JPS6142077Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本願考案は次に述べる問題点の解決を目的とす
る。

〔産業上の利用分野〕

この考案はキユポラ本体に対しそこでの溶解に
使用する材料を装入する為に用いられるバケツト
に関するものである。

（従来の技術） 従来より多用されているスキツプ反転式投入機
にあつては、キユポラ本体に対して材料が斜上方
から投入される為、キユポラ本体内において材料
の片寄りが生じ、炉内ライニングの片減りや溶解
効率の低下などの問題点があつた。これを解決す
る為に底開き式バケツト投入機が考案されてい
る。しかしそのようなものにあつては、装入材料
がキユポラ本体の中心に集中し易く、中央部には
重い小型物が集まる一方周囲は粗い軽量物とな
り、その上装入された材料の上面は中高となる傾
向がある。このようになると炉内の高温排ガスは
主として炉壁近くを通ることとなり溶解効率が低
くなる問題点がある。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は上記従来の問題点を除き、キユポラ
本体に対し溶解材料を偏りなく装入でき、しかも
装入された材料の上面が平担乃至はすりばち状と
なるように装入できるようにしたがつてキユポラ
の溶解材料装入用バケツトを提供しようとするも
のである。

本願考案の構成は次の通りである。

（問題点を解決する為の手段） 本願考案は前記請求の範囲記載の通りの手段を
講じたものであつてその作用は次の通りである。

（作 用） 本体下部に備わつた蓋を開くと、材料は本体と
その内部に備わつた案内部材との間の環状の落下
口から落下する。この場合、落下する材料は案内
部材のテーパ面の周面によつて外方向に広がろう
とする力成分が付与される。その結果、落下する
材料がキユポラ本体内に落ちたとき、その上面は
平担乃至はすりばち状となる。

（実施例） 以下本願の実施例を示す図面について説明す
る。第１図はキユポラ及びそれに対する周知の溶
解材料装入機構を示すもので、１はキユポラ本
体、２は溶解材料の装入口、３はレール、４はレ
ール３に沿つて上下移動する昇降体、５は昇降体
４に取付けた装入用バケツト、６は溶解材料の秤
量台車、７は台車６に備わつた材料投入用のシユ
ートを夫々示す。

次に上記装入用バケツト５について第２図乃至
第４図に基づき詳しく説明する。１０は本体で、
上下が夫々開口する筒状に形成してある。その直
径はキユポラ本体１の内径と略同程度にしてあ
る。また高さは周知の底開き式のバケツトと同程
度の高さにしてある。１１は本体における上部の
受入部でやや太径に形成されて本体内への材料の
投入を行ない易くしてある。１２は本体１０の下
部の開口部を閉ざす為の蓋の二つの要素１２ａ，
１２ａから成る。各要素１２ａ，１２ａは、本体
１０に取付けた軸受１４に軸１５を用いて枢着し
てある腕１３に夫々取付けられて、第２図の如く
観音開き状に開くようにしてある。尚図示はしな
いが上記本体１０には蓋１２を掛止する為の周知
の掛金が備えられて、上記蓋１２を常時は閉止状
態に保持する一方、バケツト５がキユポラ本体１
内に移動して上記掛金がキユポラ本体１の内壁面
に当接すると上記掛止が外れて蓋１２が開くよう
になつている。１６は本体１０に取付けた保持具
で、受入部１１にボルト１８ａ、ナツト部１８ｂ
で取付けた腕片１７の先端に取付けて本体１０の
軸心に位置させた筒体１９とから成る。２０は筒
体１９に取付けた邪魔部材で、鋼管を用いて構成
してある。２１は邪魔部材２０の下端に一体に連
結して本体内部の中央に位置させた案内部材で、
その周面２２は下方に行く程直径が大きくなるテ
ーパ状に形成してある。この案内部材２１の高さ
Ｈは本体１０の高さの1/3〜1/4にされ、また下端
部の直径Ｄは本体１０の下端部の直径の1/3〜1/4
程度にされる。更に、案内部材２１の下端部は本
体１０の下端部と同程度の高さに位置させて、そ
れら両者間に環状の材料落下口２３が形成される
ようにしてある。

上記構成のものにあつては、バケツト５がレー
ル３の下部に位置しかつ蓋１２が閉じられた状態
で台車６からシユート７を通して溶解材料２８が
バケツト５の本体１０内に投入される。この場合
材料は本体１０の斜上方から投入される（第２図
及び第４図ではその投入方向を矢印２５で示
す）。しかし材料は本体１０内において上記シユ
ート７とは反対の側に勢いよく入り込もうとして
も、邪魔部材２０の存在によつてその勢いが減じ
られる。即ち第４図に示す如く矢印２５方向に投
入された材料のうち邪魔部材２０に当つたもの及
びそ近傍にあるものは、矢印２６で示す如くその
方向が反らされ、本体１０の内面に当つた後、矢
印２７で示す如く、邪魔部材２０を中心にシユー
ト７とは反対側の部分に入り込む。上記のような
結果、本体１０内に投入された材料２８の上面は
第２図の如くほぼ水平状態となる。尚上記材料の
投入は本体１０の直上位置から行なつても良いこ
とは言うまでもない。

上記のように材料を投入されたバケツト５は昇
降体４の上昇により投入口２からキユポラ本体１
内に入る。そこで蓋１２が開かれると、材料２８
は本体１０の下方開口部から落下する。この場
合、本体１０内の材料は下方へ向けて移動（降
下）する過程でその中央部にある材料は案内部材
２１の周面２２に沿つて下へ移動する為放射方向
の力を受ける。この力はその周囲の材料にも材料
相互の衝突によつて伝わる。この為、環状の落下
口２３から落下する材料は外方へ広がろうとする
力成分を持つて落下する。その結果、その材料が
キユポラ本体１内に落下した場合、材料のうち重
い小型物も粗い軽量物もキユポラ本体１の中心か
ら内壁面近くまで一様の分布でキユポラ本体１内
に落ちると共に、その落下物の上面は平担乃至は
すりばち状となる。

上記の如くしてキユポラ本体１内への材料の装
入が終わればバケツト５が投入口２から取出され
ると共に投入口２が閉じられ、然る後キユポラ本
体１の稼動が行なわれる。この場合、キユポラ本
体１内において高温ガスは本体１の中心部も本体
１の内壁面近くの部も一様に通る為、高い溶解効
率が得られる。

（考案の効果） 以上のように本考案にあつては、溶解材料をキ
ユポラ本体１内に装入する場合、バケツトの本体
１０内に材料を入れ、それをキユポラ本体１内に
移動させ、そこで蓋１２を開くことにより、本体
１０内の材料を落下させてキユポラ本体１内への
材料の装入を行ない得る効果がある。

しかも上記材料の装入の場合において、本体１
０内の材料が本体１０内を下方へ移動して本体の
下方開口部から落下しようとする場合、案内部材
２１の周囲の材料は案内部材２１のテーパ状とな
つている周面２２に沿つて下降して放射方向の力
を受ける。従つて本体１０と案内部材２１との間
の環状部分から落下する材料は、外方へ広がろう
とする力成分を持つた状態で落下する特長があ
る。このことは材料がキユポラ本体１内に落下し
たときの落下物の上面を水平乃至すりばち状にす
ることを可能にできることであり、その結果、キ
ユポラ本体内での熱ガスの通りを外周部と中央部
とで平均化させて溶解効率を向上させ得る効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示すもので、第１図はキ
ユポラ本体及び材料装入機構の略示図、第２図は
溶解材料装入用バケツトの縦断面図、第３図は同
平面図、第４図は材料の投入状態を説明する為の
平面図。 １０……本体、１２……蓋、２１……案内部
材、１……キユポラ本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １ 上下が開口した中空筒状の本体の下端には、
   開閉自在の蓋を備えさせて、本体内に溶解材料が
   入つた状態でキユポラ本体内に移動させ、そこで
   蓋を開くことによつて本体内の溶解材料を本体の
   下方開口部から落下させ得るようにしてあるキユ
   ポラの溶解材料装入用バケツトにおいて、上記本
   体内においてその下部の中央部には、周面が下方
   に行く程広がつたテーパ面となつている案内部材
   を配設したことを特徴とするキユポラの溶解材料
   装入用バケツト。