JPS6155608B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は自動車用内燃機関の電子制御燃料噴
射装置に係り、特に前記機関の吸入空気量を検出
する渦流量計とこの渦流量計の渦速度に同期して
燃料を噴射する燃料噴射用電磁弁を備えた内燃機
関の電子制御燃料噴射装置に関するものである。

衆知のように渦流量計は計測すべき吸入空気量
に比例する渦速度（渦発生数）に対応した周波数
出力が得られる。この吸入空気量に比例した周波
数出力に同期して一定の燃料を機関に噴射供給す
る方法は実開昭53―133919で提案されている。

ところで機関の吸入空気量は2000c.c.クラスの機
関で２／Ｓ（アイドル運転時）〜85／Ｓ（最
大出力時）程度であり、その変化範囲は40〜45倍
になる。他方、燃料噴射用電磁弁の噴射周波数は
最大200〜250Hz程度が実用上の限界であり、また
前記機関のアイドル運転では少なくとも10Hz程度
の噴射周波数でないとトルク変動が生じる。

すなわち前記電磁弁の変化範囲は実用上20倍程
度となる。したがつて単一の電磁弁で前記渦速度
に同期して燃料を噴射しようとしても吸入空気量
の変化範囲（40〜45倍）全域をカバーすることは
実用上不可能である。

この発明は機関の吸入空気量を検出する渦流量
計とこの渦流量計の渦速度に同期して燃料を噴射
する燃料噴射用電磁弁と上記渦流量計と並列に設
けられたバイパス路と、このバイパス路を流れる
吸入空気量を制御する制御弁を設け、更に流量計
の出力信号に応じて上記燃料噴射用電磁弁の開弁
時間または燃料噴射圧力を制御することにより上
記単一の燃料噴射用電磁弁でも吸入空気量の広い
変化範囲に適応可能な機関の燃料噴射装置を提供
するものである。

以下図に示す実施例について説明する。第１図
において、１はエアクリーナ、２は測定導管３と
渦発生体４を有し図示しない渦検出器（例えばサ
ーミスタ）によりカルマン渦の発生量に基づいて
吸入空気量を検出する第１の渦流量計、５は前記
第１の渦流量計２の測定導管３を流れる空気を整
流する整流器、６は前記測定導管３のバイパス路
７と渦発生体８を有し図示しない渦検出器により
カルマン渦の発生量に基づいて、吸入空気量を検
出する第２の渦流計、９は前記バイパス路７を流
れる空気を整流する整流器である。

前記バイパス路７はその空気通路を開閉する開
閉弁１０を有する。１１はこの開閉弁１０に連結
されたダイアフラム、１２はスプリング、１３は
ダイヤフラム室であり、パイプ１４を通して前記
開閉弁１０の下流に連結している。１５は燃料噴
射用電磁弁であり、図示しない燃料ポンプから圧
送される燃料を前記第１の渦流量計２の出力（渦
発生周波数に対応する周波数出力）に同期して機
関の吸気管１７内に噴射する。１６は自動車のア
クセルに連動したスロツトル弁、１８は発生時期
か前記第１の渦流量計２から発生する周波数出力
の発生に同期しかつ、パルス幅か前記第２の渦流
量計６の出力の大きさ（周波数）に対応して補正
（変更）されたパルス信号を発生し、該パルス信
号によつて前記燃料噴射電磁弁１５を駆動する電
子制御装置である。

以上の構成において、機関が始動されると吸入
空気はエアクリーナ、１を通り整流器５で整流さ
れ測定導管３を通り機関の吸気管１７に導入され
る。

吸入空気が前記測定導管３を通過する時第１の
渦流量計２において渦発生体４によつて発生する
カルマン渦を測定することにより前記吸入空気量
が計量される。このカルマン渦の渦速度（渦発生
周波数）に同期して電子制御装置１８は燃料噴射
用電磁弁１５を駆動する。この時の前記燃料噴射
用電磁弁１５の開弁時間（噴射時間）は前記計量
された吸入空気量に対し定められた空燃比とする
ために一定の時間（例えば2mS）としてある。さ
らにこの時、バイパス路７は閉弁１０が閉じてい
るので空気は流れない。つぎに前記機関の吸入空
気量が増大し、前記測定導管３の圧力損力が大き
くなるとその下流の圧力が低下する（負圧力が増
大する）。

この低下した圧力はパイプ１４、ダイヤフラム
室１３からダイヤフラム１１に作用しスプリング
１２に抗して前記ダイヤフラム１１は作動し前記
開閉弁１０を開く、そして前記機関の吸入空気は
前記バイパス路７からも導入されるようになる。
そして前記第１の渦流量計２を流れる吸入空気が
制限される結果、前記渦速度も制限される。した
がつて前記燃料噴射用電磁弁１５の噴射周波数も
前記渦速度に同期しているので制限されることに
なる。

この時、前記バイパス路７を流れる吸入空気量
は第２の渦流量計６で検出される。そしてこの検
出された出力信号は前記電子制御装置１８に導入
されこの出力信号に応じて前記燃料噴射用電磁弁
１５の開弁時間を変更し、前記機関に導入される
空燃比を定められた値に保持するようにしてい
る。

すなわち前記燃料噴射用電磁弁１５の噴射周波
数が200Hz程度より高くならないように前記第１
の渦流量計２の渦速度に同期するようにし、前記
機関の空燃比は前記バイパス路７の渦流量計６の
出力信号により前記燃料噴射弁１５の開弁時間を
変更することにより制御するようにして前記機関
の広い運転範囲に適応するように構成しているの
である。

第２図はバイパス路７を流れる吸入空気量を開
閉弁１０の開度の関数として、開度検出器１９で
検出しその出力信号で燃料噴射用電磁弁１５の開
弁時間を制御するように構成したものである。バ
イパス路７を流れる吸入空気量を検出する流量計
はこのように他の方式の流量計で構成してもよ
い。従つてこの場合には電子制御装置１８は第１
の渦流量計２の周波数出力に同期して燃料噴射用
電磁弁１５を、開度検出器１９の出力に基づいて
補正（変更）された開弁時間で駆動制御するもの
である。

第３図はバイパス路７を流れる吸入空気量に応
じて燃料の圧力を制御するようにしたもので、開
度検出器１９の出力信号は燃料圧力制御装置２０
に導入され、この出力信号に応じて燃料噴射用電
磁弁１５から噴射される燃料の圧力を制御する。
この場合、電子制御装置１８は発生時期か第１の
渦流量計２の周波数出力に同期し、かつパルス幅
が設定値のパルス信号出力によつて燃料噴射用電
磁弁１５を駆動し、この燃料噴射用電磁弁１５の
開弁時間は変更されない。機関の空燃比は前記燃
料圧力制御装置２０で制御されるのである。

以上のようにこの発明は、渦流量計の周波数出
力に同期して噴射弁を間欠駆動する燃料噴射装置
において、噴射弁の駆動タイミングを決定する渦
流量計に対してバイパス通路と、このバイパス通
路に制御弁を設け、この制御弁を機関高吸入空気
量域で開く様に制御することにより、機関アイド
ル付近の噴射弁の駆動周波数は低下させることな
く機関高出力域ではバイパス通路の流量を増大さ
せて渦流量計での流量低域を図ることによつて最
大噴射弁駆動周波数を低減させることができ、し
かもこのバイパス通路を流れる流量分について
は、その流量に応じて噴射弁駆動時間幅又は燃料
圧力を制御して機関の吸入空気流量に対応した燃
料噴射量を供給可能にし得るものである。

他方、バイパス路７を備えているので前記機関
の吸入空気量が増大しても前記渦流量計２での圧
力損失が増大することを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す構成図、第
２図、第３図はこの発明の他の実施例を示す構成
図である。 図中、１はエアクリーナ、２は渦流量計、３は
測定導管、７はバイパス路、１０は開閉弁、１５
は燃料噴射用電磁弁、１６はスロツトル弁、１７
は機関の吸気管、１８は電子制御装置、１９は開
度検出器、２０は燃料圧力制御装置である。尚、
図中同一符号は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 機関の吸入空気量を検出する渦流量計とこの
   渦流量計の渦速度に対応した周波数出力に同期し
   て燃料を噴射する燃料噴射用電磁弁を備えた内燃
   機関の燃料噴射装置において、上記渦流量計をバ
   イパスして機関に吸入空気を与えるバイパス路
   と、このバイパス路に設けられ機関の吸入空気量
   が大きいときに開くように制御される制御弁と、
   上記バイパス路を流れる吸入空気量を検出する流
   量計と、この流量計の出力信号に応じて、上記燃
   料噴射用電磁弁の開弁時間又は燃料圧力を制御す
   る手段を備えたことを特徴とする電子制御燃料噴
   射装置。 ２ バイパス路に設けられた制御弁はその下流側
   の圧力によつて開閉動作するものである特許請求
   の範囲、第１項記載の電子制御燃料噴射装置。