子６０の回転量又は傾け量を変えて
種々の文字を選択できることは前述の米国特許で
も詳細に説明されたとおりである。

停止面１２２が停止部材３２，３４と係合して
抗力を受けるとき、バネ１０８は停止部材にほぼ
一様な力を維持しつつ変形し始める。前述の移動
中、運動増幅腕３０が摺動ブロツク１１８ととも
に（該ブロツク１１８が停止するまで）移動する
ので引張バネ９０も変形することになる。引張バ
ネ９０中に貯えられた張力はシヤフト１０に沿つ
てブロツク１１８を偏倚する力に加わり、摺動ブ
ロツク１１８を摺動子１００の端部に維持する上
でバネ１０８を効果的に補助する。停止面１２２
が上記停止部材３２，３４と係合し、摺動ブロツ
ク１１８がこれ以上移動できなくなると、引張バ
ネ９０からラツク５６及びリンク５４を介して与
えられる力は、バネ１０８から摺動ブロツク１１
８に伝えられる力に加わることになる。これは停
止面１２２とこれに係合する任意の停止部材３
２，３４との間の係合力を高める。シヤフト１０
が更に回転し、摺動子１００だけが更にシフト移
動してバネ１０８が変形されていくとき、バネ９
０は静止平衡状態にあり、駆動モータ８の作用を
受けない。マシン・サイクルのこの時点ではバネ
１０８にエネルギが貯えられるだけである。

シヤフト１０が更に回転し続け、摺動子１００
が（摺動ブロツク１１８に対し）第１図の左方に
移動して行くときバネ１０８が、その中に以前貯
えられたエネルギを放出することになる。この力
は摺動子１００を逆方向に移動させる助けとな
る。摺動ブロツク１１８が摺動子１００の端部に
復帰するとき摺動子１００が移動して運動増幅腕
３０を第１図の時計廻り方向に枢動させることに
なり、リンク５４及びラツク５６を押してピニオ
ン５７及び活字素子６０をホーム位置、即ち選択
を行なわないときそれらが通常占める位置へ戻
す。

リンク５４を押すのに応じてラツク５６が移動
するとき、引張バネ９０は引伸されエネルギがこ
の中に貯えられる。尚、引張バネ９０を引伸すた
めの余分の負荷が駆動モータ８にかかるが、本発
明を使用しない場合にバネ１０８を変形させるた
めのモータ負荷を過大にする欠点は避けられる。
上述のように摺動ブロツク１１８が摺動子１００
の端部と面接触による係合をするよう戻つた後で
のみ引張バネ９０にはエネルギが貯えられるか
ら、バネ１０８には何の作用も働らかない。

逆に、バネ１０８の方は、停止面１２２が停止
部材に係合して拘束力を受け始めつつ摺動子１０
０が更に移動して行くとき変形されるが、マシ
ン・サイクル中のそのように拘束力を受けている
一部の期間のみ作用を受ける。摺動子１１８が停
止するとラツク５６も停止し、その時点でバネ９
０に関しては変位が生じない。バネ９０が変形さ
れていない、即ち変形を許容されないので、バネ
１０８に作用しているときはバネ９０に或いはバ
ネ９０から働らく作用はない。

この構成は、モータ８がシヤフト１０を駆動す
るが、バネ９０か又はバネ１０８のどちらか一方
にのみ作用するが、両方に同時に作用させない構
成である。従つてバネ１０８が、シヤフト１０の
回転によりその中にエネルギを貯えることをして
いない期間がマシン・サイクル中の大部分の期間
なので、モータ８の最大負荷を増すことなくモー
タ８による仕事をさせることができ、モータの大
きさ或いはその駆動能力の大きいものを必要とし
ない。

第２図の代替実施例では、バネ１０８の構造及
び特性と実質的に等価な圧縮バネ９２を使用す
る。この圧縮バネ９２は、リンク５４に作用し、
ひいては揺動部材５６に圧縮力を与えるよう揺動
部材の枠６８とラツク５６との間に取付けられ
る。この機能は第１図の引張バネを含む実施例と
同じである。

バネ９２にかかる負荷又はそれに与えられる作
用は、摺動子１００がそのホーム位置に戻つて行
くときのマシン・サイクル部分中に生じ、バネ１
０８が圧縮されているとき若しくは撓んでいると
きのマシン・サイクル部分中には生じない。この
ように、張力バネ９０又は撓み（圧縮）バネ９２
のいずれが使用されるかに拘らず、これらの個々
のバネ９０，９２の負荷はバネ１０８に作用して
いない、マシン・サイクルの期間中に生じ、駆動
モータ８にかかる最大負荷を増大させない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、米国特許第4094397号に開示された
摺動子及び摺動ブロツクとこれに加えた改良構造
を示す図である。第２図は、第１図に見られる引
張バネの代りにラツク上に与えられた圧縮バネを
示す図である。第３図は、米国特許第3983984号
の第３図に開示された、摺動ブロツクの停止面と
種々の停止部材との関係を図式的に示す図であ
る。第４図は、米国特許第4094397号の第２図に
開示された、シヤフトの溝と摺動子のピンとの関
係を示す図である。 ８…モータ、１０…シヤフト（以上、駆動手
段）、２７…タイプライタ枠、３０…運動増幅
腕、３２，３４…停止部材、５４…リンク（３
０，５４……「運動増幅腕」）、５６…ラツク、５
７…ピニオン、６０…印刷素子、９０…引張バ
ネ、９２…圧縮バネ（９０，９２……「第２偏倚
手段」）、１０６，１０８…圧縮バネ（「第１偏倚
手段」）、１００…摺動子（「被駆動子」）、１１８
…摺動ブロツク（「被駆動ブロツク」）、１２２…
停止面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数個の活字文字を有する印刷素子と、該印
   刷素子を文字選択の為回転させるよう該印刷素子
   に連結されたピニオンと、該ピニオンを回転させ
   るラツクと、該ラツクを移動させる為の運動増幅
   腕であつて枢支点を有し、該枢支点から遠い位置
   で上記ラツクに連結され且つ該枢支点から近い位
   置で、変位可能な被駆動ブロツクに連結された上
   記運動増幅腕と、上記被駆動ブロツクを載置する
   被駆動子と、上記被駆動子を往復運動させる駆動
   手段と、上記印刷素子の回転量を変えるため上記
   被駆動ブロツクの移動径路に出入りできるよう配
   設された少なくとも１個の停止部材と、上記被駆
   動ブロツクを上記停止部材に向けて偏倚するため
   上記被駆動子と被駆動ブロツクとの間に連結され
   た第１偏倚手段と、上記第１偏倚手段が上記被駆
   動ブロツクを偏倚するのと同じ方向に上記ラツク
   を偏倚するよう上記ラツクと上記印刷装置の枠体
   との間に連結された第２偏倚手段とを含む単一素
   子型印刷装置用の文字選択装置。