JPS6136684B2 - - Google Patents
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- JPS6136684B2 JPS6136684B2 JP53146337A JP14633778A JPS6136684B2 JP S6136684 B2 JPS6136684 B2 JP S6136684B2 JP 53146337 A JP53146337 A JP 53146337A JP 14633778 A JP14633778 A JP 14633778A JP S6136684 B2 JPS6136684 B2 JP S6136684B2
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Landscapes
- Compounds Of Iron (AREA)
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- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Description
今日、ビデオテープレコーダ(VTR)システ
ムに於ては、記録密度向上の為に記録波長をより
短波長にする方向にある。このため、VTR用磁
気記録媒体に塗布される磁性粉としては、より高
い抗磁力を有するものが求められている。現在、
高抗磁力の磁性粉、特に抗磁力Hcが1000Oe以上
の磁性粉としては、次のようなものが知られてい
る。(1)酸化鉄性粉にコバルトCoを多量に含有さ
せ、Coの結晶磁気異方性により抗磁力を上昇さ
せた磁性粉。(2)金属磁性粉。 しかし、(1)の磁性粉は磁気的安定性に問題があ
り、磁気記録媒体に塗布した場合、減磁、転写等
の特性が悪い。(2)の磁性粉は製造が難しくコスト
高となる。 一方、最近、酸化物磁性粉においては、コバル
トCoを非磁性のCo化合物の形で磁性粉表面に被
着させ、高抗磁力の磁性粉を得る方法が注目され
てきている。この磁性粉は、従来のCoを含有さ
せた磁性粉が持つている磁気的不安定性などの欠
点が改善されている。しかし、この型の磁性粉は
抗磁力上昇の源が磁性粉表面にあり、抗磁力の上
昇量(これをΔHcとする)に限界が認められ
る。本発明者が生成条件を選んで種々の実験を行
つた結果では、酸化物磁性粉にCoを被着させる
ことにより得られる磁性粉の抗磁力は約1000Ce
が上限であつた。 これに対して上述した理由により、VTR用磁
気記録媒体に用いる磁性粉としては、抗磁力
1000Oe以上のものが求められてきている。 本発明は、上述の点に鑑み、更に詳しく検討し
た結果、予めコバルトCo含有により抗磁力をあ
る程度上昇させた所謂Co含有磁性粉の表面に、
さらにコバルトCoを被着させると、生成する磁
性粉の抗磁力に、Co含有によりすでに上昇して
いる抗磁力を加算することができ、抗磁力
1000Oe以上の磁性粉が得られるを見出した。し
かも、Co被着による抗磁力の上昇量は、あらか
じめCoを含有した磁性粉を用いる方が大きくす
ることができること、Co被着による抗磁力の上
昇量をある程度大くすれば、Coが含有している
ことによる減磁特性などの悪化を解消することが
でき且つ磁気記録媒体に塗布した場合、Co含有
磁性粉を磁気記録媒体に塗布した場合よりも短波
長記録における出力が向上すること、等が明らか
となつた。 そこで、本発明は、アルカリ溶液中でコバルト
含有酸化鉄粒子とコバルト塩とを混合し、加熱し
て、該粒子表面にコバルト水酸化物、コバルト酸
化物あるいはその中間の化合物よりなるコバルト
化合物を被着する。その後、脱水乾燥して磁性粉
を得る。この場合、磁性粉を製造するに際しての
溶液のアルカリ濃度は3mo/以上、好ましく
は3mo/〜12mo/の範囲に入るように
する。アルカリ濃度条件をこのようにすると、磁
気記録媒体の角型比(Br/Bm)が向上する。コ
バルト塩は塩化コバルト、臭化コバルト、硫化コ
バルト、硝酸コバルト、酢酸コバルト等を用い得
る。又、磁性粉はコバルト含有による抗磁力上昇
量(ΔHcd)と、コバルト被着による抗磁力上昇
量(ΔHca)との関係がΔHcaΔHcdの関係を
満足するように生成するのがよい。このような関
係にあるときは、磁気記録媒体において短波長記
録における出力が向上し、且つ減磁特性の悪化が
解消される。 斯くして本発明によれば、1000Oe以上の抗磁
力を有し、磁気記録媒体とした場合その短波長記
録の出力を向上し且つ減磁特性を改善した磁性粉
が得られるものである。 以下本発明を実施例により説明する。 実施例 (1) 特公昭48−10994号に開示された方法により針
状γ−Fe2O3粒子(抗磁力Hc=3800e、長軸0.5
μ、軸比8)に水酸化コバルトを吸着せしめ、空
気中で400℃、2時間の熱処理を施してCoを3at
%(Co/Fe比)含有させたCo含有磁性粉を得
る。この磁性粉の磁気特性は抗磁力He=5980e、
飽和磁化σs=74.5emu/g、残留磁化σr/飽和
磁化σs=0.52であつた。この磁性粉をシードパ
ウダーと称する。このシードパウダーは約220Oe
のCo含有による抗磁力上昇量(これをΔHcdと
する)を含むことになる。 次に容量50のステンレス製容器に水10を入
れ、これに上記シードパウダー5Kgを投入し、ア
ジターで分散させた、この懸濁液にNaOH(市販
鹿一級)6.3Kgを水15に溶かした溶液と、CoC
2・6H2O(市販一級)1445gを水5に溶か
した溶液を加え、アジターで撹拌しながら沸点に
て72時間加熱し、Coをシードパウダー表面に被
着させた。加熱後、懸濁液のPHを水洗により中性
にし、磁性粉を脱水、乾燥によりとり出した。得
られた磁性粉の磁気特性は抗磁力Hc=1200Oe、
飽和磁化σs=72.8emu/g、残留磁化σr/飽和
磁化σs=0.53であつた。すなわち、この磁性粉
はCoの被着によりさらに約600Oeの抗磁力の上昇
(これをΔHcaとする)が得られたことになる。 この磁性粉を用いて通常の方法によりVTR用
磁気テープを作成した。作成した磁気テープの磁
気特性は、抗磁力Hc=1260Oe、最大磁束密度
Bm=1830G、残留磁束密度Br=1540G、角形比
Br/Bm=0.84であつた。この磁気テープを用い
て、1.0μ波長の記録を行つたところ下記の表
〔1〕のような特性が得られた。 表〔1〕において、比較例(1)の磁性粉は、実施
例(1)で用いたγ−Fe2O3粒子を、Coを含有させな
いでシードパウダーとして用い、実施例(1)と同様
の方法でCoを被着させたものである。すなわ
ち、ΔHcd=0の磁性粉である。 実施例(2)及び比較例(2)の磁性粉は夫々実施例(1)
と同様の方法で、ただしシードパウダー生成時の
Co含有量を増加させ、Co含有による抗磁力の上
昇を大きくし、Co被着時のCo添加量を減少さ
せ、Co被着による抗磁力の上昇を小さくして生
成したものである。 比較例(3)の磁性分は、Coを含有させるだけで
抗磁力の上昇を得た磁性粉である。すなわち、Δ
Hca=0の磁性粉である。
ムに於ては、記録密度向上の為に記録波長をより
短波長にする方向にある。このため、VTR用磁
気記録媒体に塗布される磁性粉としては、より高
い抗磁力を有するものが求められている。現在、
高抗磁力の磁性粉、特に抗磁力Hcが1000Oe以上
の磁性粉としては、次のようなものが知られてい
る。(1)酸化鉄性粉にコバルトCoを多量に含有さ
せ、Coの結晶磁気異方性により抗磁力を上昇さ
せた磁性粉。(2)金属磁性粉。 しかし、(1)の磁性粉は磁気的安定性に問題があ
り、磁気記録媒体に塗布した場合、減磁、転写等
の特性が悪い。(2)の磁性粉は製造が難しくコスト
高となる。 一方、最近、酸化物磁性粉においては、コバル
トCoを非磁性のCo化合物の形で磁性粉表面に被
着させ、高抗磁力の磁性粉を得る方法が注目され
てきている。この磁性粉は、従来のCoを含有さ
せた磁性粉が持つている磁気的不安定性などの欠
点が改善されている。しかし、この型の磁性粉は
抗磁力上昇の源が磁性粉表面にあり、抗磁力の上
昇量(これをΔHcとする)に限界が認められ
る。本発明者が生成条件を選んで種々の実験を行
つた結果では、酸化物磁性粉にCoを被着させる
ことにより得られる磁性粉の抗磁力は約1000Ce
が上限であつた。 これに対して上述した理由により、VTR用磁
気記録媒体に用いる磁性粉としては、抗磁力
1000Oe以上のものが求められてきている。 本発明は、上述の点に鑑み、更に詳しく検討し
た結果、予めコバルトCo含有により抗磁力をあ
る程度上昇させた所謂Co含有磁性粉の表面に、
さらにコバルトCoを被着させると、生成する磁
性粉の抗磁力に、Co含有によりすでに上昇して
いる抗磁力を加算することができ、抗磁力
1000Oe以上の磁性粉が得られるを見出した。し
かも、Co被着による抗磁力の上昇量は、あらか
じめCoを含有した磁性粉を用いる方が大きくす
ることができること、Co被着による抗磁力の上
昇量をある程度大くすれば、Coが含有している
ことによる減磁特性などの悪化を解消することが
でき且つ磁気記録媒体に塗布した場合、Co含有
磁性粉を磁気記録媒体に塗布した場合よりも短波
長記録における出力が向上すること、等が明らか
となつた。 そこで、本発明は、アルカリ溶液中でコバルト
含有酸化鉄粒子とコバルト塩とを混合し、加熱し
て、該粒子表面にコバルト水酸化物、コバルト酸
化物あるいはその中間の化合物よりなるコバルト
化合物を被着する。その後、脱水乾燥して磁性粉
を得る。この場合、磁性粉を製造するに際しての
溶液のアルカリ濃度は3mo/以上、好ましく
は3mo/〜12mo/の範囲に入るように
する。アルカリ濃度条件をこのようにすると、磁
気記録媒体の角型比(Br/Bm)が向上する。コ
バルト塩は塩化コバルト、臭化コバルト、硫化コ
バルト、硝酸コバルト、酢酸コバルト等を用い得
る。又、磁性粉はコバルト含有による抗磁力上昇
量(ΔHcd)と、コバルト被着による抗磁力上昇
量(ΔHca)との関係がΔHcaΔHcdの関係を
満足するように生成するのがよい。このような関
係にあるときは、磁気記録媒体において短波長記
録における出力が向上し、且つ減磁特性の悪化が
解消される。 斯くして本発明によれば、1000Oe以上の抗磁
力を有し、磁気記録媒体とした場合その短波長記
録の出力を向上し且つ減磁特性を改善した磁性粉
が得られるものである。 以下本発明を実施例により説明する。 実施例 (1) 特公昭48−10994号に開示された方法により針
状γ−Fe2O3粒子(抗磁力Hc=3800e、長軸0.5
μ、軸比8)に水酸化コバルトを吸着せしめ、空
気中で400℃、2時間の熱処理を施してCoを3at
%(Co/Fe比)含有させたCo含有磁性粉を得
る。この磁性粉の磁気特性は抗磁力He=5980e、
飽和磁化σs=74.5emu/g、残留磁化σr/飽和
磁化σs=0.52であつた。この磁性粉をシードパ
ウダーと称する。このシードパウダーは約220Oe
のCo含有による抗磁力上昇量(これをΔHcdと
する)を含むことになる。 次に容量50のステンレス製容器に水10を入
れ、これに上記シードパウダー5Kgを投入し、ア
ジターで分散させた、この懸濁液にNaOH(市販
鹿一級)6.3Kgを水15に溶かした溶液と、CoC
2・6H2O(市販一級)1445gを水5に溶か
した溶液を加え、アジターで撹拌しながら沸点に
て72時間加熱し、Coをシードパウダー表面に被
着させた。加熱後、懸濁液のPHを水洗により中性
にし、磁性粉を脱水、乾燥によりとり出した。得
られた磁性粉の磁気特性は抗磁力Hc=1200Oe、
飽和磁化σs=72.8emu/g、残留磁化σr/飽和
磁化σs=0.53であつた。すなわち、この磁性粉
はCoの被着によりさらに約600Oeの抗磁力の上昇
(これをΔHcaとする)が得られたことになる。 この磁性粉を用いて通常の方法によりVTR用
磁気テープを作成した。作成した磁気テープの磁
気特性は、抗磁力Hc=1260Oe、最大磁束密度
Bm=1830G、残留磁束密度Br=1540G、角形比
Br/Bm=0.84であつた。この磁気テープを用い
て、1.0μ波長の記録を行つたところ下記の表
〔1〕のような特性が得られた。 表〔1〕において、比較例(1)の磁性粉は、実施
例(1)で用いたγ−Fe2O3粒子を、Coを含有させな
いでシードパウダーとして用い、実施例(1)と同様
の方法でCoを被着させたものである。すなわ
ち、ΔHcd=0の磁性粉である。 実施例(2)及び比較例(2)の磁性粉は夫々実施例(1)
と同様の方法で、ただしシードパウダー生成時の
Co含有量を増加させ、Co含有による抗磁力の上
昇を大きくし、Co被着時のCo添加量を減少さ
せ、Co被着による抗磁力の上昇を小さくして生
成したものである。 比較例(3)の磁性分は、Coを含有させるだけで
抗磁力の上昇を得た磁性粉である。すなわち、Δ
Hca=0の磁性粉である。
【表】
実施例(1)と比較例(1)よりシードパウダーとして
Co含有磁性粉を用い、抗磁力をより大きくした
Co被着磁性粉の方が磁気テープに塗布した時の
短波長記録の出力が大きくとれることが認められ
る。さらに実施例(1),(2)と比較例(2),(3)より本法
で高抗磁力の磁性粉を得る場合、同じような抗磁
力の磁性粉でも、その抗磁力上昇の源に注目して
みると、Co被着による抗磁力の上昇量の割合が
大きいほど磁気テープに塗布した時の短波長出力
が向上することが認められる。Co含有による抗
磁力上昇量(ΔHcd)とCo被着による抗磁力上
昇量(ΔHca)の関係に注目すると、本法による
効果を得るには少なくともΔHcaΔHcdの関係
が満されることが磁性粉として必要であることが
判明した。 表〔1〕には、さらに、これらの磁気テープの
減磁特性を測定した結果を示した。これは、信号
を記録した磁気テープを100回再生した後の1回
目の再生出力に対する出力の低下を測定したもの
である。減磁特性の面からも、本法による磁性粉
ではその抗磁力についてΔHcaΔHcdの関係が
満されることが望ましい。本法の効果は、その生
成される磁性粉についてΔHcaΔHcdの関係が
満たされるならば、さらに高い抗磁力の磁性粉に
おいても認められる。 実施例 (3) 比較例(2)で用いたシードパウダーを用意した。
このシードパウダーの磁気特性はHc=990Oe、
飽和磁化σs=72.3emu/g、残留磁化σr/飽和
磁化σs=0.70であつた。そして、容量50のス
テンレス容器に水25を入れ、これにNaOH12.3
Kgを溶し、このNaOH溶液に上記シードパウダー
5Kgを投入し、アジターでよく分散させた。次
に、CoC2・6H2O1385gを水5に溶かした
溶液を上記懸濁液に加え、沸点にて72時間加熱
し、Coをシードパウダー表面に被着させた。加
熱後、懸濁液のPHを水洗により中性にし、脱水、
乾燥により磁性粉をとり出した。得られた磁性粉
の磁気特性は抗磁力Hc=1840Oe、飽和磁化σs=
70.0emu/g、残留磁化σr/飽和磁化σs=0.54
であつた。なお、この磁性粉の抗磁力については
ΔHcd=610Oe、ΔHca=850OeでΔHcd<Hcaの
関係が満されていた。 この磁性粉を用いて実施例(1)と同様にして磁気
テープを作成したところ、その磁気特性は抗磁力
Hc=1960Oe、最大磁束密度Bm=1820G、残留磁
束密度Br=1490G、角形比Br/Bm=0.82であつ
た。 この磁気テープを用いて、1.0μ波長の記録を
行つたところ下記表〔2〕のような特性が得られ
た。
Co含有磁性粉を用い、抗磁力をより大きくした
Co被着磁性粉の方が磁気テープに塗布した時の
短波長記録の出力が大きくとれることが認められ
る。さらに実施例(1),(2)と比較例(2),(3)より本法
で高抗磁力の磁性粉を得る場合、同じような抗磁
力の磁性粉でも、その抗磁力上昇の源に注目して
みると、Co被着による抗磁力の上昇量の割合が
大きいほど磁気テープに塗布した時の短波長出力
が向上することが認められる。Co含有による抗
磁力上昇量(ΔHcd)とCo被着による抗磁力上
昇量(ΔHca)の関係に注目すると、本法による
効果を得るには少なくともΔHcaΔHcdの関係
が満されることが磁性粉として必要であることが
判明した。 表〔1〕には、さらに、これらの磁気テープの
減磁特性を測定した結果を示した。これは、信号
を記録した磁気テープを100回再生した後の1回
目の再生出力に対する出力の低下を測定したもの
である。減磁特性の面からも、本法による磁性粉
ではその抗磁力についてΔHcaΔHcdの関係が
満されることが望ましい。本法の効果は、その生
成される磁性粉についてΔHcaΔHcdの関係が
満たされるならば、さらに高い抗磁力の磁性粉に
おいても認められる。 実施例 (3) 比較例(2)で用いたシードパウダーを用意した。
このシードパウダーの磁気特性はHc=990Oe、
飽和磁化σs=72.3emu/g、残留磁化σr/飽和
磁化σs=0.70であつた。そして、容量50のス
テンレス容器に水25を入れ、これにNaOH12.3
Kgを溶し、このNaOH溶液に上記シードパウダー
5Kgを投入し、アジターでよく分散させた。次
に、CoC2・6H2O1385gを水5に溶かした
溶液を上記懸濁液に加え、沸点にて72時間加熱
し、Coをシードパウダー表面に被着させた。加
熱後、懸濁液のPHを水洗により中性にし、脱水、
乾燥により磁性粉をとり出した。得られた磁性粉
の磁気特性は抗磁力Hc=1840Oe、飽和磁化σs=
70.0emu/g、残留磁化σr/飽和磁化σs=0.54
であつた。なお、この磁性粉の抗磁力については
ΔHcd=610Oe、ΔHca=850OeでΔHcd<Hcaの
関係が満されていた。 この磁性粉を用いて実施例(1)と同様にして磁気
テープを作成したところ、その磁気特性は抗磁力
Hc=1960Oe、最大磁束密度Bm=1820G、残留磁
束密度Br=1490G、角形比Br/Bm=0.82であつ
た。 この磁気テープを用いて、1.0μ波長の記録を
行つたところ下記表〔2〕のような特性が得られ
た。
【表】
さらに本発明においてシードパウダーとして用
いることができるCo含有磁性粉のCo含有方法及
び磁性粉のFe2t/Fe3t量は限定されない。 実施例 (4) Coを1.5at%(Co/Fe比)含有させたCo含有
α−FeOOHを空気中600℃で2時間熱処理し、
次にH2ガス中350℃で2時間還元熱処理を行つ
た。続いて空気中150℃の加熱で一部弱酸化して
Co含有磁性粉を得る。この磁性粉の特性は、抗
磁力Hc=580Oe、飽和磁化σs=79.0emu/g、
残留磁化σr/飽和磁化σs=0.48、Fe2t/Fe3t=
0.21であつた。この磁性粉をシードパウダーとす
る。 次に、容量50のステンレス製容器に水10を
入れ、之に上記シードパウダー5Kgを投入し、続
いてCoC2・6H2O1120gを水5に溶かした
溶液を加え、アジターでよく分散させた。次に
NaOH6.2Kgを水15に溶かした溶液を上記懸濁
液に加え沸点にて72時間加熱し、Coをシードパ
ウダーに被着させた。加熱後、懸濁液のPHを水洗
により中性にし、脱水、乾燥により磁性粉をとり
出した。得られた磁性粉の磁気特性は抗磁力Hc
=11.80Oe、飽和磁化σs=76.2emu/g、残留磁
化σr/飽和磁化σs=0.52であつた。 この磁性粉を用いて実施例(1)と同様にして磁気
テープを作成したところ、その磁気特性は、抗磁
力Hc=1240Oe、最大磁束密度Bm=1900G、残留
磁束密度Br=1530G、角形比Br/Bm=0.80、又
記録時の出力は1.8dBであり、実施例(1)と同等の
特性が得られた。 又、Coを含有してない同様なα−FeOOHを実
施例(4)と同様処理して得た磁性粉は、抗磁力Hc
=350Oe、ΔHca=2300Oeであつた。 上述せる如く、本発明にて得られる磁性粉によ
れば、1000Oe以上の高抗磁力を有し、磁気記録
媒体における短波長記録の出力が向上し、且つ磁
気的安定性を有するもので、高密度記録テープ等
に適用して好適ならしめるものである。
いることができるCo含有磁性粉のCo含有方法及
び磁性粉のFe2t/Fe3t量は限定されない。 実施例 (4) Coを1.5at%(Co/Fe比)含有させたCo含有
α−FeOOHを空気中600℃で2時間熱処理し、
次にH2ガス中350℃で2時間還元熱処理を行つ
た。続いて空気中150℃の加熱で一部弱酸化して
Co含有磁性粉を得る。この磁性粉の特性は、抗
磁力Hc=580Oe、飽和磁化σs=79.0emu/g、
残留磁化σr/飽和磁化σs=0.48、Fe2t/Fe3t=
0.21であつた。この磁性粉をシードパウダーとす
る。 次に、容量50のステンレス製容器に水10を
入れ、之に上記シードパウダー5Kgを投入し、続
いてCoC2・6H2O1120gを水5に溶かした
溶液を加え、アジターでよく分散させた。次に
NaOH6.2Kgを水15に溶かした溶液を上記懸濁
液に加え沸点にて72時間加熱し、Coをシードパ
ウダーに被着させた。加熱後、懸濁液のPHを水洗
により中性にし、脱水、乾燥により磁性粉をとり
出した。得られた磁性粉の磁気特性は抗磁力Hc
=11.80Oe、飽和磁化σs=76.2emu/g、残留磁
化σr/飽和磁化σs=0.52であつた。 この磁性粉を用いて実施例(1)と同様にして磁気
テープを作成したところ、その磁気特性は、抗磁
力Hc=1240Oe、最大磁束密度Bm=1900G、残留
磁束密度Br=1530G、角形比Br/Bm=0.80、又
記録時の出力は1.8dBであり、実施例(1)と同等の
特性が得られた。 又、Coを含有してない同様なα−FeOOHを実
施例(4)と同様処理して得た磁性粉は、抗磁力Hc
=350Oe、ΔHca=2300Oeであつた。 上述せる如く、本発明にて得られる磁性粉によ
れば、1000Oe以上の高抗磁力を有し、磁気記録
媒体における短波長記録の出力が向上し、且つ磁
気的安定性を有するもので、高密度記録テープ等
に適用して好適ならしめるものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アルカリ溶液中でコバルト含有酸化鉄粒子と
コバルト塩とを混合、加熱し、該コバルト含有酸
化鉄粒子表面上にコバルト水酸化物、コバルト酸
化物あるいはその中間の化合物よりなるコバルト
化合物を被着させて成ることを特徴とする磁性粉
の製造方法。 2 アルカリ溶液中でコバルト含有酸化鉄粒子と
コバルト塩とを混合、加熱し、該コバルト含有酸
化鉄粒子表面上にコバルト水酸化物、コバルト酸
化物あるいはその中間の化合物よりなるコバルト
化合物を被着させ、且つその際ΔHcaΔHcd
(但し、ΔHcaはコバルト被着による抗磁力上昇
量、ΔHcdはコバルト含有による抗磁力上昇量)
の関係を満たすようにして成ることを特徴とする
磁性粉の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14633778A JPS5572009A (en) | 1978-11-27 | 1978-11-27 | Preparation of magnetic powder |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14633778A JPS5572009A (en) | 1978-11-27 | 1978-11-27 | Preparation of magnetic powder |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5572009A JPS5572009A (en) | 1980-05-30 |
JPS6136684B2 true JPS6136684B2 (ja) | 1986-08-20 |
Family
ID=15405401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14633778A Granted JPS5572009A (en) | 1978-11-27 | 1978-11-27 | Preparation of magnetic powder |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5572009A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57198536A (en) * | 1981-05-28 | 1982-12-06 | Sony Corp | Magnetic recording medium |
DE4319572A1 (de) * | 1993-06-14 | 1994-12-15 | Toda Kogyo Corp | Co-haltige Eisenoxidpigmente, Verfahren zu ihrer Herstellung und diese enthaltende magnetische Medien |
JP4329208B2 (ja) * | 2000-03-02 | 2009-09-09 | ソニー株式会社 | 記録媒体の製造方法、記録媒体製造用原盤の製造方法、記録媒体の製造装置、および記録媒体製造用原盤の製造装置 |
-
1978
- 1978-11-27 JP JP14633778A patent/JPS5572009A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5572009A (en) | 1980-05-30 |
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