JPS6146456Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガス漏れを検知して、これを知らせる
ガス漏れ警報器を始めとするガス検出装置に関す
る。

ガス検出装置の一例として一般家庭をはじめ広
く産業界で用いられているガス漏れ警報器は、燃
焼器具、貯蔵タンク、各種化学プラントなどから
漏れた都市ガス、プロパンガスなどの可燃性ガス
およびSO₂，NO₂ガスなどの安全衛生上問題とな
るガスを低濃度のうちにいち早く検出し、人身、
物損事故を未然に防止すべく警報を発するもので
ある。そしてしごくまれにしか生じないガス漏れ
を確実に検出するために、その警報器は常時正常
に検知し警報を発することができる動作状態にあ
らねばならない。しかしながら使用中に、ひつか
けたり、物が接触したりする等の何らかの原因に
よりコンセントから警報器駆動用の電源コードが
はずれ、肝心なガス漏れ時に警報を発しないとい
う事故が時々発生している。本考案は万一電源コ
ードがはずれた場合においても、電源コードがは
ずれた事によりガス検知素子の抵抗値が非常に大
きくなる事に注目し、その変化を検出し、異常を
報知しようとするものである。詳しくいうと、現
在知られている半導体ガス漏れ警報器は電源コー
ドを通し外部から供給された電力によりガス検知
素子を高温（200〜500℃）に加熱し、ガスに感応
しやすい状態を保持して使用されている。この検
知素子の常温（無加熱状態）と実際の使用状態
（加熱状態）における抵抗比は100倍以上ある。電
源コードがはずれた場合当然検知素子を加熱して
いるヒータの電源が切れ、検知素子の温度は降下
する。その結果検知素子の抵抗は非常に高くな
る。本考案はこの変化に注目し、この変化を内蔵
の電池によりバツクアツプされた比較回路により
検知し、異常を報知できるようにしようとするも
のである。

以下に図面を用い本考案の実施例を説明する。
第１図は本考案の一実施例における回路構成を示
し、１は電源トランス、２は電源トランス１によ
り変圧された２次電圧を直流に変換する整流・定
電圧回路である。この整流・定電圧回路２の出力
はガス検知素子４のヒータ４−１に供給されると
共に、ダイオード３（その動作については後に述
べる）を通して第１の比較回路６、報知回路７、
第２の比較回路８、及び内蔵電池９に供給され
る。検知素子４のガス感知部４−２の一端はダイ
オード３の出力ラインに接続され、他端は抵抗５
を通して接地ラインに接続されている。検知素子
４のガス感知部４−２と固定抵抗５の接続部Ｐは
第１の比較回路６及び第２の比較回路８の入力端
子に接続され、ガス検知素子４のガス検知状態に
より抵抗値が刻々変化する感知部４−２と固定抵
抗５の抵抗値比に比例した電圧が検知情報として
送られるようになつている。両比較回路６，８の
出力端子は報知回路７の入力端子と接続され、比
較情報が報知回路７に送られる。１０はスイツチ
で、内蔵電池の放電を防止するためのもので、一
端はダイオード３の出力ラインに、他端は内蔵電
池９を介して接地されている。

ここで第２図を用い検知素子について説明す
る。図に示すように基板１１を貫通した外部取出
用端子１２，１２′にガス感知部４−２の両端が
接続され、またガス感知部４−２のまわりにはヒ
ータ４−１が配設されている。そしてヒータ４−
１の両端は端子１２，１２′同様基板１１を貫通
した外部取出用端子１３，１３′に接続されてい
る。

次に以上のような構成のガス漏れ警報器の動作
について説明する。

正常動作時においてガス漏れが生じると、ガス
検知素子４の感知部４−２の抵抗値はガスの濃度
に応じて低下する。その結果接続部Ｐにおける電
位はしだいに上昇する。この電位が第１の比較回
路６の設定レベルを越えると比較回路６の出力状
態が反転し、報知回路７を駆動し、ガス漏れを報
知する。そしてガス漏れが止まり、ガス濃度が低
下すると検知素子４の感知部４−２の抵抗が大き
くなり、それと共に接続部Ｐの電位が低下する。
そして比較回路６の設定レベル以下になると報知
は停止し、元の状態に復帰する。

一方、何らかの原因によりガス漏れ警報器の電
源コードがはずれた場合、整流・定電圧回路２の
出力は零となり、検知素子４のヒータ４−１への
印加電圧も零となる。その結果感知部４−２の温
度は低下し、感知部４−２の抵抗は非常に大きく
なる。

一方、上述のように、定電圧回路の出力が零に
なつても、内蔵電池９からの電力により検知素子
４の感知部４−２、抵抗５、比較回路６，８、報
知回路７は正常に動作する。しかし検知素子４の
ヒータ４−１には電池９からの電力供給はダイオ
ード３により阻止され、通電されない。この結
果、接続部Ｐにおける電位は感知部４−２と固定
抵抗５の抵抗値の分割比で定まる電位にまで低下
する。そしてこの電位が第２の比較回路８の設定
レベルよりも低くなると比較回路８の出力が反転
し、報知回路７を駆動し、異常を報知する。なお
以上の動作により内蔵電池９の容量は減少する
が、充電タイプのものを使用する事により、電源
コードが接続されると内蔵電池９は整流・定電圧
回路の出力により充電され容量が回復される。な
おスイツチ１０は警報器不使用時における内蔵電
池の放電防止を目的とするものである。

上記ガス漏れ警報器は、上述のような電源コー
ドはずれの検知のみならず検知素子そのものの異
常をも検出する機能をも有している。即ち、検知
素子のヒータ４−１や感知部４−２が断線した
り、端子１２，１２′，１３，１３′何れかとの接
続部がはずれる等の故障を生じた場合にも、第１
図の接続部Ｐの電位は低下し、そして第２の比較
回路の設定レベル以下になると、比較回路の出力
が反転し、報知回路を駆動し異常を報知する。

本考案によれば以上のように電源コードはずれ
によるガス漏れ未検知を確実に防止することがで
き、さらに万一検知素子がヒータや感知部あるい
はリードの断線等により故障を生じた場合にも、
その異常を検知し報知する機能をも有しており、
安全機器として非常に信頼性の高いガス検出装置
を実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるガス検出装置
の回路構成を示す図、第２図は上記ガス検出装置
の要部の斜視図である。 １……変圧器、２……整流・定電圧回路、３…
…ダイオード、４……ガス検知素子、４−１……
ヒータ、４−２……感知部、５……固定抵抗、
６，８……比較回路、７……報知回路、９……電
源。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 第１電源により駆動され、ガスに感応するこ
   とにより抵抗値が減少する感応膜を有するガス
   検知素子と、少なくとも上記第１電源による駆
   動が不能な場合は、第２電源により駆動され、
   上記ガス検知素子の感応膜の抵抗値の異常な増
   大を検知することにより報知する異常報知回路
   を有することを特徴とするガス検出装置。 (2) 第２電源として電池を内蔵することを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のガス
   検出装置。