JPS6139708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案はたとえば電子複写機に大量に用紙を給
紙する場合に用いられるエレベータ式のシート材
のフイーダ装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般に、この種のフイーダ装置はガイド部によ
つて昇降自在にガイドされる載置台を備え、この
載置台上に多数枚の用紙を積層状態で載置してい
る。そして、上記用紙の上面部には送りローラが
接触され、この送りローラにより用紙は順次一枚
づつ取出されて電子複写機の被給紙部に給紙され
るようになつている。

しかしながら、従来においては上記載置台と用
紙の合計重心が上記ガイド部の上下方向に沿う中
心線を境として上記送りローラの反対側に位置さ
れているため、上記ガイド部にはわずかではある
がバツクラツシユ（またはガタ）が存在すること
から用紙と上記送りローラとの接触時にその圧接
力によりガタの間で重心の位置が移動されること
がある。このためガイド部に衝撃力が与えられ、
これに耐えるために構造的に強固なものにしなけ
ればならず、コスト高になるとともに重量化し、
しかも用紙の送り精度が低下してしまう不都合が
あつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところは、載置台とシート材の合
計重心の移動をなくしてガイド部に対する衝撃力
を低下できるようにしたシート材のフイーダ装置
を提供しようとするものである。

〔考案の概要〕

本考案は載置台およびシート材の合計重心を、
ガイド部の中心に対し、給紙体側に偏位させたも
のである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。図中１は置台で、この置台１の上面部に
は電子複写機２が設置されている。上記電子複写
機２の本体３内には回転可能に感光体ドラム４が
設けられ、この感光体ドラム４の周囲部にはその
回転方向に沿つて順次帯電器５、露光部６、現像
器７、転写機８、剥離器９、除電器１０およびク
リーニング装置１１が配設されている。また、上
記本体３の一側下部には上、下の給紙カセツト１
２…（上部側のみ図示する）が挿脱可能に取付け
られ、この給紙カセツト１２内の用紙１３…は送
り出しローラ１４により一枚づつ取出されるよう
になつている。この取出された用紙１３…はガイ
ド１５を介してレジストローラ１６に送られ、こ
のレジストローラ１６から感光体ドラム４と転写
器８との間に送られるようになつている。また、
１７は搬送路で、この搬送路１７により、画像転
写後の用紙１３が定着ローラ１７ａに送られ画像
が永久定着されるようになつている。この画像が
定着された用紙は排紙ローラ１８，１８を介して
排紙トレイ１９に排紙される。

ところで、用紙を大量に供給する必要のある場
合には下部側の給紙カセツトを取外して代わりに
フイーダ装置２０を取付ける。このフイーダ装置
２０は第２図に示すように、構成されている。す
なわち２２はフイーダ装置２０の本体２１の上部
側に設けられた送り出し体としての送り出しロー
ラで、この送り出しローラ２２はアーム２３の先
端部に装着されている。前記アーム２３の基端部
は支軸２４によつて回動可能に支持されている。
また、上記支軸２４と送り出しローラ２２間には
駆動チエーン２５が掛け渡され、上記支軸２４は
減速手段２６を介して紙送モータ２７に接続され
ている。また、上記本体２１内には載置台２８に
載置されたシート材としての用紙２９が積層状態
で収納され、この用紙２９の上面部には上記送出
しローラ２２が接触されている。上記載置台２８
は上記用紙２９の送り出し位置をほぼ一定に保よ
つように用紙２９の上端がＡ点の位置から何枚か
送られスイツチ３０の検出位置まで下がるとスイ
ツチ３０の信号を制御回路３１が判断してＡ点位
置まで用紙２９の上端がくるように駆動モータ３
５を駆動するようになつている。このときにおけ
るＡ点からＢ点までの移動量δは駆動モータ３５
を一定回転させるか、スイツチ３０のもつON−
OFF間の差を利用してもどちらでもよい。な
お、載置台２８が下降したとき送り出しローラ２
２が（少なくともＢ点より少し下がつた位置より
も）あまり下がり過ぎないようにストツパ３４が
ついている。

つぎに、上記載置台２８の駆動機構について説
明すると、３２は本体２１を固定的に設けられた
ラツクで、このラツク３２にはピニヨン３３に噛
合されている。上記ピニヨン３３は減速手段３６
を介して駆動モータ３５によつて駆動されるよう
になつている。上記駆動モータ３５、減速手段３
６およびピニオン３３は、上記載置台２８に取付
けられ、載置台２８が本体２１に固定されている
ガイド部３８に沿つて昇降されると、これに伴つ
て一体的に移動されるようになつている。また、
上記載置台２８には図示しない取付部材を介して
ベアリング２８ａ，２８ａが取付けられ、載置台
２８は前記ベアリング２８ａ，２８ａを上記ガイ
ド部３８に転接させて昇降動作がガイドされるよ
うになつている。

ところで、上記載置台２８に用紙２９がセツト
された状態での重心をＧ点とし、その載置台２８
のガイド部３８の中心との距離をl₁とし、この上
下２つのベアリング２８ａ，２８ａの間の間隔を
l₂とすると、このガイド部３８はl₂で力を受ける
ことになる。一方、上記ガイド部３８に作用する
モーメントは、用紙２９と載置台２８との重量合
計をＷとすると、Wl₁と送り出しローラ２２によ
る力ＦによるモーメントFl₃の合計Wl₁＋Fl₃とな
る。

ところで、上記重心Ｇはガイド部３８の中心よ
りわずかにl₁だけ上記送り出しローラ２２側に偏
位されている。この偏位により、力Ｆによるモー
メントの方向とＧ（又はＷ）によるモーメントの
方向が同方向となる。載置台２８の上昇により用
紙２９と送り出しローラ２２とが接触する際、し
たがつて、ガイド部３８のバツクラツシユによる
Ｇの移動がなくなり、それによる衝撃力が少なく
なるとともに送りの信頼性が向上することにな
る。

〔考案の効果〕

本考案は以上説明したように、載置台およびこ
の載置台上に載置されたシート材の合計重心を、
ガイド部の中心に対し送り出し体制に偏位させた
から、ガイド部のガタの影響によつて重心が移動
することがない。したがつて、ガイド部に衝撃力
が作用せず、ガイド構造を簡略化できるとともに
用紙の送りの信頼性も向上するという効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は電子複写機にフイーダ装置を装着した状態を一
部破断して示す側面図、第２図はフイーダ装置を
示す側断面図、第３図は用紙に作用するモーメン
トを示す説明図である。 ３８……ガイド部、２８……載置台、２９……
用紙（シート材）、２２……送り出しローラ（送
り出し体）、l₁……偏位、Ｇ……重心。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ガイド部３８と、このガイド部３８に沿つて昇
   降自在に設けられたシート材２９を積層載置する
   載置台２８と、この載置台２８に載置された上記
   シート材２９の上面一側部に接触されこれを一枚
   ずつ送り出す送り出し体２２とを具備してなるエ
   レベータ式のシート材のフイーダ装置において、 上記載置台２８およびシート材２９の合計重心
   Ｇを、上記ガイド部３８の中心に対し、上記送り
   出し体２２側に偏位l₁させたことを特徴とするシ
   ート材のフイーダ装置。