JPS6135445B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、シアン等の有毒成分を含有する排ガ
スを熱分解して、無害ガスに処理する排ガス熱分
解炉に関するものである。 従来、シアン等の猛毒を含有する排ガスを熱分
解処理するとき、処理ガス中に分解末了の有毒ガ
スが混在したまま大気中に放出されることがあつ
て、その対策に困難性を来たしていたのである。 この発明の目的は、有毒なシアン含有排ガス中
のシアンを完全分解し得る熱分解炉を提供するこ
とにある。 この発明の旨とするところは、熱分解室１の流
出口に伝熱管８のある熱交換器７を接続し、熱分
解室１の流出口と反対端近傍の床面に、ほぼ天井
方向に向けたシアン含有排ガスの流入通路２を設
け、熱分解室１の中間域の天井に噴射方向が僅か
に流出側に傾いたバーナ４を設け、前記伝熱管８
と流入通路２を連通する。熱分解室１から出る排
ガスにより伝熱管８を流通するシアン含有排ガス
を700℃上に加熱して、この排ガスのシアンを一
次分解する。バーナ４により熱分解室１の中程に
温度900℃以上の火炎域を生成し、前記一次分解
したシアン排ガスを流入通路２から熱分解室１内
に導入して、温度900℃以上の火炎域を通過する
とき火炎との混合接触により残予のシアン分を分
解する。この熱分解した排ガスを熱交換器７に通
過させて伝熱管８内のシアン含有排ガスを700℃
以上に加熱するのである。 この発明の実施例を図に基いて説明する。図に
おいて、空間を仕切る（排ガス熱分解炉本体）熱
分解室１の一方端近傍の床面に一次分解したシア
ン含有排ガスが流入する流入通路２を開口し、こ
の流入通路２の軸線２ａが前記一方端の天井に向
〓〓〓〓
うように垂直方向に対して角度αが10゜〜40゜傾
斜して、熱分解室１に流入した一次分解シアン含
有ガスが天井に当つた時に反転をし、乱流させ
る。熱分解室１の他端天井面には熱分解した排ガ
スの流出通路６を設け、その上に熱交換器７を連
通し、温度900℃以上の熱を保有する熱分解した
排ガスを熱分解室１から熱交換器７へ送り込む。
熱分解室１の天井中間域には、床面に向けて噴射
方向が僅かに流出側端に傾いたバーナ４を設け、
このバーナ４の噴射火炎５により、流入通路２と
流出通路６との間を、熱分解室１の床面近傍でも
900℃以上に昇温した火炎を以つて充満し、この
火炎域に流入通路２から流入した一次分解シアン
含有ガスが混合すると、残余の含有シアンを分解
し、無害の排ガスにする。熱交換器７は、熱分解
した排ガスの通路を包み、一方の側面に入口９を
設けて、シアン含有排ガスを供給する排ガス管１
２に接続する。熱交換器７の入口９に対向する側
面には出口１０を設け、入口９と出口１０の間に
前記熱分解した排ガス通路を横断するように複数
個の伝熱管８を設けて、伝熱管８を介して入口９
と出口１０と連通する。伝熱管８の外を流通する
熱分解した排ガスが伝熱管８を介して、伝熱管８
の中を流通するシアン含有排ガスを加熱し、加熱
されたシアン含有排ガスは、700℃以上に昇温し
た伝熱管８を媒体にしてシアンを一次分確する。
前記出口１０と流入通路２との間を流入管１３を
介して連通し、伝熱管８により一次分解したシア
ン含有排ガスを熱分解室１の流入側に導入し、シ
アン含有排ガスが熱分解室１を通過するために
は、必ずバーナ４により生成された火炎との接触
により、シアンの分解作用をするのである。熱交
換器７の上方に煙突１１を設け排ガス放出位置を
熱交換器７から遠去けて、熱交換器の温度保持を
図るのである。 前記実施例の排ガス熱分解炉を使用して、シア
ン含有ガスの熱分解実験結果を、次に例記する。 排ガス管１２内に導入した実験ガスの温度300
℃、シアン含有量110PPmの場合、流入管１３を
通過するとき温度750℃、シアン含有量44PPmに
変化し、煙突１１から排出するときは、温度440
℃、シアン含有量０・PPmになつた。 排ガス管１２内の実験ガス温度300℃、シアン
含有量228PPmの場合、流入管１３を通過すると
きに温度750℃、シアン含有量40PPmに変化し、
煙突１１から排出するときは温度460℃、シアン
含有量0.15PPmになつた。 排ガス管１２内の実験ガス温度310℃、シアン
含有量127PPmの場合、流入管１３を通過すると
きに温度710℃、シアン含有量43PPmに変化し、
煙突１１から排出するときの温度は440℃、シア
ン含有量0.PPmになつた。このときの熱分解室１
内のＡ点の温度は、920℃〜930℃であつた。以上
の結果をまとめると下表の通りである。

【表】 尚、伝熱管８は伝熱性の高い金属管にすること
は勿論である。 以上の説明から明らかな如く、本発明の排ガス
熱分解炉は、熱分解室の排熱を利用してシアン含
有排ガスを700℃以上の高熱にて熱交換したか
ら、熱交換時にシアンガスの60〜70％を一次熱分
解し熱分解室内流入通路と流出通路との間をバー
ナにより火炎域を生成したことにより、熱分解室
を通過するシアン含有排ガスは残余のシアンをほ
ぼ完全に熱分解することが可能になつたのであ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係る排ガス熱分解炉の実施例の断
面図である。 １……熱分解室、２……流入通路、４……バー
ナ、５……噴射火炎、６……流出通路、７……熱
交換器、８……伝熱管、１３……流入管、２ａ…
…軸線。 〓〓〓〓

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シアン含有排ガスを導入する炉に助撚バーナ
   を設けた排ガス熱分解炉において、燃焼空間を仕
   切る熱分解室の排ガス流出側端天井に、伝熱管を
   備えた熱交換器を連通して設け、該分離室の排ガ
   ス流入側端の近傍床部に排ガスの流入通路を設
   け、熱分解室の中間部天井に床面に対向するバー
   ナを設け、このバーナの噴射火炎が排ガス流出側
   に傾くようにバーナを傾斜し、流入通路の軸線を
   熱分解室の天井側にて流入端側に傾くように傾斜
   し、前記伝熱管と流入通路とを流入管を介して連
   通したことを特徴とする排ガス熱分解炉。 ２ シアン含有排ガスを熱分解する方法におい
   て、シアン含有排ガスを熱交換器の伝熱管により
   700℃以上に加熱してシアンを一次分解した後、
   熱分換室の中間にバーナにより900℃以上の火炎
   域を生成した中に、前記一次分解したシアン含有
   排ガスを混合通過させて、シアンガスをほぼ完全
   に分解することを特徴とする排ガス熱分解炉。