JPS6154405B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、階段の踏面に敷設される階段用マツ
トの改良に関し、特にカーペツト等の敷物による
装飾効果及び踏感の良好さを保持したままですべ
り止め効果を高めることを目的として創案された
ものである。即ち、従来の階段の踏面あるいは蹴
上げ面に至るまでカーペツト、ジユータン等の敷
物を敷設することにより踏感の向上、装飾効果お
よび保温性等を向上させたものが提案されていた
が（実開昭47−35331号公報）、階段の段鼻部では
他の踏面に比して踏圧が大きく、かつ踏圧の負荷
頻度も高いので、該段鼻部において局部的な擦り
切れ等が生じやすく長期の使用により見苦しくな
り、その上、敷物は一般にすべり止めとしての効
果を持たないので、すべつて足を踏み外したりす
ることが多いという欠点が指摘されるに至つてい
る。

このような欠点を解消すべく、上面にすべり止
め用の凹凸部を形成した樹脂等のすべり止め材を
階段の段鼻部に固着することも得案されているが
（実開昭50−157718号公報）、反面すべり止め材の
柔軟性が敷物の柔軟性と異なるために、すべり止
め材の固着位置において踏感の格差が生じ、全体
としての踏感が低下するという問題点を有するも
のであつた。

本発明は、以上のような状況の下で階段の段鼻
部先端におけるすべり止め性能の向上が、全体の
すべり止め効果に大きく寄与するという認識のも
とに、階段の蹴上げ面から段鼻部にかけて角当て
材を固着することにより所要のすべり止め効果を
発揮させるとともに、踏感の格差発生の要因とな
る上記角当て材を、硬質基板の先端に略正方形状
のチユーブ体を固着して構成し、このチユーブ体
のみを階段表面部に露出させることによつて階段
の踏面全面に略均一な柔軟性を与え、もつて全体
の踏感の低下を防止し、あわせて上記チユーブ体
のクツシヨン性能により、過つて転倒した際の怪
我を防ぐことのできる階段用マツトを提供するこ
とを目的とする。

以下、本発明の望ましい実施例を添付図面に基
いて詳細に説明する。

第１図および第２図において、１は角当て材を
示すもので、硬質基板９とチユーブ体４とから構
成されている。

硬質基板９は、比較的薄く形成された半硬質又
は硬質の合成樹脂からなり、階段５の踏面６側に
対応される水平片８ａと階段５の蹴上げ面７側に
対応される垂直片８ｂとによつて断面略Ｌ字状に
形成されている。

一方、チユーブ体４は、底部壁４ａの前後端か
ら前部側壁４ｂおよび後部側壁４ｃを立設すると
ともに、これら前部側壁４ｂおよび後部側壁４ｃ
の上端を、上面にすべり止めのための凹凸条３を
複数条刻設した上部壁４ｂにて連結することによ
り内部に中空２を形成して側面視略正方形状と
し、かつ上記底部壁４ａから下方に向けて垂下部
４ｅを突設して形成され、軟質の合成樹脂、ゴム
等の材料から製せられている。

そして、これら前部側壁４ｂおよび後部側壁４
ｃは各々略等しく、かつ折曲可能な肉厚とされる
とともに、前部および後部側壁４ｂ，４ｃを後述
する敷物１０と略同一高さとして、該略正方形状
のチユーブ体４に踏圧が加わつた時に容易に弾性
変形して所要の柔軟性を発揮するようにされてい
る。

なお、この時、チユーブ体４は、上述のように
通常は軟質塩化ビニール樹脂等の汎用樹脂を用い
るが、昇降時の踏圧、擦過に対し耐久性を維持さ
せるため、ウレタン等の摩擦しにくくかつ柔軟性
に富む材料を使用することが望ましい。

このように構成されるチユーブ体４は、底部壁
４ａおよび垂下部４ｅ裏面において硬質基板９の
成形時に該硬質基板９の先端に一体的に結合さ
れ、該チユーブ体４が硬質基板９から容易に脱落
しないようにされている。

敷物１０は、ジユート、ポリプロピレン等の織
布からなる基布１２を通常下面に設け種々なる工
程によりパイル系と一体化されるか、あるいは合
成樹脂等のシート状の基布に融着等の手段により
一体化されて構成され、その前端縁１０ａを上記
角当て材１のチユーブ体４の後部側壁４ｃに当接
させるとともに、その前端部裏面１０ｂを角当て
材１の硬質基板９の水平片８ａの後部の取付け面
１１上に固定して配設されている。

この時上記後部側壁４ｃには上方に行くにした
がつて後方に傾斜する傾斜面が形成され、敷物１
０との一体感が向上するようにされている。

なお、上記敷物１０と硬質基板９とを固定する
には、接着あるいは縫着等の手段が用いられてい
る。

このように、敷物１０をチユーブ体４の後部側
壁４ｅにその先端を当接させて固定することによ
り、階段５の踏面６上には、角当て材１のチユー
ブ体４と敷物１０のみが露出することとなり、チ
ユーブ体４および敷物１０の柔軟性と相まつて階
段５の踏面６は全面に渡り適度の柔軟性が保持さ
れるのである。

以上のように構成される階段用マツトは、角当
て材１および敷物１０の裏面を両面の粘着テープ
で固定することにより階段５に安定して取り付け
られる。

以上の説明から明らかなように、本発明による
階段用マツトによれば、角当て材は、その硬質基
板の先端に略正方形状のチユーブ体を結合して形
成され、かつ、敷物は、その前端縁を上記チユー
ブ体の後部側壁に当接させるとともに、その前端
部裏面を角当て材の硬質基板の水平片上に固定し
て配設されているので、階段の踏面表面にチユー
ブ体と敷物のみを露出させることができる。

しかも、チユーブ体は、底部壁の前後端から略
等しい肉厚を有して折曲可能に立設され、かつ上
記敷物と略同一高さの前部および後部側壁の上端
部を上部壁により一体的に連結することにより内
部を中空として形成されているので、踏圧により
前部および後部側壁が容易に折曲し、その柔軟性
を敷物の柔軟性と略等しいまでに近づけることが
できる。

従つて、階段の踏面全面に渡つて略等しい柔軟
性をもたせることができ、踏感を向上させること
ができる。

さらに、チユーブ体は、底部壁において硬質基
板に一体的に結合されているので、容易に硬質基
板から脱落することがなく長期に渡つて使用を可
能にすることができる。

加えて、敷物は、その前端部裏面を角当て材の
硬質基板の水平片上に固定して敷設されているの
で、敷物が剥がれるのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る階段用マツトの実施例を示
し、第１図は階段への取付け状態を示す断面斜視
図、第２図は分解した拡大断面図である。 １……角当て材、２……中空、４……チユーブ
体、４ａ……底部壁、４ｂ……前部側壁、４ｃ…
…後部側壁、４ｄ……上部壁、４ｅ……垂下部、
５……階段、６……踏面、７……蹴上げ面、８ａ
……水平片、８ｂ……垂直片、９……硬質基板、
１０……敷物、１０ａ……前端縁、１０ｂ……前
端部裏面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 階段の蹴上げ面と踏面との衝合隅角部に固着
   される角当て材と、この角当て材の後方で踏面上
   に敷設されるカーペツト、ジユータン等の敷物と
   を有してなる階段用マツトにおいて、 上記角当て材を、 階段の踏面に対応する水平片と階段の蹴上げ面
   に対応する垂直片とによつて断面略Ｌ字状に形成
   される比較的薄い硬質基板と、 軟質の合成樹脂等の柔軟材より形成され、底部
   壁の前後端から略等しい肉厚を有して折曲可能で
   かつ上記敷物と略同一高さに立設される前部およ
   び後部側壁の上端部をその上面に複数の凹凸条を
   刻設した上部壁により一体的に連結することによ
   り内部に中空を形成して側面視略正方形状とする
   とともに上記底部壁の前端から下方に向けて垂下
   部を突設して、上記底部壁および垂下部において
   硬質基板の先端に一体的に結合されるチユーブ体
   とから構成し、 上記敷物を、その前端縁を上記角当て材のチユ
   ーブ体の後部側壁に当接させるとともに、その前
   端部裏面を角当て材の硬質基板の水平片上に固定
   して敷設したことを特徴とする階段用マツト。