JPS6135880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本案は、一台の湯沸器で循環暖房用或いは循環
浴槽用等の循環用湯と、給水出湯用湯を夫々単独
又は同時に得られる様にした一缶二系路式湯沸器
の循環、出湯回路構造に関する。

（従来の技術及びその問題点） 従来、この種一缶二系路式湯沸器の回路構造と
しては、例えば実開昭48−107144号公報に示す様
なものが知られている。

即ち、循環側受熱管と出湯側受熱管を二重管形
式に或いは隣接して接触させて配設し、夫々の系
路の加熱利用ができるようにすると共に、一方側
系路のみの使用時に他方側系路受熱管の空炊き過
熱を防止すると共に該受熱管の受熱分も使用側受
熱管内水の加熱に可及的利用ができるようにして
いる。

ところで、この様な構造の湯沸器において、二
系路の同時使用というのは湯沸器の使用時間全体
的にみれば短時間である場合がほとんどであり、
特に一方側が暖房用の場合はその系路（受熱管）
のみが循環加熱の為に長時間使用されるというこ
とになつて他方側受熱管の長時間過熱をまねき、
これがこの種熱交換器の耐久性に少なからず悪影
響を与えていた。又、夫々の系路受熱管が互いに
熱的に接触していても、該両受熱管のの同時使用
と片方使用の場合とでは総合的な熱効率において
前者に比べて後者の効率低下は免れず、前述の片
方側長時間使用とあいまつて経済的面からも非常
に不具合なものであつた。

（問題点を解決するための手段） 以上の如き従来の一缶二系路式湯沸器の問題点
に鑑みて本案が提供されたもので、夫々の系路の
従来の如き独立した使用はもとより、一方側系路
のみを使用する場合において、他方側系路の受熱
管も併用して送水加熱ができるように、湯沸器の
受熱管に至る水回路に切換えバルブによる切換え
回路を設けて、一方側のみの使用時の熱効率を一
層向上させると共に該一方側使用時の他方側受熱
管への過熱を可及的防止することにより耐久性に
も好結果をもたらすようにしようとするものであ
る。

（実施例） 以下本案実施例につき詳細に説明する。

図において、１は第一系路の受熱管、２は第二
系路の受熱管であり、これらは一方が受熱した場
合他方へも伝熱できるように接触して配置されて
いる。そうして第一系路受熱管１は負荷３に入管
１ａ、出管１ｂを介して連結され、第二系路受熱
管２は負荷４に入管２ａ、入管２ｂを介して連結
されている。この負荷３，４は、例えば負荷３を
循環暖房用の放熱器或いは循環浴槽とした場合、
負荷４は給水出湯装置とするものである。５及び
６は送水ポンプであるが、給水出湯装置側は水道
圧を利用できるから不要でもよいことは勿論であ
る。７は、第一系路の入管１ａと第二系路の入管
２ａを連絡するように設けた連絡管であり、途中
に開閉バルブA₁を介設している。又、８は第一
系路の出管１ｂと第二系路の出管２ｂは連絡する
ように設けた連絡管であり、途中に開閉バルブ
A₂を介設している。この両バルブA₁，A₂は同機
能で同時作動せしめるものであり、一方が開のと
きは他方も開とする。B₁，B₂は一方の系路、図
では第一系路の入管１ａ、出管１ｂの循環路内で
あつて前記連絡管７，８の接続部と負荷３の間に
介設した開閉バルブであり、該バルブも一方が開
のときは他方も開とするように同機能で同時作動
せしめるものである。

このような構成に於て、まず通常の一缶二系路
として使用する場合は、開閉バルブA₁，A₂を閉
成して開閉バルブB₁，B₂を開成する。そうして
夫々循環送水すれば、従来の一缶二系路式湯沸器
と同様に夫々の系路内水は混流することなく夫々
の負荷３，４で使用される。又、この時一方の負
荷３（或は４）の使用を中止して他方の負荷４
（或は３）だけを使用するようにしても、夫々の
系路の受熱管１，２は互いに電熱的に接触してい
るので不使用側受熱管を直ちに過熱損傷するとい
うことはない。しかしながら本案では第一系路と
第二系路は連絡管７，８で連絡しているので、前
記の如く一方負荷のみの使用の時は熱効率的、経
済的に有利な使用ができるのである。即ち、図で
第二系路の負荷４のみを使用するとした場合、開
閉バルブA₁，A₂を開成して開閉バルブB₁，B₂を
開成する。かくして送水加熱操作すると、水は入
管２ａの連絡管７の接続部で分流して一方は第二
系路受熱管２を通つて出管２ｂから負荷４へ、他
方は連絡管７から第一系路の入管１ａへ流れ、該
入管から第一系路受熱管１、出管１ｂを通つて連
絡管８から第二系路出管２ｂに至り、該系路受熱
管２からの温水と合流して負荷４に供給されてい
く。

尚、バルブA₁，A₂，B₁，B₂は前述のように流
路を切換えるだけのものであるから、これらは連
絡管と系路管の接続部い三方弁を介設することで
代替することもできる。

（効 果） 以上の通り本考案は、第一系路の受熱管と第二
系路の受熱管を接触せしてるなる一缶二系路式湯
沸器において、第一系路の入管と第二系路の入
管、及び第一系路の出管と第二系路の出管を夫々
連絡管で連絡接続し、一方の系路のみを使用する
場合に前記連絡管を介して他系路の受熱管へも分
流送水加熱して併用できるように該連絡管の回路
開閉バルブを介設したので、一方側の負荷のみを
使用する場合にバルブの切換えだけで他方系路の
受熱管も併用して加熱に利用することができ、従
来の様に一系路使用のときに他系路は無駄に加熱
されるということがなくて熱効率的に優れた使用
ができると共に耐久性のうえでも有利な湯沸器が
得られる等熱効率的、経済的に優れた実用的効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本案に係る一缶二系路式湯沸器の回路構成
図である。 １……第一系路受熱管、２……第二系路受熱
管、１ａ，２ａ……入管、１ｂ，２ｂ……出管、
３，４……負荷、７，８……連絡管、A₁，A₂，
B₁，B₁，B₂……回路開閉バルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第一系路の受熱管と第二系路の受熱管を接触し
   て配設してなる一缶二系路式湯沸器において、第
   一系路の入管と第二系路の入管、及び第一系路の
   出管と第二系路の出管を夫々連絡管で連絡接続す
   ると共に該連絡管に回路開閉バルブを設けたこと
   を特徴とする一缶二系路式湯沸器の回路構造。