JPS6154143B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は建物外壁の給排気ユニツトに関し、と
くに冷房・暖房兼用のヒートポンプを有する外壁
貫通形の空気調和ユニツトに対する建物外壁取付
けの給排気ユニツトに関する。

本出願人が特許第1049050号に開示した外壁貫
通形の空気調和（以下、WTAという。）ユニツト
は、その省力性、経済性、及び取扱い容易性など
のため広く利用されている。しかし、従来の
WTAユニツトの給排気用に建物外壁に設けられ
た開口部には、(イ)WTAユニツトへ取入れられ空
気にそのWTAユニツトからの排気が混入し効率
を低下させるおそれがあること、(ロ)強風や豪雨の
ときにWTAユニツトへ雨水や強風が侵入し空調
効果を阻害し著しい場合にはWTAユニツトに損
傷を与えるおそれがあること、及び(ハ)建物外壁に
開口が設けられるので騒音に対する建物外壁の遮
音効果が低下する等の欠点があつた。

従つて、本発明の目的は従来技術の上記諸欠点
を解決した建物外壁の給排気ユニツトを提供する
にある。この目的を達成するため、本発明により
WTAユニツトに連接して建物外壁に取付けられ
る給排気ユニツトは、屋外側通気口を有する前面
パネル、WTAユニツトと連通する吸気口及び排
気口を有する背面板、実質的に外気圧と等圧に保
たれる如く上記前面パネルと前記背面板との間に
画成される空間、及び上記空間を上記吸気口に連
通する吸入側通気路と上記排気口に連通する排出
側通気路とに分けると共に上記前面パネルの通気
口から上記背面板の吸気口の下方部分への最短空
気流路を妨げる如く上記空間に配置されたセパレ
ータを備えてなることを特徴とする。

本発明の好ましい一実施例においては、上記空
間の頂部に無目板を設け、その無目板の屋内側端
縁にWTAユニツト固定金具を固着し、上記背面
板の屋内側下端にWTAユニツト係止金具を固着
することにより、WTAユニツトの据付けを容易
にする。

本発明の他の好ましい実施例においては、上記
前面パネルの上記空間側表面に吸音材を固着し、
かつ上記背面板の屋内側表面に耐火材を固着し、
給排気ユニツトを含む建物外壁の遮音性及び耐火
性を確保する。

以下、添付図を参照して本発明を詳細に説明す
る。第１，２、及び３図はそれぞれ本発明による
外壁取付け形の給排気ユニツトの一実施例の正面
図、縦断面図、及び平面図を示し、第４図はその
実施例の分解斜視図である。

WTAユニツトＡに対する給排気ユニツトＢの
図示実施例は窓サツシＣの下方に建物外壁Ｄを貫
通して取付けられ、WTAユニツトＡは屋内の床
Ｅの上に建物外壁Ｄ内の給排気ユニツトＢに隣接
して配置される。

WTAユニツトＡは、図示してない空調機器、
即ち全熱交換器、圧縮器、凝縮器、気化器、吸気
フアン、排気フアン、加湿器、除湿器などを有す
る。このWTAユニツト自体は公知技術に属し、
たとえば上記特許第1049050号にその詳細が開示
されている。

外壁の給排気ユニツトＢは、外壁Ｄを貫通して
配置され、その外周は、外壁Ｄの外側面に対応す
る前面パネル１、その前面パネルから間隔をおい
て屋内側に配置される背面板２、前面パネル１と
背面板２との間の空間の底部、頂部、及び側部に
配置される水切板３、無目板４、及び側板５によ
つて構成される。背面板２はWTAユニツトＡと
連通する吸気口６及び排気口７を有する。図示実
施例の前面パネル１はその下端に通気口８を有
し、好ましくは図示の防鳥網をこの通気口８に張
設して鳥などが給排気ユニツトＢ内に飛び込んで
障害の原因となるのを防止する。

前面パネル１及び通気口８は、第１図ないし第
４図に例示する構成とすることが好ましいが、本
発明は図示の構成に限定されるものではなく、以
下に説明する機能をはたす範囲において他の構成
のものでもよく、たとえば適当な構造のガラリ
（図示せず）によつて前面パネル１を構成しても
よい。

本発明においては、吸気口６と排気口７とにお
ける空気の流路を区別し、かつ吸気口６への雨水
の侵入等を防止するため、セパレータ９を使用す
る。図示実施例においては、セパレータ９を背面
板２に取付けるが、その取付け部位は背面板２に
限定されるものではない。セパレータ９の形状
は、前面パネル１と背面板２との間の空間を、吸
気口６に連通する吸入側通気路８ａ（第１図）と
排気口７に連通する排出側通気路８ｂ（第１図）
とに区分し、かつ前面パネル１の通気口８から吸
気口６に到る最短空気流路を妨げる（第４図）よ
うに選定される。

なお、前面パネル１と背面板２との間の空間の
気圧は、通気口８、吸気口６、及び排気口７の大
きさを適当に選択することにより、実質的に外気
圧と等圧に保たれる。

第２図を参照するに、前面パネル１の上記空間
側表面には吸音材１０を取付け、背面板２の屋内
側表面には耐火材１１を取付けることができる。
好ましくは、吸湿による吸音効果の低減を防ぐた
め、耐水性のある吸音材１０としてグラスウール
を使用し、さらに空気の流れによつて飛散しない
ようにグラスクロスでグラスウールを包んだもの
を前面パネル１に取付ける。耐火材１１として
は、岩線を20〜40mm程度の厚さに背面板２へ吹き
付けたものを使用することができる。

また、第２図の実施例では、WTAユニツトＡ
の給排気装置１２を背面板２の吸気口６及び排気
口７に臨ませる。さらに、背面板２の屋内側下端
にはストツパなどの係止金具１３を固着し、無目
板４の屋内側端縁に取付金具１４を固着する。こ
の係止金具１３とたとえばアングル部材等の取付
金具１４とを設けた場合には、たとえばWTAユ
ニツトＡを係止金具１３に当接させることによつ
て位置決めをしたのち、３個の取付ボルト１５
（第３図）のみによつてWTAユニツトＡを給排気
ユニツトＢに従つて外壁Ｄに固定することができ
る。さらに、WTAユニツトＡの底面に適当な陥
入部（図示せず）を設け、上記係止金具１３をこ
れに嵌合させるならば、WTAユニツトＡの室内
方向へのすべり出しを一層確実に防ぐことができ
る。

上記構造を有する給排気ユニツトＢの機能を説
明する。WTAユニツトＡが動作すると、外気が
第４図の白矢印で示されるように給排気ユニツト
Ｂの通気口８、吸入側通気路８ａ及び吸気口６を
介してWTAユニツトＡに吸入される。このと
き、セパレータ９により、外気は通気口８から吸
気口６の下方部分への最短空気流路を通ることが
妨げられ、第４図の白矢印のように迂回して進行
する。また、給排気ユニツトＢの前面パネル１と
背面板２との間の空間は外気と実質上等圧に保た
れている。この等圧性と吸気の迂回のため、屋外
の雨水が給排気ユニツトＢの吸気口６を介して
WTAユニツトＡへ侵入することは完全に防止さ
れる。さらに、上記迂回は、屋外風圧が屋内に影
響を与えるのを防ぐ。

WTAユニツトＡからの排気は、給排気ユニツ
トＢの排気口７、排出側通気路８ｂ、及び通気口
８を介して屋外に排出される。この排気は、上記
排出側通気路８ｂによりその流れ方向が第４図の
黒点矢印のように規制されるので、排気が吸気口
６へ向う吸気に混入することは防止される。
WTAユニツトの排気は、冷房動作時に加熱さ
れ、暖房動作時に冷却されているので、その排気
が吸気と混合するのを防止することは、WTAユ
ニツトの効率を高めるために重要である。

前面パネル１の上記空間側表面に防音材１０を
取付けた場合には、WTAユニツトＡの動作音の
屋外への伝播が低減され、また屋外騒音の屋内へ
の波及が抑制される。背面板２の屋内側表面に耐
火材１１を取付けた場合には、火災の延焼を防止
する耐火性が向上する。これらの防音材１０及び
耐火材１１を設ければ、建物外壁の遮音性及び耐
火性を維持したまま外壁に給排気ユニツトＢを取
付けることができる。

WTAユニツトＡの不使用時に給排気ユニツト
Ｂの耐水、耐風、遮音、耐火性等を確保するた
め、吸気口６及び排気口７に適当なシヤツタ（図
示せず）を取付けることができる。

さらに、背面板２に係止金具１３を設け、無目
板４に取付金具１４を設けた場合には、WTAユ
ニツトＡの据付が容易になり、その据付工程が簡
略化され、省力化を図ることができる。

本発明によつて得られる効果を列挙すれば次の
通りである。

(1) 給排気ユニツトにおける雨水の侵入を防止す
ることができる。

(2) 外壁貫通形の空気調和ユニツトの排気がその
吸気に混入するのを防止し、空気調和ユニツト
の高効率運転を確保することができる。

(3) 屋外風圧が屋内に影響を及ぼすのを防止する
ことができる。

(4) 遮音効果を容易に高めることができる。

(5) 耐火性を容易に高めることができる。

(6) 外壁貫通形の空気調和ユニツトの据付工程の
簡略化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の正面図、第２図は
その縦断面、第３図はその平面図、第４図はその
分解斜視図である。 Ａ……WTAユニツト、Ｂ……給排気ユニツ
ト、Ｃ……窓、Ｄ……外壁、Ｅ……床、１……前
面パネル、２……背面板、３……水切板、４……
無目板、５……側板、６……吸気口、７……排気
口、８……通気口、８ａ……吸入側通気路、８ｂ
……排出側通気路、９……セパレータ、１０……
吸音材、１１……耐火材、１２……WTAユニツ
トの給排気装置、１３……係止金具、１４……取
付金具、１５……取付ボルト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外壁貫通形空気調和ユニツトに連接して建物
   外壁に取付けられる給排気ユニツトにおいて、屋
   外側通気口を有する前面パネル、外壁貫通形空気
   調和ユニツトと連通する吸気口及び排気口を有す
   る背面板、実質的に外気圧と等圧に保たれる如く
   上記前面パネルと前記背面板との間に画成される
   空間、及び上記空間を上記吸気口に連通する吸入
   側通気路と上記排気口に連通する排出側通気路と
   に分けると共に上記前面パネルの通気口から上記
   背面板の吸気口の下方部分への最短空気流路を妨
   げる如く上記空間に配置されたセパレータを備え
   てなることを特徴とする建物外壁の給排気ユニツ
   ト。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の建物外壁の給排
   気ユニツトにおいて、上記前面パネルの頂部と上
   記背面板の頂部との間に延在する無目板、上記無
   目板の屋内側端縁に固着された外壁貫通形空気調
   和ユニツト固定金具、及び上記背面板の屋内側下
   端に固着された外壁貫通形空気調和ユニツト係止
   金具を備えてなることを特徴とする建物外壁の給
   排気ユニツト。 ３ 特許請求の範囲第１項記載の建物外壁の給排
   気ユニツトにおいて、上記前面パネルの上記空間
   側表面に固着された吸音材、及び上記背面板の屋
   内側表面に固着された耐火材を備えてなることを
   特徴とする建物外壁の給排気ユニツト。