JPS6139913Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、壁とこれを貫通する管との間に設け
る封止部材の構造に関する。

内外の雰囲気を遮断する壁、例えば原子炉建家
の格納セルの壁を貫ぬいて、高温配管が設置され
る場合には、管を囲繞する筒状ベローズを含む封
止部材が両者の間に設けられ、管貫通部を通つて
の内外雰囲気の流通は阻止されていた。

しかして、筒状ベローズ部材は、配管の外面に
嵌着された環状支持部材すなわち取付金具に封着
されていたが次のような問題があつた。

配管の外面は、内部流体の高熱により比較的高
温に保持されるのに対し、取付金具は雰囲気によ
つて冷却されて比較的低温に保持され、取付金具
及びその近傍にはかなり大きい熱応力が発生す
る。特に大口径の管程その傾向が大きい。

又内部を流れる高温流体に、急激な温度変化が
あると、熱負荷の追従性の差から両者の間にます
ます大きな温度差が生じ、過大な熱応力が生じ、
これらは単に管の肉厚や取付金具の肉厚を増加し
ても解決されない。

本考案は、前記した問題点を解決するためにな
されたものである。すなわち、本考案は、高温流
体が流れる配管が壁の孔を貫く部分の封止構造に
おいて、ベローズの一端すなわち内端をその配管
の外面に支持する取付金具すなわち環状支持部材
の外面に熱良導部材を布設していることを特徴と
する。ベローズの他端すなわち外端は壁孔の内面
に封着している。

このような本考案において、ベローズは、雰囲
気に直接さらされているため、雰囲気温度に支配
されるが、配管内部の高温流体の温度は、熱良導
部材によつて伝えられるので、環状支持部材の温
度は、配管温度にすばやく追従し、熱勾配、熱応
力が減少する。

以下、本考案を図示の実施例について説明す
る。

第１図において、高温流体例えば液体金属が流
れる管１は、セルの壁３の孔５を貫通して設置さ
れている。管１を囲繞する筒状ベローズ部材すな
わちベローズ７は、管１の外面に嵌着された環状
支持部材すなわち取付金具９と孔５の内面に封着
された環状支持部材すなわち取付金具１１によつ
て両端が支持されている。ベローズ７及び取付金
具９，１１によつて、セル１３，１５間の雰囲気
ガスすなわち空気の流通が遮断されている。

第２図は第１図の要部拡大断面図で、ベルに似
た断面をもつ取付金具９の外表面に、銅よりなる
熱良導部材すなわち銅板１７，１９が布設され、
それらの内端は管１の外面に接している。

前記した実施例において、高温液体金属より管
１に伝えられる熱は、取付金具９の内部の他、銅
板１７，１９の内部を通つて取付金具９の外面に
伝えられる。

なお、管１と壁３との間の相対変位は、ベロー
ズ７の変形によつて吸収される。

前記した実施例によれば、管１と取付金具９と
の間の熱移動は、銅板１７，１９によつて助長さ
れるので、定常時の温度差が少なくなると共に、
熱変動時においても温度追従性がよくなり、管
１、取付金具９及びこれらの境界部の熱応力の発
生を最小に保持することができる。

なお、取付金具及び銅板の形状は、第３図、第
４図、第５図に符号１１７，１１９，２１７，２
１９，３１７，３１９（銅板）及び２０９，３０
９（取付金具）を用いて示すように、適宜選択使
用しても、同様の作用効果を奏しうることは勿論
であり、又熱良導部材の材料として、アルミニユ
ーム等を使用してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例を示す全体端面図、
第２図は第１図の要部を示す部分拡大端面図、第
３図、第４図及び第５図は、前記実施例の改変例
を夫々示す端面図である。 １……管、３……壁、５……孔、７……ベロー
ズ、９，１１……取付金具、１３，１５……セ
ル、１７，１９……銅板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高温流体が流れる管と同管が貫通された壁との
   間を封止するものにおいて、前記管の外面に嵌着
   された環状内側支持部材と同支持部材に一端が封
   着され前記管を囲繞する筒状ベローズ部材と同ベ
   ローズ部材の他端に封着され前記壁の貫通孔内面
   に封着された環状外側支持部材とよりなり、前記
   内側支持部材の表面に前記管の外面に接した熱良
   導部材を布設したことを特徴とする管貫通部の封
   止構造。