JPS6121924Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、走行輪により走行する機体に、耕耘
ロータを、機体の走行時における走行輪の回転方
向と逆向きに回転するように装架するとともに、
その耕耘ロータの周囲に、該ロータが掻上げる耕
土を該ロータの上方を越して後方に放てきするよ
う案内する案内ケースを設けて、圃場に残つてい
るタバコ残幹または、果樹園などで剪定した枝類
を、耕耘ロータで破砕しながら耕土と共に放てき
して、土中に埋没さすようにしたタバコ残幹等の
処理装置についての改良に関するものである。

本考案における目的は、上述のタバコ残幹等の
処理装置において、それの破砕作用を向上せしめ
ながら、畝のない平地において剪定枝を処理する
作業と、畝のある圃場でタバコ残幹を処理する作
業との二様の作業が適確に行なえるようにするこ
とにある。

そして、この目的と達成するための本考案によ
るるタバコ残幹等の処理装置は、走行輪により走
行する機体に、回転軸に耕耘爪を多数取付けてな
る耕耘ロータを、それの耕耘爪の回転方向が前記
機体の前進走行時における走行輪の回転方向と逆
くになるように設定して装架して、その耕耘ロー
タの周囲に、該耕耘ロータが掻上げる耕土を該ロ
ータの上方を越して後方に放出せしめるように案
内する案内ケースを設け、その案内ケースの前壁
下部には、それの左右の中間部位に、タバコの裁
培畝の畝巾に略対応する開口巾の切欠状の開口を
形設し、その開口に、上下に変位調節自在に調節
蓋板を装設し、その調節蓋板の内面下縁部及び前
記開口の左右の両側における前述前壁の下縁部
に、前記耕耘ロータではね上げられるタバコ残幹
等の破砕片に作用さす受刃を夫々装設したことを
特長とするものである。

次に実施の一例を図面に従い具体的に説明する
と、第１図において１は走行輪１０により走行す
る機体で、この例では公知の四輪の農用トラクタ
が用いられている。２は前記機体たる農用トラク
タ１の後部に装架した耕耘ロータで、機枠２０に
横架軸支せる回転軸２１に多数のなた刃状の耕耘
爪２２（または耕耘刃）を植設してなる通常のも
のであり、前記トラクタ１が機体後部に具備して
なるトツプリンク１１及びロアリンク１２ならび
にリフトアーム１３により昇降自在に装架してあ
る。そして、前記回転軸２１を回転さすための伝
動機構の入力軸２３は自在接手を具備する伝動軸
２４を介して前記トラクタ１が具備するPTO軸
に伝導せしめてあつて、トラクタ１の原動機１４
からそのトラクタ１のPTOを経て伝導される回
転動力により駆動され、前記回転軸２１が駆動回
転するようになつている。

しかして、該耕耘ロータ２は、前記回転軸２１
が駆動されたときの耕耘爪２２の回転方向Ｗが、
トラクタ１の走行輪１０の前進時（作業時）にお
ける回転方向Ｙと逆くになるように設定してあ
り、これにより、トラクタ１の走行ににより、第
３図で矢印Ｚに示す方向に進行していくときに、
前記矢印Ｗ方向に回転する耕耘爪２２が、耕起し
た土を前方上方に跳上げていくようにしてある。

３は、前記耕耘爪２２が跳上げる耕土を、該ロ
ータ２の上方を越して後方に放出さすよう案内誘
導する案内ケースで、該ロータの周囲を下面を残
してそつくり囲う箱状のケース主体３０の上面に
後方上方に向けて弧状に彎曲するシユート３１が
一体に連続する如き形状に形設してあり、それの
ケース主体３０の前壁３０ａは前記シユート３１
に連続する案内壁となるよう弧状に形成してあ
り、かつ、その前壁３０ａの下端縁が第３図に示
している如く、後壁３０ｂの下端縁よりも高く位
置するように形成してあつて、その前壁３０ａの
下端縁の下方に、圃場表面に散在しているタバコ
残幹や剪定枝などを案内ケース３内に受入れる受
入口ａを形成するようになつている。そして、そ
の受入口ａには、ケース主体３０の左右の機壁３
０ｃ，３０ｃの前方延長壁及び前記前壁３０ａの
下端縁から前方に突出する棚板とでゲート状に形
成された入口カバー３２が装設してある。

ｂは、前記案内ケース３の前壁である前述ケー
ス主体３０の前壁３０ａの下端部に形設せる開口
で、第２図乃至第４図に示している如く、前壁３
０ａの左右の中間部位に切欠状に形成してあり、
それの開口巾（左右の巾）は、第４図において鎖
線に示している如くタバコ栽培のために圃場に通
常形成される畝Ｕの畝巾により幾分巾広になるよ
う形成してある。

４は前記開口ｂに設けた調節蓋板で、前記開口
ｂをそつくり閉鎖する大きさに形成してあつて、
前壁３０ｂの前面側から開口ｂを塞ぐように当接
し、セツトボルト４０…により前壁３０ａに取付
けてあるが、そのセツトボルト４０…で該調節蓋
板４を前壁３０ａに取付けるために前壁３０ａに
設けるボルト穴４１…は、第４図に示している如
く、開口ｂの上方までシリーズに設けてあつて、
セツトボルト４０…を挿通するボルト穴４１…を
選択することで、該調節蓋板４の取付け高さ位置
を選択調節でき、それにより、調節蓋板４の下縁
により設定される開口ｂの開度（前壁３０ａの下
端縁の延長仮想線から調節蓋板４の下縁までの高
さ）が、所望に調節できるようにしてある。

５は、耕耘ロータ２によりタバコ残幹等を破砕
していくときの破砕効果を向上させるために、案
内ケース３の内腔に設けた受刃で、稜部を刃部
５′とする角柱状に形成してあつて、耕耘ロータ
２で破砕されて耕耘ロータ２によりはね上げられ
るタバコ残幹・剪定枝などの破砕片が、案内ケー
ス３の内面に衝突していく位置となる前記前壁３
０ａの下端部の内面側で、前記開口ｂの左右の両
側に位置せしめて装設してあり、また、開口ｂに
対応する部位においては、前述した調節蓋板４の
下端縁の内側位置に装設してある。

なお、図示する実施例装置において、５０′は
前記受刃５…を前壁３０ａの下端部及び調節蓋板
４の下端部に取付けるためのセツトボルトであ
る。

次に作用効果について説明すると、本考案によ
るタバコ残幹等の処理装置は、耕耘ロータ２によ
り破砕されて該ロータ２よりはね上げられるタバ
コ残幹等の破砕片を耕耘ロータ２の後方に誘導し
て放てきするための案内ケース３の前壁３０ａ
が、それの下端部に左右方向における中央部位
に、タバコ栽培のために圃場に形成された畝Ｕの
畝巾に略対応する開口巾の開口ｂが、調節自在の
調節蓋板４により開度の調節自在に装設してある
のだから、例えば、果樹園において果樹から剪定
して落した剪定枝を処理する場合のように、平ら
な圃場面に被処理物が散乱している場合には、調
節蓋板４を下方に動かして、それの下端縁が前壁
３０ａの下端縁と揃う状態として作業を行なうこ
とにより、耕耘ロータ２で破砕されてはね上げら
れる剪定枝の破砕片及び耕土を、案内ケース３の
周辺に散乱させずに耕耘ロータ２の後方に耕土と
ともに放てき出来るようになり、また、タバコ残
幹を処理する場合には、調節蓋板４を上方に動か
して、案内ケース３の前壁３０ａの中央部に、畝
Ｕに対応する開口ｂが存在する状態として作業を
行なうことにより、案内ケース３を畝Ｕに干渉さ
せることなく、案内ケース３の前壁下縁を圃場面
に近接させ得ることになつて、耕耘ロータ２によ
りはね上げられるタバコ残幹の破砕片が、案内ケ
ース３の前壁３０ａ下縁の受入口ａから機外に散
乱していくのを防止できる。

そして、案内ケース３の内腔の前記前壁３０ａ
の下端部内面と調節蓋板４の下端部内面とに、耕
耘ロータ２ではね上げられる破砕片を衝突せしめ
て破砕する受刃５…を装設しているのだから、破
砕効果が良くなり、しかも、受刃５…の中で最も
磨耗の甚しい中央に位置する受刃５が調節蓋板４
に設けられていることから、その受刃５の交換・
研磨が調節蓋板４の装脱により簡単に行なえるよ
うになる利益が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施せるタバコ残等の処理装
置の全体概要側面図、第２図は同上要部の横断平
面図、第３図は同上の要部の縦断側面図、第４図
は案内ケースの前方側から見た斜視図である。 図面の符号の説明、１…機体、１０…走行輪、
２…耕耘ロータ、３…案内ケース、３０…ケース
主体、３１…シユート、ａ…受入口、３２…入口
カバー、３０ａ…前壁、ｂ…開口、４…調節蓋
板、４０…セツトボルト、４１…ボルト穴、５…
受刃、５０…セツトボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行輪により走行する機体に、回転軸に耕耘爪
   を多数取付けてなる耕耘ロータを、それの耕耘爪
   の回転方向が前記機体の前進走行時における走行
   輪の回転方向と逆くになるように設定して装架し
   て、その耕耘ロータの周囲に、該耕耘ロータが掻
   上げる耕土を該ロータの上方を越して後方に放出
   せしめるよう案内する案内ケースを設け、その案
   内ケースの前壁下部には、それの左右の中間部位
   に、タバコの栽培畝の畝巾に略対応する開口巾の
   切欠状の開口を形設し、その開口に、上下に変位
   調節自在に調節蓋板を装設し、その調節蓋板の内
   面下縁部及び前記開口の左右の両側における前述
   前壁の下縁部に、耕耘ロータではね上げらねるタ
   バコ残幹等の破砕片に作用さす受刃を夫々装設し
   たことを特長とするタバコ残幹等の処理装置。