JPS6156109B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、印刷に必要なインク滴を噴射し印刷
をおこなうインクジエツト記録方法に関する。本
発明の方法としては、例えば印字手段としてピエ
ゾ素子の電気―機械変換作用を利用してインク液
に圧力変動を与えてインク液吐出口からインク液
を吐出することによつて印字を行なう複数のノズ
ルを備えたインクジエツトヘツドにより印刷をお
こなう方法がある。以下、インクジエツト記録装
置をタイプライタに応用した場合を例にとり説明
する。

従来のタイプライタは印字手段を中心にそのほ
とんどが機械的な構成で成り立つており、従つて
それに伴う欠点は数多い。その欠点を除去或いは
軽減する新しいタイプライタが、前記インク・オ
ン・デイマンド形のインクジエツトヘツドによる
印字手段と電源として電池を用いたタイプライタ
と言える。つまり、この種の新しいタイプライタ
は印字音等の騒音発生がない、低消費電力、小
型、軽量、商用交流電源を必要としない、等の利
点を有し、場所を選ばず使用でき、携帯も容易な
非常に使い良いタイプライタである。しかし、こ
の種のタイプライタは、複数のノズルを備え、必
要な場合のみノズルからインクを噴射するもので
あるため、異なるノズルから噴射されたインク滴
により印刷ドツト径が異つてしまう欠点があつ
た。

本発明の目的は上記問題を解決し、複数のノズ
ルを有するインクジエツトヘツドにより、イン
ク・オン・デイマンド方式で印刷をおこなうイン
クジエツト方法でも各ノズルから噴射されるイン
ク滴により印刷記録がおこなわれる際、ノズル相
互で印刷ドツト径のばらつきのない記録をおこな
うことのできるインクジエツト記録方法を提供す
る点にある。

本発明のインクジエツト記録方法は、複数のノ
ズルを備えると共に前記ノズルに対応して前記ノ
ズル内のインクに圧力を印加する圧力発生素子を
備え前記ノズルから印刷に必要なインク滴を噴射
し印刷をおこなうインク・オン・デイマンド方式
のインクジエツト記録方法において、印刷途中で
前記複数のノズルの少なくとも１つのノズルから
のインク滴の噴射中断時間が所定時間経過したこ
とを検出した後、前記複数のノズルの全てからイ
ンク液を吐出し、次の印刷に備えることを特徴と
する。

以下実施例に基づいて本発明を詳しく説明す
る。第１図は本発明はかかるインクジエツト記録
装置にて構成したタイプライタの構成を説明する
ための図である。キーボード９の操作に基づいて
キヤラクタジエネレータ１０からの印字信号は増
幅回路１１を経てピエゾ素子２に加わる。ピエゾ
素子２への信号印加によつてインクタンク１から
導かれたインク液３に圧力変動が起き、インク液
吐出口４からインク液滴５が記録紙７に向かつて
吐出される。このインク液吐出とともにインクジ
エツトヘツド６は駆動部１２によつてＸ方向へ移
動し、記録紙７上にインク液滴による印字の完成
および１行の印字が実施され、改行は紙送り駆動
部１５による所定量の紙送りによつて行なわれ
る。１３は制御回路であり、キーボード９やイン
クジエツトヘツド６の位置検出器１４およびイン
クジエツトヘツド６の移動速度検出器１６から信
号を受けてインクジエツトヘツド６の位置や移動
速度および紙送りの制御を行なう。インクジエツ
トヘツドの位置検出器１４にはマイクロスイツチ
や投受光素子を用いたオプテイカルセンサーを、
インクジエツトヘツドの移動速度検出器１６には
ロータリーエンコーダやタコジエネレータを用い
る。尚インクタンク１は必ずしもインクジエツト
ヘツド６と一体となつて移動する必要はないが、
振動や衝撃に対する点からインクジエツトヘツド
６とともに移動するほうが好ましいようである。
図示しなかつたが、インクジエツトヘツド６は複
数のインク液吐出口と該インク液吐出口に連通す
るインク液通路を備えた、いわゆるマルチノズル
形のインクジエツトヘツドであり、タイプライタ
の印字品質の重要性から例えば24個や32個ものイ
ンク液吐出口を持つインクジエツトヘツドが用意
される。

第２図は本発明における１実施例のブロツク図
である。マルチノズル形のインクジエツトヘツド
６のインク液吐出口数を今仮にｎ個とするとき、
キヤラクタジエネレータ１０からの印字信号は増
幅回路１１に入力されるだけでなく、ｎ個の計数
回路を持つ計数部２１の各々の計数回路のクリヤ
端子に入力される。計数部２１の計数回路はクロ
ツク発生回路２０からのクロツク信号を計数し、
計数回路の内容が予め定められた所定値に達する
と、“Ｈ”なる信号を出力する。計数回路各々の
出力はNOR回路を介してトランジスタＴγのベ
ースに接続されており、トランジスタＴγのコレ
クはコイルＬを介して電源＋Vccに接続され、エ
ミツタは接地されている。さらに、上記計数回路
の出力はｎ個のパルス発生回路を持つパルス発生
部２２に入力される。パルス発生回路は上記計数
回路から、“Ｈ”信号を受け、さらにインクジエ
ツトヘツド位置検出器１４から“Ｈ”信号を受け
たときはじめて増幅回路１１にパルス信号を出力
する。コイルＬはインクジエツトヘツド６を所定
位置へ移動させるためのモータのコイルであり、
トランジスタＴγのベースが“Ｈ”になると、コ
イルＬに電流が流れて、インクジエツトヘツド６
は不要インク液を処理できる位置へ移動を開始す
る。そして、インクジエツトヘツド６が上記位置
へ移動を完了すると、インクジエツトヘツド位置
検出器１４から“Ｈ”信号が出力されてトランジ
スタＴγのベースが“Ｌ”となつてコイルＬの電
流はしや断される。

以上のように構成された回路に於た、キヤラク
タジエネレータ１０から印字信号が出ている場
合、計数部２１内の各々の計数回路の内容は前述
した予め定められた所定の値に達することなく、
トランジスタＴγのベースは“Ｌ”で、コイルＬ
に電流は流れない。しかし、印字信号がなけれ
ば、上記計数回路はクロツク発生回路２０からの
クロツク信号の計数を開始し、少くとも１個の計
数回路の内容が上記の所定の値に達すると、すな
わち少くとも１個の印字信号が中断して上記の所
定の値に対応する所定時間が経過すると（つま
り、印刷途中で複数のノズルの１つに対応した圧
電素子を駆動する印字信号が中断すると全部のノ
ズルからインク液を噴射するため）、トランジス
タＴγのベースが“Ｈ”になり、コイルＬに電流
が流れてインクジエツトヘツド６が不要インク液
処理をできる位置へ移動し、移動が完了するとコ
イルＬの電流はしや断される。一方、インクジエ
ツトヘツド６の上記位置への移動が完了すると、
パルス発生部２２のパルス発生回路の少くともひ
とつからパルス発生し、印字信号がなくなつて前
述した所定時間インク液吐出がないインク液吐出
口からインク液吐出を行なうように、上記パルス
を増幅回路１１を介してピエゾ素子２に印加す
る。

第３図は本発明における他の実施例のブロツク
図であり、計数回路３０はクロツク発出回路２０
からのクロツク信号を計数し、計数回路３０のク
リヤ端子にはキーボード９からの信号が加わり、
印字を行なうためにキーボード９を操作すると計
数回路３０の内容はクリヤされる。すなわち第３
図の実施例に於て、キーボード９が操作されなく
なつて後、所定時間経過してもキーボード９が操
作されない場合、マルチノズル形のインクジエツ
トヘツド６を不要インク液処理できる位置へ移動
させ、次いで全インク液吐出口からインク液を吐
出させる。

第４図は本発明におけるさらに他の実施例であ
り、この実施例に於て、キヤラクタジエネレータ
１０から少くとも１個の印字信号が所定時間内に
出力されない場合に、インクジエツトヘツド６を
移動させ、次いで全インク液吐出口からインク液
を吐出する。

第５図も本発明におけるさらに他の実施例であ
り、新たに計数回路４０を設け、キーボード９の
操作回数を計数し、計数回路４０の内容がある定
められた値に達すると計数回路３０をクリヤす
る。つまり、キーボード９が計数回路４０で定め
られた数以上操作された後、計数回路４０で定め
られた数以上のキーボード９の操作が所定時間内
に行なわれない場合、インクジエツトヘツド９を
所定位置へ移動、全インク液吐出口からインク液
を吐出させる。

尚、上述した実施例において、ｎ個の各印字信
号や少くとも１個の印字信号、あるいはキーボー
ド９の操作やある定められた数のキーボード９の
操作が前述の所定時間内にあれば、前記計数部２
１内の計数回路や計数回路３０の内容はクリヤさ
れて、インクジエツトヘツド６の移動と１個もし
くは全インク液吐出口からのインク液吐出は実施
されない。

又、前記所定時間はインクの特性と目づまりと
の関係等を考慮して決定するが、さらに時間設定
器と一致回路を設けて、時間設定器からのデータ
と計数部２１内の計数回路や計数回路３０の内容
とが一致したとき、インクジエツトヘツドの移動
およびインク液の吐出を実施せしめるよう構成す
れば、タイプライタのおかれる環境等、使用に合
わせて上記所定時間を任意に設定できる。

さらに、上述の実施例ではコイルＬに電流を流
すことによつてインクジエツトヘツド６を不要イ
ンク液を処理できる位置へ移動させているが、こ
の移動に代えて、不要インク液処理部材をインク
液吐出口４の前面に配してもよい。すなわち、コ
イルＬとして上記不要インク液処理部材をインク
液吐出口４の前面に配するためのソレイドやモー
タのコイルとし、インクジエツトヘツド位置検出
器１４に代えて上記不要インク処理部材がインク
液吐出口４の前面に配されたか否かの検出器とす
る。

本発明におけるインクジエツト記録装置にて構
成したタイプライタのキヤラクタジエネレータ１
０や計数回路等の電子回路は集積回路化すること
が望ましく、特に低消費電力化のためにＣ―
MOS集積回路の採用が適当である。

なお、叙上の実施例では、インク液吐出口４か
らのインク液の吐出の中断をキーボードの操作や
キヤラクタジエネレータ１０からの印字信号の有
無によつて検知しているが、本発明はこの種の検
知のみに限定されるものでない。

又、パルス発生部２２内のパルス発生回路やパ
ルス発生回路２３からピエゾ素子２に与えられる
パルスは複数個であつてもよい。

以上述べたように、本発明によるインクジエツ
ト記録装置にて構成したタイプライタはインク液
吐出口からのイン液の吐出が中断してから、所定
時間経過してもインク液の吐出がない場合、強制
的にインク液吐出口からインク液を吐出して目づ
まりを防止するものであり、従つて、目づまり防
止用キヤツプを設けてインクジエツト記録装置に
て構成したタイプライタの使用中断時にはそのキ
ヤツプをインク液吐出口に施したり、或いは加熱
する等の使用上の手間等が不要となる。

このように、本発明のインクジエツト記録方法
によれば、マルチノズルでインク・オン・デイマ
ンド形でインクジエツト記録をおこなう場合、複
数のノズルの各々のノズルのインクの噴射するタ
イミングはそれぞれ異なるが、複数のノズルの１
つのノズルのインク噴射時間間隔が一定時間を超
えると、全部のノズルからインクが噴射され印刷
用の次のインク噴射に備えるため、複数のノズル
中のインクが染料、顔料等を溶解させる溶剤（有
機溶剤、水等）がインクのノズルでの待期時間の
変動により蒸発等してその割合が異なつてしまう
場合であつても、常にその変動を一定内でおさ
え、インク液の記録媒体への浸透速度等を異なる
ノズル間で均一にできる。従つて、複数のノズル
を備えたヘツドによりインク・オン・デイマンド
方式で記録をおこなう場合であつても、記録媒体
上での印刷ドツトの大きさをノズル間のばらつき
なく高密度、かつ均一に印刷が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかるインクジエツト記録装
置にて構成したタイプライタの構成を説明するた
めの図、第２図、第３図、第４図、第５図は本発
明における１実施例のブロツク図。 １はインクタンク、２はピエゾ素子、３はイン
ク液、４はインク液吐出口、５はインク液滴、６
はインクジエツトヘツド、７は記録紙、８は記録
紙保持機構、９はキーボード、１０はキヤラクタ
ジエネレータ、１１は増幅回路、１２は駆動部、
１３は制御回路、１４はインクジエツトヘツド位
置検器、１５は紙送り駆動部、１６はインクジエ
ツトヘツド移動速度検出器、２０はクロツク発生
回路、２１は計数部、２２はパルス発生部、３０
は計数回路、３１はパルス発生回路、４０は計数
回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数のノズルを備えると共に前記ノズルに対
   応して前記ノズル内のインクに圧力を印加する圧
   力発生素子を備え前記ノズルから印刷に必要なイ
   ンク滴を噴射し印刷をおこなうインク・オン・デ
   イマンド方式のインクジエツト記録方法におい
   て、 印刷途中で前記複数のノズルの少なくとも１つ
   のノズルからのインク滴の噴射中断時間が所定時
   間経過したことを検出した後、前記複数のノズル
   の全てからインク液を吐出し、次の印刷に備える
   ことを特徴とするインクジエツト記録方法。