JPS6138408Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、走行輪により走行する機体に、耕耘
ロータを、機体の走行時における走行輪の回転方
向と逆向きに回転するよう装架するとともに、そ
の耕耘ロータの周囲に、該ロータが掻上げる耕土
を該ロータの上方を越して後方に放てきするよう
案内する案内ケースを設けて、圃場に残つている
タバコ残幹または、果樹園などで剪定した枝類
を、耕耘ロータで破砕しながら耕土と共に放てき
した、土中に埋没さすようにしたタバコ残幹等の
処理装置についての改良に関するものである。

上述の形態のタバコ残幹等の処理装置はそれの
耕耘ロータの上方を囲うように設ける案内ケース
の前壁の下縁を平らに形成しておくことで、圃場
が畝のない平地の場合に、収穫後に圃場に残つて
いるタバコの残幹の処理だけでなく、果樹園にお
いて果樹から剪定して圃場面に落した剪定枝の処
理にも適応し、多目的に使用されるようになる
が、畝に裁培されていたタバコの残幹を処理する
場合のように、圃場に畝がある場合には、案内ケ
ースの前壁の下縁が、圃場の畝につかえるように
なることで畝のある圃場には適応しないようにな
る。また、前記案内ケースの前壁の下縁を、圃場
の畝に対応する形状に形成しておくと、畝のない
平らな圃場で処理作業を行なうときに、被処理物
が案内ケースの前壁の下縁と圃場面との間に形成
される広い空間から四周に散乱するようになつて
適確な処理作業が行なえず、畝のない平地の圃場
での処理作業に適応しないようになる。このこと
から、この形態のタバコ残幹処理装置には、畝の
ない平らな圃場に適応するものと畝のある圃場に
適応するものとの二通りを用意しなければならな
い問題がある。

本考案は、この問題を解決するためになされた
ものであつて、畝のない平地における処理作業と
畝のある圃場での処理作業とが、それぞれ適確に
行なえるようにする新たな手段を提供することを
目的とするものである。

そして、本考案においては、この目的を達成す
るための手段として、走行輪により走行する機体
に、回転軸に耕耘爪を多数取付けてなる耕耘ロー
タを、それの耕耘爪の回転方向が前記機体の前進
走行時における走行輪の回転方向と逆になるよう
に設定して装架して、その耕耘ロータの周囲に、
該耕耘ロータが掻上げる耕土を該ロータの上方を
越して後方に放出せしめるよう案内する案内ケー
スを設け、その案内ケースの前壁下部には、それ
の左右の中間部位に、タバコの栽培畝の畝巾に略
対応する開口巾の切欠状の開口を形設するととも
に該開口に上下に変位調節自在の調節蓋板を装設
して該開口の開度を調節自在としたことを特徴と
するタバコ残幹等の処理装置を提起するものであ
る。

次に実施の一例を図面に従い詳述する。

第１図において１は走行輪１０により走行する
機体で、この例では公知の四輪の農用トラクタが
用いられている。

２は前記機体たる農用トラクタ１の後部に装架
した耕耘ロータで、機枠２０に横架軸支せる回転
軸２１に多数のなた刃状の耕耘爪２２（または耕
耘爪）を植設してなる通常のものであり、前記ト
ラクタ１が機体後部に具備しているトツプリンク
１１及びロアリンク１２ならびにリフトアーム１
３により昇降自在に装架してある。そして、前記
回転軸２１を回転さすための伝導機構の入力軸２
３は自在接手を具備する伝導軸２４を介して前記
トラクタ１が具備するPTO軸に伝導せしめてあ
つて、トラクタ１の原動機１４からそのトラクタ
１のPTO軸を経て伝導される回転動力により駆
動され、前記回転軸２１が駆動回転するようにな
つている。

しかして、該耕耘ロータ２は、前記回転軸２１
が駆動されたときの耕耘爪２２の回転方向Ｗが、
トラクタ１の走行輪１０の前進時（作業時）にお
ける回転方向Ｙと逆になるように設定してあり、
これにより、トラクタ１の走行により、第３図で
矢印Ｚに示す方向に進行していくときに、前記矢
印Ｗ方向に回転する耕耘爪２２が、耕起した土を
前方上方に跳上げていくようにしてある。

３は、前記耕耘ロータ２の耕耘爪２２が跳上げ
る耕土を、該耕耘ロータ２の上方を越して後方に
放出さすよう案内誘導する案内ケースで、該耕耘
ロータ２の周囲を下面を残してそつくり囲う箱状
のケース主体３０の上面に後方上方に向けて弧状
に彎曲するシユート３１が一体に連続する如き形
状に形設してあり、それのケース主体３０の前壁
３０ａは前記シユート３１に連続する案内壁とな
るよう弧状に形成してあり、かつ、その前壁３０
ａの下端縁が第３図に示している如く、後壁３０
ｂの下端縁よりも高く位置するように形成してあ
つて、その前壁３０ａの下端縁の下方に、圃場表
面に散在しているタバコ残幹が剪定枝などを案内
ケース３内に受入れる受入口ａを形成するように
なつている。そして、その受入口ａには、ケース
主体３０の左右の機壁３０ｃ，３０ｃの前方延長
壁及び前壁３０ａの下端縁から前方に突出する棚
板とでゲート状に形成された入口カバー３２が装
設してある。

ｂは、前記案内ケース３の前壁である前述ケー
ス主体３０の前壁３０ａの下端部に形設せる開口
で、第２図乃至第４図に示している如く、前壁３
０ａの左右の中間部位に切欠状に形成してあり、
それの開口巾（左右の巾）は、第４図において鎖
線に示している如くタバコ栽培のために圃場の通
常形成される畝Ｕの畝巾より幾分巾広になるよう
形成してある。

４は前記開口ｂの開度を調節すべく該開口ｂに
装設した調節蓋板で、前記開口ｂをそつくり閉鎖
する大きさに形成してあつて、前壁３０ａの前面
側から開口ｂを塞ぐように当接し、セツトボルト
４０…により前壁３０ａに取付けてあるが、その
セツトボルト４０…で該調節蓋板４を前壁３０ａ
に取付けるために前壁３０ａに設けるボルト穴４
１…は、第４図に示している如く、開口ｂの上方
にまでシリーズに設けてあつて、セツトボルト４
０…を挿通するボルト穴４１…を選択すること
で、該調節蓋板４の取付け高さ位置を選択調節で
き、それにより、調節蓋板４の下縁の位置により
設定される開口ｂの開度（前壁３０ａの下端縁の
仮想延長線から調節蓋板４の下縁に至る距離）が
自在に調節し得るようになつている。

なお、図示する実施例装置において、５，５は
案内ケース３の後面側の両側位置に上下に調節自
在に設けた定規輪、３１ａは案内ケース３のシユ
ート３１の吐出口に設けた誘導樋である。

このように構成される実施例装置は、耕耘ロー
タ２により破砕された該ロータ２によりはね上げ
られるタバコ残幹等の破砕片を耕耘ロータ２の後
方に誘導して放てきするための案内ケース３の前
壁３０ａの下端部の左右方向における中央部位
に、タバコ栽培のために圃場に形成される畝Ｕの
畝巾に略対応する開口巾の開口ｂが、上下に変位
調節自在の調節蓋板４により開度の調節自在に装
設してあるのだから、例えば果樹園において果樹
から剪定して落した剪定枝を処理する場合のよう
に、平らな圃場面に被処理物が散乱している場合
には、調節蓋板４を下方に動かして、それの下端
縁が前壁３０ａの下端縁と揃う状態として作業を
行なうことにより、耕耘ロータ２で破砕されては
ね上げられる剪定枝の破砕片及び耕土を、案内ケ
ース３の周辺に散乱させずに耕耘ロータ２の後方
に耕土とともに放てき出来るようになり、また、
畝に栽培されているタバコの残幹を処理する場合
には、調節蓋板４を上方に動かして、案内ケース
３の前壁３０ａの中央部に、畝Ｕに対応する開口
巾の開口ｂが、その開口ｂの上縁となる調節蓋板
４の下端縁が畝Ｕの上面に対応する開度で存在す
る状態として作業を行なうことにより、案内ケー
ス３を畝Ｕに干渉させることなく、案内ケース３
の前壁下縁を圃場面に近接させ得ることになつ
て、耕耘ロータ２によりはね上げられるタバコ残
幹の破砕片が、案内ケース３の前壁３０ａ下端縁
の下方に形成されている受入口ａから機外に散乱
さすことなく、案内ケース３により機体後方に放
てきしていけるようになる。

以上説明したように、本考案によるタバコ残幹
等の処理装置は走行輪により走行する機体に、回
転軸に耕耘爪を多数取付けてなる耕耘ロータを、
それの耕耘爪の回転方向が前記機体の前進走行時
における走行輪の回転方向と逆になるように設定
して装架して、その耕耘ロータの周囲に、該耕耘
ロータが掻上げる耕土を該ロータの上方を越して
後方に放出せしめるよう案内する案内ケースを設
け、その案内ケースの前壁下部には、それの左右
の中間部位に、タバコの栽培畝の畝巾に略対応す
る開口巾の切欠状の開口を形設するとともに該開
口に上下に変位調節自在の調節蓋板を装設して該
開口の開度を調節自在とした構成としてあるのだ
から、案内ケースの前壁下部に設けた調節蓋板を
上下に動かすことで、平らな圃場における被処理
物の処理作業と、畝のある圃場における被処理物
の処理作業との、２様の作業が、破砕片及び耕土
を四周に散乱させることなく適確に行なえるよう
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施せるタバコ残幹等の処理
装置の全体の概要側面図、第２図は同上装置の要
部の横断平面図、第３図は同上装置の要部の縦断
側面図、第４図は案内ケースの斜視図である。 図面符号の説明、１……機体、１０……走行
輪、１１……トツプリンク、１２……ロアリン
ク、１３……リフトアーム、１４……原動機、２
……耕耘ロータ、２０……機枠、２１……回転
軸、２２……耕耘爪、２３……入力軸、２４……
伝導軸、３……案内ケース、３０……ケース主
体、３０ａ……前壁、３０ｂ……後壁、３０ｃ…
…機壁、３１……シユート、３１ａ……誘導樋、
ａ……受入口、ｂ……開口、３２……入口カバ、
４……調節蓋板、４０……セツトボルト、４１…
…ボルト穴、５……定規輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行輪により走行する機体に、回転軸に耕耘爪
   を多数取付けてなる耕耘ロータを、それの耕耘爪
   の回転方向が前記機体の前進走行時における走行
   輪の回転方向と逆になるように設定して装架し
   て、その耕耘ロータの周囲に、該耕耘ロータが掻
   上げる耕土を該ロータの上方を越して後方に放出
   せしめるよう案内する案内ケースを設け、その案
   内ケースの前壁下部には、それの左右の中間部位
   に、タバコの栽培畝の畝巾に略対応する開口巾の
   切欠状の開口を形設するとともに該開口に上下に
   変位調節自在の調節蓋板を装設して該開口の開度
   を調節自在としたことを特徴とするタバコ残幹等
   の処理装置。