JPH0411973Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、長尺テープを巻回したテープリング
からテープ片を裁断して採取するのに用いられる
テープホルダに関するものである。

［従来の技術］ 店舗や事務所などでは、包装その他の目的で粘
着テープ類を使用することが頻繁であるが、その
際テープリングからのテープ片の引き出し、裁断
の便宜を図るため、テープホルダを利用すること
が多い。現在、最も普及している粘着テープ用の
テープホルダは、次のようなものである。すなわ
ち、汎用の卓上テープホルダは、全体が縦長広幅
のブロツク状で重量物に構成されており、その一
端側隆起部に設けたスリツト状の深溝にテープリ
ングを遊転車輪にセツトした立向き姿勢で着脱可
能に装着し、反対側端部にテープリングから引き
出されたテープ引出部を掛支する掛支部を立壁状
に突設し、該掛支部の上端にカツタを取り付けて
なるものである。そして、このテープホルダを利
用すれば、その掛支部に掛支されているテープ引
出部を所要長さ引き出してその途中をカツタに当
てて裁断することにより、テープ片がワンハンド
操作で採取でき、作業が非常に簡便とされる。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、粘着テープを引き出すには一定の抵抗
があるため、従来のテープホルダは、それ自身を
重量化してある。しかして、このようにしておけ
ば固定を要さず机や架台などの上に移動して任意
の場所に載置して使用できる便利さがある反面、
使用に際し机上等で一定のスペースを占め、かつ
立寸も大きくなる。しかるに、かかるテープホル
ダが机上等に載置されていると、業務の妨げとな
る場合が往々認められる。例えば、クリーニング
店の例では、クリーニング品の品定め等になるべ
く広いスペースを確保し生地を引つかけたりしな
いために、店頭台にはテープホルダなど余計なも
のを一切載せないでおきたいという要望がある。
そのため、従来の卓上形テープホルダは、この種
の目的、用途に適合するものとは言えず、店頭台
の上に載せないで使用できるテープホルダがあれ
ば好都合となる。また、従来のテープホルダは、
高寸重量物で構造も比較的複雑であるから、コス
ト的にも割高なものとなつている。

本考案は、以上に述べた従来品の問題点に着目
し、机の側板外面等、鉛直な面に固着して、邪魔
にならない態様で使用することができる便利な粘
着テープ用のテープホルダを新たに提供しようと
するものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案のテープホルダは、前後に伸びる細長板
状をましその一側に鉛直な面に固着するための取
付面を有した取付基板と、この取付基板の他側に
突設されテープリングを前記取付面と平行にして
回転可能に支持する回転支持部と、前記取付基板
の他側前縁に一体に突設されテープリングから引
き出したテープ引出部を掛支する掛支部とを具備
してなる。そして、前記回転支持部は、前面側と
後面側にそれぞれ設けた円弧面でテープリングの
内周を摺回動可能に支持し得るように構成されて
おり、前記掛支部は、上下両方にテープ引出部を
裁断するためのカツタをそれぞれ備えていること
を特徴とする。

［作用］ このようなホルダであれば、その取付基板の取
付面を接着剤や両面テープを用いて机や架台の側
面あるいはその他の隣接壁面等の鉛直な面に固着
し、その取付基盤の回転支持部にテープリングを
支持させれば、デツドスペースになりがちな鉛直
な面の近傍にテープリングを回転可能に保持させ
ることができ、机上等にホルダを載置することに
ともなう不具合が解消される。特に、このもの
は、テープリングを取付面に平行に保持し得るよ
うにしてあるので、取付状態においては、テープ
リングが鉛直な面に平行に保持されることにな
り、大きく側方へ突出するのを防止することがで
きる。そのため、鉛直面間の狭い〓間等を利用し
て配置することも可能であり、デツドスペースを
有効に利用することができる。しかも、取付面を
鉛直な面に固着すると、その取付面と平行に保持
されたテープリングが、水平な軸心回りに回転し
得ることになるため、テープの引き出しも違和感
なく行うことができる。その上、取付基板は、鉛
直面に固着されるものであるため、自重により引
き出し時の位置ずれを防止する従来のものに比べ
て、大幅な軽量化を図ることが可能となる。ま
た、前後に細長な取付基板に回転支持部と掛支部
とを突設しただけの簡単な構成のものであるた
め、重くする必要がないこととあいまつて、コン
パクト化をも図ることができる。

さらに、本考案のテープホルダは、回転支持部
の前後の円弧面によりテープリングの内周を摺回
動可能に支持するようにしているため、細い軸に
より支承する場合に比べて頑丈で壊れにくいもの
にし易く、また、テープリングの回転に安定した
適度な制動をかけることが容易になる。そのた
め、テープリングを軸支するもののように、テー
プリングが不必要に空転して、テープがからみつ
くような不具合を有効に防止することができる。

また、掛支部の上下両方にカツタを設けている
ので、右向きの鉛直面に取り付けた場合でも、左
向きの鉛直面に取り付けた場合でも、常に上側に
位置するカツタを用いてテープ引出端を裁断する
ことができる。そのため、使い勝手を損ねること
なしに使用態様の自由度を高くすることができ、
都合のよい鉛直面に適宜取着して使用することが
できる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図と第２図は、その第１実施例を示すもの
で、テープホルダは、図面に示すように前後に細
長でその一側に鉛直な面に固設するための取付面
１ｂを有した取付基板１を備えている。そして、
この取付基板１の他側に、テープリングＴを該取
付基板１に直交する軸心Ｏまわりで回転可能に支
持する回転支持部２と、前記テープリングＴから
引き出したテープ引出部ｔを掛支する掛支部３と
を設けてなり、全体がプラスチツクで一体に成形
されている。

前記各部について説明すると、まず、取付基板
１は細長板状のもので、外面１ａに前記回転支持
部２と前記掛支部３とを設けている一方、フラツ
トに形成した反対側の内面を取付面１ｂとなし、
この取付面１ｂに接着固定用に両面接着テープ４
を貼着している。また、この取付基板１の前端近
傍部と後端近傍部には、貫通孔５，５が穿設され
ており、ボルト等の固定具を用いて取付基板１を
鉛直な面に固着することもできるようになつてい
る。

前記回転支持部２は、取付基板１の後端側の部
分を、セツトするテープリングＴの幅員寸法より
も若干高く膨隆し、この膨隆部６の前後両端部に
外周をそれぞれ円弧面７，７に形成した対向する
張出状の回転支持片８，９を一体に拡設してな
る。この回転支持片８，９の各円弧面７，７は、
取付基板１の上下幅方向中心と直交する軸心Ｏか
ら描いた円弧の一部を形成しており、その曲率半
径はセツトするテープリングＴの内周半径よりや
や小さ目に設定されている。しかして、これら前
後の円弧面７，７によつて、テープリングＴの内
周を摺回動可能に支持するようになつている。そ
して、前記掛支部３と反対側に位置する回転支持
片８には、その上端側に円弧面７よりも若干大径
の鍔１０を突設している一方、前記掛支部３に位
置する回転支持片９には、適当な段差を付与して
一段低くしたその上端面に、止具１１ａで一端側
を偏心枢支してストツパ１１を図示矢印のように
回動可能に止着している。このストツパ１１は図
示実線のような横向き姿勢で、回転支持片９の外
周円弧面７から適宜の寸法分だけ突出される。

したがつて、この回転支持部２には、そのスト
ツパ１１を回動退避させた状態にして、まず回転
支持片８の鍔１０を乗り越えさせてその一端側を
係合し、次いで他端側を回転支持片８の外周円弧
面７の上に装入してからストツパ１１を横向き姿
勢に戻す手順でテープリングＴが簡単確実にセツ
トでき、この状態でテープリングＴは前記軸心Ｏ
まわりで取付基板１の取付面１ｂと平行な姿勢の
まま遊転可能に保持される。そして、テープリン
グＴの取り外しも前記手順と逆の操作で至便に行
い得る。

また前記掛支部３は、前述したように一側に取
付面１ｂを形成してなる取付基板１の他側前縁に
Ｌ字形に突設される。この掛支部３の突出寸法
は、前記回転支持部２にセツトされるテープリン
グＴの幅員寸法と同程度の寸法に調整される。そ
して、掛支部３の上下両面にはカツタ１２，１２
が貼設されているとともに、対向する回転支持部
２にセツトしたテープリングＴから引き出したタ
ープ引出部ｔを該掛支部３のカツタ１２で裁断
し、裁断後のテープ引出部ｔをカツタ１２に掛支
するようにしている。

次いで、このテープホルダの使用例を第３図に
ついて説明する。図示の例は、テープホルダを鉛
直な面である机Ｄの側面D₂（左右いずれの面でも
かまわない）に取り付けて用いる場合を示してお
り、この場合取付基板１を机側面D₂に、その上
縁と前縁の各近傍で上縁と平行にして前記両面接
着テープ４を介して接着固定するようにしてい
る。そして、このテープホルダの回転支持部２に
前記の手順でテープリングＴをセツトし、該テー
プリングＴからその緒端を引き出して延出される
テープ引出部ｔを前方の掛支部３に掛支するよう
にする。しかして、テープの使用にさいしては、
そのテープ引出部ｔを摘んでテープリングＴを両
回転支持片８，９の円弧面７，７に対して摺動さ
せながら机前面D₁の方向に引き出してから、そ
の中途部を掛支部３上のカツタ１２に押し当てる
ことにより、適当な長さに裁断したテープ片を簡
単に採取することができる。

このように本考案に係るテープホルダを利用す
れば、テープリングＴから必要な長さのテープ片
をワンハンド操作で簡便に採取できる上、机上面
D₀に一切スペースを占めることがなく、机側面
D₂近傍のデツドスペース等を有効に活用して取
り付けることができる。したがつて、重くて嵩ば
る既存の卓上形テープホルダを使用する場合の問
題が除かれ、机上等に広くスペースを確保したい
という要求に合致するものとなる。また、このテ
ープホルダでは、取付基板１上に回転支持部２と
掛支部３を設けるだけの至つて構造簡単なもので
あり、しかもテープリングＴは取付基板１と平行
に回転されるから取付状態で側方へ大きく突出す
るのを有効に抑制することができ、長さもテープ
リングＴの径より若干長尺なもので足るから小型
軽量で、制作費も安価で済む。

さらに、このテープホルダは、回転支持部２の
前後の円弧面７によりテープリングＴの内周を摺
回動可能に支持するようにしているため、細い軸
により支承する場合に比べて頑丈で壊れにくいも
のにし易く、また、テープリングＴの回転に安定
した適度な制動をかけることが容易になる。その
ため、テープリングを軸支するもののように、テ
ープリングが不必要に空転し過ぎて、テープがか
らみつくような不具合を有効に防止することがで
きる。

また、掛支部３の上下両側にカツタ１２を設け
ているので、机の右側面D₂に取り付けた場合で
も、図示しない左側面に取り付けた場合でも、常
に上側に位置するカツタ１２を用いてテープ引出
端ｔを裁断することができる。そのため、使い勝
手を損ねることなし使用態様の自由度を高くする
ことができ、都合のよい側に適宜取着して使用す
ることができる。

しかして、このテープホルダの使用態様は、使
用場所のレイアウト等によりその他様々に工夫す
ることができ、壁面等に固着して使用することも
可能である。

次に、第４図に示す第２実施例について説明す
る。この実施例は、内径の異なる２つのテープリ
ングT₁，T₂が選択的にセツトできるようにしも
ので、この場合、取付基板１と同幅に形成した回
転支持片８，９（回転支持部２）を、小径テープ
リングT₂の厚み以上の適当な〓間をあけた分離
状態に設けるようにしている。そして、後側の回
転支持片８には、取付基板１に対する直交軸心
O₁からほぼ大径テープリングT₁の内半径に相当
する曲率半径を有する円弧面７₁を後方に向けて
形成している。一方、掛支部３に近傍する前側の
回転支持片９の前面側および後面側には、取付基
板１に対する直交軸心O₂からほぼ小径テープリ
ングT₂の内半径に相当する曲率半径を有する円
弧面７₂，７₂をそれぞれ形成している。

このようにしたものであると、第１実施例と同
様の利点がある上に、さらに標準化されて通常市
販されている２種類の大きさのテープリングT₁，
T₂のいずれにも適用可能とされる。つまり、大
径テープリングT₁であれば、軸心をO₁として両
回転支持片８，９にそれを係合させることがで
き、後側の回転支持片８の後向きの円弧面７₁と、
前側の回転支持片９の前向きの円弧面７₂とによ
つて摺回動可能に支持される。また小径テープリ
ングT₂であれば、軸心をO₂として前側の回転支
持片９にのみ係合させることができ、その回転支
持片９の前向きの円弧面７₂と後向きの円弧面７₂
とによつて摺回動可能に支持される。なお、いず
れの場合もそのテープ引出部ｔの裁断には前端に
設けられた掛支部３のカツタ１２が共用される。

第１、第２実施例の他に、本考案に係るテープ
ホルダには、以下のような変形実施例も提案され
る。

前記実施例では、その回転支持部２をいずれも
固定式としたが、テープリングＴの脱着の便を図
るため可動式の構造にすることも可能である。第
５図はその一例を図示し、このものでは掛支部３
に近い前側の回転支持片９をその基端部９ａが取
付基板１の縦溝１４に嵌まる別体品となし、これ
に基板両側に沿設した長孔１５，１５からピン軸
１６を貫設するともに、縦溝１４内に回転支持片
９の基端部９ａを前方に向けて付勢するバネ１７
を内装してなるものである。すなわち、かかる可
動構造のものであると、テープリングＴの脱着時
には、その可動回転支持片９を図示矢印の方向に
押し込み回転支持部２を縮径することにより、そ
の係脱操作がより簡便なものとできる。なお、図
示しないが、可動回転支持片９のスライド機構
は、前記の長孔ピン方式に代えて取付基板１に掘
設した蟻溝にその基端部９ａを摺動可能に嵌合す
る方式等であつてもよい。

また、第６図の例は、可動回転支持片９を可撓
材で形成するとともに、その後端に両側で断面弧
条の縦条１８，１８を有する延長部９ｂを一体に
連設する一方、取付基板１の外面１ａに開口幅を
長手方向に拡縮する波状溝１９を設け、この溝１
９に可動回転支持片９の延長部９ｂを密に嵌め込
んで取り付けるようにしている。すなわち、この
構造のものでは、可動回転支持片９を強制的に押
動させると、その延長部９ｂの縦条１８，１８が
溝１８の口狭部を乗りこえて次の口狭部に入り込
み、可動回転支持片９を図示矢印の方向で間欠的
にスライド送りさせることができるようになつて
いる。したがつて、このものでは回転支持部２の
外径を多様に可変でき、テープリングＴの脱着に
便利であると同時に、口径の異なるテープリング
T₁，T₂の使用にも対応できる。

なお、第４図〜第６図の例では、両回転支持片
８，９を、上下に張出しを設けることなく取付基
板１と上下同幅に形成している。そして、このよ
うに形状を単純化しても、テープリングＴの内周
を支持する部分に円弧面７，７を形成しておけ
ば、この面７，７をテープリングＴが摺回動して
滑らかなテープ引出動作を確保することができ
る。

［考案の効果］ 以上詳述した通り、本考案のテープホルダで
は、机上に載置する必要がなく、机や架台等の側
面あるいは立壁面などに取付基板を取り付けて使
用することができ、僅かな〓間や無駄空間を有効
に活用することができる。しかも、取付状態にお
いては、テープリングが水平な軸心回りに回転す
るので、違和感なくテープの引き出し操作を行う
ことができる。また、細長い取付基板に回転支持
部と掛支部とを突設しただけのものであるため、
従来の卓上形テープホルダに比較すると、嵩が低
く軽量コンパクト化が容易になる。

その上、テープリングの内周を回転支持部の前
後の円弧面により摺回動可能に支持するようにし
ているので、細い軸により支承する場合に比べて
頑丈な構造にすることが可能であるだけでなく、
広い面摩擦によりテープリングの回動に安定した
制動をかけることが容易になる。そのため、テー
プリングが不必要に空転してテープがからみつく
ような不具合を有効に防止することができ、安定
した良好な操作性を確保することができる。

また、掛支部の上下両方にカツタを設けている
ので、右向きの鉛直面に取り付けた場合でも、左
向きの鉛直面に取り付けた場合でも、常に上側に
位置するカツタを用いて同条件で操作することが
できる。そのため、使用態様の自由度が高く、都
合のよい鉛直面に取着して便利に使用することが
できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の第１実施例を示し、
第１図は側面図、第２図は底面図、第３図は使用
状態を示す斜視図である。第４図は本考案の第２
実施例を示す斜視図である。第５図および第６図
は変形実施例を示し、第５図は一部破断底面図、
第６図は一部の斜視図である。 １……取付基板、１ｂ……取付面、２……回転
支持部、３……掛支部、４……両面接着テープ、
５……貫通孔、７，７₁，７₂……円弧面、８，９
……回転支持片、１０……鍔、１２……カツタ、
Ｔ，T₁，T₂……テープリング、ｔ……テープ引
出部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前後に伸びる細長板状をなしその一側に鉛直な
   面に固着するための取付面を有した取付基板と、
   この取付基板の他側に突設されテープリングを前
   記取付面と平行にして回転可能に支持する回転支
   持部と、前記取付基板の他側前縁に一体に突設さ
   れテープリングから引き出したテープ引出部を掛
   支する掛支部とを具備してなり、 前記回転支持部は、前面側と後面側にそれぞれ
   設けた円弧面でテープリングの内周を摺回動可能
   に支持し得るように構成されており、前記掛支部
   は、上下両方にテープ引出部を裁断するためのカ
   ツタをそれぞれ備えていることを特徴とするテー
   プホルダ。