JPS6160437A - 耐熱性プラスチツクびん - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、耐熱性プラスチックびんに関するもので、よ
り詳細には、耐熱変形性及び優れた密封保持性を有する
熱可塑性ポリエステルから成る二軸延伸プラスチックび
んに関する。

従来の技術及び発明の技術的課題 ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル
樹脂から成る有底パリノン（プリフォーム）を軸方向に
延伸し且つ金型内で流体により周方向に膨張させること
により得られたプラスチックびんは、その容器胴部が二
軸方向に分子配向されており、透明性、耐衝撃性、ガス
バリヤ−性、軽量性に優れた容器として広く使用される
に至っている。

このプラスチックびんに内容物を滅菌した状態で保存す
るために、内容物を熱間充填する場合には、びんの収縮
が生じたり或いはびんが変形したりするという問題があ
る。この問題に関して、二、軸方向への分子配向が生じ
ている容器胴部では所謂ヒートセットで高温での寸法安
定性を向上し得るとしても、びんの首部では、このよう
な分子配向が生じていないため、ヒートセットによる寸
法安定化効果は望めない。しかして、びんの首部が耐熱
性や高温での寸法安定性に欠ける場合には、内容物の熱
間によるオーバーフロー充填に際して首部が変形したり
、或いはびん蓋の打栓に際して、ねじ山やサポート・リ
ングが変形して、確実な密封が困難となるという問題を
生じる。

飽和ポリエステル樹脂成形品の耐熱性を向上させる手段
として、この成形品を熱処理し、首部開口端部及び外周
面の結晶化度を高めることは既によく知られており、こ
のような熱処理を前述したびんの首部に適用することも
既に提案されている（特開昭５４−６８３８５号公報）
。

しかしながら、びんの首部を熱処理により結晶化させる
場合にも、肩部、特に首部に近い肩部や肩部に接続され
る首部の部分では器壁が分子配向されていす、且つ結晶
化も実質上行われていない状態であり、これらの部分が
熱的に弱い構造となっている。このため、この種のびん
では内容物の熱間充填や加熱滅菌時に、びんの首部直下
の部分が熱変形して、波釘した、スムースさに欠ける外
観を呈し、また前記首部接続部が耐熱性に欠けることに
より、キャップとの密封圧が維持されに（いという欠点
を生じる。

発明の目的 従って、本発明の目的は、上述した従来の欠点が解消さ
れた二軸延伸ポリエステルから成る耐熱性プラスチック
びんな提供するにある。

本発明の他の目的は、びんの全体にわたって熱変形がな
く、スムースな外観特性と持続した密封圧とを有する延
伸ポリエステルびんを提供するにある。

本発明の更に他の目的は、内容物の熱間充填や加熱滅菌
に、前述した欠陥なしに使用し得る延樗ポリエステルび
んな提供するにある。

発明の構成 本発明によれば、熱可塑性ポリエステルから一体に成形
された胴部、胴部下端に連なる閉塞底部、胴部上端に連
なる肩部及び肩部上端に連なる首部を有し、且つ胴部が
二軸方向に分子配向されているプラスチックびんであっ
て、首部の開口端及び外周部が３５乃至６０％の結晶化
度を有し、肩部は首部の直下から少なくとも容器軸方向
に分子配向され、肩部と接続される首部には結晶化度が
１５乃至３５チでしかも首部の開口端及び外周部よりも
小さい結晶化度を有する接続部が存在することを特徴と
するプラスチックびんが提供される。

ｊ四坏准ｂＬ１１ 本発明を添付図面に示す具体例に基づき以下に詳細に説
明する。

本発明のプラスチックびんの全体の構造を示す第１図に
おい【、このびんはポリエステルにより一体に成形され
た胴部１、胴部の下端に連なる底部２、胴部の上端に連
なる台錐状の肩部３及びこの肩部の上端に連なる首部４
から成っている。このびんは、エチレンテレフタレート
単位を主体とするポリエステルのパリソンを二軸延伸プ
ロー成形することにより形成され、少なくとも胴部２の
壁を構成するポリエステルは、２軸方向、即ちびん軸方
向とびんの周囲方向に分子配向されている。

首部４には、びん口５に密封のため施されるびん蓋（図
示せず）を保持するためのねじ６乃至は段差部７或いは
びん蓋を密封係合させる際びんを保持するためのサポー
トリング８が設けられている。

このびん首部４の断面を拡大して示す第２図において、
本発明のプラスチックびんは、この首部４に、ポリエス
テルの結晶化度が３５乃至６０チの範囲にある開口端及
び外周の部分９を設けること、首部直下からくびれ１０
を介して、少なくとも容器軸方向に分子配向された肩部
器壁１１が存在すること、及びこの肩部器壁１１と接続
される首部に、結晶化度が１５乃至３５チでしかも首部
の開口端及び外周部よりも小さい接続部１２が存在する
ことに顕著な特徴を有するものである。

本明細書において、結晶化度とは密度勾配管から実測さ
れる密度（２５℃）から、完全非晶質密度を１．３３３
　ｇ／ｃｔｎ”　、完全結晶質密度を１．４５５ｂ物１
とし、下記式 サンプル密度−１，５３３ 結晶化度（％””　　　１．４５５−１．３３３　　　
×１００により求められる値である。

発明の作用効果 即ち、本発明は、二軸延伸ポリエステルびんに対して満
足すべき耐熱性を付与するには、単に未配向の首部の開
口端及び外周部を結晶化させるというだけでは不満足で
あり、開口端及び外周に高度の一定範囲の結晶化を生じ
させると共に、首部直下から肩部にも分子配向を与える
こと及び肩部の首部接続部にも一定範囲の結晶化を与え
ることが、加熱滅菌処理時の熱変形を完全に防止し且つ
蓋体の密封圧力を一定の高いレベルに維持させる上で重
要であるという知見に基づ（ものである。

既に指摘した通り、二軸延伸ポリエステルびんの内、熱
的に最も弱い部分は首部に近接する肩部及びこの肩部に
接続される首部の部分であり、これらの部分は、内容物
の熱間充填や加熱滅菌操作時に熱変形を生じて、肩部が
波打ちを生じて、びんに特有のスムースさが失われたり
、或いはびんの首がびんの軸方向からずれて曲がる所謂
前まがりを生ずる。

またびんに対する蓋類の内、経時密封性の点で最も信頼
性のあるものは、金属製の殻体な用いた王冠やキャップ
であるが、これら金属製の王冠やキャップを用いる場合
には、これらの王冠やキャップと係合するびんの首部も
寸法的に安定な剛体でなければ確実な密封信頼性は得ら
れない。この欠点は、びん首部４の内、王冠キャップと
係合するねじ部６、段差部７等が設けられた外周や開口
端部９を、高度に結晶化させただけでは不十分であり、
肩部と首部との接続部が非結晶状態にある場合には、密
封圧力が打栓直後から或いは打栓後経時的に低下するこ
とが見出されたのである。

本発明によれば、首部直下から肩部全体に分子配向を付
与し且つ首部の肩部接続部にも一定範囲の結晶化度を付
与することにより、前述した諸欠点を解消し、耐熱性、
特に耐熱変形性に優れ、スムースな外観特性と持続した
密封圧とを有するプラスチックびんが提供されるもので
ある。

ポリエステル器壁の分子配向は、複屈折法或いは螢光偏
光法により容易に確認される。本発明によるびんの肩部
は、螢光偏光法で測定して、容器軸方向の配向係数＜１
＞が０．０５以上、特に０．１以上である。

また、首部４の外周及び開口端部９の結晶化度が３５％
よりも小さくするときには加熱時に満足すべき剛性や寸
法安定性が得られず、一方結晶化度を６０％よりも大と
することは、それによる格別の利点はなく、熱処理操作
の点でも工業的でない。

更に、肩部との接続部の結晶化度が１０チよりも低いと
きには、耐熱変形性や持続密封圧の点で不満足なものと
なる。また接続部の結晶化度が３５チよりも高くなり、
また、外周部や開口端の結晶化よりも小さくないと、接
続部が耐衝撃性に乏しい脆い構造となる傾向がある。

ｌ−ｍ−」Ｌ 本発明のびんは、上述した物性を有するようにする点を
除けばそれ自体公知の手法で製造される。

ポリエステルの２軸延伸成形びんは、ポリエステルのパ
リソンを、その延伸成形温度において軸方向に機械的に
延伸すると共に金型内で流体のブローにより周方向に膨
張延伸させることにより製造されるが、この際、次の操
作を行う。

パリソンとしては、ポリエステルの射出成形で製造され
た有底パリソンや、ポリエステルの押出成形で得られた
パイプを所定寸法に裁断し、一端部を圧縮成形により閉
じた有底パリソン等を使用し得る。

ポリエステルのパリソンは、延伸ブローに先立って、延
伸温度に調温する。この延伸温度とは、用いるポリエス
テルの結晶化温度よりも低い温度で且つボリエステルパ
リンンの延伸が可能となる温度であり、具体的には８０
乃至１６０°Ｃ１特に９０乃至１１０℃の温度が使用さ
れる。

予備加熱されたパリソンの延伸プロー成形は、逐次延伸
プロー成形、或いは同時延伸ブロー成形のようなそれ自
体公知の手段で行い得る。この際、パリソンの首部を、
リップキャビティ（ネックホルダー）とコアで把持し軸
方向への引張り延伸を行うが、首部下部をも前述した延
伸温度に維持すると共に、首部の内聞口端や外周部を延
伸温度よりも６０乃至８０℃低い温度に維持する。この
ような温度分布をパリソン首部に与えることにより、パ
リソンの首部直下からの延伸により分子配向が有効に生
ずる。

その他の延伸条件は公知のものであり、例えば前者の場
合、パリソンを比較的小さい圧力での流体吹込み下に軸
方向に延伸しくプレプロ−）、次いで比較的大きい圧力
での流体吹込み下に、容器の周方向への膨張により延伸
を行なう。また、後者の場合には、最初から大きい圧力
での流体吹込みによる周方向への延伸と軸方向への延伸
とを同時に行う。パリソンの軸方向への延伸は、例えば
ハＩＪソンの首部を金型とマンドレルとで挾持し、パリ
ソン底部の内面に延伸棒をあてがい、延伸棒を伸張せし
めることにより容易に行うことができる。パリソンの軸
方向及び周方向の延伸倍率は、夫々１．５乃至２．５倍
（軸方向）及び１．７乃至４．０倍（周方向）とするこ
とが望ましい。

首部を構成するポリエステルの結晶化は、その融点直下
から、融点より１００℃低い温度迄の範囲、具体的には
１４０乃至２１０°Ｃの温度範囲で顕著に進行する。本
発明においては、首部外周部及び開口端を上記結晶化温
度に十分な結晶化が進む時間、一般に少なくとも０．５
分間維持すると共に、首部直下に冷却された断熱壁を設
けて、肩部への熱の移動を防止すると共に、首部の肩部
接続部に前述した範囲の結晶化度の差異を生じるような
温度勾配な形成させるようにする。

実施例 本発明を次の例で説明する。

密度１．６４、固有粘度０．７５のポリエチレンテレフ
タＶ−トを射出成形して高さ１６２叫、胴径２６閣、胴
平均肉厚４＋＋ｍ、首部平均肉厚２．５咽のプリフォー
ムを成形し、次いでプリフォームの首部直下を胴部より
高温にして適正延伸温度に加熱し、これを１４０℃に加
熱された金型で挾み、予め縦方向に１．２倍延伸を行っ
た後に同時二軸延伸を行いプロー成形したボトルＡ（第
２図）と、最初から同時二軸延伸ブロー成形したボトル
Ｂ（第３図）を得た。ボトルＢは肩部１１は厚肉であり
実質的に延伸されていなかった。

このポールのサポートリング下をホルダーで保持し、首
部のみに熱風が吹きつけられる様にした結晶化装置を用
いて、４００℃の熱風を１分、１．５分、２分、３分首
部に吹きつけ首部が結晶白化したボトルを得た。

このボトルの第２図、第６図の首部の各点Ｘ。

Ｙ、Ｚの結晶化度は表１の通りであった。

１　　　ボトルＡ　　１　分　　１５％　　　６％　　
４５％２　　　　　１．５分　　２５チ　　４％　４５
％３　　２分　５０％　２０％４５％ ４　　６分　５５チ　４５％４５係 ５　　　ボトルＢ　　１　分　　１５襲　　　６チ　　
４％６　　　　　１．５分　　２５チ　　４％　　５％
７　　２分　４９悌　１９％　７％ ８　　６分　５５チ　４４％　９ 表１のボトルに８５℃の温湯な首部中央まで充填し、直
ちにカム式のロールオンキャップシーマ−にてキャッピ
ングを行い、ボトルの変形、内容物の漏洩及び１．８ｍ
からの倒立落下による強度を各ボトル２０本を用いて調
べた 表２の通り、首部及び首部直下の結晶化度の低いもの（
サンプル１．２，５．６及び７）は首部に変形を生じ、
内容物の漏洩があった。また首部接合部の結晶化度が高
いものサンプル４及び８は落下により破損を生じた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明におけるびんの正面図、第２図は、第
１図の要部断面図、 第３図は、従来のびんの要部断面図である。 側照数字１は胴部、２は底部、３は肩部、４は首部、９
は開口端及び外周の部分、１０はくびれ部分、１１は肩
部器壁、１２は接着部を夫々示す。 特許出願人　　東洋製罐株式会社 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）熱可塑性ポリエステルから一体に成形された胴部
   、胴部下端に連なる閉塞底部、胴部上端に連なる肩部及
   び肩部上端に連なる首部を有し、且つ胴部が二軸方向に
   分子配向されているプラスチックびんであつて、首部の
   開口端及び外周部が３５乃至６０％の結晶化度を有し、
   肩部は首部の直下から少なくとも容器軸方向に分子配向
   され、肩部と接続される首部には結晶化度が１５乃至３
   ５％でしかも首部の開口端及び外周部よりも小さい結晶
   化度を有する接続部が存在することを特徴とするプラス
   チックびん。