JPS6156520B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポンプ、コンプレツサ、発電機など
を発振源とする騒音が発振源をおおう建屋の外部
に拡散しないように防ぐための防音壁に関するも
のである。

〔従来の技術〕

一般にポンプ設備場或いはコンプレツサ、発電
機設備などの騒音問題の原因としてポンプや配管
などが振動し、建物に固体伝播し、さらに建物の
壁面を振動させて騒音となり外界に対する公害源
として問題になる場合が多く見られる。

例えば、ポンプ、コンプレツサ、発電装置など
の発振源はカバーにておおつたり防振台上に支え
るなどそれ自体防音対策がある程度はとられてい
るが、床面を伝わる振動、配管に生じた振動、カ
バーの外面からの振動などが振動源をおおつてい
る建屋に伝わりその壁面から外界に音を放散して
いた。従来はこの対策として第１図の如く設備の
建物１と民家２との間の境界線に防音塀３などを
建てる場合が多かつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従つて、防音塀がかなり大きなものとなり、ポ
ンプなどの騒音発生源の現場が大きい場合とか民
家が接近している場合は風圧に対する補強のため
防音塀は非常に頑丈な構造を要し、また敷地の周
縁に設置するので設置長さも長く莫大な費用を要
するばかりでなく、日照権などの問題から実施が
困難な場合が多かつた。

本発明は、従来のものにおけるこれらの問題点
を除き、騒音を発振源に近い領域で遮断し構造が
比較的簡単で装着も容易であり、費用が小である
のみならず、周囲の民家などに対し日照権問題な
どを生じるおそれのない防音壁を提供することを
目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上述の問題点を解決するための手段
として、発振源を覆う建屋の外面に設けた取付梁
に防振ゴムを介して複数の防音パネルユニツトを
それぞれ取付け、各防音パネルユニツトの隣接す
る防音パネルユニツト相互は、弾性パツキンを介
して突設端部を重ね合せて連結することにより構
成される防音壁を提供しようとするものである。

〔実施例〕

本発明を実施例につき図面を用いて説明する。

防音パネルユニツト４は第３図ないし第５図に
示す如く、遮音材６を吸音材７ではさんで形成し
た防音板８を平板状の遮音板９及び枠１０にて枠
体に形成し、その周囲に隣接する防音パネルユニ
ツトへの連結用の突設端部を前記遮音板９を延長
して設け、該突設端部の上部裏面にはアングル材
などによるブラケツト１１が設けられ、かつ遮音
板９の表面には波板１２が張り合わされて形成さ
れている。前記突設端部は遮音板９と波板１２の
外周に防音板８よりも突出して形成され、ブラケ
ツト１１を介して高周波微振動が伝播しない防振
ゴム１３とストツパー１４が装着されている。

このように構成された防音パネルユニツト４は
第６図に示す如く建屋の壁１５の外側の柱１６に
設けられた水平の取付梁１７に防振ゴム１３の部
分を載せて取付けられ、防音パネルユニツト４が
浮き構造となつた状態下で配備される。この場合
防振ゴム１３の下端を取付梁１７にボルト１８な
どの取付部で取付けてもよいし、ボルト１８を充
分長くとり、ボルト１８とナツト１９とは、ただ
防振ゴム１３自体の組立用とし、取付梁１７には
ナツト１９よりも大きく防振ゴム１３より小さな
穴をあけ、ただ防振ゴム１３を介して防音パネル
ユニツト４を載せるようにしてもよい。

また上下の防音パネルユニツト４，４は第６図
に示す如く上下接合部となる突出端部で防振用の
弾性パツキン２３をはさんでボルト２７と弾性ナ
ツト２４で互に連結され、左右の防音パネルユニ
ツト４，４は第９図に示す如く左右接合部となる
突出端部で弾性パツキン２５をはさんでボルト２
７と弾性ナツト２４で互に連結され、振動が伝播
しない状態に取付、結合された防音壁が形成され
る。

弾性ナツト２４を第１０図に示す。弾性ナツト
２４は、弾性筒状体部２６とナツト部２８からな
り、ナツト部２８は弾性筒状体部２６の一端の内
側に嵌込んで備えられている。弾性筒状体部２６
の他端には弾性パツキン２３，２５と同厚のフラ
ンジ２９が備えられている。そして第６図及び第
９図に示す如く弾性筒状体部２６の中央部付近が
押潰されて外方への膨出部３０が生じる深さまで
ボルト２７と弾性ナツト２４は締付けられる。

弾性パツキン２３，２５はフランジ２９が嵌合
可能の穴を適宜間隔をあけて穿設された長状材で
ある。

ストツパー１４は、第７図に示す如く、防振ゴ
ム１３を所定の位置に置いたときに取付梁１７の
孔２０に臨み、フランジ部２１は取付梁１７と隙
間２２を保つようになつている。また水平梁１７
の先端と枠１０との隙間２７は、ストツパー１４
と孔２０とのガタより小さくしてある。

このようにして建屋の壁１５は防音壁でおおわ
れ、なおかつ防音壁と壁１５との間には空気層が
形成されているのでこの壁１５の表面から放射さ
れる音は空気層及び防音壁により遮断されて外に
出ることはない。また取付梁１７まで伝わる振動
も防振ゴム１３により遮断されるので浮き構造と
なる防音壁自体までには伝わらず２次振動を防ぎ
また防音パネルユニツト４相互も弾性パツキン２
３，２５で弾性的に接合されているので振動を伝
播することがなく全体として良好な防振効果が発
揮できる。

即ち、第２図に示すように建屋１自体の壁に防
音パネルユニツト４を多数取付けておおつて建屋
１から外方へ放散される騒音を遮断することがで
きるので、民家２との境界線には単なる仕切塀５
を設けるのみで済ますことができる。

台風などの場合には防音壁は過大な力を受け
る。防振ゴム１３は大きな力を受ければ変形する
が、ある程度以上変形し、長さが縮んだ場合には
ストツパー１４のフランジ２１が取付梁１７に当
たつてそれ以上の変形を防ぎ、また水平方向に変
形した場合はストツパー１４が孔２０のふちに当
たる前に取付梁１７の先端とストツパーの役目を
する枠１０とが当つてそれ以上の変形を防ぎ防振
ゴム１３を保護することができる。

ストツパー１４は第８図に示す如く取付梁１７
側に設け、孔２０をブラケツト１１側に設けても
よい。

この防音壁で壁面をおおう場合は防音パネル群
の最上部及び最下部も弾性パツキンを用いて音が
洩れぬようふさぐのが効果的である。

各防音パネルユニツト４はユニツト構造となつ
ているので製作、運搬、組立が非常に容易であ
り、製作費、取付費などを低減することができ
る。

本発明により、大きな面積の建屋などから拡散
される騒音を簡単な手段により遮断し、空気伝播
音と固体伝播音の合成音を減音できるほか、パネ
ルユニツトは外壁面に片面から施工できるので現
場施工が容易で取扱も簡便で設置スペースも費用
も小であるのみならず周囲の日照権問題などを生
じるおそれもないし、しかも防音パネルユニツト
は防振ゴムで取付けられ隣接する防音パネルユニ
ツト相互も弾性パツキンを介して突設端部を重合
連結してあるので二次騒音が発生しないし音の減
衰効果も高いと共に、パネル設置場所に応じて任
意に結合できるのであらゆる需要にこたえられ、
特に固体伝播音の大きい所の防音対策に最適で騒
音公害防止上極めて大なる効果を有するものであ
るほか、独立した防音壁と異なり、耐風、耐震度
も大きく、強度、安全性も大きく耐久性を著しく
向上できるものである。

本発明はさらに次のような効果がある。

(1) 大きな形状の防音壁が全体を一体で取り付け
枠に取り付けるのではなく、防音壁を構成する
個々の防音パネルユニツトがそれぞれ直接取付
梁に防振ゴムを介して取り付けられるため取付
梁にかかる荷重が分散される。したがつて既設
の建屋の外面等に取り付けが容易である。

(2) 隣接する防音パネルユニツト相互が弾性体を
介して突設端部で重ね合わせて連結されている
ので、個々の防音パネルユニツト相互の振動の
伝達がなく建屋からの音のもれがない。

(3) 隣接する防音パネルユニツト相互が突設した
端部を重ね合わせて連設される為、防音壁がそ
れほど厚くならない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の方式の欠点を示す説明図、第２
図〜第１０図は本発明の実施例で、第２図はその
効果を示す説明図、第３図は防音パネルユニツト
の裏面図、第４図はその一部断面の側面図、第５
図は平面図、第６図は取付けた状態の断面側面
図、第７図は同ストツパー部の断面側面図、第８
図はストツパーの別の実施例、第９図は左右の防
音パネルユニツトの接合部を示す水平断面平面
図、第１０図は弾性ナツト２４の縦断面図であ
る。 １……建物、２……民家、３……防音塀、４…
…防音パネルユニツト、５……仕切塀、６……遮
音材、７……吸音材、８……防音板、９……平
板、１０……枠、１１……ブラケツト、１２……
波板、１３……防振ゴム、１４……ストツパー、
１５……壁、１６……柱、１７……取付梁、１８
……ボルト、１９……ナツト、２０……孔、２１
……フランジ部、２２……隙間、２３……弾性パ
ツキン、２４……弾性ナツト、２５……弾性パツ
キン、２６……弾性筒状体部、２７……ボルト、
２８……ナツト部、２９……フランジ、３０……
膨出部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 発振源を覆う建屋の外面に設けた取付梁に防
   振ゴムを介して複数の防音パネルユニツトをそれ
   ぞれ取付け、各防音パネルユニツトの隣接する防
   音パネルユニツト相互を、弾性パツキンを介して
   突設端部を重ね合せて連結することにより構成し
   た防音壁。 ２ 前記防音パネルユニツトが、遮音材と吸音材
   とから成る防音板に遮音板を重合して周囲に突設
   端部を形成したものである特許請求の範囲第１項
   記載の防音壁。