JPS6142542Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は洗浄槽内に水を貯水し、底面や側面に
取付けられ、凹凸面を有する回転翼を回すことに
より、衣類に運動エネルギーを与えて、この運動
と洗剤力とで、洗浄作用を行う方式の洗濯機にお
ける糸くずやリントの収集装置に関する。従来、
この種の洗濯機において、布と布の摩擦や、布の
曲折運動により多くの糸くずやリントを発生しや
すく、その発生した糸くずやリントは、洗たく
や、すすぎ終了後においても衣類の中に再び付着
し、洗濯、すすぎ終了後も取りにくいという問題
があつた。この為、従来から、例えば洗浄槽内壁
に網状袋を吸盤で固定したり、オーバーフローフ
イルター内にネツトを設けたり、くし状棚を設け
たりする等により、糸くずやリントの収集を行な
つていた。しかし上記従来の方式では、例えば網
状袋を用いる方法は、繊維質のネツトを用いるの
が普通であり、このネツトは洗たく、すすぎ中、
常に衣類と接触している為、ネツト自身の耐久性
能に不十分な点があるばかりでなく、ボタンやホ
ツク類をネツトに引掛けてネツト自身を損傷した
り、逆にボタンやホツク類を衣類より脱落させて
しまう等、洗たく槽内に浮遊させたり、内側壁よ
り突起した糸くずリント収集装置には欠点を有し
ていた。

一方、オーバーフローのフイルターやオーバー
フローの入口部分に、糸くずやリントの補獲装置
を設けた場合については、洗たく槽内へ突出して
いない為前述の如き、耐久性能や衣類損傷の問題
は少ないが、あくまでもオーバーフローで流出す
る水の中から糸くずやリントを捨う為、オーバー
フローをさせない洗たく、すすぎ方式での、収集
効果が少ないという欠点を有していた。

従来のこれらの欠点を補う為、洗浄槽内で洗た
くやすすぎの水を循環させ、この循環水路の中間
にフイルターを設け、このフイルターで糸くずや
リントを収集しようとする方式も従来から考えら
れて来た。この循環水路方式では、回転翼裏面の
凹凸や、その裏面にリブや羽根を設けることによ
り、回転翼下部で吐出部や吸入部を設けて専用水
路を形成するものであつた。従来この循環水路の
中間に設置するフイルターは洗たく槽の側壁や上
辺付近に着脱自在のケースを設けて網状ネツトで
補獲する方法が取られて来た。

特に回転翼で水を吸い込むタイプの循環水路方
式では、上記網状ネツトで糸くず、リントを収集
するが、くり返し使用しネツトの掃除をしないよ
うな場合、ネツトが糸くず、リントで一ぱいとな
り、網目が全部塞がれ、それ以上網目より吸い込
まない状態となるが、それでも回転翼が回転する
と循環水路の若干の隙間より、糸くず、リントが
入り込み入口よりリントがつらら状に尾を引き循
環水路を塞いだり、更に吸い込まれて、回転翼に
引掛かり回転翼をロツクさせ、更に回転翼を駆動
するモータをロツクさせたりする場合があつた。

本考案はリントが、収納ケースに一ぱいになつ
た状態で、リントがつらら状になりにくい状態に
するとともに、収納ケースにリントが詰つたこと
が外からも判別できるようにしようとするもので
ある。

以下、本考案の実施例について第１〜３図を参
照して説明する。

洗たく槽１底面２に配設した回転翼３の下辺に
吐出口４を設け、洗たく槽１の側壁５と底面２と
の交わる付近に吸入口６を設ける。この吸入口６
の上辺に、リント収納ケース７を設ける。

吐出口４と吸入口６とは吸入パイプ８と吸入ホ
ース９を介して接続され、循環水路を形成してい
る。吸込口６は通常洗たく槽１の隅部に設ける。
この隅部に丹柵状の隔壁１０を設け、中間に仕切
り板１１を形成し、その下部に形成された部屋、
即ち吸入室１２に、洗たく槽１の水が吸い込まれ
る。吸入室１２の開口部は着脱自在なフイルター
ケース１３で覆われ、吸入される面には大きな糸
くずが引掛かるよう、大きなフイルター状目１４
を有している。フイルターケース１３の後部に
は、リントを集める小さなフイルター状目１５を
有するフイルターカバー１６を設ける。このフイ
ルターカバー１６は背面１７に小さなフイルター
状目１５を有するとともに、傾斜して上方に開口
する構造とする。

従つて回転翼３が回転すると吸入口６が負圧と
なり、吸入パイプ８、吸入ホース９中を水は、吸
入方向に流れる。洗たく槽１中の糸くずやリント
を含んだ水は吸入されフイルターケース１３の大
きな目１４を通り、比較的大きな糸くずはここで
引掛けられる。更に吸入された水はフイルターカ
バー１６の小さなフイルター状目１５およびフイ
ルターケース１３裏面に設けた複数個の林立する
ピン１８とにより糸くずの小さなものやリント類
がここで補獲される。水は更に吸入口６より吸い
込まれ、洗たく槽１内を循環する。

ここで、フイルターカバー１６は、背面１７が
上方に傾斜して開口しており、掃除をせずにくり
返し洗たく、すすぎを行うと、フイルターケース
１３、フイルターカバー１６間に蓄積されてゆ
き、小さなフイルター状目１５の下方より詰まり
はじめ徐々に上方の小さなフイルター状目１５が
塞がる。小さなフイルター状目１５が全数塞がれ
た時には上方の開口部１９より水は吸入される。
大きな目１４と上方の開口部１９とを有する為一
定量のリントがフイルターカバー１６とフイルタ
ーケース１３の間にたい積されると、それ以上の
リントは、上方へ逃げることとなる。この為リン
トや糸くずがつらら状になることはなく、回転翼
やモーターをロツクすることがない。

さらに、フイルターケース１３の大きなフイル
ター状目１４の面を一段奥方向に落すとともに、
この面にイボ状突起２２を設けることにより、衣
類と糸くずが直接触れないようにして一担、大き
なフイルター状目１４に付着した糸くずが洗われ
てしまうのを防止すると同時にイボ状突起２２
と、衣類との接触により洗浄効果をも上げること
ができる。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば吸込式循環水路方式の洗濯機における糸くず、
リント収集装置にあつて、長期間に渡つて掃除を
しない場合でも、リントの詰まりによる、水路閉
鎖や回転翼のロツク等の異常を防止すると同時
に、糸くずの付着状態を常に外から目視できる状
態に維持することにより掃除をすることを促すこ
とができ、その実用的価値が大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における洗濯機の一
部欠截断面図、第２図は同要部断面図、第３図は
同要部拡大断面図である。 １……洗濯槽、３……回転翼、４……吐出口、
６……吸込口、１２……吸入室、１３……フイル
ターケース、１４，１５……フイルター状目、１
６……フイルターカバー、１８……ピン、１９…
…開口部、２２……イボ状突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 洗濯槽の回転翼下部に設けた吐出口と、洗濯
   槽の側壁および底面が交わる付近に設けた吸入
   口を連通して循環水路を形成し、前記吸入口の
   上部に互いに着脱自在なフイルターケースとフ
   イルターカバーを設け、フイルターケースは吸
   入口上部に形成した吸入室の開口部全体を覆い
   フイルター状目を有し、フイルターカバーはフ
   イルターケースの後部に配設し、背面を傾斜し
   て上方にのみ開口を有するとともにフイルター
   ケースのフイルター状目より小さなフイルター
   状目を有し、かつフイルターケースの裏面から
   水平方向に林立する複数個のピンを設け、フイ
   ルターカバーの上方背面と側壁との間に空間を
   設けてなる洗濯機の糸くずリント収集装置。 (2) フイルターケースのフイルター状目の間に洗
   濯槽内へ突出するイボ状突起を設けてなる実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の洗濯機の糸く
   ずリント収集装置。 (3) フイルターケースのフイルター状目の部分を
   その周辺部より一段奥に落し段部を形成してな
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の洗濯機
   の糸くずリント収集装置。