JPH0315524Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は家庭等で使用する炊事、洗濯等に使
用する合成樹脂及び合成ゴム製よりなる手袋であ
つて、その目的とする所は、手袋に絵柄を設ける
と共に、異色の区境線を形成した多色カラーを以
て構成形成される絵柄シール付多色手袋に関する
ものである。

（従来の技術） 従来のこの種の合成樹脂又はゴム等手袋は、着
色したビニール樹脂ゾル等の薄皮膜により成形し
た表面に紙面に絵柄を印刷したシールを接着剤を
以て手作業で貼着している。また、絵柄をデザイ
ンした回転ローラーを転写したものも散見されて
いる。然し、前者のものは、絵柄シールの表面が
容易に剥がれたり、汚染されたるする欠点と、引
張りによりシール外周部分が簡単に切裂する欠点
がある。また、後者のものは、絵柄を押圧形成し
ただけなので、美観的に劣ると共に、カラー色が
表現されない欠点がある。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は上述の欠点を解決するものであつて
手袋基体の内面に絵柄シールを一体的に溶着さ
せ、長期間に亘つて美観を表現させると共に、切
裂したり溶けて汚染するのを防止させ、且つ透明
又は半透明の手袋基体の指部又は手首までを着色
接着剤を以て上下に異色部を形成させ、手袋を美
しくすると共に、鮮明な絵柄を表現せしめる必要
がある。

ところが、これ等の要望を満たす手袋は現在の
所見当たらない現状である。この考案は、上述の
要望に答えるために提起するものである。

（問題を解決するための手段） この考案の多色手袋は、上述の問題点を解決す
るために、透明又は半透明の塩化ビニール等の構
成材料を以て手袋基体を構成させ、この手袋基体
の一部に一次ゲル化の時のゲル化面にゴムフイル
ム又はビニール樹脂フイルムに動物、花柄及び文
字等を印刷した絵柄シールを溶着し、絵柄シール
と手袋基体の指部又は手首部分までの各裏面とに
着色接着剤を被着して異色の区境線を形成するこ
とによつて、上記目的の達成を計つている。

（実施例） 次に、この考案の実施例を図面について説明す
ると、手袋本体１は透明又は半透明の合成ゴム又
は合成樹脂等の構成材料を以て成形される。即ち
手袋本体１によつて手袋基体２を形成する。この
手袋基体２が一次ゲル化のゲル化面７にゴムフイ
ルム又はビニール樹脂に動物、花柄及び宣伝文字
等を印刷した絵柄シール３を一部に圧着状態で溶
着する。次に、手袋基体２の指部又は手首部まで
の裏面側にゴム又はビニール樹脂等の着色接着剤
５を被着乾燥させることによつて異色部となる区
境線６に透明な手袋基体２と着色接着剤５とが異
色となつて現れるものである。

（作用） この考案の成形方法を説明すると、手袋成形型
（図示せず）を透明又は半透明の塩化ビニール樹
脂等内部に浸漬し、これを引き揚げて硬化させて
手袋基体２を成形する。この手袋成形型を加熱し
て一次ゲル化状態とし、この一次ゲル化された表
面がゲル化面７の時に、予め制作されているゴム
フイルム又はビニールフイルムに動物、花柄及び
文字等を印刷した絵柄シール３を手袋本体１の甲
部分の所定箇所に圧着して一体的に取付るもので
ある。そして、この絵柄シール３は、手袋材料と
同一配合によるゴム、ビニールフイルム又は軟質
ビニールフイルムに一色又は多色に印刷したフイ
ルムを各サイズに裁断して制作する。

次に、絵柄シール３を一体に溶着した手袋成形
型を冷却して成形加流をなし、その後手袋型の手
袋基体２の指部分又は手首部分までを着色したゴ
ム又はビニールによる着色接着剤５の液中に浸漬
して着色被膜を形成し、上部の着色部を区境線６
を境にして成形するものである。この着色接着剤
５による着色被膜によつて手袋基体２の透明又は
半透明の部分による該区境線６よつて下部の手部
又は腕部との間に異色が形成されるものである。
以上の如く成形されたものを二次高温加熱を施し
た後に冷却して成形を完了し、手袋成形型より手
袋基体２を反転して剥離するものである。そし
て、手袋本体１の上下に異色を現出すると共に、
絵柄シールが浮き出て美しい手袋が制作される。

（効果） 以上の如く、この考案によれば、多色のカラー
色のある美しい手袋が容易に成形でき、従来の家
庭手袋のように手袋基体の表面に印刷した絵柄シ
ールを接着剤等で貼着したもののように簡単に剥
がれたり、擦り減つたりする憂いがなく、手袋基
体の内面より絵柄が浮き出るよう表現され、長期
間に亘つて美しさを保持する効果と、手袋本体の
上下に異色が容易に制作でき、且つ上下の彩色が
自由に選定できるため大変に便利で実利的な効果
がある。そして、透明又半透明の手袋基体が一次
ゲル化時にはゴム又はビニールのフイルムに動
物、花柄及び宣伝文字を印刷した絵柄シールを一
部に圧着したので、手袋基体に絵柄シールが埋め
込まれて一体的に強固に溶着する効果と、透明又
は半透明の表面に鮮明に現出する効果がある。

また、絵柄シールが表面に露出しないので、シ
ールが擦り減つたり、溶けたり汚れたりする憂い
がなく、且つ手袋基体とシールとの境が容易に引
張りによつて切裂する憂いがない効果がある。

また、ゴム又はビニール樹脂等の着色接着剤を
手袋基体の指部又は手首部分までの内面に被着し
たことによつて、透明又は半透明の手袋基体との
下部に異色の彩色が鮮明に表現され大変に美しい
手袋を得ることができると共に、内面に位置する
着色接着剤や絵柄シールの顔料が溶けて有害とな
ることがない効果がある。また、手袋の最も使用
個所の激しい指部及び手の平とが手袋基体と着色
接着剤との二重構造となるので、著しく強靭化さ
れ切裂等の破損を極力防止する等の多大な効果も
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の正面図、第２図は同じく一
部欠除した正面図、第３図は第１図Ａ−Ａ線の縦
断面図、第４図は第２図Ｂ−Ｂ線の縦断面図であ
る。符号１は手袋本体、２は手袋基体、３は絵柄
シール、５は着色接着剤、６は区境線、７はゲル
化面である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 手袋本体１は透明又は半透明の合成ゴム又は塩
   化ビニールを以て手袋基体２を構成し、前記手袋
   基体２が一次ゲル化のゲル化面７の一部にゴムフ
   イルム又はビニール樹脂フイルムに動物、花柄及
   び宣伝文字等を印刷した絵柄シール３を圧接して
   溶着し、前記手袋基体２の指部又は手首部までの
   裏面側にゴム又はビニール樹脂等の着色接着剤５
   を被着乾燥させて異色の区境線６を形成したこと
   を特徴とする絵柄シール付多色手袋。