JPS6141813B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は容器に収納された紙葉類を１枚づつ分
離し搬送路に受け渡す紙葉類の送り装置に関す
る。

従来の送り装置を第１図および第２図に示す。

紙葉収納箱２に収納された紙葉１は、真空源と
連通した揺動する吸着口４により吸着され、１枚
づつ分離される。吸着口４の揺動が進むにしたが
い、円周の一部が切り欠かけたかみ込みローラ５
が紙葉の先端をすくい上げるように送りローラ６
にかみ込ませる（第２図ａ）。

かみ込みローラ５と送りローラ６が紙葉１をか
み込むと、吸着口４の真空が切れ、紙葉１は搬送
路７にむけ送り出される（第２図ｃ）。

吸着口４とかみ込みローラ５は、側板８の外側
にある駆動系により常に同期がとられている。送
りローラ６は搬送路の搬送ベルトにより駆動さ
れ、かみ込みローラ５は前記駆動系により駆動さ
れ、その周速は搬送ベルトの速度と等速となるよ
うにその外径が決められている。これによりかみ
込みローラ５と送りローラ６は等速で紙葉をかみ
込み、等速の搬送路に送り込むので、紙葉の分離
と搬送路への受渡しはスムーズに行なわれる。

しかるに上記従来装置では、第２図ａの状態
で、収納箱２の先端に設けられている分離爪３か
ら紙葉が抜け出しにくく、吸着口４の揺動動作の
途中で吸着口４から紙葉が外れた場合、紙葉収納
箱２から紙葉１が若干とび出した状態となる。こ
のため、吸着口が再度紙葉を吸着したとき、紙葉
の吸着位置が通常位置より高くなり、かみ込みロ
ーラと送りローラにかみ込まれた時の紙葉の先端
部分Ｌの長さが長くなり、第３図に示す如く、送
りローラ６にかみ込まれるときに紙葉の先端が搬
送ベルトに当り、折れ曲げられるという現象が起
る。また、送りローラ６は弾性体でできており、
かみ込みローラ５との挾持力をつけるため、かみ
込みローラのＡ点が送りローラ６にかみ込んだ状
態では、第４図に示すように、かみ込みローラ５
との接触部で送りローラ６が変形する。このた
め、紙葉１は矢印方向に変形させられ、先端が搬
送ベルトに当つて、挫折しこのまま送り出される
と、第３図の場合と同様に、紙葉の先端が折れ曲
がり易い。

紙葉の先端が折れ曲がると、搬送路途中にある
ガイド類に当るチヤンスが多くなり、二次的なジ
ヤムを誘発しやすくなる。また、搬送路上でジヤ
ムが発生しなくても、搬送路の終端部にある紙葉
をたい積するためのスタツク部での整列性が悪く
なり、ここでジヤムを発生する危険性がある。

本発明は分離部から搬送路への紙葉の受け渡し
の際に発生する紙葉の折れ曲りを防止し、搬送路
途中および搬送路終端のスタツク部で二次的に誘
発されるジヤムを防止することを目的とする。

上記目的のために、本発明装置では、吸着口か
ら外れて紙葉の吸着位置がずれた場合でも、ある
いは送りローラとの接触部に生ずるかみ込みロー
ラの変形で紙葉が下向きにされた場合でも、かみ
込みローラの先端が紙葉を搬送路に沿つた方向に
確実に送り出すようにしたものである。

以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

第５図において、吸着口４により分離されてき
た１枚の紙葉１は、吸着口の揺動運動と同期して
回転するかみ込みローラ５の先端によりすくい上
げられ、送りローラ６にかみ込まれる。先に第２
図ａで説明した従来装置では、かみ込みローラ５
のＡ点で紙葉が送りローラ６にかみ込まれていた
が、第５図ａに示す本発明装置では、かみ込みロ
ーラ５の先端が部分的に平坦にされており、かみ
込みローラの先端Ａ点は送りローラ６と接触せ
ず、Ｂ点に来てはじめて送りローラとかみ合う。
したがつて、かみ込みローラ５のＢ点が送りロー
ラ６に接触するまでは紙葉は一但停止し、下面が
Ａ点で保持された状態となる。かみ込みローラ５
のＢ点が送りローラ６とかみ合うと紙葉の先端は
ローラ５のAB面に沿つてガイドされた形で搬送
路に送り込まれる。

従つて、揺動途中で吸着口から外れた紙葉が次
の揺動期間に吸着位置がずれた状態で送り込まれ
た場合でも、上記装置では紙葉の先端部Ｌが一旦
かみ込みローラの先端で保持し持ち上げられた状
態となるため、かみ込みローラからはみ出した部
分の紙葉寸法は従来より短かくなり、屈曲するこ
となく搬送ベルトに送り込まれる。さらに第５図
ｂに示すようにＢ点にかみ込まれたとき、かみ込
みローラが送りローラにくい込み、紙葉を下方向
に向ける力が作用した場合でも、AB間で保持さ
れるため搬送ベルトに衝突して屈曲するおそれは
ない。

第６図、第７図は本発明のもう一つの実施例を
示す。この例では、かみ込みローラ５が直径の異
なる２種類のものからなつている。第５図のＡ点
に相当する径をもつ２個のかみ込みローラ５ａ
と、これらの２個のかみ込みローラ５ａの間に挾
まれて配置された前記Ｂ点に相当する径をもつか
み込みローラ５ｂからなり、かみ込みローラ５ａ
の先端Ａと、かみ込みローラ５ｂの先端Ｂの位置
関係は第５図装置と等価な位置関係となつてい
る。

以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、分離部から搬送路への紙葉受け渡し部分で、
紙葉が搬送ベルトに沿つた向きで送り込まれるた
め、紙葉の折れ曲りが防止できる。これにより折
れ曲り紙葉が搬送路途中にあるガイド類に衝突し
て起るジヤムの発生や、搬送路終端のスタツク部
分での紙葉不整列に起因するジヤムが発生が未然
に防止でき、性能の優れた紙葉類搬送装置が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の紙葉類送り装置の斜視図、第２
図は上記従来装置の動作説明図、第３図および第
４図は上記従来装置における紙葉の折れ曲り発生
原因の説明図、第５図は本発明装置の一実施例を
示す側面図、第６図、第７図は本発明の他の実施
例を示す側面図および斜視図である。 図において、１……紙葉、２……紙葉収納箱、
３……分離爪、４……吸着口、５……かみ込みロ
ーラ、６……送りローラ、７……搬送路、８……
側板である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 容器に収納された紙葉類を吸着動作と揺動動
   作により１枚ずつ取り出す分離装置と、取り出さ
   れた紙葉を搬送するための搬送ベルトと、上記搬
   送ベルトの入口部に設けられ上記分離装置の揺動
   動作に同期して駆動される円周の一部を切り欠い
   た形状のかみ込みローラと、上記かみ込みローラ
   との間で紙葉類を狭持し上記分離装置に吸着され
   た紙葉類を上記搬送装置に受け渡す送りローラと
   を具備する紙葉類送り装置において、上記かみ込
   みローラが送りローラとの接触面に先行して回転
   半径の小さい紙葉類接触面を有し、該紙葉類接触
   面により紙葉類の先端部をすくい上げた状態で紙
   葉類を送り動作するようにしたことを特徴とする
   紙葉類送り装置。