JPS6138844Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は例えば移動可能な二又フオーク形の荷
物載せ台を上昇させる昇降シリンダと、該シリン
ダに作動油を供給するプランジヤポンプと、該プ
ランジヤポンプを手動で作動させる昇降操作及び
押引操作用のハンドルとを備え、前記ハンドルを
前後に往復揺動させてプランジヤポンプを作動さ
せ、昇降シリンダを駆動して前記荷物載せ台を上
昇させるようにしたハンドリフトトラツクの昇降
装置に関する。

「従来の技術」 従来、荷物載せ台を昇降シリンダに連通させる
シリンダポートと、油タンクのタンクポートに吸
入チエツク弁を介して連通させるプランジヤポン
プのプランジヤンポンプポートの間に、円錐台形
部及び胴部を形成する吐出スプール弁を組込み、
シリンダポートの開閉制御を行う技術（例えば実
開昭52−130847号公報）があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 上記従来技術にあつては、シリンダポートを臨
ませる背圧スプリング室よりもスプール弁の胴部
が小形で、吸入チエツク弁を嵌入する通路と前記
胴部が略同一径に形成され、その通路をスプール
弁の胴部で遮断する構造になつているため、シリ
ンダからの高圧油及びバネ力の背圧に抗して前記
通路を遮断した状態でスプール弁を位置固定する
には、前記胴部に通路より大径の環状膨出部或い
はリングを別途設け、通路と背圧スプリング室と
の段部に前記環状膨出部或いはリングを圧着支持
する手段、また前記スプール弁先端を吸入チエツ
ク弁に常時当接支持させる手段があるが、前者の
場合、環状膨出部或いはリングと段部との間にＯ
リング等のシール部材が必要となつて部品点数を
増加させると共に、精度を要するスプール弁の成
形加工を一層困難なものとさせコストを上げる。

一方、後者の場合吸入チエツク弁の開動操作が
スプール弁の背圧によつて小さな操作力で行えな
い。さらには前後者ともスプール弁を上昇させ通
路を開通させたとき前記スプール弁が極めて不安
定な状態となつて適切な作動油の流出調節が行え
ない等、シリンダを荷役作業状態に合せて適切に
作動させ難い問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに本考案は、荷物載せ台を昇降シリンダに
連通させるシリンダポートと、油タンクのタンク
ポートに吸入チエツク弁を介して連通させるプラ
ンジヤポンプのプランジヤンポンプポートの間
に、円錐台形部及び胴部を形成する吐出スプール
弁を組込む構造において、前記シリンダポートを
臨ませる背圧スプリング室とスプール弁の胴部を
略同一径に形成すると共に、前記胴部を介して背
圧スプリング室に摺接移動自在に支持するスプー
ル弁の円錐台形部を嵌入させる弁座をシリンダポ
ートとプランジヤポンプポートの間に形成し、前
記スプール弁の円錐台形部とシリンダポート及び
弁座の間に形成する絞り作用を備えた隙間でシリ
ンダからの高圧油を流出調節する一方、前記弁座
にスプール弁の円錐台形部中間を圧着させてシリ
ンダポートを胴部により閉鎖すべく前記スプール
弁を位置固定したものである。

「作 用」 而して本考案によれば、背圧スプリング室とス
プール弁の胴部を略同一径に形成することにより
スプール弁を安定した状態で摺接移動させて胴部
で直接シリンダポートの開閉制御を迅速に行い得
ると共に、前記シリンダポート及びスプール弁の
位置固定用として兼用する弁座とスプール弁の円
錐台形部の各隙間により、シリンダからの高圧油
を多段的に流出調節して油タンクに戻し得、油路
回路構造を簡略化して荷役作業の能率並びに安定
性の向上を容易に図り得るようにしたものであ
る。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図はハンドリフトトラツクの概略平面
図、第２図は同側図面であり、図中１は先端に走
行用前輪２，２を下方に突出可能に取付けてなる
二又フオーク形荷物載せ台、３は下部に走行用後
輪４，４を軸支していて前記載せ台１の後端を支
えてこれを昇降させるジヤツキ装置、５は下端に
車軸６を介して後輪４，４を取付けるラムシリン
ダ、７は前記荷物載せ台１の山形支え部８に半円
球状先端９を当接させるラムピストン、１０は前
記ラムシリンダ５中間に固定支持する油圧ベー
ス、１１は前記ベース１０下方のシリンダ５周側
部に回転自在に設けていて前記ピストン７の上動
に比例させて前輪２を突出させるアーム１２及び
ロツド１３を連結させる軸受プレート、１４は前
記ベース１０上面のシリンダ５周側に固設する油
タンク、１５は前記シリンダ５に圧油を送るプラ
ンジヤポンプ、１６は前記タンク１４の背部上方
に固設するハンドルベースブラケツト、１７は前
記ブラケツト１６に回動支点ピン１８を介して支
持させていて前記ポンプ１５のプランジヤピスト
ン１９に当接させるプレツシヤロール２０を軸支
してなるハンドルベース２１は上端部にループ形
握部２２を設けていて基端を前記ハンドルベース
１７に連結固定する昇降操作並びに押引操作用ハ
ンドルである。

第４図乃至第６図に示す如く、前記ベース１０
に油圧操作バルブ２３並びに過負荷防止バルブ２
４を設ける。そして、前記操作バルブ２３のボー
ル形吸入チエツク弁２５を介してタンクポート２
６をプランジヤポンプポート２７に、また前記バ
ルブ２３の円錐台形部２８ａを有する吐出スプー
ル弁２８を介して前記ポート２７をシリンダポー
ト２９に夫々連通させると共に、前記吐出スプー
ル弁２８とこれを封入させるプラグ３０間の背圧
スプリング室３１をシリンダポート２９に連通さ
せるパイロツト通路３２を吐出スプール弁２８に
形成し、前記スプール弁２８の背圧を復帰バネ３
３のバネ力と略同一値とし、前記プランジヤポン
プ１５を作動時、チエツク弁２５を介してタンク
１４の作動油を吸入し、復帰バネ３３に抗してス
プール弁２８を開作動させてシリンダ５に圧油を
送るように構成する。また、前記操作バルブ２３
に圧抜き用プツシユロツド３４を設け、復帰バネ
３５に抗してプツシユロツド３４を押入させるこ
とにより、チエツク弁２５のみを開放維持し、ス
プール弁２８の円錐台形部２８ａを弁座５５に圧
着させた状態で、プランジヤポンプ１５を空作動
すべく、切換バルブ２３を中立操作状態に切換え
る一方、前記プツシユロツド３４を更に押入させ
ることにより、チエツク弁２５をスプール弁２８
に当接させ、復帰バネ３３に抗してスプール弁２
８を開作動し、円錐台形部２８ａを弁座５５から
離し、シリンダポート２９からタンクポート２６
に、スプール弁２８の胴部２８ｂを介してこの隙
間（例えば1/100mm）の絞り作用によつてシリン
ダ５の圧油を徐々に流出させ、更にスプール弁２
８を変位させることにより、スプール弁２８の外
周テーパ部である円錐台形部２８ａによるシリン
ダポート２９及び弁座５５の多段的絞り作用によ
つて希望する流圧（流速）でシリンダ５の圧油を
タンク１４に戻すように構成する。

第５図乃至第７図に示す如く、上記の押引操作
用ハンドル２１上端にキヤツプ３６を一体的に形
成し、該キヤツプ３６の内部空間に油圧操作切換
レバー３７の基端部を挿入させ、前記キヤツプ３
６に固定したピン３８に前記レバー３７基端を遊
嵌軸支すると共に、前記ハンドル２１の内部空間
に懸吊ロツド３９を遊嵌挿入させ、前記レバー３
７の上縁凹部３７ａに前記ロツド３９上端の鈎部
３９ａを引掛ける。そして前記ベース１０側面か
ら突出させるプツシユロツド３４外側端にＬ形の
油圧操作アーム４０の一端を当接させ、該アーム
４０中間を前記ベース１０のフランジ１０ａにピ
ン４１を介して軸支すると共に、前記アーム４０
の他端側を油タンク１４とプランジヤポンプ１５
間のベース１０上面に延設し、そのアーム４０他
端に懸吊ボルト４２を長さ調節可能に固定させ
る。前記ロツド３９下端とボルト４２上端間をチ
エーン４３によつて連結させ、該チエーン４３を
ハンドル２１の揺動方向に折曲げ自在に張架させ
ると共に、左右の回動支点ピン１８，１８の内側
端を嵌挿させるハンドルベースブラケツト１６の
軸受部１６ａ，１６ａ後側部にチエーンガイドピ
ン４４を架設し、前記ピン１８，１８を支点とし
てハンドル２１を揺動回転させたとき、前記チエ
ーン４３中間を前記ピン４４に当接させてチエー
ン４３を折曲させ、前記チエーン４３がプランジ
ヤポンプ１５に当接するのを防止し、且つ前記ピ
ン１８，１８の軸芯とチエーン４３の折曲部分と
を一致させ、前記バルブ２３及びアーム４０が一
定位置に静止した状態でチエーン４３を折曲げ、
ハンドル２１を揺動させてプランジヤポンプ１５
操作を行えるように形成する。

また、前記レバー３７中間下縁を係合させる上
昇操作ノツチ４５及び中立操作ノツチ４６をキヤ
ツプ３６の開孔４７に多段状に並設形成すると共
に、前記上昇操作ノツチ４５上方に下降操作ノツ
チ４８を、また中立操作ノツチ４６上方と下降操
作ノツチ４８とを接続する円弧ガイド４９を前記
開孔４７に形成し、前記レバー３７を上昇操作ノ
ツチ４５に係合させることにより、第４図の如く
操作バルブ２３のチエツク弁２５によつてタンク
ポート２６とプランジヤポンプポート２７とを閉
鎖し、前記バルブ２３を上昇操作状態に切換えて
ポンプ作用を行わせる一方、前記レバー３７を第
７図のように中立操作ノツチ４６に係合させるこ
とにより、第６図の如くプツシユロツド３４を押
込んでチエツク弁２５を開放して各ポート２６及
び２７を導通させ、前記バルブ２３を中立操作状
態に切換えてプランジヤポンプ１５を空作動さ
せ、次いで前記レバー３７を持上げてガイド４９
の案内によつて下降操作ノツチ４８に係入させる
ことにより、プツシユロツド３４をさらに押込ん
でチエツク弁２５をスプール弁２８に当接させ、
該スプール弁２８を開放し、先づスプール弁２８
の胴部２８ｂの隙間からシリンダ５の圧油を還流
させ、さらにスプール弁２８を変位させてスプー
ル弁２８の円錐台形部２８ａを介して各ポート２
６及び２９を導通させ、シリンダ５の作動油を多
段的な絞り作用によつて希望する流速でタンク１
４に復流させるように形成してなるものである。

本考案は上記の如く構成しており、パレツト
（図示省略）などに積んだ荷物を載せ台１に搭載
する場合、油圧操作切換レバー３７を上昇操作ノ
ツチ４５に係合させ、立設してなる押引操作用ハ
ンドル２１を支点ピン１８を中心に揺動すると、
チエツク弁２５を介してタンク１４の作動油がプ
ランジヤポンプ１５に吸入され、第５図のように
スプール弁２８を介してプランジヤポンプ１５の
圧油がシリンダ５に圧送され、ラムピストン７が
突出して載せ台１を上動する。このとき、スプー
ル弁２８の背圧スプリング室３１がパイロツト通
路３２を介してシリンダポート２９に導通されて
いるので、前記プランジヤポンプ１５と連動して
スプール弁２８が敏速に開閉作動し、前記ポンプ
１５の圧油によつてスプール弁２８が円滑に開放
され、且つバネ３３によつてスプール弁２８が敏
速に閉作動し、ハンドル２１によるポンプ１５操
作を比較的小さな力で行えると共に、スプール弁
２８の閉鎖遅れによつてシリンダ５の圧油がポン
プ１５に復流してハンドル２１を上動させるのを
防止する。

また、前記の如く荷物載せ台１を適当な高さに
上昇させた状態で移動する場合、第７図の如く前
記切換レバー３７を中立操作ノツチ４６に係合さ
せ、操作アーム４０を介してプツシユロツド３４
を押込み、第５図の如くチエツク弁２５を開放支
持し、前記バルブ２３を第６図の如く中立操作状
態に切換えると、上記ハンドル２１を傾倒させて
もプランジヤポンプ１５は空作動し、且つスプー
ル弁２８の円錐台形部２８ａを弁座５５に圧着さ
せ、シリンダポート２９をスプール弁２８によつ
て閉封し、ラムピストン７及び荷物せ台１を固定
支持し、この状態でハンドル２１を押引して荷物
を運搬する。

上記のように支点ピン１８を中心にハンドル２
１を倒し、昇降操作並びに押引操作を行うとき、
懸吊ロツド３９とボルト４２を連結するチエーン
４３中間がガイドピン４４に当接し、前記支点ピ
ン１８の軸芯上に位置するチエーン４３中間部が
折曲され、支点ピン１８を中心とするハンドル２
１の変位に関係なく、操作アーム４０及びプツシ
ユロツド３４を一定位置に静止維持させる。

さらに、荷物載せ台１を下降させてパレツトな
どに積んだ荷物を降す場合、第６図に示す切換レ
バー３７を引上げると、前記レバー３７上縁が円
弧ガイド４９に当接し、そのガイド４９の案内に
よつてレバー３７が下降操作ノツチ４８に移行す
る。そして懸吊ロツド３９などを介して操作アー
ム４０を変位させてプツシユロツド３４を押込
み、チエツク弁２５をスプール弁２８に当接させ
てスプール弁２８を開作動し、スプール弁２８の
円錐台形部２８ａを弁座５５から離し、且つスプ
ール弁２８の胴部２８ｂによつてシリンダポート
２９を閉じた状態で、その胴部２８ｂの隙間の絞
り作用によつてシリンダ５の圧油を徐々にタンク
１４方向に流出させる。さらにプツシユロツド３
４を押込んでスプール弁２８を変位させ、円錐台
形部２８ａによつてシリンダポート２９を開放す
ると、スプール弁２８の円錐台形部２８ａの外周
テーパ面により絞り作用により、前記レバー３７
操作に比例した流速でシリンダ５の圧油がタンク
１４に復流され、希望する速度でラムピストン７
を退入させて荷物載せ台１を降下させるもので、
前記レバー３７を離すことによつてこの下方の上
昇操作ノツチ４５に前記レバー３７が係入し、前
記バルブ２３を第４図の如く上昇操作状態に切換
えるものである。

「考案の効果」 以上実施例からも明らかなように本考案は、荷
物載せ台１を昇降シリンダ７に連通させるシリン
ダポート２９と、油タンク１４のタンクポート２
６に吸入チエツク弁２５を介して連通させるプラ
ンジヤポンプ１５のプランジヤポンプポート２７
の間に、円錐台形部２８ａ及び胴部２８ｂを形成
する吐出スプール弁２８を組込む構造において、
前記シリンダポート２９を臨ませる背圧スプリン
グ室３１とスプール弁２８の胴部２８ｂを略同一
径に形成すると共に、前記胴部２８ｂを介して背
圧スプリング室３１に摺接移動自在に支持するス
プール弁２８の円錐台形部２８ａを嵌入させる弁
座５５をシリンダポート２９とプランジヤポンプ
ポート２７の間に形成し、前記スプール弁２８の
円錐台形部２８ａとシリンダポート２９及び弁座
５５の間に形成する絞り作用を備えた隙間でシリ
ンダ７からの高圧油を流出調節する一方、前記弁
座５５にスプール弁２８の円錐台形部２８ａ中間
を圧着させてシリンダポート２９を胴部により閉
鎖すべく前記スプール弁２８を位置固定したもの
で、背圧スプリング室３１とスプール弁２８の胴
部２８ｂを略同一径に形成することにより、スプ
ール弁２８を安定した状態で摺接移動させて胴部
２８ｂで直接シリンダポート２９の開閉制御を迅
速に行うことができると共に、前記シリンダポー
ト２９及びスプール弁２８の位置固定用として兼
用する弁座５５とスプール弁２８の円錐台形部２
８ａの各隙間により、シリンダ７からの高圧油を
多段的に流出調節して油タンク１４に戻すことが
でき、油路回路構造を簡略化して荷役作業の能率
並びに安定性の向上を容易に図ることができる等
の顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図はハンドリフトトラツクの概略平面図、第２
図は同側面図、第３図はジヤツキ装置の断面側面
図、第４図は油圧ベースの平面図、第５図は要部
拡大断面図、第６図乃至第８図は部分拡大説明図
である。 １……荷物載せ台、７……昇降シリンダ、１４
……油タンク、１５……プランジヤポンプ、２６
……タンクポート、２７……プランジヤポンプポ
ート、２８……吐出スプール弁、２８ａ……円錐
台形部、２８ｂ……胴部、２９……シリンダポー
ト、３１……背圧スプリング室、５５……弁座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷物載せ台１を昇降シリンダ７に連通させるシ
   リンダポート２９と、油タンク１４のタンクポー
   ト２６に吸入チエツク弁２５を介して連通させる
   プランジヤポンプ１５のプランジヤンポンプポー
   ト２７の間に、円錐台形部２８ａ及び胴部２８ｂ
   を形成する吐出スプール弁２８を組込む構造にお
   いて、前記シリンダポート２９を臨ませる背圧ス
   プリング室３１とスプール弁２８の胴部２８ｂを
   略同一径に形成すると共に、前記胴部２８ｂを介
   して背圧スプリング室３１に摺接移動自在に支持
   するスプール弁２８の円錐台形部２８ａを嵌入さ
   せる弁座５５をシリンダポート２９とプランジヤ
   ポンプポート２７の間に形成し、前記スプール弁
   ２８の円錐台形部２８ａとシリンダポート２９及
   び弁座５５の間に形成する絞り作用を備えた隙間
   でシリンダ７からの高圧油を流出調節する一方、
   前記弁座５５にスプール弁２８の円錐台形部２８
   ａ中間を圧着させてシリンダポート２９を胴部に
   より閉鎖すべく前記スプール弁２８を位置固定し
   たことを特徴とするハンドリフトトラツクの昇降
   装置。