JPS6159402B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、直線スライド用軸受、特に３面又
は４面の滑り部分を有するスライド面において、
コロ又はボールを用いた摩耗の少いころがり運動
に変えると共にスキマの調節を可能とした軸受に
関するものである。

一般に直線スライド用の軸受は、針状コロを用
いて１面又は２面のスライド面に使用されてい
る。そして、３面又は４面に使用する場合は、こ
ろがり面の寸法精度の確保、摩耗時のスキマ調節
が困難なことから未だ開発を見ない。

この発明は、上記従来例の欠点に鑑み開発した
もので、以下この発明の構成を第１図乃至第６図
に示す具体的実施例に従つて説明すると次の通り
である。

第１図乃至第６図は、この発明に係る構造を３
面の機械の滑り部分に適用した１例で、図面にお
いて、１は固定ベツト、２は摺動ベツト、３は円
筒コロ又はボール、４，５は保持器、６は結合用
受溝、７は結合用突起、８は複数のスキマ調節ボ
ルト、９はスキマ調節板、１０は連結補助突起、
１１は潤滑剤保持用ポケツト、１２は貫通孔、１
３は内側主軸、１４は歯車及びスプライン溝、１
５は外筒、１６は側板、１７はシールである。

上記構造において、固定ベツト１と摺動ベツト
２の接触部は高周波焼入等で適当に熱処理され、
研摩仕上された転走面を有している。コロ（針状
コロ又は円筒コロ）又はボール等の転動体３を支
持し、負荷荷重を受ける側の保持器４の両端は両
側のコロ又はボール等の転動体３を支持する保持
器５と結合させるための受溝６を有し、更に両側
の保持器５は受溝６に挿入させるため、直角方向
に突出させた突起７と列数を増すための受溝６を
設けてある。上記突起７は第２図に示す様に、断
面円形の頭部７ａとこれにつづく柄部７ｂとで構
成し、また受溝６は断面略長円形の凹部６ａと、
弾性変形可能な入口狭窄部６ｂとで構成してい
る。結合部分については受溝６と突起７との間で
或るスキマを有し、複数のスキマ調節ボルト８を
介し、スキマ調節板９により任意のスキマを選ぶ
設計とし、対向する転走面間の加工寸法精度をあ
る程度ゆるくすることができるようにし、かつ、
摩耗した場合の修正を容易にする。保持器４，５
材は熱可塑性樹脂を用い、射出成形により加工す
る。鋼板等を用いる場合は、鋼板に熱可塑性樹脂
と一体をなす様に受溝６と突起７を形成する。負
荷荷重により軸受の負荷能力が不足する場合、保
持器の両端の受溝６と突起７で列数を増加させ
る。必要に応じ、突起７を両端にもつ連結補助部
材１０により複列にする。又、潤滑上の面から、
潤滑剤保持用ポケツト１１を保持器４，５の片面
又は両面に設ける。潤滑剤の流動のために保持器
４，５の両面に通ずる孔１２を設ける。

第５図及び第６図は、４面の機械の滑り部分に
適用した１例で直線スライド運動の他、揺動と直
線スライド及び回転と直線スライドの複合運動が
出来る構造とする。即ち第６図に示す如く、内側
主軸１３にスプライン１４等の溝や、又は内側主
軸１３そのものが揺動運動等をしていても、形状
の異る外筒１５が直線運動する構造とする。

以上説明したように、この発明は転動体と、該
転動体直径より薄い板厚をもち、この板厚方向の
両面より前記転動体を一部露出させた状態で案内
保持するポケツトをスライド方向に１列で等間隔
に複数個形成し、かつ、スライド方向に沿う両側
端縁に連結用部を具備させた保持器とよりなる直
線スライド用軸受であつて、上記連結用部を、保
持器のスライド面に対して傾斜方向に屈曲延長さ
れた柄部及び該柄部の先端に一体に膨隆形成され
た断面円形の頭部からなる突起部と、入口から奥
部に向う方向に長軸を有し、上記突起部の頭部と
略同径の短軸を有する断面略長円形の凹部及び上
記突起部の頭部径より小さく狭窄された弾性変形
可能な入口狭窄部からなる受溝とで構成し、保持
器のスライド方向に沿う側端縁を斜交状に連結可
能としたから、角軸と角筒との間の直線スライド
用軸受を容易に構成でき、また、すべり面がスラ
イド方向から見て山形、台形、矩形或いは多角形
をなしていても、隣接するすべり面相互間で接続
連結が可能であり、かつ、各すべり面の負荷能力
に適合させるために連結用部にて列数を変えるこ
とができる。

特に、受溝の入口狭窄部を、突起部の頭部径よ
り小さくし、かつ、弾性変形可能としたことによ
り、直線スライド用軸受同士の連結・分離作業
を、上記突起部の頭部自体を挿脱ガイド部材とし
て受溝の入口狭窄部を弾性変形させて容易に行わ
せることができる。

さらに、受溝の凹部を入口から奥部に長い断面
略長円形としてあることにより、隣接するすべり
面間の寸法精度のバラツキを吸収させ得ると共
に、突起部の頭部を断面円形としてあることによ
り、隣接するすべり面相互間の構成角度にバラツ
キがあつてもこれを吸収させることができる利点
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を機械の３面の滑り部分に適
用する場合の実施例を示す図面、第２図はその部
分拡大図、第３図はこの発明に用いられる保持器
詳細を示す図面、第４図は負荷容量の増大のため
に複列にする場合の連結補助部材の形成を示す図
面、第５図はこの発明を機械の４面の滑り部分に
適用する場合の実施例を示す図面、そして第６図
はそのｏ―o′断面図である。 １……固定ベツト、２……摺動ベツト、３……
コロ又はボール等の転動体、４，５……保持器、
６……結合用受溝、７……突起、８……スキマ調
節ボルト、９……スキマ調節板、１０……連結補
助部材、１１……潤滑剤保持用ポケツト、１２…
…貫通孔、１３……内側主軸、１４……歯車及び
スプライン溝、１５……外筒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 転動体と、該転動体直径より薄い板厚をも
   ち、この板厚方向の両面より前記転動体を一部露
   出させた状態で案内保持するポケツトをスライド
   方向に１列で等間隔に複数個形成し、かつ、スラ
   イド方向に沿う両側端縁に連結用部を具備させた
   保持器とよりなる直線スライド用軸受であつて、
   上記連結用部を、保持器のスライド面に対して傾
   斜方向に屈曲延長された柄部及び該柄部の先端に
   一体に膨隆形成された断面円形の頭部からなる突
   起部と、入口から奥部に向う方向に長軸を有し、
   上記突起部の頭部と略同径の短軸を有する断面略
   長円形の凹部及び上記突起部の頭部径より小さく
   狭窄された弾性変形可能な入口狭窄部からなる受
   溝とで構成し、保持器のスライド方向に沿う側端
   縁を斜交状に連結可能としたことを特徴とする直
   線スライド用軸受。