JPS6160619B2 - - Google Patents

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JPS6160619B2
JPS6160619B2 JP7372378A JP7372378A JPS6160619B2 JP S6160619 B2 JPS6160619 B2 JP S6160619B2 JP 7372378 A JP7372378 A JP 7372378A JP 7372378 A JP7372378 A JP 7372378A JP S6160619 B2 JPS6160619 B2 JP S6160619B2
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JP
Japan
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complex
transfer function
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echo
filn
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Application number
JP7372378A
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English (en)
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JPS551707A (en
Inventor
Hiroshi Sakaki
Sotokichi Shintani
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KDDI Corp
Original Assignee
Kokusai Denshin Denwa KK
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Publication date
Application filed by Kokusai Denshin Denwa KK filed Critical Kokusai Denshin Denwa KK
Priority to JP7372378A priority Critical patent/JPS551707A/ja
Publication of JPS551707A publication Critical patent/JPS551707A/ja
Publication of JPS6160619B2 publication Critical patent/JPS6160619B2/ja
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H17/00Networks using digital techniques
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B3/00Line transmission systems
    • H04B3/02Details
    • H04B3/20Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other
    • H04B3/23Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other using a replica of transmitted signal in the time domain, e.g. echo cancellers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は演算手数の少ない、収斂の早い伝達関
数推定器に関するもので、電気通信におけるエコ
ーキヤンセラとして利用することが出来る。
ここでまずこの種の装置の役割について示す。
図1がこれに関する図である。図に於てEPはエ
コーパス、SEPは推定エコーパスであり、ADは
加算器、S1,S2は一定間隔T秒毎に信号をサンプ
ルするサンプラである。S1,S2は連動して働く。
KCは加算器ADの出力および後述のIO点の信号
を元にカルマン制御を行ない、EPの推定値SEP
の値を計算するカルマン制御器である。AD,
SEP,KCを総合して伝達関数推定器TSとする。
図中実線は単リード線を、二重線は多リードから
成るベクトル線を、細一点鎖線は装置部分の境界
を示す。この記法は本発明の図全体に用いる。点
Iは信号入力点を、点Oは誤差出力点、点EPO
は伝達関数推定器TSのエコーパスEP側入力点、
IOはTSの信号入力側入力点を示す。次に伝達関
数推定器TSの動作を示す。信号入力点IよりO
〜1/2T(Hz)の周波数帯域を持つ信号が入力す る。これがエコーパスEPを通り、T秒周期サン
プラS1でサンプルされて加算器ADへ正符号で入
る。一方、信号加算器Iより入力した信号はサン
プラS2を通り、T秒周期のサンプルされた信号と
なつてTSの信号入力側入力点IOに至る。点IOよ
り伝達関数推定器TSに入つた信号は推定エコー
パスSEPを通り加算器ADへ負符号で入る。ADの
出力は誤差出力点Oに誤差出力として出る。カル
マン制御器KCは、点O出力の2乗の和を最小に
するという意味で誤差を最小にするように推定エ
コーパスSEPを最適化するように、TSの信号入
力側入力点IOに於ける信号および点O出力であ
る誤差出力を元に動作する。すなわち伝達関数推
定器TSはできるだけ近く、推定エコーパスSEP
をエコーパスEPに似せて誤差出力を小さくする
ように働らく。なおTSは入力の直前にサンプラ
S2を持ちサンプリングモードで働らくが、これは
信号入力点Iへ入る信号がO〜1/2T(Hz)であり ナイキストのサンプリング条件を満すので何ら情
報の減少を来さず、例えば誤差出力点Oの出力を
連続信号として利用したい場合には点Oの後にO
〜1/2T(Hz)の低減波器を置けばよい。
次に、従来方式の伝達関数推定器TSの構成法
を図2により述べる。この従来方式については、
昭和52年電気学会全国大会に於ける“板倉、西
川、田中;カルマンフイルタを用いたエコーキヤ
ンセラ”に詳細に述べられている。従来方式の説
明の後本発明に基く伝達関数推定器TSの構成法
を順次示していくことにする。図2が従来方式の
TSの構成法である。図2に於ては図1との対応
を完全にするためエコーパスEP、サンプラS1
S2をも書き加えてある。図2中、新たに表われた
線である三重線は行列の内容を転送する行列線で
ありベクトル線のリード数の2乗の値のリード数
を持つものである。図2に於てTDL1,TDL2
タツプ長M(Mはあるきめられた整数)のタツプ
付遅延線、HRはレジスタ群、M1…M8は乗算器、
AD,AD1…AD4は加算器、G1,G2は集線器、I
は逆数発生器、SIは符号逆転器、Uは単位行列発
生器、Pはレジスタである。このほか前の図1と
同じくS1S2はT秒毎に信号をサンプルするサンプ
ラ、EPはエコーパス、SEPは推定エコーパス、
KCはカルマン制御器、点Iは信号入力点、点O
は誤差出力点,点EPOは伝達関数推定器TSのエ
コーパスEP側入力点、IOはTSの信号入力側入力
点を示す。
図2の従来方式の動作を以下説明する。まず推
定エコーパスSEPの部分から説明する。タツプ付
遅延線TDL1は伝達関数推定器TSの信号入力側入
力点IOに於ける、時刻k(kは整数値を取る時
間変数とする)に於ける入力信号xkとすると なる入力ベクトルxkを発生する。レジスタ群HR
は推定エコーパスSEPの状態であるM元のタツプ
ベクトルhkを記憶する。乗算器M1はxkとhk
対応する要素を乗算する部分であり集線器G1
M1出力を総和する部分でありM1とG1の2つの部
分の働きで yk=x k (2) の演算を行いスカラ量ykを発生する。Tは本発
明中では行列の転置をあらわす。すなわち推定エ
コーパスSEP出力は式(2)により与えられるyk
ある。加算器AD2の働きは後でカルマン制御器
KCの働きに関する所で述べる。次にカルマン制
御器KCの動作について述べる。タツプ付遅延線
TDL2はTDL1と全く同じ構成を持つものであ
り、この出力はもちろん入力ベクトルxkであ
る。レジスタPは後の演算の過程で明らかになる
M×M行列Pkを記憶する部分である。乗算器M2
はレジスタPの出力のPkとxkの乗算をを行いP
kkなるM元ベクトルを出力する。乗算器M3
M2の出力の各要素とタツプ付遅延線TDL2の出力
kに対応する各要素を乗じ、集線器G2はM3の出
力を集線総和する。M3とG2によりx kkのス
カラ出力を出す演算を行なう。点R2はγなる
パラメータを入力するγの入力点であり、通常
は固定数値を入れればよいものであり本発明では
今後この点は図示はしていないが適当なγなる
数値を発生する回路に接続されているものと考え
る。加算器AD1はγの値と集線器G2の出力を加
算する。
逆数発生器IはAD1の出力の逆数を発生する。
乗算器M4はM2の出力のPkkなるM元ベクトル
にIの出力のスカラ量を乗じる乗算器である。
M4の出力をKkとおくとこれは今迄述べて来たこ
とにより Kk=Pkk/(=x kk+γ) (3) として与えられる。乗算器M5はKkなるM元ベク
トルと加算器ADの出力である誤差出力ekを乗じ
る部分であり、この出力Δhkは Δhk=Kkk (4) で与えられるM元ベクトルである。なおエコーパ
スEPの出力をS1でサンプリングした結果をyk
おくと、もちろんADの出力ekは ek=yk−yk (5) として与えられる。M5の出力のΔhkをレジスタ
群HRにたくわえられていたタツプベクトルhk
加算して次のタイムスロツトに於けるHRの情報
k+1〓を得る操作が加算器AD2により行われ
る。すなわち hk+1=hk+Δhk (6) の操作が行われる。一方図2はいまひとつの調整
個所を持つている。これの説明を以下に行う。レ
ジスタPの出力Pkとタツプ付遅延線TDL2の出力
kが乗算器M6により乗じられN元ベクトル=x
kが発生する。このM6の出力が、乗算器M4
出力であり式(3)で与えられるKkとの乗算が乗算
器M7により行われ、M×M行列Kk kが発生
する。このM×M個の情報を伝達する、M2本の
リードからなる線は前述したようにN本のリード
を持つ二重線であらわしたベクトル線と区別して
3重線で示す行列線であらわした。M7の出力Kk
=x kは符号逆転器SIにより符号逆転され、加
算器AD3によりレジスタP出力Pkが加算され、
AD3出力としてPk−Kk=x kが発生する。
点R1よりパラメータとして入力するスカラ量
γと単位行列発生器Uより発生する単位行列I
が乗算器M8により乗算されγ1Iとなつたものが加
算器AD4によりAD3出力に加算されるのでAD4
力はPk−Kk k+R1Iとなる。この場合点R1
へは通常は固定値γを入れればよいものであり
点R2の場合と同じく本発明ではこの点は図示は
していないが適当なγなる数値を発生する回路
に接続されているものと考える。さてAD4の出力
は新しいk+1番目の時刻のPレジスタの内容P
k+1となる。すなわち Pk+1=Pk−Kk k+γ1I= (I−Kk )Pk+γ1I (7) このようにして図2の従来形伝達関数推定器TS
はT秒毎にサンプラS1S2をはたらかせつつデータ
を読み込み、推定エコーパスSEP、カルマン制御
器KCを動作させPレジスタの内容Pkおよびレジ
スタ群HRの内容hkを更新して行きHRの内容hk
をエコーパスEPに近付けて行き誤差ekを小さく
するように動作する。パラメータγγは図2
に示すTSの系を最適に動作させるために入力す
るものであり、エコーパスEPの時間変動が大き
い場合にはγとしてO以外のある値、又EPが
雑音を発生する場合にはγに雑音電力と同じ程
度の値を選ぶとSEPはEPに早く収斂する。図2
の構成はもしもEPの変動、雑音が無ければタツ
プ付遅延線、TDL1,TDL2のタツプ数Mと同じ
タイムスロツト数で収斂に至り非常に早い。これ
がカルマン形伝達関数推定器の利点である。しか
しながらこの構成は乗算器M6,M7に於て1タイ
ムスロツト毎にM2個の乗算を要し演算手数が非
常に大きなものになる。特にMが通常の伝達関数
推定器の適用範囲である300程度になると演算量
が既存のハードウエアでは追付けないほど大きく
なる。これがカルマン形伝達関数推定器がそのす
ぐれた早期収斂性にもかかわらず実用化されなか
つた理由である。
従つて本発明は従来の技術の上記欠点を改善す
るもので、その目的は、カルマン形伝達関数推定
器の収斂の良さを保ち、かつ演算手数を少なくし
た帯域分割カルマン形複素伝達関数推定器を提供
することにある。
はじめに本発明の主要部をなす帯域分割の適用
に関して述べる前に、本発明の一部をなし、図2
に示される従来のカルマン形伝達関数推定器の改
良について述べる。この改良行つた結果を図3に
示す。図3は本発明の一部をなす複素数形伝達関
数推定器の図である。図3に於て点X1…X23Y1
M5R1R2を定義する。これは図4以下の図3との
関連を示す用途に主に用いられる。図3は表面的
には従来形の図である図2の構成に点X1X2間に
入る共役複素数発生器Cを追加したものである。
以下図3についての説明を行なう。以前に図2の
従来方式に関して述べたことの全てのことがらが
図3の複素数形伝達関数推定器に関して成り立
つ。ただしこの場合図3に於て取り扱う数を全て
複素数とし、レジスタPの内容のPk等の全ての
係数および信号も複素数とし、又乗算器、加算器
等は全て複素数演算を行うものとする。すなわち
図2,3上での変更点はごくわずかであるが実質
的には非常に大きな変化が生ずる。図3の構成は
音声信号等実時間信号に対応する伝達関数推定器
には必要なかつたものであるが、帯域分割を適用
する本発明の主要部に於けるがごとく複素数時間
関数に対応しなければならない場合はぜひとも必
要である。共役複素数発生器Cは入力の実数部は
そのままに、虚数部はその符号を変えて出力す
る。すなわち入力の共役複素数を出力として発生
する部分である。
又図2に於ける従来形の構成と区別するため従
来形の伝達関数推定器TS、カルマン制御器KC、
推定エコーパスSEP、加算器ADに夫々対応する
複素数形伝達関数推定器に於ける部分を、複素伝
達関数推定器TSC、複素カルマン制御器KCC、
複素推定エコーパスSEPC、複素加算器ADC等と
記す。又SEPC,KCCの各構成要素に対しても、
複素数を取り扱かう部分であることを示すために
Cの字を後に附加して表示する。すなわち、
TDL1C,TDL2Cはタツプ長M(Mはあるきめら
れた整数)の複素タツプ付遅延線HRCは複素レ
ジスタ群、M1C…M8Cは複素乗算器AD1C,
AD1C…AD4Cは複素加算器、G1C,G2Cは複素集
線器、SICは複素符号逆転器、PCは複素レジス
タである。Iの逆数発生器、Uの単位行列発生器
は図2中のそれと構造的に変わらず、そちろんサ
ンプラS1S2エコーパスEPは、全く図2のそれと
変らない。
このような構造上の変更に伴い式(3)は Kk=Pkk/(x kk+γ) (3)′ に変わる。他の式はそのまま用いることができる
が、ただ式中の文字は全て複素数をあらわすもの
となる。すなわち(1)(2)(4)(5)(6)(7)は複素数をあらわ
す式として成立し、式(3)は式(3)′にさしかえられ
る。式(3)′を式(7)に代入すると Pk=Pk−Pk kk/ (x kk+γ)+R1I (8) を得るが、これに含まれるx k,=x kk

それぞれ複素時間関数の電力および行列Pkによ
り重み付けされた複素時間関数の電力を与える式
であり、これらは正実数として得られ、装置は正
しく働らく。このように、複素時間関数を取り扱
かうために、伝達関数推定器に共役複素数発生器
Cの導入が必要である。
次に図3の各部の細部構成を図4以下に示す。
タツプ付遅延線のタツプ数Mが3の場合について
示すが、Mは任意でよくここに示す構成がMの数
の任意性をそこなうものではない。図4がタツプ
付遅延素子TDL1C又はTDL2Cの複合形詳細図で
ある。点Y4又はX1は3点より成り立つている、
これらを遅延の少い順に図に示すようにX11
X12,X13等とする。複合形とは、複素数の構成要
素である実数部虚数部を一括してあらわす方式と
し、これに対して分割形は、これら要素を別々に
示す方式とする。図4に於ては複素数を伝送する
単リード線は図3の表現と同じく単線で示すこと
にする。すなわち各実線は実数線と虚数線の2本
の線より成るものである。図3の表現はもちろん
複合形の表現である。図4に於てTはT秒の複素
数用単位遅延をあらわす。図5は図4と同じ部分
を分割形表現で示す。なお、太い点線は実数の伝
送路を表し、太い一点鎖線は虚数の伝送路を表わ
す。以下他の図面も同様とする。点Y41X11等がさ
らに2つの点に分割されている。図5中Tと記し
たものは通常の単位遅延をあらわす。このように
正確な記述の必要性、表現の容易さの必要性に応
じてこれら複合形、分割形表現を使いわけること
にする。図5でわかるようにTDL1C,TDL2Cは
T秒クロツクで動作しているシフトレジスタ等に
より実現できる。図6が複素乗算器M1Cの構成を
複合形で示す図である。図4に関しても述べたが
図3の各部の詳細図に於て点Xi,Yi(iは整
数)の構成要素はそれぞれベクトル線に関する点
にあつてはXij,Yij(ijは整数jは1…3の値を
取る)と行列線に関する点にあつてはXijk
(i,j,kは整数j,kは1…3の値を取る。)
と副そえ字をそえてあらわすことを行い、その各
構成要素の相互位置関係は関連する各詳細図間で
同じようにする図のえがき方を取る。M1Cを構成
する各乗算器M1i(i=1,2,3)はそれぞれ
単一の複素数乗算器をあらわし、例えばM11の構
成は分割形で書くと図7に示すようになる。図7
に於てM111〜M114等は単一の実数用乗算器、
ADM11,ADM12は通常の実数用加算器、SIM11
通常の実数用符号反転器である。これらは現在用
いられている電子卓上計算器と同様のハードウエ
アで構成できる。図8は複素集線器G1Cを分割形
で示した図である。ここでG11,G12は通常の実数
形加算器である。図9は複素加算器AD2Cと複素
レジスタ群HRCの構造を同時に分割形で示した
ものである。図9中AD211〜AD232はそれぞれ単
一加算器、HR11,HR12…HR32は各1キヤラクタ
ーのRAM(Random Access Memory)である。
図10は共役複素数発生器Cの構成を分割形で示
す図である。SIC1〜SIC3は単一の符号逆転器で
ある。以上、複素数の演算についての理解を深め
るために、又実際に行われている複素演算の状況
を示すために分割形の記法を用いた実数分解によ
る演算について述べて来た。図5は、図4の複素
数演算に対する実数分解による遅延演算、図7は
図6に示す複素数乗算の実数分解による演算の方
法、図8は加算の実数分解による演算について、
図9は複素数の記法、図10は複素共役数発生の
実数分解による演算についてそれぞれ述べて来
た。これにて複素数演算の詳細の説明が行われた
と思われるので、今後は記述の簡単のために複合
形で図3各部の記述を行なう。図11は複素レジ
スタPCの構造である。P11…P33はそれぞれRAM
で構成され、それぞれPkの対応する番号の複素
数の要素を記憶する。図12は複素乗算器M2Cの
詳細を複合形にて画いたものである。M2Cは前述
したように3×3行列Pkと3元ベクトル線xk
乗算を行ない、3元ベクトルPkkを求める部分
である。M211C〜M233Cは図7で示される複素数
乗算器であり、ADM21C,ADM22C,ADM33Cは
複素数加算器である。図13はM3CとG2Cの構造
を複合形であらわしたものである。M31C,
M32C,M33Cは複素数乗算器でありG2Cは1つの
加算器G2Cより成り立つている。なお複素加算器
ADCは単一の複素数加算器で実現でき、逆数器
Iは実正数の逆数を求めるもので電子卓上計算器
の逆数演算を行う回路と同様な方法で構成でき
る。複素乗算器M4Cは複合形であらわすと図14
の構成をとる。M41C,M42C,M43Cは単一の複
素数乗算器である。M5Cは図14のM4Cと同じ構
成をとる、但しこの場合X10の点X7にX5がX11
に、X11がX12に対応する。図15は複素乗算器
M6Cを複合形であらわした詳細図である。M611
M633は複素数乗算器、ADM61〜ADM63は加算器
である。図16は複素乗算器M7Cを複合形で書い
た詳細図である。M711〜M733は複素数乗算器であ
る。符号逆転器SICの回路は動作が自明であるの
でこれの詳細図は省略する。又複素加算器
AD3C,AD4Cはそれぞれ9個づつの単位複素数
加算器で構成できるが、その構成は容易にわかる
ので省略する。単位行列発生器Uは図17のごと
き構成になる。U11〜U33はROM(Read Only
Memory)で構成できる。U11,U22,U33は1を
発生し他は0を発生する。複素乗算器M8Cは図1
8の構成をとる。M811C,M822C,M833Cは複素
数乗算器で構成できる。以上で図3各部の詳細に
関する説明を終るが、何れの部分も従来知られて
いるハードウエアで実現可能である。図2の従来
形の伝達関数推定器TSは実時間入力しか取り扱
えず、又内部の係数が実数であるところからエコ
ーパスEPが実インパルス特性を持ち、信号入力
点Iから入る入力信号が実時間関数である場合に
於てのみ動作する。しかしながら、本発明の一部
をなすカルマン形複素伝達関数推定器は上記の片
方又は両方の条件が満足されない場合も動作を行
い、複素推定エコーパスSEPCがエコーパスEPの
インパルス特性を模擬することが出来る。
カルマン形複素伝達関数推定器TSCに関する
図である図3に於て信号入力点Iよりサンプラの
周期に対応する本来のTSCの取り扱い周波数帯
域−π/T〜π/T(ラジアン/秒)に対する帯域幅2
π/T (ラジアン/秒)よりせまい帯域幅である2π/NT(
ラ ジアン/秒、Nはある自然数)を持つ帯域制限性
の信号が入来するとき図3中のTDL1C,TDL2C
のタツプ間隔は本来のT秒に代つてNT秒で良く
なる。ここで帯域制限性信号とはその帯域内での
信号のふるまいは問わないがその帯域外の勢力が
0である信号である。上記の事実の証明を以下行
なう。タツプ間隔NT秒のトランスバーサルフイ
ルタの周波数特性は周期2π/NT(ラジアン/秒)で 同一特性をくり返す。所でこのトランスバーサル
フイルタが複素係数値を持ち、その実数係数値、
虚数係数値が独立に変化できると、直流附近の−
π/NT(ラジアン/秒)からπ/NT(ラジアン/ 秒)迄の周波数領域の特性を、サンプリング定理
により任意に与えることが出来る。従つて前述の
周期性のためにタツプ間隔NT秒の複素係数値ト
ランスバーサルフイルタに関して任意の周波数軸
上の位置に於ける2π/NT(ラジアン/秒)の帯域幅 にわたる特性を任意にきめることが出来る。この
ため帯域幅2π/NT(ラジアン/秒)に制限された帯 域制限性の信号に対して、このタツプ間隔NT秒
の複素係数トランスバーサルフイルタは、任意の
伝達関数特性を与えることができる。以上の理由
により図3のトランスバーサルフイルタ用の遅延
であるTDL1C,TDL2CはNT(秒)のタツプ間隔
でよい。以上で証明を終る。所で実係数のタツプ
間隔NTのトランスバーサルフイルタはここで述
べたような性質を持たない、なぜならばこのよう
なトランスバーサルフイルタは2πi/NT(ラジアン
/ 秒、iは整数)の周波数を中心に対称であるよう
な特性しか持たないので周波数軸上の任意の部分
に任意の特性を与えることが出来ないからであ
る。
さて以上の知識をもとに図19の構成の動作を
考えてみる。図19に於てTSCNのようにTSCの
後にNを付けたものは、カルマン形複素伝達関数
推定器TSCであつてサンプラのサンプリング間
隔T秒のN倍のタツプ間隔NTの遅延素子列
TDL2Cを持つ“タツプ間隔NT秒のカルマン形複
素伝達関数推定器”である。同様にKCCN,
SEPCNは夫々“タツプ間隔NTのカルマン形複素
制御器”、SEPCNは“タツプ間隔NT秒の複素推
定エコーパス”である。図19に於てもちろん
S1,S2はT秒毎のサンプラ、EPはエコーパスで
ある各点の名称は図1に順ずる。FILNは帯域幅
2π/NT(ラジアン/秒)で周波数軸上の任意の位置 にある帯域通過フイルタである。
前述した点にかんがみ、タツプ間隔NTの推定
エコーパスSEPCNが、帯域通過フイルタFILNの
通過帯域中に於て任意の特性を与えることができ
るのでこのような構成に於て複素加算器ADC出
力が0になるようSEPCNを含めたTSCNを、タ
ツプ間隔NTのカルマン形複素制御器KCCNの制
御下に収斂させることが出来る。いいかえればこ
のような構成に於てSEPCNがEPの等価回路にな
るよう収斂させることができる。特に注意すべき
は、この場合SEPCNの収斂値は、FILNの周波数
軸上の通過域の位置、帯域幅が同一であれば通過
域中のFILNの特性のいかんにかかわらず同じで
あるということである。なぜならばSEPCNは
FILNの通過帯域の全部にわたつてEPの等価回路
として働かなければならず、そのような場合の
SEPCNの取り得る状態は唯一であるからであ
る。すなわちFILNの周波数軸上の帯域通過特性
が矩形状又は放物線状のいかんにかかわらず、
SEPCNの収斂値は同じである。
図19は次の図20と等価であることはすぐわ
かる。すなわち、FILNの数を2つに増やして、
サンプラS2方面とエコーパスEP方面への分岐点
を超えた所に移動させ、ついで一方のFILNとEP
の位置を入れかえ、ついでサンプラS2とFILNの
位置を入れかえると図20の構成が得られる。前
者の入れかえは線形系の入れかえ可能性により、
後者の入れかえは、この場合がそうであるよう
に、信号入力点Iへの入力がこのサンプリング系
の取り扱い周波数帯域−π/T〜π/T(ラジアン/秒
) 中にかぎられているならば可能である。
以上詳細に述べて来た知識を総合したのが本発
明の主要部でありその一形式を図21に示す。す
なわち図21は本発明の一形式の図である。この
図はサンプリング間隔T秒のサンプラS1,S2によ
つて決定されるこの系の取り扱い周波数帯域−π/T 〜π/TをN分割して動作する帯域分割カルマン形伝 達関数推定器の一形式の図である。図21に於て
FILN(0i)(iは1…Nの整数)は矩形形周波数
振幅特性(位相特性は持たない)を持つ通過帯域
幅2π/NT(ラジアン/秒)の帯域通過フイルタであ り、これらの特性はFILN(0l),FILN(0i),
FILN(0N)で代表させ図22a,b,cにそれ
ぞれ示す。TSCN(0l)…TSCN(0N)はカルマ
ン形複素伝達関数推定器であり互いに全く同一の
ものであり又図19,20に於けるTSCNとも同
じものであり図3の構成に於てTDL1C,TDL2C
のタツプ間隔をNTとしたものである。図21に
於てはTSCN群をその1つTSCN(0l)について
代表させる意味でその構成要素をSEPCN(0l)
KCCN(0l),ADC(0l)に分けて示してある。
但しSEPCN(0l)は0l番目のタツプ間隔NTの複
素推定エコーパス、KCCN(0l)は0l番目のタツ
プ間隔NTの複素カルマン制御器、ADC(0l)は
同じく0l番目の複素加算器である。図21に於て
新しく導入された部分であるSUMはN個の信号
の総和をとる総和器である。図中、S1,S2はT秒
毎に信号サンプルするサンプラ、EPはエコーパ
スであることはいうまでもない。なお各TSCN
(0i)の、エコーパス側入力点をEPO(0i)信号
入力側入力点IO(0i)、誤差出力点O(0j)と呼
ぶことにする。
さて図21の構成は独立に働くカルマン形複素
伝達関数推定器を並列したものであり、その各々
の収斂は保証されているのでこの全構成も収斂に
至る。すなわち各TSCN(0j)の誤差出力点
(0j)には誤差出力が発生しなくなり、従つて、
総和器SUM出力点Oには出力が出なくなる。収
斂後の図21に示す構成の働きを以下しらべて見
る。
エコーパスEPを出てサンプラS1でサンプリン
グされた信号は分岐し、それぞれFIL(0j),
ADC(0j),(j=1…N)の帯域フイルタ、複
素加算器を通つて総和器SUMにて加算される。
FILN(0j)(j=1…N)の伝達関数の和はスル
ー回路の伝達関数となるので、今述べた径路を通
つて、SUM出力点Oに発生する信号はS2の前で
回路を切断することにより容易にわかるようにエ
コーパスEPの出力そのものとなる。TSCN
(0j)(j=1…N)が収斂状態にあると上記点O
に発生する信号とFILN(0j)とSEPCN(0j)
(j=1…N)の縦続接続の径路の信号総和とし
て点Oに発生する信号が等しく、その2つの信号
が相殺され、結局点Oには何の信号も発生しない
ことが言える。従つてFILN(0j)とSEPCN
(0j)の縦続接続の回路をjについて並列接続し
た図23の回路の伝達関数はEPのそれと等しい
ことが言える、図23に於て点INはこの構成の
入力点、点OUTはこの構成の出力点である。こ
のようにして、図21の構成が収斂時エコーパス
EPの伝達関数の推定値としての伝達関数が、図
23により物理的に与えられ、エコー消去作用が
得られる。
本発明による伝達関数推定器の目的は、演算手
数軽減にある。さて図21に示す本発明の一形式
の構成と図2に示す従来形構成の演算手数を比較
してみる。ここではとりあえず帯域通過フイルタ
FILN(0j)(j=1…N)の演算手数を考慮に入
れず、図21の構成に於ては複素伝達関数推定器
TSCN(0j)(j=1…N)の演算手数総和を、
図2の構成に於てはカルマン形伝達関数推定器
TSの演算手数をしらべる。まず最初に図2の構
成について考える。今エコーパスEPのインパル
ス特性の最大継続時間をMT秒とする。但しMは
ある正整数である。これより図2中のタツプ付遅
延線TDL1,TDL2のタツプ数はMである。その
動作が式(1)〜式(7)に従うカルマン形伝達関数推定
器はその収斂が早く、式(3)中のγ、式(7)中のγ
およびエコーパスEP中に発生する微少な雑音
にも依存するがほぼタツプ付遅延素子TDL1
TDL2のタツプ数と等しいMサンプル入力後に収
斂に至る。この収斂を得るための演算手数を圧倒
的に手数を要する乗算に関して式(1)〜(7)について
調べて見る。なお図2の構成は式(1)〜(7)を具体化
したものであるので、この結果は図2の構成の演
算手数をあらわすことはもちろんである。信号入
力点Iより信号が1サンプル入力するごとに式(2)
の演算M回、式(3)の演算にほぼM2回、式(7)中辺
の演算に於て式(3)で得られた値以外の値を求める
ためにM2回、総計で2M2+M回、収斂に至らしめ
るためにはこのM倍の2M3+M2回の乗算が必要と
なる。次に図21に関する演算手数をしらべる。
但、一応ここではFILN(0j)(j=1…N)の演
算手数については後で考慮することとしとりあえ
ず考えないこととする。図21の構造を構成する
複素伝達関数推定器TSCN(0j)(j=1…N)
中の遅延素子列TDL1C,TDL2Cのタツプ数はタ
ツプ間隔がNTでよいところから S=〔M/N〕 (9) で与えられるSタツプでよい。但〔 〕はその中
の数より大きい最小の整数をあらわす。この場合
の図21を構成する、各TSCN(0j)の構造は図
3にTSCとして示したものと同じでありその動
作は式(1),(2),(3)′,(4),(5),(6),(7)により行

れる。式(2)(3)′(7)を行うために1つのFILN(0j)
(j=1…N)につき1サンプル入力ごとに4
(2S2+S)回の乗算が必要である。但し上記の回
数に於ける4倍の係数は、図7に見られるがごと
く複素数の乗算が実数のそれの4倍の手数が必要
であることに基き実数乗算に換算するために導入
した。収斂に至るまでのサンプル数はほぼ
TDL1C,TDL2Cのタツプ数を等しいからS個で
あり、結局収斂に至るまでの乗算手数は1つの
FIL(0j)(j=1…N)につき8S3+4S2、図2
1の全構成につき8S3N+4S2Nの実数乗算とな
る。通常のエコーキヤンセラに於てよく選ばれる
値であるMが300の場合について考えNが30に選
ぶとすると、図2の構成では5.4×107回、図21
の構成では2.52×104回のそれぞれ乗算が必要と
なることになり、FILN(0j)(j=1…N)の手
数を考えないかぎりは1000分の1となる。所で、
矩形帯域通過フイルタであるFILN(0j)(j=1
…N)は、複素数伝達関数推定器TSCN(0j)
(j=1…N)を満足に働かせるためには、トラ
ンスバーサルフイルタで構成する場合、そのタツ
プ数に対して80N(Nは帯域分割数)という大き
い値が必要となる。従つて全FILN(0j)(j=1
…N)の演算に関する乗算数は1サンプル入力毎
に80N2回、収斂迄に80N2S回必要である。この値
は上の例であると7.2×105回となる。これを前述
の図21の構成に於けるTSCN(0j)(j=1…
N)の乗算手数に加えると7.452×105となり結局
図2の構成に対する演算手数の1/100となり本発
明により大巾な演算手数軽減が実現される。図2
1の構成は本発明適用の一形式であるが、より演
算手数の少い本発明適用の他の一例について次に
示す。
この構成を図21にならつて書くと図24のよ
うになる。すなわち図24が本発明適用の他の一
例である。この構成は、図21の構成のFILN
(0l)〜FILN(0N)のN個の帯域通過フイルタが
FILN(11)…FILN(2N)の2N個の帯域通過フイル
タに増加しそれに伴い複素伝達関数推定器の個数
も2N個に増加した形式を取る。各FILN(ij)(i
=1,2,j=1…N)に対応する複素伝達関数
推定器には、図21の構成と同じくTSCN(ij)
なる附番を行なう。図24に示す構造は特に図2
1のそれと変わつたところが無いが、FILN
(i,j)(i=1,2,j=1…N)の特性は図
22に示すFILN(0,j)(j=1…N)のそれ
とは大幅に異つており、図25,26に示すよう
ななだらかな形をしている。図25に示すFILN
(1,j)(j=1…N)の系列の帯域通過フイル
タを総称して系列1の帯域通過フイルタ、同じく
図26に示すFILN(2,j)(j=1…N)のそ
れを総称して系列2の帯域通過フイルタと称す
る。系列1、系列2に属する各帯域通過フイルタ
は2π/NT(ラジアン/秒)の帯域幅の帯域通過フイ ルタであるので、前述したように、NT(秒)の
タツプ間隔を持つ遅延素子列を持つ複素伝達関数
推定器と組合わせて動作できる。このような理由
によりTSCN(i,j)(i=1,2,j=1…
N)はNT(秒)の間隔の遅延素子列を持つ、複
素伝達関数推定器であり互いに等しく又、図21
中のTSCN(0j)(j=1…N)とも構造的に等
しいものである。同じ周波数帯域を共有する第1
系列の帯域通過フイルタと第2系列の帯域通過フ
イルタは、その振幅特性を互いにおぎない合い、
その伝達関数を加算すると、その共通通過帯域で
平坦な周波数特性を持つような特性を持つものと
する。これらの位相特性は無いものとする。この
ためFILN(11)〜FILN(2N)の2N個の帯域通過フ
イルタの伝達関数の和は図27に示すようなスル
ー回路に帰着する。このようなことを考え合わせ
ると前に図21の構造に関して述べたことと同じ
く、図28の構造の伝達関数は複素伝達関数推定
器TSCN(11)〜TSCN(2N)の収斂後はエコーパス
EPのそれと等しくなり、EPの伝達関数の推定値
としての伝達関数が図28により物理的に与えら
れる。図28に於て点INはこの構成の入力点、
点OUTは出力点、SUMは総和器を示す。又もち
ろん、FILN(ij)(i=1,2,j=1…N)
SEPCN(ij)(i=1,2,j=1…N)はそれ
ぞれ複素伝達関数推定器TSCN(i,j)(i=
1,2,j=1…N)の構成要素である帯域通過
フイルタ、複素推定エコーパスをあらわすことは
いうまでもない。図24の構成の収斂状態は各
TSCN中のTDL1C,TDL2Cのタツプ数が互いに
等しいところから図21の構成のそれと同様であ
り式(9)で与えられるSサンプル入力後に収斂に至
る。図21の構成の特長は、帯域通過フイルタ
FILN(ij)(i=1,2,j=1…N)の周波数
振幅特性がなだらかであるのでこれを構成するト
ランスバーサルフイルタのタツプ長が16Nタツプ
で良いことである。すなわち複素伝達関数推定器
TSCN(ij)(i=1,2,j=1…N)の部分の
演算手数が2倍になるかわりに、帯域通過フイル
タFILN(i,j)(i=1,2,j=1…N)の
演算手数が1/5に減ることになる。結果としてM
が300,Nが30の例では図24の構成の収斂時迄
の総合の乗算手数が1.692×105回となり図2の構
成のそれの1/300となる。なお図24は2系列の
帯域通過フイルタを用いた例であるが3以上の系
列の帯域通過フイルタを用い各帯域通過フイルタ
の通過帯域の共有部分の伝達関数の和が平坦にな
るよう設計することが出来る。
前に実数形のトランスバーサルフイルタに対す
る記述に於て、たとえばそのタツプ間隔をT
(秒)とする場合、このようなフイルタは周波数
軸上に於て2πi/T(ラジアン/秒)(iは整数)の 周波数を中心にして対称な特性しか発生しないの
で周波数軸上の任意の部分に於て任意の特性を与
えることができないという意味のことを述べた
が、この制限がじやまにならない例が1つだけあ
る。すなわち図21の構成に於ては、EPが実時
間インパルス特性を持ち信号入力点Iにある信号
が実数の場合、複素伝達関数推定器の代りに図2
に示す従来形の伝達関数推定器を、N個ではなく
N/2個だけ使えばよくなる。しかしながらこのよう な場合のTDL1,TDL2のタツプ間隔は、複素数
形の1/2であるNT/2に選ばなければならず演算手数 に影響のあるタツプ数は2倍となる。このような
条件が満される場合は4πi/NT(ラジアン/秒)(
i は整数)の中心として周波数特性が対称であると
いう制限は、図22に示す位置、すなわち2πi/NT
〜 2π(i+1)/NT(ラジアン/秒)(i=−N/2
〜−1)の 周波数範囲に於て、各推定エコーパスが任意の特
性を与えることをさまたげない。このことは図2
5に示す場合にもあてはまるが、図26に於ける
周波数範囲のように図22,24の位置からずれ
た帯域にはあてはまらない。すなわち図26の周
波数範囲のような任意の位置に対応するカルマン
形伝達関数推定器は複素数形でなければならな
い。この意味で短かいタツプ長を持つ帯域通過フ
イルタFILN(2,j)(j=1…N)を図24に
示す構成にあてはめるためには複素数伝達関数推
定器がかならず必要である。なお従来形伝達関数
推定器に対応する帯域通過フイルタは実係数の帯
域通過フイルタとなる。このような従来形を使う
方法は、タツプ数を増加し、又図24に示す構造
の全部を構成できないので、ここではこれ以上ふ
れず、又構造の詳細を示すことも行わない。なお
図25でaはFILN(11)の利得特性、bはFILN
(1j)の利得特性、cはFILN(1N)の利得特性
を示す。又図26でaはFILN(21)の利得特
性、bはFILN(2j)の利得特性、cはFILN
(2N)の利得特性を示し、図27のSはFILN(11)
〜FILN(2N)の全利得特性の和を示す。
以上が図21、図24の構成を中心とする本発
明の主要部についてくわしく述べたが次に帯域通
過フイルタFILN(i,j)(i=0,1,2,j
=1…N)の構成法について述べる。FILN
(i,j)(i=0,1,2,j=1…N)の構造
は図29のごとくなつている。図29に示す構造
はLタツプ(Lはある整数)のトランスバーサル
フイルタであり、同図に於てTはもちろんT秒の
遅延素子、i,j,l(i=1,2,j=1…N,
l=1…L)は帯域通過フイルタFILN(i,
j)(i=0,1,2,j=1…N)中のl番目
のタツプ利得発生器を示している。SUNはもち
ろん総和器である。又FILN(i,j)の入力端
子を点gとし、出力端子をgi,jとする。Lの値
は前述したようにFILN(0,j)については
80N程度、FILN(i,j)(i=1,2)につい
ては16N程度必要である。矩形形周波数特性を持
つ帯域通過フイルタ用の重みp,j,l(j=1…
N,l=1…L)の値は、 として与えられる。但しAはL/2又はそれに一番近 い整数である。又i,j,l(i=1,2,j=1
…N,l=1…L)の値の一例でありこの係数を
用いて構成した第一系列の帯域通過フイルタ
FILN(i,j)と第2系列のそれFILN(2,
j)はそれぞれ図25〜26に示すようなコサイ
ン2乗形振幅特性を持ち、これらは又振幅特性を
互いにおぎない合い、その伝達関数を加算する
と、その共通通過帯域で平坦な周波数特性を持
ち、これら第1系列と第2系列の伝達関数の総和
が図27に示すスルー回路と等しくなるものは
夫々以下の式(11),(12)で与えられる。
として与えられる。以上が各帯域通過フイルタ
FILN(i,j)(i=0,1,2,j=1…N)
の構成法の説明であるが、これらFILN(i,
j)は各図21又は図24のサンプラS1S2の直後
に用いられているように同一入力に対するフイル
タ群として図30に示すような使われ方をする。
この場合各FILN(i,j)に対して共通な演算
をくり出して演算手数軽減を行なうことが出来
る。これに関して以下述べる。図30に於ても図
29と同様な、入力点、出力点の呼び方を行う。
又FILN(i,j)の出力点gi,jにおけるある
時刻における出力をyjとする。するとyjは行列
表現にて と書くことができる。但しx1…xLは図29中に
示したように、その時刻に於ける各タツプの出力
信号である。式(13)より が得られる。ここで、iによつて数式の表現法は
変らないので、iは固定して考えることにしi
,j,lj,lであらわして記述の簡素化をはか
つてある。各iに関する式(10)〜(12)について共
通に言えることであるがi,j,lの形式に書きあらためることができる。但qi
(l−A)なるl−Aについての関数はj(j=
1…N)に無関係な関数である。式(15)を式
(14)に代入してやはりqi(l−A)をq(l−
A)としてあらわし式の簡素化をはかり又、 なる記述をとることにすると、 これは以下の式(18)のように書きなおせる。
式(16)にかんがみ、式(18)の右辺第一項の各
列はN列の周期で同一例をくり返す。よつて式
(18)は と書ける。但し〔〔 〕〕の記号は、この記号の中
の数よりも小さい最大の整数をあらわすことにす
る。式(19)の右辺第一項をさらに分解して、結
局、 としてあらわすことができる。但し である。式(24)の演算を行うハードウエアは図
31のように書ける。図31の構造は図30と同
じ働きをするものである。M1〜M4はそれぞれ係
数行列である。図31に於てgおよびgij夫々帯
域通過フイルタFILN(i,j)の入力および出
力である。図31において点mk,l(k=3,
4,l=1…N)、点mk,l(k=1,2,j=
1…N)は夫々図中の係数行列Mkの入力点であ
り点nk,l(k=4,l=1…N)、nk,i(k=
2,3,4,j=1…N)は夫々Mkの出力点で
ある。
図31中の係数行列M4の詳細構造は図32に
示すとおりである。qi(i=1…L)は係数器
を示し、それぞれq(i−A)の値を乗算する部
分である。係数行列M3の構造は図33に示すご
とくNケの総和器SUM1…SUMNより構成され
る。このうちのj番目の出力端子n3,jに対応す
る総和器SUMjは〔l〕Nの値がjである全てのm3
,l(l=1…N)に於ける信号を総和する。な
お〔 〕Nの記号はモデユロNを取ることを意味す
る。モデユロNを取るとは〔 〕Nの中の数字をN
で除した余りを求めるということである。係数行
列M2は式(22)に対応するDFT(離散フーリエ
変換)を行う部分で、これは又すぐさまFFT
(高速フーリエ変要)を適用できる構造になつて
いる。何れにしても、N×N元の式(22)に示す
形の行列をNlog2N個の乗算器を用いて構成でき
る。係数行列M1は図34に示す構造をとる。こ
こに於けるWj(j=1…N)はW(j-1)×(1-A)
値を乗算する係数器である。以上で図30に示す
N個のフイルタFILN(i,l)〜FILN(i,
N)から成るフイルタ群と同一の動作を行なう図
31の構造の詳細な説明を終る。このように、同
一の包絡線の振幅q(1−A)…q(L−A)の
インパルス応答を持つ伝達関数であり、その中心
周波数が互いに一定間隔だけ離れた多数の帯域通
過フイルタFILN(i,j)(j=1…N)を同時
に求める演算は、包絡線の振幅を与える部分と周
波数移動を行なう部分を分けて演算し、タツプ遅
延線各出力をまず包絡線の振幅に対応する重みに
通した後に周波数移動のための式(16)で与えら
れる回転因子Wのべき乗の係数を持つ行列を通す
ことにより、後者の演算に於てフイルタの数Nと
同じ次元のWのべき乗の係数のみを持つ行列を導
入することができ、又これにFFT(高速フーリ
エ変換)が適用できるので演算手数を減少させる
ことが出来る。
以下演算量を乗算量であらわした場合の図30
と図31のそれぞれ構成に対する演算手数の比較
を行なう。図30の構成に於ける1サンプル入力
毎の乗算回数はNL回であることはすぐわかる。
図31の構成に於ては同じく1サンプル入力毎の
必要乗算数は係数行列M4の演算にL回、M3のそ
れに0回、M2の演算にはFFTを用いてlog2N回,
M1の演算にはN回計L+Nlog2N+N回の乗算が
必要である。例えばLが300,Nが16程度の値の
場合図30の構成では4800回の乗算が必要であつ
たのに対し、図31のそれに於ては380回の乗算
となり演算手数は大幅に減る。
以上が帯域通過フイルタの構成に関する説明で
あるが、次に本発明に関して附ずい的に必要な演
算である図23又は図28の構成の入力点INか
ら出力点OUT迄の伝達関数を求める方法につい
て述べる。この操作は、例えば図23の構成に対
する図21の構成又は、図28の構成に対する図
24の構成が動作中は不必要であるが、これら図
21又は図23の構造により求めた、エコーパス
EPの推定値を別にもうけたトランスバーサルフ
イルタに転送し、これを動作させることにより図
21又は図24の構成を動作させずに、キヤンセ
ル動作を行わんとする場合に必要である。以下こ
れについて述べる。
図23の構成に対する処理と図28の構成に対
する処理は本質的に同じであるので図23の構成
に対する処理法すなわち図23の構成に対する伝
達関数を求める方法について説明する。まずタツ
プ間隔NT秒の複素推定エコーパスSEPCN(0j)
(j=1…N)の伝達関数に関する情報を得る手
段について述べる。図23の構成は図21より抽
出したものであるが、図21中のタツプ間隔NT
秒の複素伝達関数推定器TSCN(0j)(j=1…
N)は全て同じ構造を持つものであり、その構造
の詳細は図3により与えられる。図3に於て上記
伝達関数に対する情報は複素レジスタ群HRCに
たくわえられているが、これの詳細構造は例えば
3タツプの場合について示せば図9に示すように
なつている。この3タツプの例について述べれば
タツプ間隔NT秒の複素推定エコーパスSEPCN
(0j)(j=1…N)の情報は遅延の少い順にレジ
スタHR11とHR12の組、次にHR21とHR22の組そし
てHR31とHR32の組に順次たくわえられている。
この伝達関数の情報の実数部は第2そえ字が1の
レジスタに、虚数部は第2そえ字が2のレジスタ
に入つているのでこれらを取り出せばよい。この
伝達関数の情報の個数はタツプ間隔NT秒の複素
伝達関数推定器TSCN(0j)(j=1…N)に於
ては式(9)で与えられるS個である。レジスタ群
HRより得た伝達関数についての情報を遅延の少
い順に並べたベクトルを式(2)又は式(6)の記法にな
らつてhjと記することにする。hjはタツプ間隔
NT秒の推定エコーパスSEPCN(0j)(j=1…
N)の伝達関数をあらわすS次元複素数ベクトル
であり前述したようにレジスタ群HRの内容より
得ることができる。
ここではこれらhj(j=1…N)の内容より
図23の構成の伝達関数hTを求める手段を述べ
る。さてこのhTは図23の構造よりFILN(0j)
の伝達関数とhjのたたみ込み結果の総和である
ことがわかり、これは行列的な記法を用いて直ち
に、 を得る。j,l(l=1…L)は式(10)によりp,
j,l(l=1…L)として与えられるものであ
る。但 としてhjの各要素を与えた。式(25)右辺第1
項の隣接する列の内容がN行単位でずれることは
jの要素である各hj,s(s=1…S)の内容
が、NT秒ごとにはなれたタツプ出力に対する重
みであることに対応している。式(25)を分解す
ると と書ける。ここで複数の0は、1個の太文字の0
にてあらわした。式(27)の加算の順序を変更し
を得る。但、 である。ここでi,j,lについての式(15)の分
解を導入する。但i(i=0,1,2)は0に固
定されているので式(15)を簡略化のために の形に書きなおす。ここでq(l−A)は というj(j=1…N)に依存しない関数であ
る。式(15)′を式(29)に代入すると となる。g(l−A)はjに依存しないから総和
記号の前に出して を得て結局 を得る。ここで はその形式より変数lに対してNを周期としてく
り返す関数であることは、直ちにわかる。従つて
式(30)におけるqs(l)(l=1…L)のうち
上からN個を求めれば他は求める必要がない。こ
のような理由により式(30)を書きなおして を得る。ここで である。〔〔 〕〕の記号については式(19)の所
で説明した。又 とおく。すると式(31)は、 と変形できる。これは更に と書ける。これは と書ける。ここで である。式(35)の表現には式(16)を用いた。
なおM7,s,M8,sはs値により形状が変化し
ない行列である。
前述したようにM7,sの演算にはFFT(高速フ
ーリエ変換)のアルゴリズムが適用できるので式
(34)の計算を行うための乗算量はM5,sの演算
にL回、M6,sのそれに0回、M7,sのそれにM2
のそれと同じくNlog2N回、M8,sのそれにN回、
計L+N+Nlog2N回必要であり、それが式
(28)に示されるように、sについて総和される
ので、総計S(L+Nlog2N+N)回の乗算量と
なる。これに対し演算手数を考慮しない式(25)
の演算には、式(21)の総和記号中の第1項にお
いて0であることがわかつている部分を計算しな
いにしてもSLN回の乗算が必要である。結局、こ
のようにして式(34)の演算を行うに必要な乗算
回数は式(20)のそれのS倍、式(25)の演算は
式(14)のそれのS倍であるから、結局、式
(20)を用いて得られた同じ演算手数軽減量が、
式(34)を用いて得られることになる。図35に
式(25)で与えられるhTを演算する回路を示
す、特にhTの成分である式(29)で与えられる
T,sを演算する部分を主に画き又3タツプの場
合について詳述したようにhj,s(j=1…N,
s=l…S)はタツプ間隔NT秒の複素伝達関数
推定器TSCN(0j)中のタツプ間隔NT秒の複素
推定エコーパスSEPCN(0j)中レジスタ群HR
(0j)出力の第s番目の信号である明らかになる
よう画いた。TSCN(0j)の全体の系に於ける位
置はもちろん図21に示されてある。図35に於
てM5,s〜M8,sは夫々係数行列である。又点mk
,s,j(k=6,7,8,j=1…N)およびm
k,s,l(k=5,l=1…L+N(S−1))は
夫々係数行列Mk,sの入力点であり、nk,s,j
(k=7,8,j=1…N),nk,s,l(k=5,
6,l=1…L+N(S−1))はMk,sの出力
点である。図35中SUM1…SUML+N(S-1)はS個
の入力を総和する総和器である。図中係数行列M
5,sは式(33),M6,sは式(32),M8,sは式
(36)の演算を行うものでありこれらのハードウ
エア構成をそれぞれ図36,37,38に示す。
各図に於て端子番号附番法は図35のそれに従
う。図36に於てγl(l=1…L+N(S−
1))は係数器であり式(30)に示されるるq
(l−N(s−1)−A)の値を乗算する部分であ
る。但l−N(s−1)が1〜L以外の値を取る
場合のq(l−N(s−1)−A)の値は0であ
る。係数行列M6,sは信号を分岐する機能を持つ
のみで演算機能を含まない。図37中には分岐の
行い方を記してあるが、m6,s,j(j=1…
N)へ入力した信号は全ての 〔l〕N=j (37) を満す端子n6,S,lへ出力する構成を取る。図
38に於てuj(j=1…N)は係数器でありW(
j−1)(1−A)の乗算する部分である。係数行列M
7,s
の演算には前に述べたM2の演算に対すると同じ
くFFTのアルゴリズムが適用できる。例えば市
販のFFT演算器を用いて構成することもでき
る。なおM7,sおよびM8,sは各s(s=1…
S)について同じものである。
さて式(25)で与えられるhTの用途であるが
これは図21の構成の動作中は必要ないが、図2
1の構成の動作を一時止めて結果として得らた伝
達関数をそのまま残してエコーパスEP出力を打
消そうとする場合に必要である。たとえば本発明
のカルマン形複素伝達関数推定器をエコーキヤン
セラに適用するとき、エコーキヤンセラの数を回
線の数よりも少くしたい場合に有用である。ここ
では図21の構成に対応する図21の構成の伝達
関数を求める方法について示したが、図24の構
成に対応する、図28の構成の伝達関数を求める
方法も全く同じである。ただ、図28に於て帯域
通過フイルタFIL(1,j)(j=1…N)の系
統とFIL(2,j)(j=1…N)の系統の伝達
関数を別個に求めて後で加算する所が違うだけで
ある。
式(30)に示すようにhT,sを計算すること
は、N個の振幅情報hj,s(j=1…N)を入力
としてそれらの各々を用いて同一の包絡線の振幅
q(1−A)〜q(L−A)を持ち周波数的に
夫々一定間隔だけはなれた形式のインパルス応答
を同時に変調しそれの総和をとることと等価であ
る。このような場合式(30)を変形して得られる
式(34)に見られるよう包絡線の振幅を与える部
分と周波数移動を行う部分に分けて演算し、まず
振幅情報hj,s(j=1…N)をまず周波数移動
を行う回転因子のべき乗を持つ式(35)で与えら
れるM7に入力した後その出力を振幅エンベロー
プを与える、式(33)で与えられるM5の部分に
通すことにより、前者の演算を、振幅情報と同じ
次元の正方行列で行わせることが出来さらにこれ
にFFTアルゴリズムを導入できることにより演
算手数を大幅に減らすことが出来る。
以上帯域分割カルマン形伝達関数推定器につい
てその詳細を述べて来た。本発明は複素時間関数
用カルマン形伝達関数推定器の基本構成法、これ
を帯域分割的に用いて帯域分割カルマン伝達関数
推定器を構成する方法、この際の入力用フイルタ
群の構成法および、結果として得られる全体の伝
達関数hTを求める方法から成つている。これら
を含めて本発明によれば効果的に急速な収斂を行
なう伝達関数推定が少い演算手数で可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は従来のカルマン形伝達関数推定器、図2
は従来のカルマン形伝達関数推定器、図3は本発
明によるカルマン形複素伝達関数推定器、図4は
本発明で使用するタツプ付遅延素子の複合形表
示、図5は本発明で使用するタツプ付遅延素子の
分割形表示、図6は本発明で使用する乗算器M1C
の複合形の構成図、図7は本発明で使用する乗算
器M1Cの分割形の構成図、図8は本発明で使用す
る集線器G1Cの分割形の構成図、図9は本発明で
使用する加算器AD2Cとレジスタ群HRの分割形
の構成図、図10は本発明で使用する共役複素数
発生器Cの分割形の構成図、図11は本発明で使
用するレジスタPの複合形の構成図、図12は本
発明で使用する乗算器M2Cの複合形の構成図、図
13は本発明で使用する乗算器M3Cと集線器G2
の複合形の構成図、図14は本発明で使用する乗
算器M4Cの複合形の構成図、図15は本発明で使
用する乗算器M6Cの複合形の構成図、図16は本
発明で使用する乗算器M7Cの複合形の構成図、図
17は本発明で使用する単位行列発生器Uの構成
図、図18は本発明で使用する乗算器M8Cの複合
形の構成図、図19は本発明によるカルマン形複
素伝達関数推定器の原理を説明するための図、図
20は本発明によるカルマン形複素伝達関数推定
器の原理を説明するための他の図、図21は本発
明による帯域分割カルマン形複素伝達関数推定
器、図22は本発明で使用する通過帯域幅2π/
NT(ラジアン/秒)の帯域通過フイルタの特性
を示す図、図23はFILN(0j)とSEPCN(0j)
の縦続接続の回路をjについて並列接続した図、
図24は本発明による帯域分割カルマン形複素伝
達関数推定器の他の実施例、図25a,b及びc
はFILN(1+j)(j=1…N)の系列の帯域通
過フイルタの特性を示す図、図26はFILN
(2,j)(j=1…N)の系列の帯域通過フイル
タの特性を示す図、図27はFILN(ll)〜FILN
(2N)の2N個の帯域通過フイルタの伝達関数の和
すなわちスルー回路の特性を示す図、図28は本
発明の伝達関数推定器の総合の伝達関数を与える
回路につきあらわした図、図29は本発明で使用
する帯域通過フイルタFILN(i,j)(i=0,
1,2,j=1…N)の構成を示す図、図30は
本発明で使用する帯域通過フイルタ群の構成を示
す図、図31はM1,M2,M3,M4の演算を行なう
ためのハードウエアの構成を示す図、図32は
M4の演算を行なうためのハードウエアの構成を
示す図、図33はM3の演算を行なうためのハー
ドウエアの構成を示す図、図34はM1の演算を
行なうためのハードウエアの構成を示す図、図3
5はhTの演算を行なうためのハードウエアの構
成を示す図、図36はM5,sの演算を行なうため
のハードウエアの構成を示す図、(M5,sの構成
図)、図37はM6,sの演算を行なうためのハー
ドウエアの構成を示す図、(M6,sの構成図)、図
38はM8,sの演算を行なうためのハードウエア
の構成を示す図、(M8,sの構成図)。 EP;エコーパス、SEP;推定エコーパス、
AD;加算器、S1,S2;サンプラ、KC;カルマン
制御器、TS;伝達関数推定器、→;単リード
線、〓;ベクトル線、〓;行列線、〓;実数の伝
送路、〓;虚数の伝送路、〓;装置部分の境界。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 受信伝送路から受信した受信信号がエコーパ
    スを介することにより生じる送信伝送路上の受信
    信号のエコー成分から前記受信伝送路からの受信
    信号とエコーパスの推定伝達関数とから作成した
    疑似エコー成分を差引くことにより求まる誤差成
    分を前記送信伝送路に送出するエコーキヤンセラ
    において、 前記受信伝送路からの受信信号を複数の帯域に
    分割する複数個の第1の濾波器群と該第1の濾波
    器群に対応して前記送信伝送路上の受信信号を複
    数の帯域に分割する複数個の第2の濾波器群とを
    設けるとともに、 前記第1の濾波器からの信号と前記誤差成分の
    内積を取る手段に前記第1の濾波器からの信号の
    複素共役値を取る手段を含み、複素時間関数とし
    て動作して複素伝達関数推定値を求める複素カル
    マン制御器と、該複素カルマン制御器により求め
    られた複素伝達関数推定値に基づいて前記エコー
    パスの推定伝達関数を求め、該エコーパスの推定
    伝達関数と前記第1の濾波器からの信号とから前
    記疑似エコー成分を作成する複素推定エコーパス
    と、前記第2の濾波器を介した前記エコー成分か
    ら前記複素推定エコーパスからの前記疑似エコー
    成分を差引きその結果を新たな前記誤差成分とし
    て出力する手段とを具備する複素伝達関数推定器
    を前記各第1及び第2の濾波器群に対応して複数
    個設け、 前記各複素伝達関数推定器の出力の総和を前記
    送信伝送路に送出することを特徴とする帯域分割
    カルマン形エコーキヤンセラ。
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JPS5964932A (ja) * 1982-10-06 1984-04-13 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 帯域分割型エコ−消去装置

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