JPS6141026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は湯水混合栓に関するもので、吐出温水
の温度を初期設定に維持する制御機構および初期
吐出温水度の設定機構を有する湯水混合栓を提供
することを目的とする。

従来より湯水の温度を制御する湯水混合栓が使
用されているが、一般にこの種の調節機構は給湯
および給水の圧力調整によつて混合比を変える構
造のものが多く、したがつて給湯および給水の温
度が変化すると吐出温度も変化してしまい。ま
た、給湯、給水の圧力が変化した場合も吐出温度
が変化する欠点を有するものであつた。

本考案は上記問題に鑑み、給湯および給水の各
温度の変動および各圧力の変動にかかわらず。初
期設定温度の吐出を制御維持することのできる湯
水混合栓を提供せんとするものである。

以下、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明すると、シリンダ状の混合筒１の両端に開閉可
能になる端蓋２，２を気密的に螺着して中空部３
を形成するとともに一方の端蓋２の内面に支板４
を固設し、該支板４に対し上記中空部３の軸方向
に延びる数本の感熱軸５の各一端を固設してな
る。当該感熱軸５はC3560黄銅等の熱膨張係数の
大きい材料で形成されるとともに、各自由端を摺
動板６に固着するもので、該摺動板６は両端を上
記中空部３の内壁に対し軸方向に形成したガイド
溝７に対し摺動自在に係合してなる。上記混合筒
１の両端にはそれぞれ温水供給ポート８と冷水供
給ポート９とが開口するとともに両供給ポート
８，９の中央部側壁に吐水ポート１０が開設さ
れ、該吐水ポート１０に連続してドレン２１が水
平方向に摺動自在に構成される。１１は当該吐水
ポート１０の軸心位置に枢設された回転軸であ
り、該回転軸１１の上端に吐水レバー１２の一端
が枢着されるとともに、該吐水レバー１２が梃子
作用により上記回転軸１１が上下方向に摺動し、
吐水ポート１０の下端に形成した弁座１３に対し
て回転軸１１下端に形成した弁１４が離接開閉す
るようになる。また初期温度設定機構として、上
記吐水レバー１２の水平方向の変位により回転軸
１１が回動するようになり、該回転軸１１の中腹
部に突設した係合突起１５は混合筒１の内壁に沿
つて摺動自在に内挿した円筒状のスリツト筒１６
のスリツト溝２３に係合し、回転軸１１の回動に
伴なう係合突起１５の揺動によりスリツト筒１６
は混合筒１の軸方向にわずかに摺動する。当該ス
リツト筒１６の一側には上記吐水ポート１０と中
空部３を連通する円孔１７が穿設されるとともに
円孔１７の略中央部を横断するように仕切板１８
が中空部３間に設置され、該仕切板１８はその一
端を、支板４に一端を枢着した支持軸１９と一端
を摺動板６に枢着した作動軸２０の他端にブラケ
ツト２２を介して梃子状に枢設支承したもので、
該ブラケツト２２の枢設部を支点として感熱軸５
の熱膨張変位量を拡大し、仕切板１８の揺動端１
８ａが前記円孔１７に対し左右方向に偏在するよ
うになる。なお、上記支持軸１９および作動軸２
０は熱膨張率の微少な材質のものが好ましい。

上記構成になる混合栓は温水供給ポート８に湯
水を、冷水供給ポート９に冷水を加圧送水するも
ので、第６図に原理を示すように、給湯および給
水の温度により感熱軸５が伸長または収縮して摺
動板６を摺動し、支持板４との距離を変動するよ
うになる。この変動により支持軸１９と作動軸２
０間に支持された仕切板１８が左または右方向に
傾倒し、その揺動端１８ａが円孔１７に対して変
位するため、温水と冷水の吐水ポート１０に流出
する比率が異なることになる。すなわち、例えば
温冷水の温度が下降すると感熱軸５が収縮し摺動
板６を右方向に摺動させるので、作動軸２０の作
用により仕切板１８は右方向に傾倒し該仕切板１
８の揺動端１８ａが円孔１７に対して冷水供給ポ
ート９側に変位して温水の流量比を大きくするの
で、温水の流量が増大して吐水温度を一定に保持
するようになる。

また、吐水温度を設定する場合は第７図ないし
第９図に示すように、吐止水レバー１２を水平方
向に回動することにより、回転軸１１および係合
突起１５を介してスリツト筒１６のスリツト溝２
３をもつて摺動せしめることにより、円孔１７に
対する仕切板１８の揺動端の相対位置が変位せし
められるため、温水側と冷水側の通路比が変化せ
しめられ、初期温度が設定されるものである。

以上説明したように、本考案の湯水混合栓は混
合筒内に設けた感熱軸により温水および冷水に対
する相対温度を検知し、該感熱軸の伸長または収
緒により吐水ポートに開口した円孔の温水と冷水
の流量比を変えるものであるから、温水および冷
水の温度変化および水圧の変化によつて制御値が
変わることなく初期設定温度を安定維持すること
ができる。また、本考案の湯水混合栓は初期設定
温度を上記制御機構に対する流体通孔の位置を変
位させることにより変動せしめる構造にしたた
め、構成がきわめて簡単になる等の特徴を有する
もので、本考案の実用的効果はきわめて大きい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案湯水混合栓の一実施例を示すもの
で、第１図は混合栓の平面図、第２図は同側面
図、第３図は要部平断面図、第４図は第３図にお
けるＡ−Ａ線断面図、第５図は要部縦断面図、第
６図は本考案の温度制御の原理を示す説明図、第
７図は初期温度設定の原理を示す要部平断面図、
第８図および第９図は高温および低温設定時の原
理図である。 １……混合筒、２……端蓋、４……支板、５…
…感熱軸、６……摺動板、６……温水供給ポー
ト、９……冷水供給ポート、１０……吐水ポー
ト、１１……回転軸、１２……吐止水レバー、１
３……弁座、１４……弁、１５……係合突起、１
６……スリツト筒、１７……円孔、１８……仕切
板、１９……支持軸、２０……作動軸、２１……
ドレン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダ状の混合筒の両端部にそれぞれ温水供
   給ポートと冷水供給ポートを構成し、該両供給ポ
   ートの略中央部の一側に吐水ポートを形成すると
   ともに、該吐水ポートと上記混合筒の中空部を連
   通する円孔を開設したスリツト筒を上記混合筒に
   摺動自在に内挿し、初期温度設定機構により、上
   記スリツト筒を上記混合筒の軸方向に一定範囲内
   摺動させ、かつ上記混合筒の略中央部に設けた上
   記温水供給ポート側と、上記冷水供給ポート側と
   を仕切る仕切板を、上記混合筒に軸方向に架設し
   た感熱軸の温水冷の温度変化による伸縮により揺
   動させ、上記感熱軸の伸長により上記仕切板の揺
   動端を上記孔に対して上記温水供給ポート側に変
   位させ、かつ上記感熱軸の収縮により上記仕切板
   の揺動端を上記円孔に対して上記冷水供給ポート
   側に変位させるようにして、温冷水の混合比を制
   御してなることを特徴とする湯水混合栓。