JPS6158138B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はココア液を加工するオートクレーブに
関する。

ココア液はチヨコレート製造の出発材料、即ち
基本材料を構成する。該液はさやから分離後のコ
コア種子、又はココア豆を碾いて得られるが、そ
のさやは周知の通りココア豆のバクテリアを担載
している。ココア豆の産地、季節、気候等の条件
によつて変り得る数種の等級のココア豆が販売さ
れており、ココア豆は多種にわたる不純物も含
む。このため基本ココア豆、ココア粉末、あるい
はそれから形成されるココア液について多くの加
工処理段階が達成される必要があり、それらは基
本ココア豆の等級が劣悪であつても、できる限り
衛生上無欠で、風味もしくは感覚的刺激に反応す
る特性に富んだココア液を提供することを目指
す。

〔従来の技術〕

すべての加工処理段階を数種の器機又は装置に
よる連続的方式で行うのが、当該分野での現行技
術である。こうした加工製品は不規則な計量のた
め処理が一定せず、運搬路を移動するため一時的
に空気、および空気中の酸素に触れやすく、それ
は酸化反応を促進する。更に、従来の加工処理で
は、高温の使用は焙煎又は乾燥などの際に、形成
されるチヨコレートの風味特性を損う危険がある
ため不利である。更に、従来の処理は高エネルギ
ー消費と高価な設備を伴う。

高速低温殺菌器による試みは、必要とされる比
較的高温の使用が不可能であるため、満足すべき
結果が達成されていない。

ココア液加工の後続段階、即ち混合、精製、就
中味つけの過程で、チヨコレートはできる限り所
望の風味に近くなるように味つけの際の芳香添加
のような付加処理を受ける。こうした付加処理は
概して加工時間の長期化を要し、更に設備投資コ
ストを増大する。更に数種の器機による加工のた
めの製品の移送は種々の不利を招き、そうした移
送の世話と様々な段階の監視作業のための労働力
及び設備を採用せねばならない。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の目的は、混合段階前のココア液につい
て計画された様々な加工段階が、連続的に又は少
くとも１部同時的に選択自由に行われ、且つ芳香
添加のような従来後続段階で行われた加工の本来
的完成が１個の器機で実現され、よつて消費エネ
ルギーの大巾な減少に比して、高速度で生産可能
で所望の特性を備えた完全に均質な製品を提供す
る改良設計のオートクレーブを提供することであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

オートクレーブ本体、関連装てん手段により処
理される製品の注入口、関連放出手段により処理
される製品の放出口、加熱手段、電動撹拌手段、
水位目盛、及び自動温度調節器を含むオートクレ
ーブにおいて、本発明の基本目的は該オートクレ
ーブが以下を備えることにより達成される。

(1) 水、蒸気、処理溶液等の送出口 (2) 蒸気排出口としても機能する吸引即ち真空形
成口 (3) 中性ガス取入口 (4) 製品プラス水、添加溶液、蒸気、及び焙煎用
高温空気を含む混合物を運搬し、遠心分離する
ための手段 (5) 加熱流体及び冷却流体と交互に且つ選択的に
連携可能な熱処理手段 (6) 反対方向に製品を転位させる手段 (7) 自由に落下する傘状の液滴の薄い層の形状に
製品を分散する手段。

ここに提案されるオートクレーブは、中でも次
の利点を有する。

ココア液の移送は回避され、よつて空気接触に
よる酸化と汚染、又はバクテリアによる汚染環境
を防止でき、予め設定した適量により、絶対的な
正確度が保証され、 計画された加工処理段階のすべてが連続的に、
又は部分的に同時に、遂行可能であり、かくして
製品移送のための時間と手段の費用を削減でき、 ココア液はその風味調整を目的とする芳香添加
等の味つけ時のような、従来後続段階においての
み適用できた処理を受けることが可能であり、 その基本ココア豆の等級が劣悪であつても、優
良な品質のココア液が得られ、 チヨコレート製造サイクルの全体加工処理時間
が有効に短縮され、 １個の同一の環境内で製品を造ることにより、
温度、処理媒体、加熱・冷却サイクル等の各種処
理要素を、従来の方法に含まれた移動のための非
稼動時間を考慮せずに設定かつ所望通り実際に維
持可能で、 完全に均質で一様な特性のココア液、即ち最終
チヨコレートが得られ、 従来のように、器機間で製品を移送するために
要する設備と労働力を必要とせず、 最終製品は、薄層をはがし取る型、又は容器壁
に喰い込む型の従来の設備で処理した場合に、し
ばしば遭遇する「金属味」に影響されない、欠点
のない風味を有する。

〔実施例及び作用〕

本発明に依るオートクレーブの別の特徴、利点
及び詳細は、本発明によるココア液の連続加工用
オートクレーブの好適実施例を図式的に示す添付
図面を参照して次の説明から更に明らかに理解さ
れる。

明瞭を期すため、図面は図式的に、又異なる比
例にて、本発明の実施例を示す。

図面において、類似個所は同一参照番号を付
し、オートクレーブは全体として１で示す。オー
トクレーブ１は下方部３と上方部４を持つオート
クレーブ本体２を含む。加工されるココア液の注
入口は５、調整済みのココア液の放出口は６で示
す。７，８はそれぞれ自動温度調整器、及び水位
目盛を示す。加熱・冷却手段として図式的に示し
た同心コイル９を設け、これは図示していないが
適宜の加熱・冷却媒体又は流体源と接続可能な取
入端９と放出端９ｂを備える。

以下に説明するように、電動撹拌手段１０もオ
ートクレーブ内に設ける。

本発明が機能するのは、このようなオートクレ
ーブの条件下であり、次に説明するような改良さ
れた設計のオートクレーブを設けることにより、
本来計画された様々な加工段階を、連続的又は１
部分同時的にいずれか選択自由に実施可能とす
る。これによつてココア液は傘状の配置の小滴を
形成して有効に加工され、オートクレーブ内壁に
接触することなく重力によつて落下する。

本発明によれば、中性ガス用取入口１１と、
水、蒸気、焙煎高温空気としての殺菌濾過空気の
いずれか、所望によつては処理溶液等の取入口１
１ａ、並びに吸引口１１ｂを設け、該口は実質的
に漏斗形状の支持構造１３によつて画定される小
室１２に開口し、該構造１３はオートクレーブ本
体１の天井１４の頂部に固着し、底部に円筒形ス
タブ管１５を備える。該スタブ管に、オートクレ
ーブ１の天井を貫通し、１８で略式に示した駆動
装置と連結する軸１７に緊締されたオーガー１６
が内蔵される。第１図に示すように、軸１７は底
部に、既述の撹拌手段１０を担持し、該撹拌手段
１０は有利には実質的に半円形、ないし錨形に形
成し、好適には互いに90度の４本のアームを設け
る。

スタブ管１５と連結する中心支持円盤１９は、
オートクレーブの内壁に取り付けられた支持体２
１上にアーム２０を介して担持される。該円盤は
又、全体を２２で示す分散器の支持体ともなる。
分散器２２は穴明き籠の形状をした外側シリンダ
２３を含み、図示の実施例では、互いに90度に配
置された４個の櫂２５を含む回転翼２４がシリン
ダ２３に可動に設けられる。後者は第２図に示す
ように、ほぼ円の1/4を占める扇形２６によつて
それぞれ軸１７に又相互に対し緊締される。各扇
形２６は貫通孔２６ａを形成される。各櫂２５に
はそれぞれ孔２７を設ける。螺旋又はオーガー２
８は各櫂２５の底に連結する。該オーガー２８は
下延するハウジング２９内に収容され、下方部に
貫通孔を形成される。例えば、そのような４個の
並列孔３０が、90度の円周長よりやや短い長さで
設けられる。該孔３０の間のストリツプ状の表面
に、それぞれ固定案内要素３１が緊締される。オ
ーガー２８は、反対方向に製品を転位させる装置
３２の上方部を形成する。参照番号３３は該転位
装置３２の下方部を形成するオーガーを示し、上
方オーガー２８と逆方向の巻きを設けてある。

ストリツプ３４が（本例では４個）、円盤の扇
形２６の間に緊締され、スタブ管１５の隣接端の
近くで終止し、他方シリンダ２３の底部に貫通孔
３５がある。

以上の構造上の説明から、オートクレーブの作
用は理解できよう。

水、蒸気又は適当なアルカリ溶液が注入口１２
から送り込まれ、最初小室１２へ、次にオーガー
１６を通つて下の円盤扇形２６へ流れる。ストリ
ツプ３４によつて、水を加えた製品又は混合溶液
は外方へ遠心分離され、そのココア液はオーガー
１６が与える上方推進力により孔２７と孔２６ａ
を経て流れ、回転する櫂２５により外方へ遠心分
離されて網状シリンダ２３から自由に落下する傘
形状の層を形成する。オーガー１６は、注入され
る水又は溶液を導く機能に加え、ココア液の小室
１２への逆流を阻止する。その後、混合処理が水
又はアルカリ溶液とココア液の分散器内で行わ
れ、これと一緒に既述したように遠心分離によ
り、傘の形に自由に落下する薄層をなして同混合
溶液の散布が行われる。逆方向転位装置３２の下
方部はココア液を、オートクレーブの底へ押し流
す働きをし、そこで撹拌器１０によつて該液の混
合が行われる。オートクレーブ内のココア液は、
開口部３０を通つて転位装置３２の内部へと連続
周期で転位され、矢印ｆが示すようにそこから１
部は上方へ、１部は下方へ移動する。撹拌器１０
はオートクレーブ底部の多量のココア液に、オー
トクレーブ内壁沿いの回転ないし上昇運動を与え
る特殊な作用をする。ココア液に与えられたこう
した運動により、コイル９と製品間の熱交換は最
適状態になり得る。案内即ち指向要素３１は開口
部３０から転位装置３２の内部へ、多量のココア
液を運ぶのに役立ち、この目的のため、該要素３
１はハウジング２９の表面に対して、ほぼ接線を
なしている。ハウジング２９は、図に示すように
開口部３０の底部側から少し下方で終止する。

送りポンプ、排出ポンプ、真空ポンプ等のオー
トクレーブを作動するシステム部に関する詳しい
説明は、それら配置が本発明に無関係であり、従
来型でよいので、ここでは省略する。

本発明によるオートクレーブを使用して、ココ
ア液を加工する実施例を図によつて説明する。

所定量のココア液を注入後、例えば二酸化炭
素、窒素又は他の中性ガスを入れ完全に排酸化性
の雰囲気を構成することによつて、真空を形成す
る。ついで、コイル９に高温流体を流してココア
液を熱し、同時にココア液の加湿と後続の脱酸の
ために、アルカリ溶液、水又は蒸気を導入する。
芳香添加段階に資するように、還元糖溶液を使用
することも、好適であろう。続いて、急速にココ
ア液を熱することにより、殺菌を遂行する。代わ
りに焙煎段階を実施することも選択可能である。
これは殺菌済みの濾過空気の使用で達成され、空
気の温度は適当に選ばれ、ここでは説明しない周
知の方式により調整される。続いて水を排出す
る。設置の真空システムを利用することにより、
ココア液を有効に冷却できる。次に、ココア液を
さらに冷却することにより、例えば水又はグリコ
ール溶液を含むような冷却流体をコイルに流すこ
とで、殺菌段階が、一層容易に達成される。この
段階でココア液を放出するか又は後続段階に直接
移すことができる。

〔発明の効果〕

以上の記述から、提案の発明が本発明に関し述
べた目的を効果的に達成し、序文で概説した利点
が得られることが理解されよう。特に、１連の遂
行されるべき作業が所望通りに予め設定でき、加
工周期の諸要素は、あらゆる状況の下で、特に加
熱段階時に空気又は酸素との接触による酸化作用
を絶対に無くすため、極めて簡単な方法で設定可
能である。ココアの焙煎が計画され、処理される
場合、即ち濾過、殺菌される場合、空気を使用す
る。実際、本発明によれば、未処理の周辺空気を
含む器機間における材料の移動が避けられるばか
りでなく、常時本来的に作用することにより、簡
単且つ有効な方法で、不活性の作用媒体を設ける
ことが可能であるため、従来の欠点が除去され
る。傘形状の液滴にココア液を分散することで、
望ましくない金属味を含まないココア液を確保で
きる。現在味つけ作業で行われている芳香添加段
階のような、チヨコレートに為される加工段階
（これは時間を大幅に浪費し、エネルギーの点か
らも高出費である）の、ココア液に対する直接的
実施を仕組むことによつて、時間を半減できる。
実際に、提案のオートクレーブを用いて、産地の
せいで又は初期の取扱い不備のため劣悪な品質の
基本ココアが持つ貧弱な特性を最適な結果に「調
整」し得ることが判明した。

提案のオートクレーブの個々の部品は、技術的
又は機能的同等物によつて置換可能であり、オー
ガーの数、ピツチ、或いは形態等は、本発明の保
護範囲から逸脱せず、随意に選択できる。

これまでの説明、特許請求の範囲、及び図面か
ら派生する特徴のすべては、個別に又はその組合
せのいずれにおいても、本発明にとつて実質的効
力のあることに留意されねばならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるオートクレーブの実質的
に中心線による垂直断面図である。第２図は第１
図の−線による横断面図である。 １……オートクレーブ、２……オートクレーブ
本体、５……注入口、６……放出口、７……自動
温度調整器、８……水位目盛、９……加熱・冷却
手段、１０……電動撹拌手段、１１……中性ガス
取入口、１２……小室、１３……支持構造、１４
……天井、１５……円筒スタブ管、１６……オー
ガー、１７……軸、１８……駆動装置、１９……
支持円盤、２０……アーム、２１……支持体、２
２……分散器、２３……外側円筒、２４……回転
翼、２５……櫂、２６……扇形、２７……櫂の
孔、２８……螺旋、２９……ハウジング、３０…
…開口部、３１……案内要素、３２……転位装
置、３４……ストリツプ、３５……孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ オートクレーブ本体、ココア液注入口、加工
   ココア液放出口、加熱手段、電動撹拌手段、水位
   目盛及び自動温度調節器を含むココア液加工用オ
   ートクレーブにおいて、更に 水、蒸気、処理溶液等の送出口１１ａ、 蒸気排出口としても機能する吸引口又は真空
   形成口１１ｂ、 中性ガス取入口１１、 製品に加えて水、添加溶液、蒸気等、並びに
   焙煎用空気を含む混合物を運ぶ手段１６及びそ
   れらを遠心分離する手段３４、 加熱流体又は冷却流体を交互に、又選択的に
   連結可能な熱処理手段９、 製品を反対方向に転位させる手段３２、 自由に落下する小滴で形成された傘状の層の
   形に製品を分散する手段２５，２３、 を含むことを特徴とする上記ココア液加工用オー
   トクレーブ。 ２ 製品を逆方向に転位させる手段３２が、底部
   で開き側方に開口部３０を形成したハウジング２
   ９に内蔵され、共通の軸１７に設置されて逆方向
   に巻く２個のオーガー部分２８，３３を含む構成
   ３２を包含することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項に記載のココア液加工用オートクレーブ。 ３ 傘形状の自由に落下する薄層の形にココア液
   を分散する手段２５，２３が、穴のあいた又は網
   状の円筒２３に内蔵された放射状櫂２５付きの回
   転翼２４を含み、該櫂２５が介在する環状切片２
   ６によつて相互連結され、該環状切片２６及び該
   櫂２５がココア液の自由通路としての孔２６ａ，
   ２７をそれぞれ形成され、ココア液が該孔２６
   ａ，２７から押し上げられ、外方に遠心分離され
   て滴でできた傘のような薄層の形状をとることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のココア
   液加工用オートクレーブ。 ４ 製品と水、付加溶液、焙煎用高温空気等の混
   合物を運搬し遠心分離する該手段１６，３４が、
   分散装置２２の上方に開くスタブ管１５に内蔵さ
   れたオーガー部分１６と、該分散器２２の１部２
   ６に緊締され、該分散器２２と一緒に回転可能な
   ストリツプ３４とを含むことを特徴とする特許請
   求の範囲第１項に記載のココア液加工用オートク
   レーブ。 ５ 逆方向に転位させる装置３２の下方部が該ハ
   ウジング２９によつて覆れず、撹拌手段１０が実
   質的に半円形で、４本のアームを持つた錨形状で
   あることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載のココア液加工用オートクレーブ。