JPS6142798Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、一定ピツチで連続的に給送される
長く連続する絆創こう用テープを次々に切断して
ほぼ細長小判形の絆創こう片を連続的に形成させ
るための切断装置に関するものである。

長い絆創こう用テープを切断して多量の絆創こ
う片を生産しようとする場合、従来は、長く連続
した絆創こう用テープを一定ピツチで連続的に給
送する送り装置と、横幅すなわちテープ給送方向
に対し直角方向の幅がテープの幅より若干小さく
て、ほぼ円弧状の左右両側縁および直鎖状の前
部、後部の両縁を有するほぼ細長小判形頂面を備
えた雄型固定刃と、固定刃の頂面の左右両側縁お
よび前部縁、後部縁とそれぞれ密接係合するほぼ
円弧状の左右両側刃および直線状の前部刃、後部
刃を有し、固定刃に対して上下運動可能な雌型可
動刃とを具備する切断装置を使用し、上下に対向
させて配置された可動刃と固定刃との間に絆創こ
う用テープをその下面が固定刃頂面とほぼ接触す
るように連続的に給送し、テープが所定の長さ給
送されるたびごとに可動刃を固定刃に向かつて下
降させて固定刃に密接嵌合させることによりテー
プから絆創こう片を細長小判形に打抜き切断して
絆創こう片を形成させていた。

然しながら、上記のような従来の切断装置を使
用して絆創こう用テープから絆創こう片を切断、
形成させると、切断、形成された絆創こう片は、
そのまま固定刃の頂面上に残存したり、上昇する
可動刃によつてあふられて変位やめくれを生じた
りし易く、かつ固定刃頂面に残存する絆創こう片
を連続的に給送される極薄で柔軟な絆創こう用テ
ープの前端部によつて押し進めて固定刃頂面から
前方に送り出すことは困難であり、従つて次の打
抜き切断作業によつて、それ以前の打抜き切断作
動で形成された絆創こう片が破断されるという不
都合を生じ易く生産効率の低下を来すおそれがあ
り、またそのような不都合を回避しようとすれ
ば、切断装置とは別個に切断、形成された絆創こ
う片をその都度確実に固定刃頂面から取り除くた
めの装置を設置する要があり、設備費が高価とな
るという不利があつた。

この考案の目的は、上記のような従来の切断装
置の欠点を除去するために、絆創こう片の切断、
切離しを単に１回の切断作動で行なわず、第１回
の切断作動によつて絆創こう片形成のための部分
的切断作業を行ない、絆創こう用テープの連続給
送作動によつて上記部分的に切断されたテープ部
分を前進させ固定刃の頂面から前方に完全に送り
出しておいて、第２回目の切断作動によつて、上
記固定刃頂面から前方に送り出された部分切断テ
ープ部分をテープ本体から切離す切離し作業を行
なつて１個の絆創こう片を形成させることがで
き、しかも極薄で柔軟な絆創こう用テープに対し
て切れ味のよい切断装置を提供することである。

上記目的を達成するために、この考案に係る絆
創こう用テープの切断装置は、機体上に設置され
ていて、絆創こう用テープを一定ピツチで連続的
に給送する送り装置と；上記絆創こう用テープの
幅より小さい幅でテープをを給送方向に対し直角
方向に延び、ほぼ円弧状の左右両側縁および直線
状であり給送方向に対し前部、後部両縁を有し両
側縁および前部縁にそれぞれ刃を備えたほぼ細長
い小判形の頂面を備えていて、その頂面を上記の
絆創こう用テープの下面にほぼ接触させるように
機体に固着された雄形固定刃と；上記固定刃の頂
面のほぼ円弧状の左右両側縁および直線状の前部
縁とそれぞれ密接係合するほぼ円弧状の左右両側
刃および直線状の前部刃を有し、かつ固定刃の頂
面の直線状後部縁と対向する後方部分には後方に
向かつて開口した切欠部が設けられていて、上記
絆創こう用テープの上方に固定刃と対向させて上
下運動可能に機体上に設置され、上記絆創こう用
テープが固定刃の頂面の前部縁および後部縁間の
距離に等しい所定長さ給送されるたびごとに下降
運動せしめられて上記固定刃に密接嵌合する雌型
可動刃と；上記可動刃の後方において機体に取付
けられていて、可動刃の切欠部を通して斜下向き
前方に延び上記固定刃の頂面と対向する位置にお
いて上記絆創こう用テープの上面とほぼ接触する
テープ用ガイドと；を具備することをその構成上
の特徴とするものである。

以下、添付図面を参照して、この考案に係る絆
創こう用テープの切断装置の実施例について説明
する。

図面の第１図は、切断される絆創こう用テープ
１に対する本案切断装置の雄型固定刃２と雌型可
動刃３との配置を示す裁断側面図であつて、雄型
可動刃２はその頂面がテープ１の下面にほぼ接触
する状態でボルト４によつて機体５、すなわち装
置の支持枠体に固着されており、雌型可動刃３は
テープ１の上方に固定刃２と対向させて配置さ
れ、機体５の適当個所に設けた例えばクランク装
置などの適当な上下駆動装置（図示せず）に連結
されて上下運動可能に設置されている。

雄型固定刃２は、第１図−線に沿う裁断平
面図である第２図に示すように、切断すべきテー
プ１の幅よりも小さい横方向の幅、すなわちテー
プ１の給送方向（矢印にて示す）に対して直角方
向の幅を有していて、その頂面は各側壁とそれぞ
れ直角に交わる鋭利な刃を持つたほぼ円弧状の左
側縁および右側縁と、前部壁と直角に交わる鋭利
な刃を有しテープ給送方向に対し直角方向に延び
る直線状の前部縁および前部縁と平行に延びる直
線状の後部縁とによつて限界されたほぼ細長小判
形の形状を有しており、また雌型可動刃３は、固
定刃２の頂面の直線状前部縁と完全に密接係合す
る直線状の鋭利な刃を備えた内側下端縁を有する
直線状前部刃３ａと固定刃２の頂面のほぼ円弧状
の左側縁および右側縁とそれぞれ完全に密接係合
するほぼ円弧状の鋭利な刃を備えた内側下端縁を
有するほぼ円弧状の左側刃３ｂおよび右側刃３ｂ
とを複数個のボルト６によつて相互に、かつ天板
３ｃに対して結合、固定した組立て構造を有して
いて、固定刃２の頂面の直線状後部縁と対向する
後方部分には、切断刃は設けられないで、後方に
向かつて開口する切欠部７が形成されている。

次に、第３図を参照して、本案の切断装置を使
用して長く連続した絆創こう用テープから細長い
小判形絆創こう片を切断、形成させる作動につい
て説明する。

上下に対向させて設けられた雌型可動刃３と雄
型固定刃２との後方、すなわち絆創こう用テープ
１の供給源（図示せず）に近い方には、例えば上
面に接着剤が塗布された極めて薄い接着テープ１
ａと、この接着テープの中心線に沿つてその上面
に固定刃２の頂面の直線状の前部縁および後部縁
間の距離とほぼ等しい所定の間隔で貼着されたガ
ーゼ片１ｂと、このガーゼ片を挟んで接着テープ
１ａの上面に貼着された剥離テープ１ｃとから成
る通常の絆創こう用テープ１を上下から弾性的に
挟圧して、テープ供給源から固定刃２の頂面上に
一定ピツチで連続的的に給送する１対の１次送り
ローラ８が配置されて機体の適当個所に取付けら
れ、また可動刃３の後方において機体の適当個所
に取付けられたテープ用ガイド１３が、可動刃３
の後方部分に設けられて後向きに開口する切欠部
７を通して斜下向き前方に延びてその下端の細長
い水平板状部が固定刃２の頂面と対向する位置で
テープ１の上面にほぼ接触している。更にまた、
可動刃３および固定刃２の前方には、これら２つ
の刃によつてテープ１の前端部から切断して分離
された絆創こう片１４を受け取りその上下両側を
包装用紙テープによつて被包させるための三角形
状に配置されたガイドローラ９、包装用テープで
被包された絆創こう片１４を更に前方に移送する
ための２次送りローラ１０、包装用紙テープを圧
着したり切断したりするための圧着ローラ１１お
よび切断刃１２などが順次配置されている。

上記のような本案切断装置を作動させるに当つ
ては、１次送りローラ８の回転速度と可動刃３を
上下運動させる上下駆動装置（図示せず）の運転
速度とを適当に調整して、絆創こう用テープ１の
給送ピツチ、すなわちテープ１が固定刃２の頂面
の前部縁および後部縁間の距離に等しい所定長さ
給送されるに要する時間と可動刃３の上下運動の
周期とを一致させると共に、テープ１自体の前後
位置を調整して、給送されるテープ１のガーゼ片
１ｂが固定刃２の頂面の前部縁および後部縁のほ
ぼ中央に到達した時点において可動刃３の下降運
動が行われるようにする。このような同期状態を
確保しておいて切断装置を連続的に作動させる
と、可動刃３の第１回目の下降運動によつて固定
刃２の頂面上に給送されたテープ１の前部と両側
部だけがそれぞれ直線状および円弧状に切断され
ただけで可動刃３は上昇する。可動刃３の上昇
後、前部および両側部だけを切断された部分切断
テープ部分は、テープ１の給送に伴つてテープ用
ガイド１３によつて正しく導かれながら固定刃２
の頂面から前方に向けて移行すると共にテープ１
の後続テープ部分が固定刃２の頂面上に前進し、
頂面から更に移行した部分切断テープ部分の直線
状前部縁が頂面の前部縁および後部縁間の距離に
等しい所定長さだけ頂面前部縁から前方に移行す
ると、可動刃３の第２回目の下降運動が起り、前
部および両側部だけを切断されて固定刃頂面から
前方に移行した部分切断テープ部分はその後端を
可動刃３の前部刃３ａによつて切断され、後続テ
ープ部分から切離されてほぼ細長小判形の絆創こ
う片１４が形成され、また固定刃頂面上に前進し
た後続テープ部分はその前部および両側部だけを
切断されて部分切断テープ部分を形成する。この
ような作動の繰返しによつて、連続して給送され
る長い絆創こう用テープ１から極めて効率よく連
続的に多量の絆創こう片１４を生産することがで
きる。なお、前部および両側部だけを切断された
部分切断テープ部分として固定刃２の頂面から前
方に移行した後頂面上の後続テープ部分から切離
されて形成された各絆創こう片１４は、それぞれ
そのままガイドロール９に受入れられ包装用紙テ
ープにより被包されて２次送りローラ１０により
更に前方に移送され、圧着ロール１１および切断
刃１２によつて包装用紙テープの圧着および切断
処理が行われて包装絆創こう片として完成され
る。

上記のような構成を有せしめた本案の切断装置
によれば下記のような有用な効果が達成される。

素材として使用する連続した絆創こう用テープ
から絆創こう片を切断、形成させる作業を１回の
切断作業によつて行わず、第１回の切断作動によ
つて固定刃頂面上に位置するテープ部分の前部お
よび両側部だけを切断し、この部分切断テープ部
分をテープ給送作動によつて固定刃頂面から前方
に移行させると共に、後続テープ部分を固定刃頂
面上に給送し、第２回の切断作動によつて部分切
断テープ部分の後端を切断し後続テープ部分から
切離して所望の絆創こう片を形成させると同時
に、後続テープ部分の前部及び両側部だけを切断
して部分切断テープ部分を形成させ、この作動を
繰返して連続的に多量の絆創こう片を正産するこ
とができ、しかも切断、分離された絆創こう片が
雄型固定刃頂面に堆積してして切断作動が妨げら
れるおそれは全然なく、また固定刃頂面と対向す
る位置にテープ用ガイドを設けたことによつて固
定刃頂面に対する極めて薄いテープの給送および
部分切断テープ部分の固定刃頂面から前方への移
行作動は極めて円滑に行われるばかりでなく、可
動刃の上昇運動のために固定刃頂面の部分切断テ
ープ部分があふられて変位したりめくれたりして
切断不良を生じるおそれも全くなく、更にまた、
単一の切断作動によつて絆創こう片の切断、切離
しを行なう従来の切断装置のように、形成された
絆創こう片を切断作動の都度固定刃頂面から取除
いたり前方に別個の装置を設ける必要は全くな
い。

付加的効果として、雌型可動刃を上記実施例に
示すように２個の側方刃と前方刃と天板との組立
て構造とすることによつて、可動刃を分解するこ
とにより各切断刃を極めて容易に研磨することが
可能で、極薄で柔軟性の大きい絆創こう用テープ
に対して切れ味の良い切断を行なうことができ
る。

【図面の簡単な説明】

添付図面の第１図は、本考案に係る切断装置の
雄型固定刃および雌型可動刃の一実施例を示す裁
断側面図、第２図は、第１図に示す固定刃および
可動刃を同図−線に沿つて裁断し矢印の方向
に見た平面図、第３図は、第１図および第２図に
示す固定刃および可動刃を備えた本考案の切断装
置を使用して長く連続した絆創こう用テープから
絆創こう片を形成する切断作動を説明するため
に、包装絆創こう片製造装置を略示する側面図で
ある。 １：絆創こう用テープ、１ａ：接着テープ、１
ｂ：ガーゼ片、１ｃ：剥離テープ、２：雄型固定
刃、３：雌型可動刃、３ａ：直線状前部刃、３
ｂ：円弧状の左側刃、右側刃、３ｃ：天板、４，
６：ボルト、７：可動刃の切欠部、８：１次送り
ローラ、９：ガイドローラ、１０：２次送りロー
ラ、１１：包装用紙テープの圧着ローラ、１２：
包装用紙テープの切断刃、１３：テープ用ガイ
ド、１４：絆創こう片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機体上に設置されていて、絆創こう用テープ１
   を一定ピツチで連続的に給送する送り装置と； 上記絆創こう用テープ１の幅よりも小さい幅で
   テープ給送方向に対し直角方向に延び、ほぼ円弧
   状の左右両側縁および直線状であり給送方向に対
   し前部、後部の両縁を有し両側縁および前部縁に
   それぞれ刃を備えたほぼ細長い小判形の頂面を備
   えていて、その頂面を上記絆創こう用テープ１の
   下面にほぼ接触させるように機体に固着された雄
   型固定刃２と； 上記固定刃２のの頂面のほぼ円弧状の左右両側
   縁および直線状の前部縁とそれぞれ密接係合する
   ほぼ円弧状の左右両側刃３ｂ，３ｂおよび直線状
   の前部刃３ａを有し、かつ固定刃２の頂面の直線
   状後部縁と対向する後方部には後方に向かつて開
   口した切欠部７が設けられていて、上記絆創こう
   用テープ１の上方に固定刃２と対向させて上下運
   動可能に機体上に設置され、上記絆創こう用テー
   プ１が固定刃２の頂面の前部縁および後部縁間の
   距離に等しい所定長さ給送されるたびごとに下降
   運動せしめられて上記固定刃２に密接嵌合する雌
   型可動刃３と； 上記可動刃３の後方において機体に取付けられ
   ていて、可動刃３の切欠部７を通して斜下向き前
   方に延び上記固定刃２の頂面と対向する位置で上
   記絆創こう用テープ１の上面にほぼ接触するテー
   プ用ガイド１３と； を具備することを特徴とする、連続して送られる
   絆創こう用テープの切断装置。