JPS5815475Y2 - 高炉の冷却盤ガスシ−ル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高炉の冷却盤ガスシール装置に関するものであ
る。

従来のこの種冷却盤ガスシール装置としては、第１図に
示す如き型式のもの、第２図に示す如き型式のものがあ
る。

第１図に示す型式のものは、炉体鉄皮２に取り付けた冷
却盤ハウジング３に、該ハウジング３内を利用して炉壁
に位置させる冷却盤１を弾性パツキン５を介して取り付
け、上記弾性パツキン５は、冷却盤ハウジング３にリン
グ状の押え部材７にて保持せしめ、又冷却盤１には、冷
却水の供給管と排出管である冷却水排管４を接続してな
り、冷却盤１に作用する炉内荷重を、弾性パツキン５に
である程度受は持つことができるようにすると共に、熱
膨張によって生ずる炉体鉄皮２と炉内耐火物６の動きに
対し弾性パツキン５の作用により冷却盤１が追従できる
ようにしたものである。

しかし、この方式では、炉体鉄皮２に対する冷却盤ハウ
ジング３の取付精度によってガスシール性が左右される
問題があった。

即ち、冷却盤ハウジング３の炉体鉄皮２への取付精度が
悪い場合は弾性パツキン５と冷却盤ハウジング３の接触
面に隙間を生じ、その隙間から炉内ガスが漏れる欠点が
あった。

又第２図に示す型式のものは、冷却盤ハウジング３にガ
スケット８を挾んで取り付けた押え部材７と冷却水配管
４との間に、伸縮接手９を配してガスシールするように
し、熱膨張によって生ずる炉体鉄皮２と炉体耐火物６の
動きに対し冷却盤１が伸縮接手９の作用により追従でき
るようにしたものである。

しかし、この方式では、冷却盤１に作用する炉内荷重を
ほとんど伸縮接手９で受は持つことができないので、炉
内荷重により容易に冷却盤１が動き、そのため、冷却盤
１の取替時、冷却盤１の取付けに困難を生ずることがあ
った。

又冷却盤１と冷却水配管４の接続部が伸縮接手９で覆わ
れて外がら見えないので、その部分の水漏れ発見が困難
であった。

本考案は、上記従来の方式のもつ欠点を除去し、取付工
数の削減、ガスシール性の向上、等を図ることを目的と
してなしたもので、炉体鉄皮に取り付けた冷却盤ハウジ
ング内に冷却盤を挿入すると共に該冷却盤の後部外端部
を上記ハウジングに合せて冷却盤と上記ハウジング間を
通る炉内ガスをシールするようにした冷却盤ガスシール
装置において、上記冷却盤の後部外端部と、上記ハウジ
ングにガスケットを挾んで取付けた押え部材との間に、
弾性をもたせたシール用のベローズを直接取り付けてな
ることを特徴とするものである。

以下、図面に基づき本考案の実施例を説明する。

従来方式と同様に炉体鉄皮２に取り付けた冷却盤ハウジ
ング３内に、炉壁に配する冷却盤１を位置せしめ、該冷
却盤１の後部に、冷却水供給管４ａと冷却水排出管４ｂ
を接続した構成において、上記冷却盤１の後部の外端部
に、図示の如く折曲した断面として弾力性をもたせた環
状のベローズ１０の内周縁を固着すると共に、上記冷却
盤ハウジング３にガスケット８を挾んで取り付けた押え
部材７に、上記ベローズ１０の外周縁を固着せしめて、
ガスケット８とベローズ１０とによりガスシールし得る
ようにし、冷却盤１に作用する炉内荷重をベローズ１０
の弾性作用により受は持ち、又熱膨張によって生ずる炉
体鉄皮２と炉内耐火物６の動きにもベローズ１０の弾性
作用により冷却盤１が追従できるようにする。

尚、冷却盤１の材質が銅の場合には、冷却盤１の外周部
に軟鋼材１１を取り付けて用いるようにする。

尚又、上記ベローズ１０は、山の形状とか板厚を適正に
選定して、軸方向及び該方向と直角の方向の変位をある
程度吸収できる構造とする。

上記構成を有するので、冷却盤１に沿い漏れる炉内ガス
は、冷却盤１の外端部においてベローズ１０によりシー
ルすることができ、又ガスケット８でもガスシールして
いるので、炉外へのガス漏れを防止できる。

又ベローズ１０は冷却盤１に直接取り付けであるため、
冷却盤１に作用する炉内荷重をベローズ１０を介して冷
却盤ハウジング３に伝えることができる。

この場合、ベローズ１０の変位量×ばね定数に相当する
冷却盤に作用する炉内荷重を受けることができる。

それ以上の１荷重が作用する場合は、冷却盤１が冷却盤
ハウジング３に接触するため、ベローズ１０を損傷させ
ることはない。

又熱膨張によって生ずる炉体鉄皮２と炉内耐火物６の動
きに対しては、ベローズ１０の弾性作用により冷却盤１
は追従して動くことができる。

又本考案の装置では、上記作用に更に冷却盤１と冷却水
配管４ａ、４ｂの接続部を外から見えるようにしである
ため、水漏れの発見が容易である。

尚、万一、ベローズ１０が破損してガス漏れが生じた場
合において、冷却盤１の動きが微少の場合には冷却盤１
の外端のフランジ部を冷却盤ハウジング３に溶接してガ
ス漏れを防ぐこともできる。

以上述べたように、本考案の装置によれば、（ｉ）冷却
盤の後部外端部と押え部材との間に直接ベローズを取り
付けているので、冷却盤ハウジングの炉体鉄皮への取付
精度が悪くても、ベローズで吸収できて取付精度の緩和
が可能となり、従って取付工数が削減できる。

（ｉｉ）上記（ｉ）により仮りに冷却盤ハウジングの取
付精度が悪くても炉内ガスが漏れ出ることがなく、ガス
シール性が優れている。

（ｉｉｉ）ベローズの弾性作用により、冷却盤に作用す
る炉内荷重を受は持つことができ、又熱膨張により生ず
る炉体鉄皮と炉内耐火物の動きに冷却盤を追従させるこ
とができる。

（ｉｖ）冷却盤の後部外端部と押え部材との間にベロー
ズを取付けであることから、冷却配管の点検が容易であ
り、冷却盤と冷却配管の接続部の水漏れ発見も容易に行
うことができる。

等の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はいずれも従来のガスシール装置の断
面図、第３図は本考案のガスシール装置の断面図、第４
図は正面図である。 １・・・・・・冷却盤、２・・・・・・炉体鉄皮、３・
・・・・・冷却盤ハウジング、６・・・・・・炉内耐火
物、７・・・・・・フランジ、８・・・・・・ガスケッ
ト、１０・・・・・・ベローズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉体鉄皮に取り付けた冷却盤ハウジング内に冷却盤を挿
   入すると共に該冷却盤の後部外端部を上記ハウジングに
   合せて冷却盤と上記ハウジング間を通る炉内ガスをシー
   ルするようにした冷却盤ガスシール装置において、上記
   冷却盤の後部外端部と、上記ハウジングにガスケットを
   挾んで取付けた押え部材との間に、弾性をもたせたシー
   ル用のベローズを直接取り付けてなることを特徴とする
   高炉の冷却盤ガスシール装置。