JPS6139682Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として被服工場に設置して裏地に用
いる多種多様にわたる反物を出し入れ容易に多数
立体的に回動可能に収納して置く装置に関するも
のである。

従来この種の裏地用の反物は、これを適切に整
理し保管して置く装置がなく、一般に縫製室内の
隅に複数配置した段ボール函その他の適宜なケー
スに多数の裏地用の反物をそれぞれ入れて置き、
それ等の中から必要に応じて希望する反物を探し
出すようにしているために、裏地用の反物の選択
取り出しに手間がかかるばかりでなく、取り出し
た反物を戻すときに場所を間違い易く、予定され
た位置とは異なつたところに収まつて、再度の取
り出しにまごつき縫製作業を遅延させ能率の向上
を妨げる等の原因となる。

本考案は上述のような不都合を解消すべく考案
したものである。

本考案の実施の一例を図面に就いて詳しく説明
すると、鋼板材若しくは硬質合成樹脂材で正面１
に方形状の取出し用窓孔２を設けた外框体３が形
成してあり、該外框体３の内部には、軸支用側枠
部４，４′を両側に対置構成した機枠５が設けて
ある。

上記機枠５の両側の軸支用側枠部４，４′の上
端部中央には、両端寄に一定の径の上部チエンホ
イール６，６′を装着した伝動軸７の両端が回転
自由に軸架してあり、且つ上記軸支用側枠部４，
４′の下部中央には、調節螺軸８を介し案内条部
９に沿つて上下調整可能となせる軸受１０，１
０′がそれぞれ設けてあつて、該軸受１０，１
０′に両端を回転自由に軸架した回転軸１１の両
端寄には、上記上部チエンホイール６，６′の直
下に位置して、上部チエンホイール６，６′と同
径の下部チエンホイール１２，１２′が装着して
ある。

而して上記上部チエンホイール６と下部チエン
ホイール１２とには、内方側面に等間隔に多数の
取付片１３を設けた無端回動チエン１４が懸け回
してあり、また上部チエンホイール６′と下部チ
エンホイール１２′とには、上記無端回動チエン
１４の取付片１３と同位且つ同数の取付片１３′
を内方側面に設けた無端回動チエン１４′が懸け
回してある。

更に上記一方の無端回動チエン１４の取付片１
３には、肘部１５に嵌合用軸孔１６を設け、且つ
長辺部１７を無端回動チエン１４と平行になせる
Ｌ型の支持板１８の基部１９が固着してあり、ま
た他方の無端回動チエン１４′の取付片１３′に
は、上記支持板１８と同大且つ長辺部１７′の向
きを同じくせるＬ型の支持板１８′の基部１９′が
固着してあり、該支持板１８′の肘部１５′には上
記嵌合用軸孔１６と相対して係合開溝２０をそな
えた係合孔２１が設けてある。

而して上記の如くして無端回動チエン１４に装
着した支持板１８と無端回動チエン１４′に装着
した支持板１８′との間の間隔に等しい長さの支
軸２２が形成してあり、該支軸２２一端には、上
記支持板１８の嵌合用軸孔１６に嵌脱自由に嵌合
する小軸部２３が同心的に突出形成してあり、更
に支軸２２の他端には、上記支持板１８′の係合
孔２１に嵌脱自由に嵌合し且つ中間に係合孔２１
の係合開溝２０より小さい幅の狭窄部２４を設け
た係合軸部２５が同心的に突出形成してあつて、
一端の小軸部２３を上記支持板１８の嵌合用軸孔
１６に嵌合させ、他端の係合軸部２５の狭窄部２
４を、支持板１８′の係合孔２１の係合開溝２０
に通過させて係合軸部２５を係合孔２１に係合さ
せるようしてあり、斯くして支軸２２の両端を無
端回動チエン１４，１４′に取り外し可能に懸架
するようにしてある。

上記支軸２２の両端寄には、相対する内方に向
い径を漸減せる傾斜周面２６，２６′をそなえた
円錐形状係合駒２７，２７′が摺動可能に且つ緊
締ビス２８で固定可能に嵌合してあり、支軸２２
に緩嵌した巻芯筒２９の両端を上記円錐形状係合
駒２７，２７′の傾斜周面２６，２６′に接合させ
て円錐形状係合駒２７，２７′を緊締ビス２８で
定位に固定することにより支軸２２に巻芯筒２９
を固定し、或いは円錐形状係合駒２７，２７′の
いずれか一方を緊締ビス２８を緩めて支軸２２か
ら外すことにより、巻芯筒２９を支軸２２から離
脱して得るようにしてある。

且つ又、前記Ｌ型の支持板１８の長辺部１７の
端部とＬ型の支持板１８′の長辺部１７′の端部に
は、回動軸３０の両端が回動自由に軸支させてあ
り、該回動軸３０には、回動軸３０と平行に前方
に突出させた抑止用長枠３１が一体に構成してあ
る。

更に上記支持板１８の長辺部１７の外側に突出
せる回動軸３０の一端には、小円盤３２が取付け
てあり、該小円盤３２の外側面周縁には上記抑止
用長枠３１の側方寄に偏心して突出させた偏心掛
止軸部３３が設けてある。

上記偏心掛止軸部３３には、牽引発条３４の一
端が掛止してあり、該牽引発条３４の他端は支持
板１８の基部１９の近くに突設した取付軸部３５
に連結してあつて、第４図に示す如く抑止用長枠
３１が下傾状態になるように回動軸３０が回動さ
れたときに、牽引発条３４の一端を掛止せる小円
盤３２の周縁の偏心掛止軸部３３は、回動軸３０
の軸心と牽引発条３４の他端を連結せる取付軸部
３５の軸心とを結ぶ線ａの前方に転位して、牽引
発条３４で抑止用長枠３１を支軸２２の巻芯筒２
９に向つて下圧維持し、そして第５図に示す如く
抑止用長枠３１が起上状態になるように回動軸３
０が回動されたときには、上記偏心掛止軸部３３
を上記線ａの後方に転位させて、抑止用長枠３１
を反転し起上状態に牽引発条３４で牽引支持する
ようにしてある。

また、機枠５の中間には、補強兼取付枠３６が
設けてあり、該補強兼取付枠３６上には外框体３
に設けた切替えスイツチ３７を介して電源に電気
的に接続した電動機３８及び電動機３８に連繋し
た減速機３９が装着してあり、該減速機３９の出
力軸４０に取付けたチエンギヤー４１と前記伝動
軸７に設けた伝動チエンホイール４２とを無端チ
エン４３で連繋してある。

尚、図面中の符号４４は機枠５に設けた反物の
振れ止め枠である。

次に本考案の作用に就いて説明すると、軸支用
側枠部４，４′を両側にそなえた機枠５を設置
し、該軸支用側枠部４，４′の上端部に伝動軸７
の両端を回転自由に軸架し、該伝動軸７の両端寄
に装着した上部チエンホイール６，６′と、軸支
用側枠部４，４′の下部に両端を回転自由に軸架
せる回転軸１１の両端寄に装着した下部チエンホ
イール１２，１２′とに、無端回動チエン１４，
１４′を懸け回し、該無端回動チエン１４，１
４′の相対する内方側面に、同位且つ同数のＬ型
の支持板１８，１８′を長辺部１７，１７′を無端
回動チエン１４，１４′と平行にして装着し、該
支持板１８の肘部１５の嵌合用軸孔１６に巻芯筒
２９を着脱可能に装着せる支軸２２の一端の小軸
部２３を嵌脱自由に嵌合させ、且つ支軸２２の他
端の狭窄部２４をそなえた係合軸部２５を、支持
板１８′の肘部１５′の係合開溝２０をそなえた係
合孔２１に、狭窄部２４を通過自由となせる係合
開溝２０を介して係脱可能に係合させる一方、上
記支持板１８，１８′の長辺部１７，１７′の端部
に、回動軸３０の両端を回動自由に軸支させ、該
回動軸３０に、回動軸３０と平行に前方に突出さ
せた抑止用長枠３１を一体に形成し、且つ支持板
１８の長辺部１７の端部外側に突出せる回動軸３
０の一端に小円盤３２を取付け、該小円盤３２の
外側面周縁に抑止用長枠３１の側方寄に位置して
偏心掛止軸部３３を設け、該偏心掛止軸部３３
に、支持板１８の基部１９の近くに突設した取付
軸部３５に連着せる牽引発条３４の一端を連結
し、該牽引発条３４の一端を連結せる偏心掛止軸
部３３が回動軸３０と取付軸部３５との軸心を結
ぶ線ａの前方に転位した状態で抑止用長枠３１を
支軸２２の巻芯筒２９に向つて牽引発条３４で下
圧維持し、回動軸３０が反対に回動され、偏心掛
止軸部３３が回動軸３０の上方を越えて後方に転
位した状態で抑止用長枠３１を反転して起上状態
に牽引発条３４で保つようにしてあるから、第５
図に示すように抑止用長枠３１を起上状態にし
て、裏地反物その他の縫製用の反物ｂを巻装した
巻芯筒２９を着脱可能に装着せる支軸２２の両端
を、無端回動チエン１４，１４′の支持板１８，
１８′の肘部１５，１５′に係脱可能に係合させ、
次いで抑止用長枠３１を下傾させると、反物ｂの
周面に第４図に示す如く下向になせる抑止用長枠
３１が牽引発条３４で圧接され、反物ｂの自由回
動を阻止し、巻芯筒２９に巻装した反物ｂのほつ
れを起すというような不都合な事態を生ずること
なく懸架保持させることができ、斯くして逐次的
に無端回動チエン１４，１４′に対向配設した支
持板１８，１８′に巻芯筒２９を装着した支軸２
２を装架して行くことができ、多数の反物ｂを立
体的に、上下移動自由に適正に整理し保管するこ
とができる。

尚、本考案の実施例に示す如く、取出し用窓孔
２をそなえた外框体３で外囲いをして置けば、立
体的に回動移動可能に装架せる多数の反物ｂに外
部のものが触れるという危険や、汚損を防止して
一層安全に保管することができ、また切替えスイ
ツチ３７を介して電源に接続せる電動機３８及び
電動機３８に連繋せる減速機３９を、機枠５の補
強兼取付枠３６に装着して、減速機３９と伝動軸
７とを無端チエン４３で連繋しておけば、切替え
スイツチ３７の操作で多数の反物ｂを任意に回動
移行させ適宜に停止させることができ、反物ｂの
看視、選択及び装着、離脱を一層便利になし得
る。

即ち、本考案の装置によれば、比較的に狭い空
間に多種多様の反物ｂを平行に多数横架して上下
に循環移動自由に立体的に、しかも反物ｂが濫り
にほどける虞なく的確に整理保管して置くことが
できると共に、希望の反物ｂをその場にいたまま
で循環移動させながら多数の反物の中から見出し
て目前で停止させ、容易にその反物でけを、他の
収納せる反物の順位を狂わせることなく取り出
し、或いは元に戻すことができ、多種且つ多様の
反物を多数立体的に出し入れ簡易に整理収容して
置くことができ、被服縫製部門に設置する反物の
収容装置として洵に有効且つ適切である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の一例を示すものにして第
１図は一部を切欠いた正面図、第２図は一部を切
欠いた側面図、第３図は無端回動チエンの支持板
に装着せる抑止用長枠をそなえた回動軸と、巻芯
筒をそなえた支軸との部分の一部を切欠いた拡大
正面図、第４図は支軸の巻芯筒に巻装せる反物を
回動軸の抑止用長枠で弾圧抑止した状態を示す側
面図、第５図は同上の抑止用長枠を反転支持させ
た状態を示す側面図、第６図は巻芯筒を装着せる
支軸と支持板の一部を切欠いた斜視図である。 ４，４′……軸支用側枠部、５……機枠、６，
６′……上部チエンホイール、７……伝動軸、１
１……回転軸、１２，１２′……下部チエンホイ
ール、１４，１４′……無端回動チエン、１５，
１５′……肘部、１７，１７′……長辺部、１８，
１８′……支持板、２２……支軸、２４……狭窄
部、２９……巻芯筒、３０……回動軸、３１……
抑止用長枠、３２……小円盤、３３……偏心掛止
軸部、３４……牽引発条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸支用側枠部４，４′を両側にそなえた機枠５
   を設け、該軸支用側枠部４，４′の上端部に伝動
   軸７の両端を回転自在に軸架し、該伝動軸７の両
   端寄に装着した上部チエンホイール６，６′と、
   軸支用側枠部４，４′の下部に両端を回転自由に
   軸架せる回転軸１１の両端部に装着せる下部チエ
   ンホイール１２，１２′とに無端回動チエン１
   ４，１４′を懸け回し、該無端回動チエン１４，
   １４′の相対する内方側面に、同位且つ同数の支
   持板１８，１８′を長辺部１７，１７′を無端回動
   チエン１４，１４′と平行にして装着し、該支持
   板１８，１８′の肘部１５，１５′に巻芯筒２９を
   着脱可能に装着せる支軸２２の両端を係脱可能に
   係合させる一方、上記支持板１８，１８′の長辺
   部１７，１７′の端部に、抑止用長枠３１をそな
   えた回動軸３０を回動自由に軸支させ、該回動軸
   ３０の一端に小円盤３２を取付け、該小円盤３２
   に設けた偏心掛止軸部３３に、支持板１８に連着
   した牽引発条３４の一端を連結して、回動軸３０
   の抑止用長枠３１を支軸２２の巻芯筒２９に向い
   弾圧並びに反転支持可能にしてなる反物回動収納
   装置。