JPS6156249B2 - - Google Patents

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JPS6156249B2
JPS6156249B2 JP12729879A JP12729879A JPS6156249B2 JP S6156249 B2 JPS6156249 B2 JP S6156249B2 JP 12729879 A JP12729879 A JP 12729879A JP 12729879 A JP12729879 A JP 12729879A JP S6156249 B2 JPS6156249 B2 JP S6156249B2
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JP
Japan
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copolymer
styrene
polyamide
molecular weight
maleic anhydride
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Application number
JP12729879A
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English (en)
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JPS5650931A (en
Inventor
Hideo Kasahara
Kicha Tazaki
Kunio Fukuda
Keiji Suzuki
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Priority to GB8030196A priority patent/GB2060649B/en
Priority to IT25108/80A priority patent/IT1132912B/it
Priority to DE19803037520 priority patent/DE3037520A1/de
Priority to FR8021263A priority patent/FR2466482A1/fr
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Priority to US06/375,685 priority patent/US4421892A/en
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  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、カルボン酸無水物基を含有するスチ
レン共重合体鎖部分とポリアミド鎖部分からなる
ブロツクないしはグラフト共重合体およびその製
造方法に関する。 ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエ
ン共重合体などは、その寸法精度の良好なこと、
成形加工性のすぐれていることなどから成形材料
として広く使われているが、一方耐薬品性、耐熱
性、耐摩耗性の向上が要望されている。またポリ
アミドはその耐薬品性、耐熱性、耐摩耗性のすぐ
れていることから、これも成形材料として広く使
用されている。しかしながらポリアミドは成形時
の収縮が大きく、成形品に“ヒケ”、“ソリ”が発
生しやすいと共に吸湿性が大であり、吸湿による
機械的強度の低下が大きく、また寸法変化が大で
あるという欠点がある。ポリアミドの吸湿性など
を改良するために、ポリスチレン、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体等を溶融混合することが
提案されている(特公昭40−7380号)。しかしな
がら、これらの樹脂はポリアミドとの相溶性が悪
く、成形品が層状剥離状態を示し、機械的強度が
著しく低下するなどの大きな欠点があり良好な成
形材料とはならない。またポリアミドとポリスチ
レンの相溶性を向上させるために、ポリスチレン
とポリアミドを混合する際に少量の低分子量(分
子量1000〜3000)のスチレン−無水マレイン酸共
重合体を添加することが提案されている(米国特
許3966839号)。この低分子量スチレン−無水マレ
イン酸共重合体の添加により、ポリアミドとポリ
スチレンの相溶性の向上はみられるが、まだ十分
ではなく射出成形にて複雑な形の成形品を成形し
た場合には剥離状態が発生し、機械的強度におい
ても好ましくない結果となる。 また、低分子量(分子量〜1500)のスチレン−
無水マレイン酸共重合体とアルキルアミンの反応
は米国特許3365399号、3444151号などに示されて
いる。しかし、その生成物は低分子量の化合物で
あり、添加剤、分散剤などに用いられているのみ
であり、成形材料として使用されている例はな
い。更に、低分子化合物の反応が高分子化合物に
そのまま応用出来ないことは、高分子化合物の反
応においては、その反応性が低いこと、架橋反応
が進行しやすいことなどから、一般に良く知られ
ていることである。 また、従来よりポリアミドの耐衝撃性を改良す
る目的にて、カルボキシル基を含有するオレフイ
ン重合体又はオレフインとアクリル酸エステルの
共重合体をポリアミドに配合することが多く提案
されている。しかしながら、このような場合には
特公昭42−12546号にも述べられているように、
ポリアミドの末端基と酸基は交叉結合またはグラ
フト化を生起しているのではなく、イオン性水素
結合相互作用であると信じられている。 本発明者らも、カルボキシル基を共重合体中に
含有するスチレン−メタクリル酸共重合体又はス
チレン−メタクリル酸メチル共重合体とポリアミ
ドの組合せにては、機械的強度のすぐれた成形材
料を得ることが出来なかつた。更には、分析実験
の結果から、スチレン−メタクリル酸共重合体鎖
とポリアミド鎖からなるグラフトないしはブロツ
ク共重合体又はスチレン−メタクリル酸メチル共
重合体鎖とポリアミド鎖からなるグラフトないし
はブロツク共重合体の生成もみられなかつた。 本発明者らは、ポリスチレンとポリアミドの両
者のすぐれた性能をかねそなえた材料を開発すべ
く鋭意検討した結果、本発明に到達したものであ
る。 本発明は、カルボン酸無水物基を共重合体中に
含有するスチレン共重合体鎖部分とポリアミド鎖
部分が結合してなる新規な共重合体(以下新規共
重合体とする)を提供するものである。すなわ
ち、本発明は、スチレン系化合物が85−98モル%
とα・β不飽和カルボン酸無水物が2−15モル%
とよりなり、分子量が10000〜300000であるスチ
レン系ランダム共重体より構成される高分子鎖部
分Aと、5000〜50000の分子量を有するポリアミ
ドにより構成される高分子鎖部分Bとが A:Bの重量割合が1:3ないし3:1の範囲
でアミド結合により相互に結合している少なくと
も分子量15000を有する共重合体を提供する。 本発明で提供する新規共重合体は、すぐれた機
械的強度を有し、寸法精度、成形性が良好で、耐
摩耗性、耐薬品性、耐熱性にすぐれた成形材料で
ある。以下に、本発明の新規共重合体をよりよく
説明するために、スチレン−アクリロニトリル共
重合体とポリアミドの混合物(以下混合物とす
る)と対比して述べる。 まず第一に、溶媒分別(クレゾール/メチルエ
チルケトン系)を行つた場合、混合物はスチレン
−アクリロニトリル共重合体とポリアミドに完全
に分離してしまうのに対して、本発明の新規共重
合体は分別分離が出来ず、カルボン酸無水物基を
含有するスチレン共重合体とポリアミドが化学的
に結合していることが示される。更に新規共重合
体を濃塩酸に溶解し分解するとスチレン共重合体
が残ること、新規共重合体が熱分析でポリアミド
の融点に近い所にピークを示すことから、新規共
重合体はカルボン酸無水物基を含有するスチレン
共重合体鎖部分とポリアミド鎖部分が結合した構
造からなることが判る。 次に電子顕微鏡写真をみてみると、第1図に示
したスチレン−無水マレイン酸共重合体鎖部分と
ポリカプロラクタム鎖部分が結合した新規共重合
体の写真においては、スチレン−無水マレイン酸
共重合体とポリカプロラクタムの溶解度指数の大
きな差からは予想出来ないほど微細な分散粒子が
確察され、第2図に示したスチレン−アクリロニ
トリル共重合体とポリカプロラクタムとの混合物
の写真において観察される分散状態とは明らかに
相異している。また第1図の写真が一般的によく
みられるスチレン−ブタジエンブロツク共重合体
の電子顕微鏡写真から観察される分散状態に類似
していることから共重合体であることが充分に認
識できる。 また成形材料としてみた場合も、混合物は射出
成形などの成形法により作つた成型品において層
状剥離の現象がみられ、良好な成型品が得られな
い。新規共重合体の場合には、そのような現象は
みられず良好な成型品が得られる。更に機械的強
度においても新規共重合体の方がはるかにすぐれ
ている。 ここで本発明の新規共重合体の好ましい実施態
様について更に詳しく述べると、新規共重合体
は、カルボン酸無水物基を含有してなるスチレン
共重合体鎖部分Aとポリアミド鎖部分Bが結合し
てなる共重合体である。スチレン共重合体鎖部分
Aはくり返し構成単位
【式】
【式】がランダムに分布して いるカルボン酸無水物基を含有しているスチレン
共重合体部分からなる〔ここでR1は水素又はア
ルキル基、R2は水素、アルキル基又はハロゲン
基、R3とR4は水素、アルキル基又はハロゲン基
を示し、k、l、mは整数である〕。 重合して構成単位(1)を形成するスチレン系単量
体としてはスチレン、α−メチルスチレン、およ
びメチルスチレン、ブチルスチレン、クロルスチ
レンなどの各種核置換スチレン誘導体が挙げられ
る。構成単位(2)を形成する単量体は構成単位(1)を
形成する単量体と共重合しうるα、β不飽和カル
ボン酸無水物であればよく、無水マレイン酸、メ
チル無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、な
どが用いられる。 更にスチレン共重合体鎖部分Aを構成する各構
成単位の割合は、l/l+m=85〜98モル%、好まし くは88〜95モル%、m/l+m=2〜15モル%、好ま しくは5〜12モル%である。特に重要であるのは
構成単位(2)のカルボン酸無水物基の含有量であ
り、ポリアミドとの反応性に大きく影響を与え
る。上記せる範囲の含有量が新規共重合体の成形
加工性の点からみて特に好ましい結果を与えるも
のである。またポリスチレンの好ましい性能を失
わない範囲の含有量で構成単位(1)又は(2)を形成す
る単量体と共重合しうる単量体から形成される構
成単位が第3成分として導入されていてもよい。
例えば、30モル%以下(スチレン共重合体基準)
のアクリロニトリル等の共単量体を含有してもよ
い。 更に、スチレン共重合体鎖部分Aの分子量は1
万〜30万の範囲、好ましくは5万〜15万の範囲に
ある。分子量が低すぎても高すぎても成形材料な
どに用いる場合に好ましくない。スチレン共重合
体鎖部分Aの分子量が低すぎると成型品の機械的
強度が低下し好ましくない。これを補うために、
分子量の大きい他の重合体、たとえばポリスチレ
ン、耐衝撃性ポリスチレンなどとブレンドして用
いることも出来るが、そのような組成物において
は相溶性が十分でなく、射出成形にて複雑な形状
の成形品を成形した場合に剥離現象が生じて好ま
しくない。スチレン共重合体鎖部分Aの分子量が
高すぎると新規共重合体の成形加工性が著しく低
下してしまい、実用上良好な成形加工性が得られ
ない。 また、ポリアミド鎖部分Bはくり返し構成単位
【式】又は
【式】又はそれら の入りまじつた構造からなり、その分子量が5000
〜50000の範囲にあるポリアミド又はポリアミド
共重合体からなる(ここでx、y、zは各々1〜
10の整数を示す)。このようなポリアミド鎖部分
Bを構成する好適なポリアミドとしては、ポリカ
プロラクタム(6−ナイロン)、ポリヘキサメチ
レンアジバミド(6・6−ナイロン)、ポリヘキ
サメチレンセバサミド(6・10−ナイロン)、
6、6/6、10ナイロン共重合体、6、6/6ナ
イロン共重合体などがある。 本発明の新規共重合体の結合状態の一例を示せ
ば次の如くである。
【表】 以上は本発明の新規共重合体がグラフト共重合
体の例であり、α・β−不飽和カルボン酸無水物
を含む共重合体の末端がα・β−不飽和カルボン
酸無水物である場合には上記新規共重合体はブロ
ツク共重合体となる。 本発明で提供する新規共重合体は熱可塑性であ
り、スチレン重合体に比しては耐薬品性、耐熱
性、耐摩耗性の点ではるかにすぐれ、ポリアミド
に比べては成形時の収縮がはるかに小さくなり、
吸湿の程度も大巾に改良され、寸法精度の良好な
ことから、大形成型品、精密成型品の分野などで
好適な成形材料となる。更にポリアミドに比べて
溶融強度が改良されて、押出成形、ブロー成形に
も適し、フイルム、シート、びん、積層物、線被
覆などにも利用できる。発泡体、繊維用の材料と
しても好ましい。 共重合体にガラス繊維、炭酸カルシウムなどの
無機充填剤を添加して複合材料として用いること
が出来るし、顔料、染料、熱安定剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、核剤を添加して、または他の熱可塑
性重合体とブレンドして使用することも出来る。 更に、本発明の新規共重合体を種々の反応にて
変性して用いることもできる。 本発明の新規共重合体はカルボン酸無水物基を
含有するスチレン共重合体とポリアミドを溶融混
練下に反応させることによつて製造することがで
きる。溶融混練下の反応は、押出機、ニーダー、
バンバリーミキサーなど通常の樹脂を溶融混練す
る装置にて行いうる。溶融混練は剪断力のかかつ
た状態で混合を行うことが好ましく、温度は220
〜330℃、好ましくは250〜300℃である。溶融混
練する温度が低すぎると反応が生起しにくくな
り、また温度が高すぎると重合体の熱分解が起こ
り好ましくない。溶融混練の温度は本発明の新規
共重合体を製造するにおいて一つの重要な点であ
る。また、溶融混練の際に反応を促進させる反応
促進剤を添加することもできる。 ここで用いるカルボン酸無水物基を含有するス
チレン共重合体は先に述べたくり返し構成単位(1)
(2)を形成する単量体混合物を重合せしめて製造す
ることが出来る。本発明に用いるスチレン共重合
体は構成単位(1)、(2)が共重合体中にランダムに分
布していることが必要である。構成単位(1)、(2)が
共重合体中に不均一に分布しているとポリアミド
との反応が均一に行われず好ましくない。構成単
位(1)、(2)がランダムに分布してなる共重合体を得
る方法としては、単量体の反応性比の相違を克服
するために重合途中で消費速度の速い単量体を追
添加するなどの方法がよく知られており、これら
の方法を用いて製造することができる。 溶融混練下に反応させる場合にスチレン共重合
体の分子量と共重合体中のカルボン酸無水物基の
含有量が特に重要となる。スチレン共重合体の分
子量は1万〜30万、好ましくは5万〜15万の範囲
にあることが必要である。分子量が高すぎるとポ
リアミドと溶融混練した場合に溶融粘度の著しい
向上が起こり、生成する新規共重合体の成形加工
性が著しく低下し好ましくない。また分子量が低
すぎると、生成する新規共重合体の機械的強度が
劣悪であり好ましくない。 また、スチレン共重合体中のカルボン酸無水物
基の含有量も重要であり、共重合体中の構成単位
(2)の含有量が2〜15モル%、好ましくは5〜12モ
ル%であることが必要である。カルボン酸無水物
基の含有量が少なすぎる場合にはポリアミドとの
反応性が低く好ましくなく、その含有量が多すぎ
る場合、特にスチレン共重合体の分子量が1万以
上と高い場合には、ポリアミドとの溶融混練時に
一部架橋反応が生起し、得られる新規共重合体の
成形加工性が著しく悪くなり好ましくない。 本発明の新規共重合体を製造する際に、スチレ
ン共重合体とポリアミドの混合比率がもう一つの
重要な点であり、効率良く新規共重合体を製造す
るにあたつてはスチレン共重合体とポリアミドの
混合比率は3:1〜1:3の範囲、好ましくは
2:1〜1:2の範囲である。逆にいえばこのよ
うな混合比率の範囲ではポリマー間の反応性が高
いので、高分子量のポリマーを反応させると架橋
反応が進行しやすくなる。しかるに、上記にて特
定した組成を有する共重合体を用いた場合には高
分子量のポリマーの溶融混練反応においても架橋
反応の進行もなく好ましい新規共重合体が得られ
るのである。 カルボン酸無水物基を含有するスチレン共重合
体とポリアミドを溶融混練下におくことにより、
ポリマー間に反応が生起していることは、本発明
の新規共重合体は反応前のスチレン共重合体およ
びポリアミドのいずれの溶融粘度よりも高い粘度
を示すことからも認識できる。これに反してスチ
レン−アクリロニトリル共重合体とポリアミドの
混合物は、混合前のスチレン−アクリロニトリル
共重合体とポリアミドの中間の溶融粘度を示し、
溶融粘度に加成性がある。 また本発明の新規共重合体の溶液粘度(η
sp/c)はメタクレゾール−メチルエチルケト
ン混液(容量比9:1)の0.5%溶液中にて測定
して0.5ないし5.0である。 また、一般にグラフト反応を行つた場合、ホモ
ポリマーの生成が相当多いことが文献
〔Makromol.Chem.179 927〜938(1978)〕にも
述べられている。しかし、本発明に規定したカル
ボン酸無水物基を含有するスチレン共重合体とポ
リアミドの組み合わせで、本発明に規定した条件
下で溶融混練反応を行つた場合には2つのポリマ
ーは高い反応率で反応し、ホモポリマー残存は非
常に少なく、高収率で新規共重合体が得られる。
本発明の方法で得た反応物中にホモポリマー含有
量が少なく、高収率で新規共重合体が生成してい
ることは、反応生成物とホモポリマーの溶媒親和
性の相違および溶媒分別実験の結果より明らかと
なる。反応生成物中のポリアミドホモポリマーの
含有量が少ないことは、トルエン/クレゾール混
合溶媒によるポリマーの溶解特性から示される
し、スチレン共重合体ホモポリマーのほとんど存
在しないことは反応生成物のメチルエチルケトン
溶解分が少量であることと溶解ポリマーもスチレ
ン共重合体鎖部分とポリアミド鎖部分の結合した
共重合体であることから確かめられる。 本発明の新規共重合体の分子量及びスチレン系
共重合体によつてなる高分子鎖〔A〕とポリアミ
ドによつてなる高分子鎖〔B〕の結合個数は (i) スチレン系共重合体の分子量 (ii) スチレン系共重合体のαβ−不飽和カルボン
酸無水物の含有量 (iii) ポリアミドの分子量 (iv) スチレン系共重合体とポリアミドとの配合比 を選択することにより任意に変化させうるが、分
子量10000のスチレン系共重合体一分子に、分子
量5000のポリアミドが一分子結合している場合
に、新規共重合体の分子量が最小になることは明
白である。 以下実施例により本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1、比較例1 ポリカプロラクタム(アミラン1017、東レ
製)50重量部と数平均分子量8万(GPCにて測
定)のスチレン−無水マレイン酸共重合体(無水
マレイン酸含有量10モル%)50重量部(実施例
1)又はスチレン−アクリロニトリル共重合体
(アクリロニトリル含有量30重量%)50重量部
(比較例1)をペレツト状態にて混合し、250℃で
ニーダーにて溶融混練下に反応せしめた。ここで
得た反応生成物と混合物について下記に述べる試
験を行つた。 (1) 電子顕微鏡による観察 第1図に本発明のスチレン−無水マレイン酸
共重合体とポリカプロラクタムの反応生成物の
電子顕微鏡写真を、第2図にスチレン−アクリ
ロニトリル共重合体とポリカプロラクタムの混
合物の電子顕微鏡写真を示す。ミクロ構造に大
きな相違がみられる。第1図の写真は、よくみ
られるスチレン−ブタジエンブロツク共重合体
の電子顕微鏡写真に類似している。第1図の写
真には500〜5000Åの非常に微細な分散状態が
観察されるのに対して第2図は数μ以上の粒子
がみられポリマーの非相溶の状態が観察され
る。 (2) 溶媒分別実験 反応生成物および混合物を各々10g秤量しク
レゾールに溶解させた。両者ともに不溶物はみ
られず完全に溶解した。その溶液を多量のメチ
ルエチルケトン中に加え沈澱を完全に生成させ
た。沈澱物を分離し、これをポリマー()と
する。反応生成物の場合ポリマー()の重量
は8.5g、混合物の場合ポリマー()の重量
は4.9gであつた。残りの溶液から溶解してい
るポリマーを回収した。これをポリマー()
とする。反応生成物の場合ポリマー()の重
量は1.3g、混合物の場合ポリマー()の重
量は4.8gであつた。ポリマー()およびポ
リマー()の赤外スペクトル分析を行つた。
反応生成物の場合ポリマー()およびポリマ
ー()ともにスチレン−無水マレイン酸共重
体とポリカプロラクタムの両者のスペクトルを
示した。これに反して、混合物の場合ポリマー
()のスペクトルはポリカプロラクタムのス
ペクトルに一致し、ポリマー()のスペクト
ルはスチレン−アクリロニトリル共重合体のス
ペクトルに一致した。 この溶媒による分別実験から、スチレン−無
水マレイン酸共重合体とポリアミドが結合して
共重合体を形成していることは明らかである。
また反応生成物から分離したポリマー()の
量が少ないのと、ポリマー()もスチレン−
無水マレイン酸共重合体とポリアミドの両者の
赤外吸収スペクトルを示し、その量的比率がス
チレン共重合体65%、ポリアミド35%であるこ
とからポリアミドと結合していないスチレン−
無水マレイン酸共重合体の存在の可能性は少な
い。 (3) 溶解性試験 反応生成物中にスチレン−無水マレイン酸共
重合体と結合していないポリカプロラクタムの
存在を調べるために、下記の試料の溶解性試験
を行つた。 試料A:反応生成物1gを100mlのクレゾー
ルに溶解した溶液、試料B:混合物1gを100
mlのクレゾールに溶解した溶液、及び試料C:
ポリカプロラクタム0.1gを100mlのクレゾール
に溶解した溶液の3種の試料を作成した。試料
A、B、Cの各々を5ml採取し、その溶液にト
ルエン40mlを添加し4日間放置した。試料Aの
場合には沈澱の生成はみられなかつたのに対し
て、試料BおよびCからはポリマーの沈澱が生
成した。試料Cの如くポリカプロラクタムの濃
度の低い溶液からも沈澱が生成していることか
ら考えて、反応生成物中のスチレン−無水マレ
イン酸共重合体と結合していないポリカプロラ
クタムの存在の可能性は少ない。 以上より反応生成物のほとんどがスチレン−
無水マレイン酸共重合体とポリカプロラクタム
が結合した共重合体からなり、以下に述べる性
能は新規共重合体の性能と考えられる。 また反応生成物を濃塩酸にて溶解−分解させ
るとスチレン共重合体のみが残ること、熱分析
にかけるとポリカプロラクタムの融点に近い所
にピークを示すことから、反応生成物中にはス
チレン−無水マレイン酸共重合体連鎖およびポ
リカプロラクタム連鎖が存在していることが明
らかである。 反応生成物、混合物、およびスチレン−無水
マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニト
リル共重合体から射出成形にて試験片を作成
し、JIS試験法K6871に記載の方法にて、引張
強度、アイゾツト衝撃強度、加熱変形温度を、
ASTM試験法D1238に記載の方法にて(230
℃、3.8Kg荷重)、メルトフロー・インデツクス
を測定した。成型品の剥離状態は、試験片破断
面に接着テープを付着させ、後にとりはずすと
いう方法で剥離試験を行つた後の状態を肉眼に
て観察した。 結果を表−1に示す。反応生成物の場合は、引
張強度、衝撃強度ともに、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体よりはるかに向上しているのに対し
て混合物の場合はスチレン−アクリロニトリル共
重合体に比べて強度の低下が大きい。反応生成物
のメルトフロー・インデツクスはスチレン−無水
マレイン酸共重合体に比べて著しく低下している
(溶融粘度の著しい増加)のに対して、混合物の
メルトフロー・インデツクスはスチレン−アクリ
ロニトリル共重合体に比べ著しく向上している
(溶融粘度の著しい低下)。 実施例 2 実施例1におけるスチレン−無水マレイン酸共
重合体の代りに、数平均分子量5万のスチレン−
無水マレイン酸−アクリロニトリル共重合体(無
水マレイン酸含有量8モル%、アクリロニトリル
15%)を用いて同様の反応を行つた。実施例1に
述べた溶媒分別実験を実施し、スチレン共重合体
鎖とポリカプロラクタム鎖の結合してなる共重合
体を確認した。物性の測定を行い、その結果を表
−2に示した。 実施例 3 実施例1におけるポリカプロラクタムの代り
に、ポリヘキサメチレンアジバミド(レオナ
1200S……旭化成製)を用いて、反応温度を280
℃以上にする以外は実施例1と同様の反応を行つ
た。この場合にもスチレン共重合体鎖部分とポリ
アミド鎖部分よりなる共重合体の生成が確認され
た。物性試験の結果を表−2に示した。 比較例 2 実施例1におけるスチレン−無水マレイン酸共
重合体の代りに、数平均分子量が3500で無水マレ
イン酸含有量が35モル%の低分子量スチレン−無
水マレイン酸共重合体を用いて同様の反応を行つ
た。反応生成物の物性試験の結果を表−2に示し
た。分子量の高いスチレン−無水マレイン酸共重
合体を用いた場合に比べて強度の著しい低下がみ
られ、成形材料として好ましいものは得られなか
つた。 比較例 3 実施例1におけるスチレン−無水マレイン酸共
重合体の代りに、数平均分子量が9万で、メタク
リル酸メチル含有量が25モル%のスチレン−メタ
クリル酸メチル共重合体を用いて同様の溶融混練
を行つた。得た樹脂組成物の物性試験の結果を表
−2に示した。実施例1のスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体を用いた場合に比べて、機械的強度
の低下がみられ、また成型品には著しい剥離現象
がみられた。 比較例 4 実施例2におけるスチレン−無水マレイン酸共
重合体の代りに、数平均分子量が8000で、無水マ
レイン酸含有量が10モル%の低分子量のスチレン
−無水マレイン酸共重合体を用いて同様の反応を
行つた。反応生成物の物性試験の結果を表−2に
示した。成型品に剥離現象はみられなかつたが、
機械的強度は好ましいものではなかつた。 比較例 5 実施例1におけるスチレン−無水マレイン酸共
重合体の代りに、無水マレイン酸含有量が19モル
%、数平均分子量が9万のスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体を用いて同様の溶融混練反応を行つ
たところ、反応途中での溶融粘度の上昇が著しく
良好な熱可塑性樹脂を得ることが出来なかつた。 最後に実施例1にて用いたスチレン−無水マレ
イン酸共重合体と実施例1の反応生成物の耐摩耗
性、耐薬品性のデータを表−3に示す。耐摩耗性
はスラスト式摩耗試験機による摩耗量(g)で示
し、耐薬品性はその薬品が接触している時にクラ
ツクが発生する臨界歪(%)で示す。また、実施
例1にて用いたポリカプロラクタムと実施例1の
反応生成物の射出成形時の収縮率を表−4に示
す。収縮率は3mm厚み150mm□の平板にて測定し
た。表−5にポリカプロラクタムと実施例1の反
応生成物の吸水率を示す。吸水率は射出成形試験
片を80℃温水に40分間浸漬した後の重量増加から
測定した。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 4 スチレンと無水マレイン酸の共重合体(分子量
15000、無水マレイン酸含量5モル%)50重量部
と分子量7000のナイロン650重量部をドラムブレ
ンターにて均一に混合し、混合物をベント付二軸
押出機にて、240℃の条件で押出し造粒を行つ
た。出来たペレツトを射出成形機にてASTM−
D638に準ずる引張り強度測定用テストピースを
成形した。このテストピースをASTM−D638に
準ずる試験に供し引張り強度450Kg/cm2を得た。テ
ストピース破断面に、剥離現象は全く見られなか
つた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の好ましい実施態様の一例であ
るスチレン−無水マレイン酸共重合体鎖部分とポ
リカプロラクタム鎖部分からなる新規共重合体の
電子顕微鏡写真を示す。第2図はスチレン−アク
リロニトリル共重合体とポリカプロラクタムとの
混合物の電子顕微鏡写真を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 スチレン系化合物が85−98モル%とα・β−
    不飽和カルボン酸無水物が2−15モル%とよりな
    り、分子量が10000〜300000であるスチレン系ラ
    ンダム共重体より構成される高分子鎖部分Aと、 5000〜50000の分子量を有するポリアミドによ
    り構成される高分子鎖部分Bとが A:Bの重量割合が1:3ないし3:1の範囲
    でアミド結合により相互に結合している少なくと
    も分子量15000を有することを特徴とする共重合
    体。 2 スチレン系化合物がスチレンであり、α・β
    −不飽和カルボン酸無水物が無水マレイン酸であ
    る特許請求の範囲第1項記載の共重合体。 3 ポリアミドがポリカプロラクタムである特許
    請求の範囲第1項記載の共重合体。 4 ポリアミドがポリヘキサメチレンアジパミド
    である特許請求の範囲第1項記載の共重合体。 5 スチレン系化合物が85−98モル%とα・β−
    不飽和カルボン酸無水物が2−15モル%とよりな
    り、分子量が10000〜300000であるスチレン系ラ
    ンダム共重体より構成される高分子鎖部分Aと、 5000〜50000の分子量を有するポリアミドによ
    り構成される高分子鎖部分Bとを A:Bの重量割合が1:3ないし3:1の範囲
    で混合し、220℃〜330℃で溶融混練状態下にて反
    応せしめて少なくとも分子量15000とすることを
    特徴とする共重合体の製造方法。
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