JPS6141993Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、負荷急増による過渡時に、内部が水
びたしにならないように、空気導入弁の開閉をガ
イドベーンと連動し、空気導入を、水の流れ込み
に先がけて行うようにしたクロスフロー水車に関
する。

クロスフロー水車においては、水車装置に水車
を回転させる水が流入し、水車を回転させ終ると
その水は気泡を含んで外部に流出し、水車室内は
負圧となつて、水車室内の水位が上昇する。そこ
で過剰な水位の上昇が起きないように浮子式空気
導入弁が水車装置に設けられる。その浮子式空気
導入弁の構成は水車を収納する水車室に空気導入
口を設けると共に該空気導入口に弁装置を設ける
一方、該弁装置に連結した浮子を水車室内の水面
に設け、水位が一定以上となると、水面に設けら
れた浮子が弁装置を開いて、水車室内に空気を導
入し、その水位を下げ、水位を元の一定位置まで
戻すと水面に設けられた浮子が弁装置を閉じて水
位の降下を止めるようにしたものである。このよ
うに水位の上昇・下降に対して弁装置を開閉し一
定水位を保持する。

ところが浮子式空気導入弁は、水車に流れ込む
水量が急激に増加する場合には上記弁装置の開閉
による水位の降下が間に合わず、水位の過剰な上
昇によつて、水車が水中に没して水車の回転抵抗
が増したり、更には水車室内部が水びたしになつ
てしまう。

このように浮子式空気導入弁を備えた水車装置
では流入水の急増に対処する手段が必要とされて
いた。

本考案は、予めガイドベーンと弁装置とを連動
することによつて、流入水の急増時でも水位を一
定に保ち水車の水没を避けるようにしたものであ
つて、その構成はガイドベーンを備えたクロスフ
ロー水車の水車室に空気導入弁を設けると共に該
水車室内のドラフト水面に浮子を設け、該浮子と
該空気導入弁とを連結して、ドラフト水位を一定
に維持するクロスフロー水車において、ガイドベ
ーンのレバーと空気導入弁のレバーとをロツドを
介して連結し、ガイドベーンの開閉に追従して、
空気導入弁を開閉する機構を形成したことを特徴
とする。

以下、本考案を第１図〜第５図に示す一実施例
について詳細に説明する。

クロスフロー水車１３には入口管４、ドラフト
管６が直線的に連結して、上方の水源より下方の
放出面に至る水路を形成している。更にクロスフ
ロー水車１３はケーシング２、カバー５を具えて
おり、ケーシング２およびカバー５によつて水車
室が形成されている。該水車室の内部には入口管
４から流入する水流によつて回転されるランナ１
が設けられている。該ランナ１のケーシング２内
には水流を調節するガイドベーン３が設けられて
いる。水車室内には負圧によつて所定高さまでド
ラフト水位が上昇しており、その水面には浮子７
が設けられる。次に前記ケーシング５には外気と
連通する空気導入弁９が設けられている。

この空気導入弁９は、本実施例では回転円筒式
のものであり、内筒８ａと外筒１０ａを回動自在
に嵌合して構成されている。内筒８ａと外筒１０
ａとにはそれぞれレバー８、レバー１０が一体に
設けられており、又他方同様にガイドベーン３に
も一体にレバー３ａが設けられ、上記レバー１０
とレバー３ａとはロツド１１を介して連結されて
おり、水量調節のためガイドベーン３を回動させ
ると外筒１０ａが回動するようになつている。ま
た内筒８ａのレバー８は浮子７と連結しており浮
子の昇降に連動して、内筒８ａが回動する。該空
気導入弁９を第３図〜第５図に拡大して示す。即
ち上記内筒８ａと外筒１０ａとにはそれぞれ開口
８a′，１０a′が穿孔されており、両開口８a′，１
０a′が重なり合つたときに、当該空気導入弁９が
開き、空気が水車室内に導入されドラフト水位が
下降する。このようにクロスフロー水車の構成に
おいて定常時、つまりガイドベーン３が定位置に
ある時は、従前のようにドラフト水面に浮かぶ浮
子７の上降により、レバー８を介して内筒８ａが
回動し、通常どおり空気導入弁９が開閉してドラ
フト水位を一定に保つ。

一方、ガイドベーン３を回動して流路を開く
と、ガイドベーン３と一体にレバー３ａが回動
し、該レバー３ａに連結するロツド１１を介して
外筒１０ａのレバー１０が従動して外筒１０ａを
回動させる。これにより開口１０a′と開口８a′と
が重なり合つて、当該空気導入弁９が開き、予め
水車室内に外気を導入するので、ドラフト水位が
定常時の水位よりも下がる。従つてガイドベーン
３を開いて水の流入量を増しても、上記のように
予め定常時よりも水位が下がつており、この降下
した水位を出発点として水位は上昇するので、過
剰な水位の上昇を防止でき、水車の水没を避ける
ことができる。

また更に内筒８ａはレバー８を介して浮子７に
連結されているので、その後の水位変動に追従し
て内筒８ａが回動され、空気導入弁９が開閉され
る。従つて外筒１０ａの回動による空気導入弁９
の開閉機能に加えて、通常の弁開閉機能を発揮
し、ドラフト水位を所定位置に保つ。

更に、第６図〜第７図は他の実施例の空気導入
弁を示す図であり、カバー５に突設した管１２の
外側に内筒８ａが設けられ、その外側に外筒１０
ａが設けられている。上記構成において内筒８
ａ、外筒１０ａは管１２に支えられ、前述の弁開
閉動作を行う。

以上、実施例に基づいて具体的に説明してきた
ように、本考案によれば、ガイドベーンと空気導
入弁を連動するようにしたので、流入量が急増す
るのに先だつて水車室内の水位を降下させて水車
の水没を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第７図は本考案に係り、第１図はクロ
スフロー水車の断面図、第２図はガイドベーン、
空気導入弁及び浮子の連結を表わす説明図、第３
図〜第５図は空気導入弁の一例に係り、第３図は
その斜視図、第４図はその横断面図、第５図はそ
の縦断面図である。また第６図〜第７図は他の空
気導入弁であり、第６図はその横断面図、第７図
はその縦断面図である。 図面中、１はランナ、２はケーシング、３はガ
イドベーン、４は入口管、５はカバー、６はドラ
フト管、７は浮子、８はレバー、９は空気導入
弁、１０はレバー、１１はロツド、１１２は管、
３ａはレバー、８ａは内筒、１０ａは外筒、８
a′，１０a′，１２ａは開口、１３はクロスフロー
水車である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガイドベーンを備えたクロスフロー水車の水車
   室に空気導入弁を設けると共に該水車室内のドラ
   フト水面に浮子を設け、該浮子と該空気導入弁と
   を連結して、ドラフト水位を一定に維持するクロ
   スフロー水車において、ガイドベーンのレバーと
   空気導入弁のレバーとをロツドを介して連結し、
   ガイドベーンの開閉に追従して、空気導入弁を開
   閉する機構を形成したことを特徴とするクロスフ
   ロー水車。