JPS6146460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、デジタル速度計の最高速度表示用ロ
ツク回路に関するものである。

近時、自動車事故が急激に増加しているが、そ
の大半は速度違反に起因するものである。この速
度違反を取り締まる一例として、警察官が白バイ
に乗つて取り締まり対象車と同じ速度で走行し、
その時の白バイの最高速度をもつて速度違反が有
つたかどうか判定しているが、このような速度違
反を立証するための証拠として、対象車と同じ速
度で走行したときの最高速度を表示ロツクする必
要がある。しかし、こうした表示ロツクが警察官
の手動操作によつて行なわれるため、ロツク操作
のタイミングが追跡中の急加速時になされた表示
か、対象車との並列走行による忠実な表示かで、
警察官と違反車の運転車との間にトラブルを生じ
ることがあり、円滑な事故処理に支障を来す恐れ
がある。

本考案は、如上のごとき従来の不都合を解消す
るためになされたもので、加速時における表示ロ
ツクを禁止し、対象車と同じ速度での一時継続的
な定速走行時にのみ表示ロツクを可能とすること
により、運転車との間でのトラブルのない円滑な
事故処理を行なうことのできるデジタル速度計を
提供せんとするものである。

図は、本考案による速度計用表示ロツク回路の
一実施例を説明するもので、Ａは通常の走行速度
を演算表示する車速表示部、Ｂは警察官のスイツ
チ操作で一時継続的な定速走行時に表示ロツクを
可能とする表示ロツク部である。車速表示部Ａ
は、走行速度に比例した周波数の反復パルスを発
生する車速センサ１と、センサ出力を整形する波
形整形回路２と、クロツク信号発生回路３からの
信号周期で上記反復パルスを計数するカウンタ４
と、カウンタ４の計数内容を所定の表示更新周期
で更新保持するラツチ回路５と、ラツチ回路５の
保持内容をデジタル表示信号に変換するデコーダ
ドライバ６と、７セグメントの３桁構成をなすデ
ジタル表示器７とからそれ自体一般的な表示回路
で構成される。表示ロツク部Ｂは、運転車による
手動操作を可能とする表示ロツクスイツチ８と、
このロツクスイツチ８の有効性を制限する定速走
行距離判定回路９とから構成され、スイツチ操作
によるロツク信号を上記ラツチ回路５に出力して
それ以降のデータ更新動作を制限するよう接続さ
れる。上記定速走行距離判定回路９は、カウンタ
４の計数内容を取り込み、シフトレジスタあるい
はデジタル比較器等により複数計数周期間の走行
速度の変化を検知し、定速走行状態にあるとき信
号を出力する定速走行検知回路１０と、この検知
回路１０の出力時にのみ波形整形回路２からの反
復パルスを通過せしめるANDゲート１１と、
ANDゲート１１を通過した反復パルスを計数す
る距離カウンタ１２と、カウンタ１２の計数内容
すなわち定速走行に入つてからの走行距離をあら
かじめ設定した距離データと比較し、これを越え
たとき信号を出力する距離判定回路１３と、この
判定回路１３の出力時にのみ上記表示ロツクスイ
ツチ８からラツチ回路５へのロツク信号を有効と
するANDゲート１４とから構成される。

上記構成において、通常は車速表示部Ａの計数
表示動作で所定の更新周期による走行速度がデジ
タル表示される。

いま、速度違反車を発見し、これを追跡して対
象車の違反速度をロツクしようとした場合、急加
速にして違反車よりはるかに速い速度で接近しな
ければならないが、このとき表示ロツクスイツチ
８を操作したとしても、ロツク信号はANDゲー
ト１１により阻止されラツチ回路５のデータは通
常周期で更新される。すなわち、定速走行検知回
路１０では常時カウンタ４の計数内容の変化を判
別しており、上記対象車に接近するための急加速
時においてはカウンタ４の計数内容も頻繁に変化
しているため信号は出力されず、ANDゲートは
阻止状態を維持し、距離カウンタ１２における距
離計数動作はなされないから、上述したようにこ
の間の表示ロツク操作は無効となる。

ここで、違反車に接近し、これと同じ速度で走
行したとすれば、カウンタ４の計数内容はほぼ一
定値で更新され、従つて定速走行検知回路１０に
より定速走行が判定されてANDゲート１１を通
した距離カウンタ１２へのパルス印加が有効とな
り、距離カウンタ１２では定速走行開始時からの
走行距離が計数される。距離カウンタ１２による
計数内容が距離判定回路１３であらかじめ設定し
た距離データ（速度違反認知条件としての継続走
行距離）を越えたとき、距離判定回路１３から判
定信号が出力されANDゲート１４を通過状態と
するため、このとき表示ロツクスイツチ８からの
ロツク信号はANDゲート１４を通してラツチ回
路５に印加され、そのときの走行速度を別の解除
信号が入力されるまで保持し続ける。

従つて、デジタル表示器７には表示ロツクスイ
ツチ８を操作したときの走行速度が表示ロツクさ
れ、これを正確な違反速度として対象車の運転者
に提示することができ、違反速度の信憑性を云々
したトラブルを生ずることがなく、円滑な事故処
理を可能とするものである。

なお、上述した実施例は、定速走行時における
走行距離を検知してあらかじめ設定した距離デー
タを越えたとき表示ロツク可能とする構成を示し
たが、定速走行が所定時間継続したとき表示ロツ
クを可能とする時間制御型としてもよいし、ある
いは上記所定時間を走行速度により変更可能と
し、走行速度×時間による走行距離型としてもよ
く、いずれにしても加減速度時に表示ロツク不能
として一時断続的な定速走行時にのみ表示ロツク
を可能とすることができる構成であれば、走行距
離あるいは時間の何れを採用しても本考案の目的
を達成することに支障はない。

以上のように本考案になる表示ロツク回路によ
れば、追跡接近時の加速時における表示ロツクを
禁止し、違反車と同じ速度での一時継続的な定速
走行時にのみ表示ロツクを可能とし得るため、表
示ロツクされた速度を正確な違反として提示する
ことができ、トラブルのない円滑な事故処理を可
能とする極めて信頼性の高いものとすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る車速表示ロツク回路の一実施
例を示す回路構成図である。 Ａ……車速表示部、Ｂ……表示ロツク部、８…
…表示ロツクスイツチ、９……定速走行距離判定
回路、１０……距離判定回路、１３……距離判定
回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行速度に比例した周波数をもつ反復パルスを
   入力して演算処理することにより上記走行速度を
   デジタル表示する車速表示部と、手動操作により
   表示速度をロツクする表示ロツクスイツチと、上
   記車速表示部における車速演算データの変化を検
   知して一時継続的な定速走行か否かを判定する定
   速走行検知回路を備え、定速走行が所定期間継続
   したとき、上記表示ロツクスイツチからのロツク
   信号を車速表示部に供給する表示ロツク部とから
   構成される車速表示ロツク回路。