JPS6151679B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスクリユー冷凍機、詳しくはスクリユ
ー圧縮機を備え、該圧縮機の圧縮行程途中に中間
圧ポートを設け、この中間圧ポートから中間圧の
ガス冷媒を吸入させるごとくしたスクリユー冷凍
機に関する。

従来、米国特許第3568466号明細書及び図面に
示され、また、第１図に示したごとくスクリユー
冷凍機において、スクリユー圧縮機１の吸入ポー
ト１ａと吐出ポート１ｂとの中間部に中間圧ポー
ト１ｃを設け、１対の膨張弁２，３の中間に介装
した気液分離器４のガス域から延びる中間圧吸入
管５を接続し、該吸入管５に介装する制御弁６の
動作で、前記吸入管５を介して中間圧のガス冷媒
を前記中間圧ポート１ｃからインジエクシヨンし
て能力アツプを行なうごとくしたものが知られて
いる。尚、第１図において７は凝縮器、８は蒸発
器である。

所が、前記中間圧ポート１ｃは、圧縮機１にお
けるスクリユーロータを内装する圧縮室に直接開
口しており、このポート１ｃに対し前記スクリユ
ーロータの溝と山とが繰返し通過するため断続的
な脈動波が生じ、この脈動波による振動に基因す
る騒音が発生する問題があつた。

更に詳記すると、前記中間圧ポート１ｃは、低
圧域に近い方が冷媒ガスの吸入量を多くとれるた
め、圧縮空間が低圧域から離れた直後に開口する
ように設けられており、また、ポート径も最大と
なるようにスクリユー端部に設けられているのが
通常である。

即ち、ポート径が前記スクリユーロータの山部
の幅より大きいと、圧力の異なる二つの溝間が前
記中間圧ポート１ｃを介して連通し、これら溝間
でガスの流れが生ずると共にこの流れが漏れ損失
となつて効率の低下を招くことになるので、前記
中間圧ポート１ｃは山部の幅以下で最大となるよ
う前記スクリユーロータの端部に対応した位置に
設けているのである。

従つて、以上の構成により、二つの溝間のガス
の流れは発生しないのであるが、前記中間圧ポー
ト１ｃは、前記スクリユーロータの山部で完全に
閉じられることになるので、全閉時と全開時との
間では、前記ポート１ｃから吸込まれる中間圧の
ガス冷媒の流量が第２図のごとく変動し、前記し
た騒音の原因となる脈動波が生ずるのである。

本発明の目的は、液状流体に振動の減衰作用が
あることに着目し、潤滑油、高圧液冷媒などスク
リユー冷凍機に用いられる液状流体の一部を利用
して消音器などの特別な機構を用いることなく騒
音低下を行なうごとくしたものである。

また、本発明の構成は、前記中間圧ポートに潤
滑油、高圧液冷媒などの前記スクリユー冷凍機に
用いられる液状流体の１部を流通させる通路を連
通させ、該通路から前記中間圧ポートに前記液状
流体の１部を注入するごとくして、該液状流体の
作用で脈動波による振動の吸収を行なうごとくし
たことにより、前記液状流体の１部を利用し、簡
単な構成で騒音低下を可能にしたのである。

次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。第３図に示した冷凍機は、吸入ポート１１と
吐出ポート１２及びこれら両ポート１１，１２の
中間部に中間圧ポート１３を備えたシングルスク
リユー圧縮機１０を用い、この圧縮機１０の吐出
ポート１２に接続する吐出管２１に油分離器２２
を接続して、この油分離器２２にガス管２３と油
管２４とを接続すると共に、前記ガス管２３に凝
縮器２５、膨張弁２７、エコノマイザー熱交換器
２８、蒸発器２９を接続し、この蒸発器２９の出
口側に接続する吸入ガス管３１を、サクシヨンフ
イルタ３２及び逆止弁３３を介して前記吸入ポー
ト１１に接続するのであり、また前記油管２４
に、油冷却器３４、オイルフイルタ３５及びヘツ
ダ３６を接続し、このヘツダ３６に接続する給油
管３７，３８を介して前記圧縮機１０の回転部分
に給油するごとく成したものである。

尚、前記圧縮機１０は、第４図のごとく圧縮室
１４を備えたケーシング１５の前記圧縮室１４
に、一つのスクリユーロータ１６を内装すると共
に、スクリユーロータ１６に１対のゲートロータ
１７を噛合わせ、これら各ロータ１６，１７の回
転により吸入ポート１１から低圧のガス冷媒を吸
入し、圧縮室１４で圧縮した後吐出ポート１２か
ら吐出すべく成したものである。

又、前記熱交換器２８は、シエルアンドチユー
ブ式熱交換器を用い、その熱交換チユーブに、前
記膨張弁２７をもつた液管４１を接続すると共
に、シエルに前記凝縮器２５と膨調弁２７との間
の液管４１から分岐する中間圧液管４２を接続
し、中間圧の液冷媒と低圧の液冷媒とを熱交換さ
せて前記中間圧の液冷媒を蒸発させるごとく成
し、そして前記シエルに、中間圧吸入管４３を接
続し、この中間圧吸入管４３を前記中間圧ポート
１３に接続するのである。尚、第３図において４
４はモータ、４５は電磁弁である。

しかして、以上の構成において前記圧縮機１０
を駆動すると、吐出ポート１２から潤滑油ととも
に吐出されるガス冷媒は、前記油分離器２２で潤
滑油と分離された後凝縮器２５で凝縮し、蒸発器
２９で蒸発して吸入ポート１１に戻るサイクルを
形成し、蒸発器２９での蒸発により冷房を行なう
のであり、前記熱交換器２８で熱交換して蒸発し
た中間圧のガス冷媒は、前記中間圧吸入管４３を
介して前記圧縮機１０の中間圧ポート１３に吸入
され、前記圧縮機１０の能力アツプが行なわれる
のである。

そして、前記油分離器２２でガス冷媒と分離さ
れた潤滑油は油冷却器３４で冷却された後ヘツダ
３６を介して前記給油管３７，３８から圧縮機１
０の回転部分にそれぞれ給油されるのである。

本発明は、以上の如く構成するスクリユー冷凍
機において、前記ヘツダ３６及び給油管３７，３
８から成る給油路に、該給油路から延びる通路５
０を連通状に設けて、この通路５０を中間圧ポー
ト１３又は該ポート１３に接続する前記中間圧吸
入管４３に接続し、前記通路５０から供給する油
の減衰作用で、前記中間圧ポート１３及び中間圧
吸入管４３に生ずる脈動波による振動を吸収する
ごとくしたのである。

第３図に示したものは、前記通路５０を給油パ
イプにより形成して、その途中に逆止弁５１を介
装して、その一端を前記ヘツダ３６に接続すると
共に、他端を前記中間圧吸入管４３に接続し、前
記ヘツダ３６に戻る潤滑油の１部を前記中間圧吸
入管４３に注入するごとくしたものである。

従つて、この場合前記中間圧吸入管４３に注入
された潤滑油は、該吸入管４３に附着すると共に
前記中間圧ポート１３にも注入されて、該ポート
１３に附着することになり、この附着油が油のも
つ減衰作用で脈動波による振動の吸収が行なえ、
騒音の低下が可能となるのである。

尚、前記中間圧ポート１３は低圧部に開口され
ており、前記給油路は高圧に保持されているた
め、前記油は中間圧吸入管４３に注入することに
よつても、常に中間圧ポート１３の方向に流れる
のであつて、逆流することはない。

又、第３図に示したものは、前記通路５０を、
給油パイプにより形成して、その一端をヘツダ３
６に接続し、他端を中間圧吸入管４３に接続した
が、第５図のごとく給油パイプを用いることなく
前記圧縮機１０のケーシング１５に、給油孔を設
けて形成してもよい。この場合、この給油孔は、
前記ケーシング１５に設ける前記圧縮室１４への
給油ポート１８と前記中間圧ポート１３とに連通
するごとく成すのである。

この実施例においても、前記給油ポート１８に
給油される潤滑油の１部が、前記給油孔から成る
通路５０を介して中間圧ポート１３に注入され
て、該ポート１３に附着するので、この附着油
が、脈動波による振動を吸収でき、騒音の低下を
行なえるのである。

又、以上何れの実施例においても、前記通路５
０から注入する潤滑油の注入量は、例えば１／
min程度でよいのであつて、この注入量は油循環
量（例えば80／min）に対し僅かでよい。

そして、斯くの如く油を注入する本発明と消音
機構をもつていない従来例との騒音を調べてみた
ところ、第６図及び第７図のごとき結果が得られ
た。

これらの図面から、明らかな如く油を注入する
本発明では、従来例に比較し、高周波領域での騒
音レベルが大幅に低下することになるのである。

以上説明したものは、潤滑油の１部を利用した
ものであつたが、これに代えて、高圧液冷媒の１
部を利用した別の実施例について第８図を参照し
て説明する。

第８図に示したものは、圧縮機１０、凝縮器２
５、受液器５８、中間冷却器２８、蒸発器２９を
順次冷媒配管により接続して冷媒回路を構成する
とともに中間圧ポート１３に中間圧吸入管４３を
接続し、そして前記受液器５８の出口側の液管４
１から分岐した高圧液冷媒用の通路５２を前記中
間圧吸入管４３に接続したものである。

一方、圧縮機１０の潤滑装置は前記冷媒回路と
は別に返油管５５、油タンク５７、ポンプ５６。
給油管５４とから構成されている。

尚、５３，５３は圧縮機１０の中間圧縮工程部
に液冷媒をインジエクシヨンして圧縮機１０を冷
却するための分岐通路である。その他の符号は第
３図に示したものと同一であるので省略する。

以上のように構成したものにおいて、高圧液冷
媒の１部を、通路５２を介して中間圧吸入管４３
に供給することにより、先の実施例と同様脈動波
による振動騒音を防止することができる。

以上の如く本発明は、前記中間圧ポート１３に
潤滑油、高圧液冷媒などの前記スクリユー冷凍機
に用いられる液状流体の１部を流通させる通路５
０，５２を連通させ、該通路５０，５２から前記
中間圧ポート１３に前記液状流体の１部を注入す
るごとくして、該液状流体の作用で脈動波による
振動の吸収を行なうごとくしたから、前記液状流
体の１部を利用し、該液状流体を単に中間圧ポー
ト１３に注入するだけで、特別な消音器を用いな
くとも大幅に騒音の低下が行なえるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示すスクリユー冷凍機の配管
系統図、第２図は中間圧ポートにおける脈動波の
特性図、第３図は本発明の一実施例を示す配管系
統図、第４図は圧縮器のみの概略図、第５図は別
の実施例を示す要部のみの概略断面図、第６図は
本発明による騒音レベル特性図、第７図は従来例
による騒音レベル特性図、第８図は別の実施例を
示す第３図に対応した配管系統図である。 １０……スクリユー圧縮機、１３……中間圧ポ
ート、３６……ヘツダ、３７，３８……給油管、
５０，５２……通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スクリユー圧縮機１０を備え、該圧縮機１０
   の圧縮行程中に中間圧ポート１３を設け、該中間
   圧ポート１３から中間圧のガス冷媒を吸入させる
   ごとくしたスクリユー冷凍機であつて、前記中間
   圧ポート１３に潤滑油、高圧液冷媒などの前記ス
   クリユー冷凍機に用いられる液状流体の１部を流
   通させる通路５０，５２を連通させ、該通路５
   ０，５２から前記中間圧ポート１３に前記液状流
   体の１部を注入するごとくして、該液状流体の作
   用で脈動波による振動の吸収を行なうごとくした
   ことを特徴とするスクリユー冷凍機。