JPS6145382Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 一方のブレーキシユーとブレーキレバーの間に
伸縮するストラツトを配設して成る調整装置付の
ブレーキにあつては、ブレーキドラムとブレーキ
シユーとの間隙を決めるため、ブレーキレバーの
後退位置を規制する必要がある。更にこの規制装
置はブレーキが過調整状態となつたとき、或いは
ドラムの摺動面に凹凸状の傷が付いてシユーが噛
合つたとき、シユーの外径を縮小してドラムの取
外しを可能にする機能を備えていることが望まし
い。このためブレーキレバー又はブレーキシユー
若しくはバツクプレートに着脱可能なストツパー
を設けてブレーキレバーの通常の後退位置を規制
し、且つ前記異常時には前記ストツパーを離脱
し、以てシユーの外径を縮小する手段が種々提案
されている。

本考案はシユーを保持するホールド機構を利用
した構造が簡単で誤組立の虞れの無いこの種装置
に関するものであつて、先ずシユーホールド機構
に略Ｕ字状の板バネを用いた実施例を図面により
詳細に説明する。第１図、第２図において１，２
はブレーキシユーで夫々シユーリム１ａ，２ａと
シユーウエブ１ｂ，２ｂとを通常溶接で以て断面
Ｔ字状に形成し、外周にライニング１ｃ，２ｃを
有する。シユーウエブ１ｂ，２ｂの夫々の上下両
端はバツクプレート３に固定されたシリンダー４
及び固定アンカー５に当接されている。他方のブ
レーキシユー２の上方近傍にはピン６で以てブレ
ーキレバー７が枢支され、該ブレーキレバー７の
中間部にはブレーキシユー１，２とブレーキドラ
ム（図示せず）との間隙を調整する機能を備えた
ストラツト８の一端部を係合させ、該ストラツト
８の他端にはその中間部分に固着した歯つき素子
９に一方腕外縁歯１０ａが噛合するベルクランク
レバー１０がピン１１により枢支されている。時
にベルタランクレバー１０のカムつき他方腕１０
ｂはシユーウエブ１ｂの角穴に所定の間隙を有し
て挿通され、両シユー１，２間に張設されたシユ
ーリターンスプリング１２ａ，１２ｂにより、常
時にには前記角穴の外方側端縁が他方腕１０ｂに
当接している。１３はブレーキシユー２とストラ
ツト８間に張設したスプリングであつて、サービ
スブレーキ作動時ストラツト８とブレーキレバー
７とをブレーキシユー２とほぼ一体的に共動させ
得るものであり、従つてライニング１ｃ，２ｃが
摩耗してシユー１，２の拡開量が所定の量を越
え、ベルクランクレバー１０の一方腕１０ａと歯
つき素子９との噛合が外れると該ベルクランクレ
バー１０が第２図においてピン１１を支点として
時計方向に角変位し、以てストラツト８の有効長
を増大せしめドラム（図示せず）とシユー１，２
の間隙を一定に維持し得るものである。

上述から明らかな如くシユー１，２の外径はシ
ユー１及びブレーキレバー７と係合するストラツ
ト８の有効長により、而もブレーキレバー７の自
由端部の後退位置を規制することにより決められ
る。このブレーキレバー７の後退位置を規制する
手段を第３図、第４図により説明する。１４はホ
ールドピンであつて、その一端の球状部がバツク
プレート３に設けた穴に掛止され、他端の圧漬短
形部がシユーウエブ２ｂとこの上面に摺接せる略
Ｕ字状をなした板バネ１５の平担部に設けた穴を
遊嵌貫通し、前記平担部と対向する側片に形成し
た溝に掛止され、以てシユー２をバツクプレート
３上に弾性的に押圧着座せしめる。而して、前記
平担部の一側から連設せる連設部１５ａをシユー
ウエブ２ｂの内縁２ｄとブレーキレバー７の背縁
７ａ間に介挿せしめる如く伸長し該ブレーキレバ
ー７の通常の後退動を支持せしめるものである。
本例では前記連設部１５ａの先端にシユーウエブ
２ｂの下面に向つて折返され、且該下面と適宜の
間隔を有する折曲部１５ｂが形成されている。以
て第３図に示すプラグ１６を離脱した後、第４図
に示す如く前記折曲部１５ｂを前記プラグ１６嵌
着用穴より矢印Ａ方向に工具で以て押動すると、
板バネ１５とホールドピン１４とが第４図の一点
鎖線の通り、即ち板バネ１５の折曲部１５ｂがシ
ユーウエブ２ｂの下面に当接するまで傾動される
ため、ブレーキレバー７の後退動支持が解除され
ブレーキシユー１，２の外径が縮小されるもので
ある。１４′，１５′はブレーキシユー１をバツク
プレート３上に押圧着座させるためのホールドピ
ンと板バネである。

第５図、第６図はコイルバネを用いたシユーホ
ールド機構を構成せるキヤツプワツシヤーを利用
したものであり、前記実施例と同一の参照数字は
対応する部品を示す。即ち２はブレーキシユー、
２ａはそのシユーリム、２ｂはシユーウエブ、２
ｃはライニング、３はバツクプレート、７はブレ
ーキレバー、１４はホールドピン、１６はプラグ
である。バツクプレート３に一端の球状部が掛止
されるホールドピン１４の他端の圧漬短形部はシ
ユーウエブ２ｂとこの上面に配設される下側キヤ
ツプワツシヤー１７に設けた穴を遊嵌貫通し、上
側キヤツプワツシヤー１８に形成した溝に掛止さ
れる。両キヤツプワツシヤー１７，１８間にコイ
ルバネ１９を圧縮して介在せしめ常にシユー２を
バツクプレート３上に弾性的に押圧着座せしめ
る。而して前記下側キヤツプワツシヤー１７の一
側から連設せる連設部１７ａをシユーウエブ２ｂ
の内縁２ｄとブレーキレバー７の背縁７ａ間に介
挿せしめる如く伸長し該ブレーキレバー７の通常
の後退動を支持せしめ、異常時には前記実施例と
同じ方法で以てバツクプレート３の外側から前記
支持を解除せしめるとブレーキシユー１，２の外
径を縮小し得る。

本考案は上述実施例に限らず、例えば第６図に
おいて下側キヤツプワツシヤー１７を除去してコ
イルバネ１９を直接シユーウエブ２ｂ上に当接せ
しめ、その端を伸長してシユーウエブ２ｂの内縁
２ｄとブレーキレバー７の背縁７ａ間に介挿せし
めても同等の機能を有するものである。

上述の如く本考案は構造が極めて簡単であり、
操作も容易である。又、ブレーキシユー１，２の
縮径状態においてブレーキドラム装着後、ブレー
キレバー７を作動すれば必ず正常な状態に保つこ
とが出来る等多大の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるドラムブレーキの一実施
例を示す平面図、第２図及び第３図は第１図の
夫々−及び−断面図、第４図は第１図の
−断面図、第５図は本考案による他の実施例
を示す要部平面図、第６図は第５図の−断面
図である。 １，２……ブレーキシユー、２ｄ……内縁、３
……バツクプレート、４……シリンダー、５……
固定アンカー、７……ブレーキレバー、７ａ……
背縁、８……ストラツト、１４，１４′……ホー
ルドピン、１５，１５′……板バネ、１５ａ，１
７ａ……連設部、１５ｂ……折曲部、１７……下
側キヤツプワツシヤー、１８……上側キヤツプワ
ツシヤー、１９……コイルバネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブレーキシユーをバツクプレート上に保持せる
   ホールド機構のシユーウエブ上の一側からの連設
   部を前記シユーウエブの内縁とブレーキレバーの
   背縁間に介在せしめてブレーキレバーの通常の後
   退動を支持し、前記連設部に前記バツクプレート
   の外側より外力を加えることにより、前記支持を
   解除し、以てブレーキシユーの外径を縮小せしめ
   ることを特徴とするブレーキシユーの縮径装置。