JPS6145123Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、切断された鋼板等の鋭利な端部をも
つ材料，物品等を取り扱う際に使用する作業用手
袋に関する。

従来の技術 このような作業用手袋に要求される性質として
は、まず第１に丈夫であることが掲げられる。す
なわち、鋼板等を取り扱う際に、手袋が破損せず
長期の使用に耐えることが必要である。また、第
２に作業性に優れていることも要求される。する
わち、細かい作業を容易にするために、手袋をは
めた状態で指等の屈伸を自由に行うことができる
ことが必要である。

第１の要求を満足させるために、布製又は皮製
等の手袋の表面に厚くゴム張りするか、又は第１
図に示すように幾重にも重合された厚い布等によ
り親指以外を一体とした手袋が知られている。し
かし、これらの手袋においては、第２の要求であ
る作業性に劣り、たとえば鋼板の計測等の細かい
作業を行うときには、別の柔軟な手袋を使用する
必要に迫られていた。これにより、作業能率が低
下していた。

そこで、この欠点を解消するものとして、柔軟
性を有するゴム張り手袋全体に金属フイラメント
或いは針金を織り込んだものが、実開昭47−
32231号公報，実開昭48−90820号公報等により提
案されている。

考案が解決しようとする問題点 しかし、実開昭47−32231号公報に開示されて
いる手袋では、「針金」を網目状にして掌側（指
腹部も含む）ほぼ全体に使用しているために、こ
の「針金」が太線であれば手先の屈曲が機敏に行
われず、細線であれば使用中に切断しやすいとい
う欠点がある。

他方、実開昭48−90820号公報に開示されてい
る手袋では、手袋の重量が過になり、機敏さも低
下しコスト高ともなる欠点があつた。

このように従来の作業用手袋は、いずれも実用
性に乏しく、改善することが望まれていた。

本考案は、このような従来の作業用手袋がもつ
問題点に鑑み、安価にして作業性，耐久性及び安
全性の全ての条件を同時に満足させる作業用手袋
を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案の作業用手袋は、その目的を達成するた
め、柔軟性のある基地で作つた手袋本体と、親指
から人差指にかけてそれらの指腹部側に装着され
た一条の金属性紐体と、中指，薬指及び小指の各
指腹部からその延長下の掌部外側にわたり装着さ
れた金属性紐体と、これら金属性紐体を手袋本体
に定着させる掌面側に被覆したゴム層からなり、
前記金属性紐体が複数本の細い金属性フイラメン
トを斜めに組み合わせて偏平状に編成したもので
あることを特徴とする。

実施例 以下、図面に示した実施例により、本考案の特
徴を具体的に説明する。

第２図は本実施例の作業用手袋を示し、第３図
は第２図−線に沿つた拡大断面図である。

該作業用手袋は、軍手，布，皮等からなる或い
は糸で編んだ手袋本体１において、挟持物と最も
接触する部分となる各指の腹面から掌部にかけて
偏平状の金属紐体２を装着している。すなわち、
中指，薬指及び小指に対しては、各指腹部及びそ
の延長下における掌部外側に金属紐体２を配置す
る。他方、親指及び人差指に対しては、それらの
指腹部にかけて金属紐体２をわたらせる。

この金属紐体２は、第４図に示すように多数の
金属フイラメントを複数組斜めに組み合わせて筒
状に編成したものを偏平にするか、或いは筒状に
せず一枚ものとしたものを用いる。そして、手袋
本体１に対する取付けは、金属紐体２を接着剤に
より直接取り付けるか、或いは金属紐体２上から
別体の包被体３を被せて縫合することにより行わ
れる。

更に、第３図に示すように、その外面をゴム層
４により薄く被覆すると共に、該ゴム層４の被覆
により手袋本体１に対する金属紐体２の装着状態
を一層確実にする。

ここで、金属紐体２は、通常の場合、幅３〜15
mmで厚み0.2〜1.5mm程度のサイズにしている。し
かし、このサイズに拘束されることなく、作業の
目的物である鋼板等の厚さ、重量等に応じて変化
させることができることは勿論である。たとえ
ば、鋼板が薄くて軽い場合には、その幅を５〜７
mmと広くとり、厚みを0.2〜0.7mmと比較的薄くす
ることによつて、作業性に優れたものが得られ
る。他方、鋼板が重くて厚い場合には、その厚み
を0.5〜1.5mmと比較的厚くすることにより、強度
及び安全性に優れたものとなる。

また、金属紐体２を構成する金属フイラメント
の素材としては、特殊な金属を用いる必要はな
く、たとえば銅，アルミ，銅−亜鉛合金，鉄線，
亜鉛メツキした鉄線等がある。これらの材料は、
作業用手袋の使用目的に応じて選択することが望
ましい。また、この金属フイラメントの太さは
0.1mm以下であることが好ましく、作業性を重視
するとき0.05mm以下が更に好ましい。

なお、以上の金属紐体２が偏平であるというこ
とは、金属フイラメントから編成された紐体が作
業性を劣化しない程度に平らであればよいことを
含むものであり、そこに多少の凹凸があつても差
し支えない。

考案の効果 以上に説明したように、本考案の作業用手袋に
おいては、金属フイラメントから編成された偏平
状の金属紐体を、手袋本体の各指腹部及び掌部に
条状に装着している。これにより、金属フイラメ
ントがもつ優れた柔軟性及び強度により、作業者
の手を有効に保護することができる。また、その
金属フイラメントが変形し易いことと併せて、厚
地の手袋であるにも拘わらず、手袋本体が手の動
きによくなじみ、且つ金属紐体が偏平であること
から、指腹部に局部的な異物感をほとんど受ける
ことなく、細かな作業が可能となる。更に、金属
紐体が偏平であることから、挟持物より受ける圧
力を分散して受け止めることができ、フイラメン
トの局部的な切断や被覆等の破損等が防止され
る。このようにして、本考案によるとき、作業
性，耐久性及び安全性の全てを同時に満足する作
業用手袋を安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の作業用手袋の一例を示す。第
２図は本考案実施例の作業用手袋を示し、第３図
は第２図−線に沿つた拡大断面図であり、ま
た第４図は金属紐体の一例を示す側面図である。 １：手袋本体、２：金属紐体、３：包被体、
４：ゴム層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 柔軟性のある基地で作つた手袋本体と、親指か
   ら人差指にかけてそれらの指腹部側に装着された
   一条の金属性紐体と、中指，薬指及び小指の各指
   腹部からその延長下の掌部外側にわたり装着され
   た金属性紐体と、これら金属性紐体を手袋本体に
   定着させる掌面側に被覆したゴム層からなり、前
   記金属性紐体が複数本の細い金属性フイラメント
   を斜めに組み合わせて偏平状に編成したものであ
   ることを特徴とする作業用手袋。