JPS6140426Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、切断機における被切断物の保持用ア
タツチメントに関するものである。

一般に、たて型切断機は、被切断物（例えば、
パイプ等）を切断する際の、被切断物の固定保持
手段として、ベース１の中央部が上方へ山形状に
折り曲げ形成されており、該部分にパイプ等を案
内し、接地面側へ押し付けながら切断作業をなす
形式のものが通常である。しかしながら、被切断
物が小径のものの場合には、被切断物の固定保持
が困難であり、結果的に切断作業が困難になる欠
点があつた。

本考案の目的は、上記欠点に鑑み、特に小径の
被切断物を切断する際に好便な被切断物の保持用
アタツチメントを提供し、被切断物に対する従来
切断機の使用可能な範囲を拡大しようというもの
である。

以下、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明する。

まず、切断機（図示はたて型切断機）本体Ｈに
ついて説明すると、２，２はベース１上面にそれ
ぞれパイプサポータ３，３を介して立設された図
示左右一対のスライドパイプであり、その上端相
互には持ち運び用のキヤリーハンガー４が横架さ
れ、さらに両スライドパイプ２，２には切断機構
CMが昇降可能に設けられている。

５はその上半周部にセーフテイカバー６が被装
されかつ各スライドパイプ２，２の図示前方へ突
出状の設けられた切断砥石であり、駆動モータ
（図示しない。）を内蔵するモータハウジング７上
部に取着されたハンドル８のスイツチ９にて回転
される。

さて、前記ベース１は、金属製の板材にてほぼ
方形状に形成されるとともにその中央部は上方へ
断面山状に折り曲げ形成されることにより、該部
分に被切断物Ｐを保持するための保持凹部１０が
形成され、さらに、この保持凹部１０をはさんで
前記ベース１の左右両側部には張り出し片１１，
１１が形成されている。この両張り出し片１１，
１１におけるパイプサポータ３，３の奥側部位に
は長孔状の差込み孔１２，１２が貫通状に対設さ
れていて、後述するサブベース１５の着脱に際
し、同サブベース１５に突設された差込みピン１
９，１９の差込みあるいは抜き取りを容易ならし
めている。

なお、上記ベース１は切断砥石５と干渉しない
ように設けられ、さらに、ベース１頂縁１３の図
示前端側には切欠き部１４が凹設されている。

次に、本考案の要旨である被切断物Ｐの保持用
アタツチメントとしてのサブベース１５について
説明する。

サブベース１５は、第３図に示すように、金属
製の板材にてほぼ方形状に形成されるとともにそ
の中央部には前記ベースの保持凹部１０に適合し
うるように上方へ断面山状に折り曲げられて受承
凸部１６が形成され、またこの受承凸部１６の頂
部にはその長手方向に沿つて被切断物Ｐを乗載す
るための断面ほぼ半円孤状のくぼみ縁１７が凹設
されている。一方、この受承凸部１６をはさんで
サブベース１５の両側部にはベース１の各張り出
し片１１，１１と相互に対向するように張り出し
片１８，１８が形成され、さらに各張り出し片１
８，１８には前記ベース１の各差込み孔１２，１
２に対応して１対の差込みピン１９，１９が突設
されている。

なお、前記差込みピン１９，１９は、ベース１
への取付けのために充分な長さを有しており、す
なわち、被切断物Ｐをサブベース１５とベース１
との間に挾持している状態にあつても、各差込み
孔１２，１２に対して係入しうる充分な長さとさ
れている。また、サブベース１５はベース１より
やや長めに形成されており、取付け時には、その
前端部がベース１前縁より突出されるようになし
てあり（第２図参照）、このため、前記くぼみ縁
１７前端部には切断砥石５との干渉を回避するた
めに逃がし溝２０が設けられている。

引きつづき、上記のように構成された本例の作
用と効果を具体的に説明する。

さて、被切断物Ｐが、例えば特に小径のパイプ
等である場合において、まずサブベース１５を接
地させた状態にてくぼみ縁１７に対し被切断物Ｐ
を載置する。

次に、サブベース１５の両差込みピン１９，１
９をベース１の差込み孔１２，１２にそれぞれ挿
通させてサブベース１５に対し切断機本体Ｈをセ
ツトする。

なお、前述したように、両差込み孔１２，１２
は長孔状に形成されているため、サブベース１５
の取付けに際し、切断機本体Ｈを、第１図に向つ
て、左右方向に傾倒させながら左右両差込みピン
１９，１９を個別的に差込むことができ、このた
め、サブベース１５が切断機本体Ｈに対し容易に
取付けられる。

そして、上記したようにサブベース１５が取着
されると、被切断物Ｐが受承凸部１６と保持凹部
１０とにより安定した状態にて挾着保持され（第
１図参照）、しかして、切断砥石５を回転させな
がら降下させれば被切断物Ｐは固定保持された状
態にて切断される。

なお、この際において、本例ではサブベース１
５の取付け時に、該サブベース１５前端部がベー
ス１より前方へ突出されるようになしてあり、こ
の突出部分のくぼみ縁にて被切断物Ｐの切り取ら
れる側の部分も支承しうるため、被切断物Ｐはそ
の切断端面下部にばり等を生じさせることなく鋭
利に切断される。

以上説明したように、本考案は切断装置を昇降
可能に装着するベースを、断面山形状に形成する
ことによつて、その下面に被切断物を所定長さ範
囲に亘つて押圧保持する保持凹部を形成するよう
にした切断機において、小径の被切断物を保持す
る場合に、前記ベースに着脱自在に取付けられる
アタツチメントであつて、前記ベースと対応する
山形状に形成されることによつて前記保持凹部と
の間で被切断物をクランプ可能な受承凸部が形成
されるとともに、この受承凸部の頂縁には長さ方
向に沿つて被切断物を乗載するためのくぼみ縁が
形成される構成にしたものである。

したがつて、本考案によれば、ベースとアタツ
チメントとによつて被切断物を挟み付け、またく
ぼみ縁に乗載することによつて、被切断物を安定
した状態でクランプすることができる。すなわ
ち、従来、切断機単独では、固定保持の困難であ
つた小径の被切断物に対しても適用が可能とな
る。このため、切断機における被切断物の保持用
アタツチメントとしてきわめて好ましいものと言
える。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の一実施例を示すものであり、
第１図は使用状態を示す正面図、第２図は第１図
のＡ−Ａ線断面図、第３図はサブベースの斜視図
である。 １……ベース、１０……保持凹部、１５……サ
ブベース、１６……受承凸部、Ｐ……被切断物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 切断装置を昇降可能に装着するベースを、断面
   山形状に形成することによつて、その下面に被切
   断物を所定長さ範囲に亘つて押圧保持する保持凹
   部を形成するようにした切断機において、小径の
   被切断物を保持する場合に、前記ベースに着脱自
   在に取付けられるアタツチメントであつて、前記
   ベースと対応する山形状に形成されることによつ
   て前記保持凹部との間で被切断物をクランプ可能
   な受承凸部が形成されるとともに、この受承凸部
   の頂縁には長さ方向に沿つて被切断物を乗載する
   ためのくぼみ縁が形成されていることを特徴とす
   る切断機における被切断物の保持用アタツチメン
   ト。