JPS6144773Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作物等を移送するトランスフア装置
の保安装置に関するものである。

本考案の目的は、トランスフアバーに作用する
過負荷により、駆動部旋回アームのいかなる角度
位相においても、これとの連結を切離して相対変
位を許容し、工作物、治具あるいはトランスフア
装置各部の損傷を防止することである。

トランスフアバーの駆動装置としては、トラン
スフア速度の高速化、駆動装置のフロアスペース
の縮小化、構成の簡素化及びコストダウン等を図
るため、ソフトスタート、ソフトストツプ制御が
容易なスコツチヨーク機構が採用されるようにな
つてきた。このスコツチヨーク機構は、構成がシ
ンプルであるため、トランスフアバーに作用する
過負荷に対する保安装置を組み込むことが困難と
されていた。このため、トランスフアバーとの結
合部に保安装置を組み込む試みもなされている
が、他の構成部材がじやまになつて保安の面にお
いて不便であつた。

本考案は、保安装置の組み込みを困難とされて
いたスコツチヨーク機構に容易に組み込みを可能
とし、且つ保守作業が容易に得られるようにした
保安装置を提供するものである。

以下本考案の実施例を図面によつて説明する。
第１図及び第２図において、１は昇降並びに水平
方向で進退移動するトランスフアバー、２は保持
板１６に固設したパイロツトバー保持体１５に保
持したパイロツトバー３に案内され、トランスフ
アバー１の進退移動方向と平行に移動する摺動体
である。この摺動体２の前記トランスフアバー１
側と、その反対面側との両側面に移動方向と直交
する垂直方向の案内凹溝４，５が設けられ、この
両案内凹溝４，５にスライダブロツク６，８が摺
動自在に案内されている。トランスフアバー１側
のスライダブロツク４にトランスフアバー１の側
部に突設した連結部材７が枢着結合され、また、
その反対面側のスライダブロツク８には旋回アー
ム９の先端が枢軸１９を介して枢着結合されてい
る。１０は旋回アームの駆動部であり、モータ１
１、ウオーム１２、ウオーム歯車１３及び旋回駆
動軸１４から構成されている。上記のスコツチヨ
ーク機構によるトランスフアバーの進退駆動装置
において、本考案による保安装置は旋回アーム９
の先端とスライダブロツク８との枢着結合部に組
み込まれたものである。その具体的構成について
第３図及び第４図によつて説明する。

旋回アーム９の先端に、旋回アーム９の旋回中
心０に対して同心円弧状の案内面１８を有する案
内部材１７を一体に設ける。

一方、スライダブロツク８に回転自在に軸承し
た枢軸１９の外端に、前記案内部材１７の案内面
１８に案内された弧状部材２０を形成する。この
弧状部材２０の端面には円錐状凹部２１が設けら
れている。

また、旋回アーム９の先端には保持筒２２が固
設されており、この保持筒２２内に、前記円錐状
凹部２１に係合する円錐状係合部２４を先端に形
成したプランジヤ２３が進退自在にかつ回り止め
して保持され、皿バネ等のスプリング２５によつ
て係合方向に押圧されている。２６はねじ部２７
によつてプランジヤ２３に結合され、プランジヤ
２３の中心を軸線方向に縦貫し、保持筒２２の外
部に突出しているプランジヤ引き戻し用の操作ロ
ツドである。この操作ロツド２６の外端は非常停
止用リミツトスイツチ２８に接触している。非常
停止用リミツトスイツチ２８は前記モータ１１の
作動停止の信号を発信するものである。

尚、第２図において、２９は支持台、３０は支
持台２９上に旋回自在に支持されたトランスフア
バー１の昇降動用の揺動アームであり、先端にロ
ーラ３１を有している。３２は揺動アーム３０を
作動する連結ロツドであり、図略の昇降駆動装置
により左右方向に移動するものである。

次に上記考案装置の作動について説明する。通
常、旋回アーム９とスライダブロツク８とは、プ
ランジヤ２３が弧状部材２０の円錐状凹部２１に
係合して一体的に結合され、旋回アーム９の旋回
運動をスライダブロツク８が案内凹溝５を昇降動
することにより摺動体２に対する水平移動の運動
に変換し、摺動体２の水平移動をトランスフアバ
ー１に伝達してトランスフアバー１を進退移動す
る。尚トランスフアバー１の昇降動は案内凹溝４
を昇降動するスライダブロツク６によつて許容す
る。

前記旋回アーム９は180゜の旋回往復運動を行
つてトランスフアバー１を進退作動するが、この
旋回アーム９の旋回作動中のいかなる角度位相に
おいて、何らかの要因によりトランスフアバー１
に過負荷が作用したときには、摺動体２の移動が
拘束され、従つて、スライダブロツク８の昇降動
も拘束される。これによつて案内部材１７と弧状
部材２０とは、その弧状案内面１８に沿つて相対
摺動し、プランジヤ２３は円錐状凹部２１より係
合を解脱し、駆動部１０とトランスフアバー１と
の連結を切離すのである。このとき、プランジヤ
２３はスプリング２５の押圧力に抗して後退変位
し、それに伴う操作ロツド２６の後退変位によつ
て非常停止用リミツトスイツチ２８が作動され、
直ちにモータ１１を停止するものである。

前記連結を切離された状態からもとの連結状態
に復帰させるには、操作ロツド２６を回転してね
じ部２７のリードによつてプランジヤ２３を引き
戻し、弧状部材２０とプランジヤ２３とが干渉し
ない状態にして旋回アーム９に対して弧状部材２
０を相対移動させ、プランジヤ２３の先端と円錐
状凹部２１とが対応する位置、すなわち弧状部材
の両端面と案内部材１７の端面がそろう位置に合
せ操作ロツド２６の引き戻しを解除することによ
り係合させるものである。

このように本考案装置によると、スライダブロ
ツクと旋回アームとの連結部に、円錐状凹部と、
これに係脱するプランジヤとのスリツプ機構を設
けたものであるから、スコツチヨーク機構におい
て、他の構成部材にじやまされないよう保安装置
を組み込むことができると共に、前記スリツプ機
構は、旋回アーム先端に設けられた旋回アームの
旋回中心に対し同心円弧状の案内面を有する案内
部材と、スライダブロツクに軸承されている枢軸
端に、前記案内部材の円弧状案内面に案内された
弧状部材とによつて構成されているので、旋回ア
ームのいかなる角度位相においてもトランスフア
バーに過負荷が作用したときに駆動部との連結が
切離され確実に保安機能を果す利点を有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の斜視図、第２図は側面
図、第３図は第２図−線断面拡大図、第４図
は第３図−線断面図である。 １……トランスフアバー、２……摺動体、３…
…パイロツトバー、４，５……案内凹溝、６，８
……スライダブロツク、９……旋回アーム、１０
……駆動部、１７……案内部材、１８……案内
面、１９……枢軸、２０……弧状部材、２１……
円錐状凹部、２２……保持筒、２３……プランジ
ヤ、２５……スプリング、２６……操作ロツド、
２８……非常停止用リミツトスイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トランスフアバーの進退移動方向と平行に移動
   可能に配置した摺動体の両側面に移動方向と直交
   する案内凹溝を設け、この案内凹溝にスライダブ
   ロツクを摺動自在に案内し、一方のスライダブロ
   ツクにトランスフアバーの側部を枢着結合すると
   共に、他方のスライダブロツクには駆動部旋回ア
   ームの先端を枢着結合したトランスフア装置にお
   いて、前記旋回アームの先端に、旋回中心に対し
   て同心円弧状の案内面を有する案内部材を設け、
   前記他方のスライダブロツクに回転自在に軸承し
   た枢軸端に、前記案内部材の案内面に案内された
   弧状部材を形成し、この弧状部材の端面に円錐状
   凹部を設け、旋回アームの先端に、前記円錐状凹
   部に係合するプランジヤをスプリングによつて係
   合方向に押圧して進退可能に保持して成るトラン
   スフア装置の保安装置。