JPS6140914B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、炉天井に対し平行に延在し炉の長手
方向に対し横切るように延び炉の側壁の領域で支
持されているＵ字形状の電気的発熱体を有した窯
業用の高温炉に関する。この様な炉は、例えばド
イツ連邦共和国特許明細書第2155838号により公
知であり、またその実施例の一変形が、ドイツ連
邦共和国特許出願第P2916846号により知られて
いる。

上記のような高温炉のトンネル幅が比較的広い
ものの場合、これに対応して発熱体の支持部間の
幅も広いため、天井部の発熱体は加熱時にはほと
んどねり粉状に軟化し中央で垂下する。このた
め、焼成物が移動できるように規定されているト
ンネルの内部の高さが維持されないこととなる。

それゆえに、本発明は発熱体の容易な交換可能
性を損なうことなくその垂下を防止することを課
題とする。

この課題は、冒頭に記載した様式の高温炉にお
いて、発熱体の両側壁支持部間の中央領域にして
二本のアーム部の間に対応する炉天井における開
口個所で鉛直に引上げ支柱を回転可能に支承し、
当該引上げ支柱に支柱の炉内部空間方向への軸線
方向可動性を調節乃至制限するための当接部を備
えるとともに、当該引上げ支柱の下方端部で発熱
体アーム部の支持棒を保持し、当該保持棒が引上
げ支柱に対して直角に延び少なくとも一方の端部
で引上げ支柱から突き出ているように構成するこ
とで解決される。引上げ支柱は、これに設置され
た支持棒が発熱体アーム部を成す加熱棒乃至加熱
線で形成される平面の下方においてそのアーム部
に対して直角で、即ちトンネルの長手方向に延び
て配置されるように最終的に設置される。発熱体
の加熱棒乃至加熱線は、加熱してたわむと中央部
分が支持棒上に載り、これによつて両側の支持部
の間での危険な中央領域におけるたわみを阻止す
る支持がなされるようになる。

特許請求の範囲第２項に記載された特徴、即ち
支持棒を両端部で双方に引上げ支柱から突出させ
ることは、発熱体が複数の、特に４本の互いに平
行なアーム部を有すること、及び静力学的理由か
ら引上げ支柱による保持力の係り方にむらのない
状態であることが望ましいことを考慮するもので
ある。

特許請求の範囲第３項に記載の特徴、即ち支持
棒を引上げ支柱に固定し、炉天井に少なくとも支
持棒の長さに等しい長さのスリツト状開口部を設
けることは、場合によつては特許請求の範囲第４
項に記載の特徴、即ちスリツト状開口部を発熱体
のアーム部と同方向に延在させることとともに、
本発明のごく簡単な一具体例を表すものである。
支持棒は実用上消耗するというほどのことはな
く、その交換が殆ど不要であるので、トンネルの
天井に設けられたスリツト状の開口部を再び封じ
ることができるのである。即ち、例えば耐火粘土
で塗り塞ぐことが可能である。特許請求の範囲第
４項に記載の特徴、即ちスリツト状開口部を発熱
体のアーム部と同方向に延在させることは、発熱
体が既に嵌め込まれているところへ引上げ支柱を
設置する場合に都合が良い。

特許請求の範囲第５項に記載された特徴、即ち
発熱体が炉の側壁における凹所を通して所要運転
位置に挿入可能になつている炉であつて、引上げ
支柱の下方端部に引上げ支柱の長手方向に対して
直角に延びる打抜き穴があり、支持棒が当該打抜
き穴中で摺動可能に支承され、更に炉天井の開口
部が引上げ支柱をピボツト軸受式に囲んでいるよ
うに構成されていれば、引上げ支柱の設置のため
に単に支柱の直経に対応する大きさの打ち抜かれ
た開口部乃至貫通孔が炉天井にあればよく、なお
かつこれによつて引上げ支柱を後から据えること
が妨げられない、即ち、ここに示された具体例に
おいては、支持棒が炉側壁に設けられた凹所を通
して、引上げ支柱にある打抜き穴乃至受容れ穴へ
と後から挿入することができる。この凹所を通し
て、発熱体もそれぞれ炉内の所定位置へ交換でき
るように挿入可能である。

特許請求の範囲第６項に記載された特徴、即ち
引上げ支柱の軸線方向移動の調節乃至制限するた
めの当接部を、炉天井に載り引上げ支柱を貫通す
る留め具にすれば、引上げ支柱の軸線方向での運
動に対する調節乃至制限の位置決めを正確且つ簡
単になすことができる。

特許請求の範囲第７項に記載された特徴、即ち
留め具の受容のために引上げ支柱に開口された穿
孔を、支持棒或いは引上げ支柱における打抜き孔
の軸線に対して平行させることにより、支持棒の
回転状態は、留め具の軸線の回転状態或いは留め
具を差し込むための穿孔の回転状態を見えること
で、トンネル炉内部を覗くことなく外から容易に
知得することができる。

特許請求の範囲第８項の特徴、即ち発熱体の加
熱棒乃至加熱線を三回湾曲させることにより、発
熱体に４本の互いに並行なアーム部をもたせるこ
とができるようになる。

以下に本発明を、図面に基づき、実施例により
詳細に説明する。

トンネル炉１のトンネルは、天井部に設けられ
た複数の発熱体２によつて加熱される。この発熱
体は、三回Ｕ字形或いはヘアピン形に曲げられ且
つ炉の天井３に平行な一平面内に加熱棒乃至加熱
線から成り、当該加熱棒乃至加熱線は炉の両側壁
６のところで支持部により保持され、当該加熱棒
乃至加熱線の互いに平行なアーム部４が、炉の通
路方向５を横切つて炉１のトンネルに架設されて
いる。この実施例では、アーム部４のＵ字形に湾
曲した端部７が、炉の側壁６から上方へ突出した
フインガー部に掛止している。この支持部に関し
ては、ドイツ連邦共和国特許明細書第2155383号
に詳細に開示されている。天井部の発熱体を側方
支持で支える様式としてはその他にもなお、例え
ばドイツ連邦共和国第P2916846号の教示に拠る
ものなどが考えられる。

炉の天井３は、発熱体２を支える二つの側壁支
持部のほぼ中間で、且つ発熱体のアーム部に重な
らない位置に貫通孔８−特許請求の範囲第１項の
開口個所に相当する−を有する。貫通孔８中には
鉛直に引上げ支柱９が回転可能に位置し、この支
柱は下端１０に発熱体２のアーム部４を支えるた
めの支持棒１１を備える。支持棒１１は引上げ支
柱９の軸線に対して直角に延び（角１２）、棒の
端部１３の少なくとも一方が引上げ支柱９の半径
方向に突出している。引上げ支柱９はまた、炉内
部へ向かう支柱の軸線方向運動乃至移動を調節乃
至制限する当接部を有する。この当接部とは、引
上げ支柱９の半経方向に設けられた穿孔１４を貫
通して引上げ支柱９の半径方向両側に突出した留
め具１５である。留め具１５は調節乃至制限完了
の時点で炉の天井３の上側１６に位置し、これに
よつて支持棒１１の高さが厳密に決定される。

炉の天井３に設けられた貫通孔８は発熱体２の
中央の二本のアーム部４の間に位置する。また支
持棒１１の両端１３は引上げ支柱９の両端にほぼ
同じ割合で半径方向に突出している。支持棒１１
は引上げ支柱９に固定されていてもよく、その場
合、炉の天井３は少なくとも支持棒１１の長さに
等しい長さをもつスリツト状開口部１１′を有す
る。これにより、支持棒１１を備えた引上げ支柱
９が所定位置に達することができる。図示の実施
例の場合、引上げ支柱９の下端１０に支柱の長手
方向１７乃至軸線方向に対して直角に開口された
打抜き穴１８を有し、支持棒１１はこの打抜き穴
１８の中に摺動可能に支持されており、炉の天井
３に設けられた貫通孔８は引上げ支柱９をピボツ
ト軸受のように囲んでいる。この実施例では、発
熱体２が、炉の一方の側壁６に設けられた凹所１
９を通してその所要運転位置へ自明の方法により
嵌め込まれ得ることが前提とされる。即ちこの凹
所１９から支持棒１１は、引上げ支柱９が貫通孔
８に挿入されたあとで、支柱に設けられた打抜き
穴１８の中へ針に糸を通す如くに挿入されうる。

留め具１５を受容れるための穿孔１４の軸線
は、支持棒１１を受容れるための打抜き穴１８の
軸線と平行である。このため、支持棒１１が引上
げ支柱９に設けられた打抜き穴１８中へ、側壁の
凹所１９を通して炉の外側から容易に挿入される
よう引上げ支柱９を外から、例えばつまみ２０を
介して、回転する（矢印方向２１）ことができ
る。このようにして支持棒を打抜き穴へ挿入した
後、留め具１５が炉の天井３の上側１６に載り引
上げ支柱９が所定位置に収まるまで、引上げ支柱
９を支持棒１１が挿入されたときの方向のままで
更に下げる。その後、引上げ支柱９の矢印方向２
１に90度だけ回転する。その結果支持棒１１は、
発熱体２の平面下にあつて炉の通路方向５に向
き、発熱体の支持機能を果たすようになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明にかかる高温炉の、引上げ支柱及
び当該引上げ支柱により支持されている発熱体の
箇所における斜視的横断面図である。 １……トンネル炉、３……炉天井、４……アー
ム部、６……炉側壁、８……貫通孔、９……引上
げ支柱、１１……支持棒、１４……留め具受容れ
用穿孔、１８……支持棒受容れ用打抜き穴、２０
……つまみ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炉天井に対し平行に延在し炉の長手方向に対
   し横切るように延び炉の側壁の領域で支持されて
   いるＵ字形状の電気的発熱体を有した窯業用の高
   温炉において 発熱体の両側壁支持部間の中央領域にして二本
   の発熱体アーム部の間に対応する炉天井における
   開口個所で鉛直に引上げ支柱が回転可能に支承さ
   れていて、当該引上げ支柱は支柱の炉内部空間方
   向への軸線方向可動性を調節乃至制限するための
   当接部を備えているとともに、当該引上げ支柱は
   その下方端部で発熱体アーム部の支持棒を保持し
   ており、当該支持棒は引上げ支柱に対して直角に
   延び少なくとも一方の端部で引上げ支柱から突き
   出ていることを特徴とする高温炉。 ２ 支持棒が両端部で双方に引上げ支柱から突出
   していることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   に記載の高温炉。 ３ 支持棒が引上げ支柱に固定されており、炉天
   井が少なくとも支持棒の長さに等しい長さのスリ
   ツト状開口部を有することを特徴とする特許請求
   の範囲第１項又は第２項に記載の高温炉。 ４ スリツト状開口部が発熱体のアーム部と同方
   向に延びていることを特徴とする特許請求の範囲
   第３項に記載の高温炉。 ５ 発熱体が炉の側壁における凹所を通して所要
   運転位置に挿入可能になつている炉であつて、引
   上げ支柱の下方端部に引上げ支柱の長手方向乃至
   軸線方向に対して直角に延びる打抜き穴を有し、
   支持棒が当該打抜き穴中で摺動可能に支承され、
   更に炉天井の開口部が引上げ支柱をピボツト軸受
   式に囲んでいることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項又は第２項に記載の高温炉。 ６ 引上げ支柱の軸線方向移動の調節乃至制限す
   るための当接部が、炉天井に載り引上げ支柱を貫
   通する留め具であることを特徴とする特許請求の
   範囲第１〜５項のいずれか１項に記載の高温炉。 ７ 留め具の受容のために引上げ支柱に開口され
   た穿孔が、支持棒或いは引上げ支柱における打抜
   き孔の軸線に対して平行していることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１〜６項のいずれか１項に記
   載の高温炉。 ８ 発熱体のアーム部を成す加熱棒乃至加熱線が
   三回湾曲してなることを特徴とする特許請求の範
   囲第１〜７項のいずれか１項に記載の高温炉。