JPS6143624Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、積卸し自在のコンテナと、このコン
テナを積載する傾動自在のチルトフレームとを有
する形式のコンテナ荷役車両に関する。

この種のコンテナ荷役車両（通常、チルトロー
ダーと言われている）においては、コンテナの積
卸しを行なうときにチルトフレームを上方へ回動
させて傾け、この傾いたチルトフレームへ向つて
ケーブルによつてコンテナを引上げたり、チルト
フレームからケーブルによつてコンテナを降した
りする。このような積卸しは、チルトローダーに
おける通常の方法であるが、場合によつては、チ
ルトフレームを荷台上に水平状態にしたままでコ
ンテナをフオークリフトにより積卸しすることも
ある。

コンテナをチルトフレームを傾けて通常の方法
で積卸しする場合には、積載時にチルトフレーム
に対するコンテナの位置が自動的に定まるように
なつているが、コンテナをフオークリフトで上下
方向に移動させて積載する場合には、チルトフレ
ームに対しコンテナを常に所定位置に固定してそ
の緊締を可能にすることが困難であり、このため
にチルトフレームに適当なコンテナガイドを上下
方向に突設したとすると、チルトフレームを傾け
てチルトフレームに対しコンテナを摺動させて行
なう積卸しに対しては、コンテナガイドが邪魔に
なる。

本考案は、フオークリフトによるコンテナの上
下方向積載時にコンテナが所定位置に自動的に案
内されるようにガイドを設けるにもかかわらず、
チルトフレームを傾けて行なうコンテナ積卸しが
支障なく行なえるようなコンテナ荷役車両を提供
しようとするものである。

以下、図面によつて本考案の実施例を説明す
る。

第１図および第２図において、１はコンテナで
あつて内部に荷物を収容しうるようになつてい
る。２は車両で、運転室３および荷台４からな
り、荷台４上にはサブフレーム５が固設されてい
る。サブフレーム５にはブラケツト６が設けら
れ、このブラケツト６にピン７によつてチルトフ
レーム８が枢着されている。チルトフレーム８
は、図示を省略した油圧シリンダによつて俯仰可
能にピン７のまわりで回動しうるものであつて、
第２図の傾斜状態ではコンテナの積卸しが行なわ
れ、コンテナ積載完了位置では第３図のように水
平位置をとる。

チルトフレーム８の先端には、コンテナ１の積
卸しのための機構としてウインチ１０が設けら
れ、このウインチのドラムに巻かれたケーブル１
１の先端のフツク１２は、コンテナ１の掛止部１
３に掛けることができるようになつている。

地上に置かれたコンテナ１の掛止部１３に、第
１図に示すようにフツク１２を掛け、ケーブル１
１を転向シーブ１４に掛けてウインチ１０により
ケーブル１１を巻取ると、コンテナ１はケーブル
１１に引かれて傾斜状態のチルトフレーム８上へ
引き上げられ、第２図の状態になる。次いで、チ
ルトフレーム８を下方へ回動させて荷台上で水平
位置をとるようにすると、コンテナ１も水平状態
をとる。なお、コンテナ１はチルトフレーム８に
不動状態で緊結される。チルトフレーム８には図
示しないストツパがあり、傾斜状態のチルトフレ
ーム８上に引上げられたコンテナは、このストツ
パに当たつて停止し、チルトフレームに対し所定
の位置をとる。

従来のコンテナ荷役車両は上述のように構成さ
れているが、本考案によれば、荷台５に、チルト
フレーム８と干渉しない位置においてガイド用係
合部材１７が水平位置にあるチルトフレームの上
面より上方へ向つて突設されている。この係合部
材１７は、図示の実施例では第４図に最もよく示
すように上方へ向つて細くなるテーパ面１７ａ，
１７ｂを有している。

一方、コンテナ１の底部にはガイド用係合部材
１７に嵌合する受金具１８が下方へ向つて突設さ
れている。第４図に示すように、受金具１８はガ
イド用係合部材１７が嵌入する相補形状の凹所１
８ａを有している。

ガイド用係合部材１７は、第５図に示すように
サブフレーム５の内面に溶接、その他の手段で固
定するのがよい。チルトフレーム８はサブフレー
ム５上に載置されるようになつているから、ガイ
ド用係合部材１７はチルトフレーム８とは干渉し
ない。なお、第５図において２０はチルトフレー
ム８の後端に枢着されたリヤローラであつて、こ
のリヤローラ２０上にはコンテナ１の底部の両側
寄りに長手方向に設けた長手方向ビーム２１が接
し、これによつてコンテナ１はチルトフレーム８
に対する積卸し時に案内される。

凹状受金具１８のコンテナ１の長手方向に関し
ての位置は、コンテナがチルトフレーム８に対し
て所定の位置にある場合、チルトフレーム８の水
平位置への下降によつて受金具凹所１８ａがガイ
ド用係合部材１７に丁度嵌合するような位置とす
る。

なお、係合部材１７と受金具１８の凹凸関係は
逆であつてもよい。また、係合部材１７と凹所１
８ａの断面形状は四角形以外の多角形または円形
としてもよい。

コンテナ１をケーブル１１によらず、フオーク
リフト等により、水平状態のチルトフレーム８に
対して上下方向に積載する場合には、コンテナ１
を第１図に示すようにその所定位置近くにおいて
チルトフレーム８上へ下降させる。これによつ
て、受金具１８はガイド用係合部材１７に接し、
テーパ面１７ａの作用によつて、コンテナ１はチ
ルトフレームの長手方向に関して位置を調整され
る。また、コンテナ１はテーパ面１７ｂの作用に
よつてチルトフレームの横断方向に関しても位置
を調整され、前後左右方向の位置調整が同時に自
動的になされる。

ガイド用係合部材１７は、傾斜状態でのチルト
フレーム８に関してその上面より上に突出するこ
とはないので、チルトフレームの上面に対するコ
ンテナの摺動に対しては何らの障害にならない。

以上のように、本考案によれば、チルトフレー
ムを傾けて行なうコンテナの積卸しに支障を来た
すことなく、フオークリフト等によるコンテナの
上下方向積込みの際のコンテナの位置決めを行な
うことのできるコンテナ荷役車両が提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンテナ積載開始時における本考案の
コンテナ荷役車両を示す側面図、第２図はコンテ
ナを引上げる途中の状態を示す同車両を示す側面
図、第３図はフオークリフト等によるコンテナ積
載時の同車両を示す側面図、第４図は本考案の車
両のガイド用係合部材と受金具の詳細を示す斜視
図、第５図は要部の縦断面図である。 １……コンテナ、８……チルトフレーム、１７
……ガイド用係合部材、１７ａ，１７ｂ……テー
パ面、１８……受金具、１８ａ……凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 積卸し自在のコンテナと、このコンテナを上
   面に積載自在に車体に傾動自在に枢着されたチ
   ルトフレームと、傾斜状態にしたチルトフレー
   ムに対しコンテナを摺動状態で積卸しするため
   にチルトフレームに設けたウインチとを有する
   形式のコンテナ荷役車両において、車体側から
   チルトフレームと干渉しない位置において水平
   位置のチルトフレームの上面より上方へガイド
   用係合部材を突設し、コンテナの底部には、コ
   ンテナがチルトフレームの所定位置に固定され
   てチルトフレームが荷台に接する位置へ下降し
   た時に前記ガイド用係合部材に嵌合する受金具
   を固設したことを特徴とするコンテナ荷役車
   両。 ２ ガイド用係合部材を突起とし、コンテナ側の
   受金具を凹状受金具としてなる実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のコンテナ荷役車両。 ３ ガイド用係合突起を上方へ向つて細くなるよ
   うなテーパを有する形状にし、凹状受金具に、
   前記テーパに応じて奥へ向つて細くなる形状の
   凹所を形成してなる実用新案登録請求の範囲第
   ２項記載のコンテナ荷役車両。