JPS6142365B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、けい光ランプなどの放電灯を用いる
照明器具に関する。

（従来の技術） 一般に、照明器具の光源には、けい光ランプな
どの放電灯が広く用いられているが、この放電灯
は電源の半サイクル毎の点弧および消弧時に高周
波成分を含むため、この高周波成分が電源側に伝
達されて高周波雑音（ラジオノイズ）となる。特
に、最近その点灯回路として、１図に示すよう
な、たとえば数十ＫHzで発振する高周波インバー
タ等を用いる電子化された高性能、高効率のもの
が提供されたが、このようなものを使用すると、
前記高周波雑音の問題は顕著となる。

第１図に点灯回路を説明する。図において、１
１は整流装置で、その入力側は電源ライン１２を
介して商用の交流電源に接続し、また出力側の直
流電路Ｐ，Ｎは高周波点灯回路すなわち高周波イ
ンバータ１３に接続する。この高周波インバータ
１３は一対のトランジスタ１４，１５をプツシユ
プル接続したものである。すなわちトンジスタ１
４，１５のエミツタは共通接続した後、定電流装
置１６を介して電路Ｎに接続し、またベースは起
動抵抗１７を介して電路Ｐに接続し、さらにコレ
クタは絶縁トランスであるインバータトランス２
０の１次巻線２１の両端に接続する。この１次巻
線２１の両端間には共振用コンデンサ２２を接続
するとともに、その中間点には電路Ｐを接続す
る。前記インバータトランス２０は前記１次巻線
２１のほかに帰還巻線２３および２次巻線２４を
持つ。帰還巻線２３は、前記各トランジスタ１
４，１５のベースに接続して正帰還回路を構成
し、トランジスタ１４，１５を交互にオン・オフ
動作させる。２次巻線２４はけい光ランプからな
る複数の放電灯２６に高周波電力を供給するもの
であり、調光用インダクタ２７およびバランサ２
８を介して前記放電灯２６の多灯点灯回路２９に
接続する。

この多灯点灯回路は、２個の放電灯２６を直列
接続したものを２回路、前記バランサ２８を介し
て並列接続しており、計４個の放電灯２６を同時
に点灯させる。これら各放電灯２６はそれぞれフ
イラメントトランス３０と並列接続しており、フ
イラメント巻線３０Ｆを介して各電極を構成する
フイラメントと接続し、これを加熱する。なお、
前記調光用インダクタ２７はこれを短絡する調光
用スイツチ３２を並列接続する。

上記の点灯回路は、図示しない電源スイツチを
オン操作して商用の交流電源を印加することによ
り、一旦整流装置１１で直流に変換した後、高周
波インバータ１３により高周波電力に逆変換し、
これをインバータトランス２０の２次巻線２４を
介して各放電灯２６に供給し、点灯させるもので
ある。

このような点灯回路を実際の照明器具、例えば
シヤンデリア状のものに用いた場合を第２図に示
す。上記点灯回路はその構成部品と共に、プリン
ト配線基板のような取付板に配置構成されるが、
構成部品が多いため、図示の如く２板の取付板４
１，４２に分けて取付ける。すなわち、図示上方
の取付板４１には絶縁トランスであるインバータ
トランス２０の１次側部品およびインバータトラ
ンス２０を配設し、図示下方の取付板４２にはイ
ンバータトランス２０の２次側部品を配設する。
４４は器具ケースで、前記取付板４１，４２を上
下２段に収納すると共に、放射状に延出するアー
ム４を有し、これらアーム４５の先端に灯具４６
を支持する。この各灯具４６内には前記放電灯２
６をそれぞれ設け、この放電灯２６をアーム４５
内および前記器具ケース４４に設けた引出口５１
を通る引出線４７を介して前記器具ケース４４内
の下方の取付板４２に構成されたインバータトラ
ンス２０の２次側回路と接続する。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、上記のような構成では次のような問題
点が生じた。すなわち、下方の取付板４２から器
具ケース４４の引出口および５１のおよびアーム
４５内を通して引出される引出線４７は、器具ケ
ース４４内では露出状態で配線されており、かつ
アーム４５への引出口５１が器具ケース４４の上
部で上方の取付板４１に近い位置にあるため、引
出線４７が上方の取付板４１上の部品に接近する
ことになり、このため放電灯２６から発生し電源
に帰還する雑音が多くなることである。特に、引
出線４７がインバータトランス２０に接近すると
雑音端子電圧が著しく大きくなる。これは、放電
灯２６を非線形素子としての雑音源とみなせる
が、この場合、放電灯２６からの雑音は、回路上
は絶縁トランスであるインバータトランス２０に
よつて帰還を防止できる。しかし、実際には前記
引出線４７と１次側部品およびインバータトラン
ス２０との間の電磁誘導や静電誘導により放電灯
２６からの雑音が、直接引出線４７が接近した上
方の取付板４１上の部品、すなわちインバータト
ランス２０の１次側部品に誘導あるいはバイパス
されるために雑音が多くなる。

すなわち、放電灯２６から発生した雑音は、引
出線４７がインバータトランス２０の１次側部品
のある上方の取付板４１に接近する程、電磁誘導
および静電誘導の程度が大きくなることにより直
接に誘導あるいはバイパスされる量が多くなり、
電源に帰還される雑音が大きくなる。

本発明は上述のような問題を解決し、雑音の発
生を低減させた照明器具を提供することを目的と
する。

〔発明の構成〕 （問題点を解決するための手段） 本発明の照明器具は、絶縁トランスを含む放電
灯用の点灯回路部品を、前記絶縁トランスの１次
側部品および前記絶縁トランスからなるグループ
と前記絶縁トランスの２次側部品からなるグルー
プとに分割して、これらの部品をグループ毎に別
個の取付板の取付板に配設するとともに、これら
取付板を器具ケースに収納し、前記絶縁トランス
の２次側部品を配置した前記取付板から引出され
た放電灯への引出線を外部に引出するために前記
器具ケースに設けた引出口を、前記絶縁トランス
の２次側部品を配設した取付板に対して近づけ、
前記絶縁トランスの１次側部品および前記絶縁ト
ランスを配設した取付板に対して取付板の対して
遠ざけたものである。

（作用） 本発明は、絶縁トランスの２次側部品を配設し
た取付板から放電灯に引出線を、絶縁トランスの
１次側部品および絶縁トランスの１次側部品およ
び絶縁トランスを配設した取付板から離れた位置
に配設することにより、引出線と絶縁トランスの
１次側部品および絶縁トランスとの間の電磁誘導
および静電誘導を小さくし、引出線と絶縁トラン
スの１次側部品との間の影響を少なくするもので
ある。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を第３図を参照して説
明する。なお、第２図で示したものと対応する部
分には同一符号を付し詳細な説明は省略する。

この照明器具も、器具ケース４４内に、プリン
ト配線基板等による２板の取付板４１，４２を設
け、複数個の固定ねじ４９によつて上下２段に支
持固定する。そして、この上下の取付板４１，４
２に、前記絶縁トランス２０を含む放電灯用点灯
回路部品を分割してそれぞれ配設する。すなわ
ち、上方の取付板４１には、第１図において符号
Ａで示した第１のグループ、すらわち、インバー
タトランス２０の１次側部品である整流装置１
１、高周波インバータ１３をパワートランジスタ
１４，１５定電流装置１６および絶縁トランスで
あるインバータトランス２０等を設ける。また、
下方の取付板４２には、第１図において符号Ｂで
示した第２のグループ、すなわち、インバータト
ランス２０の２次側部品である調光用インダクタ
２７、バランサ２８、フイラメントトランス３
０、調光用スイツチ３２等を設ける。そして、こ
の下方の取付板４２の下方から引出した引出線４
７を器具ケース４４の引出口５１およびアーム４
５内を通して、アーム４５の先端に設けた灯具４
６内の放電灯２６と接続する。

ここで、器具ケース４４に形成する引出線４７
の放電灯２６への引出口５１を、下方の取付板４
２よりさらに下方に位置させる。このように引出
口５１を下方の取付板４２より下方に設けること
により器具ケース４４内において引出線４７が、
上方の取付板４１およびこれに設けられた第１図
で示すインバータトランス２０の１次側部品およ
びインバータトランス２０の第１のグループＡに
対し常に遠く離れた位置に配設され、これらに接
近することはない。したがつて、放電灯２６で生
じた雑音電圧が、引出線４７の電磁誘導により第
１のグループＡに誘起されることはほとんどな
く、雑音発生を大幅に低減できる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、絶縁トランスを含む放電灯用
の点灯回路部品を、前記絶縁トランスの１次側部
品および前記絶縁トランスからなるグループと前
記絶縁トランスの２次側部品からなるグループと
に分割して、これらの部品をグループ毎に別個の
取付板に配設するとともに、絶縁トランスの２次
側部品を配設した取付板から放電灯への引出線が
通る器具ケースの引出口を、絶縁トランスの１次
側部品および絶縁トランスを配設した取付板に対
して遠ざけた位置に設けたので、放電灯からの雑
音電圧が１次側回路に誘起するのを最小限にする
ことができ、雑音の少ない照明器具が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な放電灯の高周波点灯回路を示
す回路図、第２図は従来の照明器具を示す一部を
切り欠いた側面図、第３図は本発明による照明器
具の一実施例を示す一部を切り欠いた側面図であ
る。 ２０……絶縁トランスであるインバータトラン
ス、２６……放電灯、４１，４２……取付板、４
４……器具ケース、４７……引出線、５１……引
出口、Ａ……絶縁トランスの１次側部品および絶
縁トランスからなるグループ、Ｂ……絶縁トラン
スの２次側部品からなるグループ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 絶縁トランスを含む放電灯用の点灯回路部品
   を、前記絶縁トランスの１次側部品および前記絶
   縁トランスからなるグループと前記絶縁トランス
   の２次側部品からなるグループとに分割して、こ
   れらの部品をグループ毎に別個の取付板に配設す
   るとともに、これら取付板を器具ケースに収納
   し、前記絶縁トランスの２次側部品を配設した前
   記取付板から引出される放電灯への引出線を外部
   に引出するために前記器具ケースに設けた引出口
   を、前記絶縁トランスの２次側部品を配設した取
   付板に対して近づけ、前記絶縁トランスの１次側
   部品および前記絶縁トランスを配設した取付板に
   対して遠ざけたことを特徴とする照明器具。 ２ 前記取付板は、プリント配線基板であること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の照明器
   具。 ３ 前記絶縁トランスの１次側部品および上記絶
   縁トランスからなるグループと上記絶縁トランス
   の２次側部品からなるグループとの取付板をそれ
   ぞれ上下に配置し、この下方の２次側部品の取付
   板より下方に前記器具ケースの引出口を設けたこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項または第２
   項記載の照明器具。