JPS6145743B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は大型球形タンクの建造方法、より詳し
くは、区画内に配置されかつその重量を底部およ
びスカートにより支持するようにした大型球形タ
ンクの建造方法に関するものである。

一般に球形タンクは強度上の問題から中央部付
近において支持されるように構成されるがその一
ツにスカートを用いる場合がある。その一例を第
１図により説明すれば、１は船体２で形成された
区画３内に配置された球形タンクであつて、該球
形タンク１は、その底部が船底に接するように配
置されると共に、赤道部はスカート５により支え
られている。

ところでかかる球形タンク１が大型となる場
合、工期短縮をはかるためブロツク建造法が採ら
れる。このブロツク建造法は、板材等を加工して
部品を形成し、該部品を複数個集合して小ブロツ
クとなし、更に該小ブロツクを集合して大ブロツ
クを構成し、この大ブロツクを固着することによ
り大型球形タンクを建造するものであるが、この
方法の一ツとして区画底部にタンク支持部材を配
設し、該タンク支持部材上でタンク下部（南半
球）を形成し、この南半球上に大ブロツクとして
の赤道リングを取付け、次にタンク上部（北半
球）を建造し、然る後スカートを取付けることが
考えられる。しかしながら、かかる建造方法にお
いては問題がある。

即ち、直径が30数メートルにもなる大型球形タ
ンクとなるとその重量は大なるものであり、かか
る重量を球形を保持して支持するためには、極め
て大型かつ強度を有するタンク支持部材としなけ
ればならない。更に、この大型タンクを区画内に
据付けるためには、スカートの上縁を赤道リング
に固着し、該スカートにより一旦全重量を支持し
たのち、タンク支持部材を撤去する必要がある
が、この工程において、スカートの重量が大型タ
ンクを経てタンク支持部材に作用することとな
る。したがつて、かかる大型でかつ強度を有する
タンク支持部材とすると、設備に莫大な費用を必
要とするばかりでなく、該タンク支持部材の配
設，撤去作業に長時間かかることとなるため実用
に供し得ない。

本発明はかかる点に鑑みなされたものであつ
て、区画内に球形タンクを配置し、該球形タンク
の重量を底部と該球形タンクの赤道リングに上端
が固定されたスカートとにより支持するようにし
た大型球形タンクにおいて、前記区画底部にタン
ク支持部材を配設する第一の工程と、該タンク支
持部材上で球形タンクを組立てる第二の工程と、
スカートを複数個のジヤツキで支持したのち球形
タンクの赤道部に固着する第三の工程と、前記ジ
ヤツキによりスカートおよび球形タンクを押し上
げてからタンク支持部材を撤去する第四の工程
と、前記ジヤツキにより球形タンクとスカートを
下降させて該球形タンクの底部およびスカートの
下縁を船底上に据付ける第五の工程とよりなるこ
とを特徴とする大型球形タンクの建造方法を提供
せんとするものである。

以下第２図及び第３図に基づき本発明の一実施
例を説明する。これらの図において第１図と同一
符号は同じ名称を示す。

第２図ａ〜ｆは本発明による大型球形タンク１
を建造する工程を説明する図面である。船体２は
船側６と船底４とにより構成され該船側６と船底
４及び横隔壁８とにより区画３が形成されてい
る。

先ず船底４上にはタンク支持部材９が配置され
る（第２図ａ）がこの場合その上面９′は球形タ
ンク１の所定据付高さより僅かに高い位置となる
ようにする。このタンク支持部材９は上面９′が
球形タンク１の外面に当接するような球面状の面
（凹球面状の面）を有するように形成されると共
に円周方向に複数個に分割できるように構成され
ている。そしてこのタンク支持部材９は球形タン
ク１の重量を支持するに耐える強度を有するよう
になつている。

区画３内にかかるタンク支持部材９が配設され
ると、該タンク支持部材９上に小ブロツク１０が
運ばれ南半球１１が建造される（第２図ｂ）、次
いでこの南半球１１上に別の箇所で大ブロツクと
して建造された赤道リング１２が図示しないクレ
ーンで運ばれ南半球１１と赤道リング１２とを固
着（第２図ｃ）したのち小ブロツク１０を運んで
北半球１３を建造する（第２図ｄ）。この北半球
建造と平行して小ブロツク１４が運ばれスカート
５が建造される（第２図ｅ）。このスカート５は
第３図に示されるように小ブロツク１４の下部に
固着された支持片１５を油圧ジヤツキ１６により
支持するように、即ち小ブロツク１４の重量をこ
の油圧ジヤツキ１６により支持するようにし、こ
のような構造より成る小ブロツク１４の複数個を
南半球の周囲に配置し、かつ互いに隣接する小ブ
ロツク同志を結合することにより構成される。そ
して該スカート５の上縁は赤道リングに固着され
る。このようにしてスカート５が固着された球形
タンク１は油圧ジヤツキ１６により僅かに上方に
押し上げられ、下部に配置されているタンク支持
部材９を撤去したのち、油圧ジヤツキ１６を作動
し球形タンク１及びスカート５を下降し船底上に
据付ける。

そして必要に応じてタンクカバー１７を取付け
るのである（第２図ｆ）。

以上説明したように、本発明によれば、スカー
ト５はその重量を油圧ジヤツキ１６で支持しなが
ら建造することになるため、スカートの重量をも
支持する方法の従来方法に比べて、タンク支持部
材９はスカートの重量分だけ軽い荷重を支持すれ
ばよくなるから、本発明ではその分だけタンク支
持部材９を小型化することができる。さらに、北
半球１３の建造と平行してスカート５の建造を行
うものであるから、その分だけ工期を短縮するこ
とが可能となる。勿論本発明は前記実施例に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更できることは明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図はスカートにより支持された球形タンク
の一例を示す側面図、第２図ａ〜ｆは本発明によ
る大型球形タンク建造方法の説明図、第３図はス
カートの建造方法の説明図を示すものである。 １……球形タンク、２……船体、３……区画、
４……船底、５……スカート、６……船側、８…
…横隔壁、９……タンク支持部材、１０，１４…
…小ブロツク、１１……南半球、１２……赤道リ
ング、１３……北半球、１５……支持片、１６…
…油圧ジヤツキ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 区画内に球形タンクを配置し、該球形タンク
   の重量を底部と、該球形タンクの赤道リングに上
   端が固定されたスカートとにより支持するように
   した大形球形タンクにおいて、前記区画底部にタ
   ンク支持部材を配設する第一の工程と、該タンク
   支持部材上で球形タンクを組立てる第二の工程
   と、スカートを複数個のジヤツキで支持したのち
   球形タンクの赤道部に固着する第三の工程と、前
   記ジヤツキによりスカートおよび球形タンクを押
   し上げてからタンク支持部材を撤去する第四の工
   程と、前記ジヤツキにより球形タンクとスカート
   を下降させて該球形タンクの底部およびスカート
   の下縁を船底上に据付ける第五の工程とよりなる
   ことを特徴とする大型球形タンクの建造方法。