JPS6135255Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は畳処理用噴射装置に関する。

従来畳の害虫や微生物を駆除する方法として、
畳特にその裏面を日光に晒し乾す方法や畳に殺虫
用薬剤を噴霧又は塗布する方法などが一般に採用
されているが、之等従来法では、いずれの場合で
あつても畳の外表面が単に処理されるだけで内層
部は依然として未処理のままであり、これでは到
底満足すべき防除効果は期待できない。

本考案はこのような畳の処理を高度の防除効果
のもとにしかも極く簡単な操作でもつて安全確実
に行い得るような噴射装置を提供することを目的
としてなされたもので、以下に本考案の一実施例
を添附図面にもとづき説明すると次の通りであ
る。

図に於て、１は畳処理剤噴射用のエアゾル噴射
器で、押ボタン１１を介して弁杆１２を復元バネ
（図示せず）に抗して押下げることにより放出バ
ルブ（図示せず）を開放しエアゾルを噴射できる
ようになつている。このような噴射器の構造その
ものは、ハエ、ゴキブリなどの駆除に用いられて
いる通常のエアゾル噴射器と実質的に全く異なる
所がなく、連続噴射式は勿論、定量噴射にみられ
るような継続噴射式であつてもよい。

２は押ボタン１１の上方を覆うように、噴射器
１の頭部に固定されたストツパーで、該ストツパ
ー２は筒状垂脚部２１の下端に於て噴射器１の頭
部に嵌着固定され、該垂脚部２１の上端に連成さ
れた、噴射器胴部１３を略々同一径の円盤状部２
２の外周２個所に、側方へ突出する突部２３，２
３を持つている。この突部２３，２３は、円盤状
部２２の中心を挾さんで対向位置にある。

３は押ボタンの押下げ時に噴射器１よりエアゾ
ルの供給を受けるように、上記ストツパー２上に
立設固定された畳刺入用噴射針で、該噴射針３の
基端ホルダー部３１は、ストツパー２の円盤状部
２２を貫通して下方へ突出し、押ボタン１１の縦
穴１１１内にＯ−リング１１２によるシールのも
とに摺り合せ状に嵌入し、この縦穴１１１の下端
部に嵌着している弁杆１２に近接した位置で終結
し、該弁杆１２とフリーに接続されている。斯く
して噴射針３は押ボタン１１が押下げられたと
き、弁杆１２、押ボタン１１の縦穴１１１及び基
端ホルダー部３１を通じてエアゾルの供給を受け
るようになつている。基端ホルダー部３１の縦穴
１１１内への嵌入深さは、弁杆１２の作動ストロ
ーク巾よりも大きく設定され、押ボタン１１の押
下げ時にも接続状態が損なわれないような構成に
なつている。噴射針３としては畳に刺入し得る限
り材質、形状は特に限定されないが、通常は金属
製の管状体であつて畳に刺跡を残さない程度の太
さのものが使用される。また長さも任意であり、
例えば規格品の畳（厚さ約５cm）に適用する場合
には、突出長さ４cm前後が好ましい。また噴射針
３に形成される噴孔３２の形成位置、形成数及び
形状も任意であり、噴射針３を拡大して示す第２
〜３図には、円形の噴孔３２を、噴射針３の側部
の個所に、上下に多段的に且つ各段において位相
が120゜ずれるように形成した場合が示されてい
る。この図示のものは側方噴射型であるが、これ
に代え垂直噴射型としてもよく、この場合には、
噴射針３の先端に噴孔が形成される。この形式の
ものは、畳の側部から処理剤を噴入する場合に有
利である。噴孔３２の形状としては、広い拡散性
を得るために横長又は縦長のスリツト状や十字型
のものでもよい。噴孔３２の直径は噴射針３の内
径と略々等しいかこれよりも多少小さくしておく
ことが好ましい。また噴射針３の本体部分は、伸
縮自在性又は折曲げ自在性（中間にゴム管を有す
るものを含む）を有していてもよい。

４は上記噴射針３を覆うように上記噴射器１の
胴部１３の上部に、上下動自在に且つ常時は上動
位置を保持するようにスプリング４１付勢されて
嵌装された保護キヤツプであつて、該保護キヤツ
プ４は天面４２に、スプリング４１に抗して押下
げられたとき、噴射針３の進出を許容する穴４３
を持つている。スプリング４１はストツパー２と
保護キヤツプ４１の天面４２の間に介装され、一
端４１１が天面４２の下面に、また他端４１２が
ストツパー２の円盤状部２２上面にそれぞれ固定
され、ひねりバネとしても機能し得るような構成
になつている。

保護キヤツプ４の内周面には、ストツパー２と
共同して、非使用時には保護キヤツプ４を上動位
置に拘束し、使用時には保護キヤツプ４を所定角
度だけ回動変位することによりその拘束を解き得
るようなストツプ機構付のガイド溝４４が設けら
れる。このガイド溝４４はストツパー２の側方突
部２３に対応する位置に一つづつ設けられ、その
内部に側方突部２３の先端部が係入されている。

第５〜７図はガイド溝４４とストツパー２の側
方突部２３との関係を概略的に示す説明図であ
り、保護キヤツプ４の内周面に形成されたガイド
溝４４は、中程にストツプ機構として機能する段
部４４１を有し、非使用時、即ち保護キヤツプ４
が上動位置にあるときは、実線で示すようにこの
段部４４１側に且つ該段部４４１に近接して側方
突部２３が位置し、保護キヤツプ４の押下げを阻
止し、ロツクしている。一方使用に際し保護キヤ
ツプ４を、側方突部２３が段部４４１より外れる
方向に回動すると、図に仮想線で示すように側方
突部２３が段部４４１から外れ、而して保護キヤ
ツプ４の押下げが可能な状態となる。この場合、
保護キヤツプ４の復元用スプリング４１を図示の
ようにひねりバネとしても機能し得るようにして
おくことにより、このスプリング４１を上下方向
の復元に加え左右方向（回動方向）の復元にも兼
用でき便利である。

また保護キヤツプ４の天面４２の下面には、保
護キヤツプ４の押下げ途中に於て、噴射器１の押
ボタン１１を押下げる棒状の作動用部４５の一対
が設けられ、この作動用部４５，４５は保護キヤ
ツプ４の下動途中に於てストツパー２の円盤状部
２２の開口部２４，２４を通過し押ボタン１１の
上面に当止し、以後これを押下げる。円盤状部２
２の開口部２４，２４は円弧状に形成することが
できる。この作動用部材４５は、保護キヤツプ４
の天面４２下面に代え、押ボタン１１の上面に形
成されてもよい。その他図中、５は押ボタン１１
に備えられた自動復元用の補助スプリングであ
る。

本考案装置は上述の如き構造を有し、非使用時
には第１図に示すようにスプリング４１付勢され
た保護キヤツプ４が上動位置を保持し、且つこの
上動位置に於て押下げが阻止されているので仮に
保護キヤツプ４が誤つて押下げられることがあつ
ても、噴射針３が保護キヤツプ４の天面４２より
突出するというような虞れがなく、斯くして本考
案によれば噴射針３を具備しているに拘わらず噴
射針３により人体に傷を与えるなどの危険性なし
に、安全に輸送、保管できる。

一方本考案装置を用いて畳に害虫駆除などの処
理を施すに際しては、保護キヤツプ４の天面４２
を畳ａ面に押し当て、次に噴射器１を、所定角度
だけ回動変位すると、第５図に示すように、ガイ
ド溝４４の段部４４１の直下に位置し、よつて保
護キヤツプ４の押下げを阻止していたストツパー
２の突部２３は、第６図に示すように段部４４１
より外れるので、保護キヤツプ４は下動し得る態
勢となる。尚この回動操作時に於て、保護キヤツ
プ４が噴射器１と共回りにすることを防止するこ
とを目的として、保護キヤツプ４の天面４２外面
に粗面加工を施し、畳ａに対し回止めするように
してもよい。

次に噴射器１を押下げて行くと、この押下げに
つれ噴射針３が保護キヤツプ４の天面４２より外
方へ突出し畳ａ内に刺入されて行くと共に、この
刺入が終時に至ると、押ボタン１１の頂面が保護
キヤツプ４の作動用部４５先端に当止し、以後押
ボタン１１ひいては弁杆１２が押下げられ、もつ
てエアゾル（畳処理剤）が噴射器１から噴射針３
を通じて畳ａ内に噴入される。この状態が第４図
に示されている。畳ａ内への噴入を終えた後は、
噴射器１に対する押圧を解くと弁杆１２及び押ボ
タン１１が弁杆１２の復元バネの作用により元の
位置に復元し噴射が止まる。次いで噴射器１を引
き上げ噴射針３を畳ａより抜き出すと、保護キヤ
ツプ４がスプリング４１のバネ作用を受けて之の
上動位置に復元すると共に上動位置でスプリング
４１のひねりバネとしての作用を受け所定角度だ
け回動し、第１図に示す状態に戻り、次の操作に
備える。

このように本考案装置によれば畳処理剤を畳の
内層部に直接噴入でき、この噴入された処理剤は
畳の内層部の広い範囲に亘つて浸透拡散するの
で、このような噴入操作を畳の一個所乃至数個所
に亘つて実施することにより畳の内層部全体を均
一に処理でき極めて高度の防除効果が得られる。
しかもこのような処理を畳を敷いた状態のままで
実施できるのみならず畳への噴射針の刺入及び処
理剤噴射というような極めて簡単な操作でもつて
達成できるので畳の処理を家庭で極く手軽に行い
得る特長がある。更に本考案装置は噴射針を備え
ているが、噴射針は通常は保護キヤツプにより保
護されているので、人体が不用意に噴射針に触れ
て傷を受けるような危険性がなく、安全性に優れ
ている。

本考案に於いて、畳の処理に用いられる薬剤と
しては通常この種用途に用いられる各種の薬剤の
少なくとも１種以上を適当に配合して用いられ
る。

殺虫剤として Γジメチル（３−メチル−４−ニトロフエニル）
チオホスフエート Γ０，０−ジメチル−Ｏ−〔３−メチル−４−（メ
チルチオ）フエニル〕チオホスフエート Γ（２−イソプロピル−４−メチルピリミジル−
６）−ジエチルチオホスフエート Γジメチルジカルベトキシエチルジチオホスフエ
ート Γジメチルジクロルビニルホスフエート Γdl−３−アリル−２−メチル−４−オキソ−２
−シクロペンテニルdl−シス／トランス−クリ
サンテマート Γ（１，３，４，５，６，７−ヘキサヒドロ−
１，３−ジオキソ−２−イソインドリル）メチ
ルdl−シス／トランス．クリサンテマート Γ（６−ベンジル−３−フリル）メチルdl−シ
ス／トランス−クリサンテマート Γ３−フエノキシベンジルdl−シス／トランス−
３−（２，２−ジクロロビニル）−２，２−ジメ
チル−１−シクロプロパンカルボキシラート Γ３−フエノキシベンジルｄ−シス／トランス−
クリサンテマート Γ１−エチニル−２−メチル−２−ペンテニル
２，２，３，３−テトラメチルシクロプロパン
カルボキシレート Γ１−エチニル−２−メチル−２−ペンテニル
２，２−ジメチル−３−（2′，2′−ジクロビニ
ル）−シクロプロパン−１−カルボキシレート Γ１−エチニル−２−メチル−２−ペンテニル
２，２−ジメチル−３−（2′−メチル−1′−プ
ロペニル）−シクロプロパン−１−カルボキシ
レート Γ２−イソプロポキシフエニル−Ｎ−メチルカー
バメート Γ１−ナフチル−Ｎ−メチルカーバメート 殺ダニ剤として Γ３−メチル−１，５−ビス（２，４−キシリ
ル）−１，３，５−トリアサペンタ−１，４−
ジエン Γ２，４−ジニトロ−６−セコンダリーブチルフ
エニルジメチルアクリレート Γ６−メチルキノキサリン−２，３−ジチオカー
ボネート Γビス（クロルフエニル）トリクロルエタノール Γ４，4′ジクロルベンジル酸エチル Γ１，２，４，５，６，７，８，８−オクタクロ
ル−２，３，3a，４，７，7a−ヘキサヒドロ−
４，７−メタノインデン 上記薬剤を適宜単剤もしくは混合剤として用い
ることによりシバンムシ、アリガタバチ、ゴキブ
リ、ナンキンムシ、シロアリ、クロアリなどの昆
虫類、コナダニ、ツメダニ、ホコリダニ、シラミ
ダニなどのダニ類等の発生を未然に有効に防除し
うる。

殺菌剤としては、２，４，4′−トリクロロ−
2′−ハイドロキシジフエニールエーテル、２，
３，５，６−テトラクロロ−４（メチルスルフオ
ニル）ピリジン、アルキルベンジルジメチルアン
モニウムクロライド、ベンジルメチル｛２−〔２
−（Ｐ−１，１，３，３−テトラメチルブチルフ
エノキシ）エトキシ〕エチル｝アンモニウムクロ
ライド、４−イソプロピルトロポロン、Ｎ−ジメ
チル−Ｎ−フエニル−N′−（フルオロメチルチ
オ）スルフオンアミド、２−（4′−チアゾリル）
ベンズイミダゾール、Ｎ−（フルオロジクロロメ
チルチオ）−フタールイミド、６−アセトキシ−
２，４−ジメチル−ｍ−ジオキシン等を用いるこ
とにより、アスベルギルス属、ペニシリウム属、
ケトミウム属などのカビ類を防除するのに有効で
ある。

上記害虫及びげつ歯類動物の忌避剤としては、
２，３，４，５−ビス（Δ_２−ブチレン）テトラ
ヒドロフルフラール、Ｎ，Ｎ−ジエチル−メタ−
トルアミド、ジ−ノルマル−プロピルイソシンコ
ロメート、ジ−ノルマル−ブチルサクシネート、
２−ハイドロキシエチルオクチルサルフアイト、
２−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシアニソール、３
−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシアニソール、シク
ロヘキシミド、β−ニトロスチレンシアノアクリ
ルニトリル、トリブチル錫クロライド、トリニト
ロベンゼン−アニリン複合体、ナフタリン、消臭
剤としては、ラウリル酸メタアクリレート、芳香
剤としては、イグサの精油成分、シトロネラ、レ
モン、レモングラス、オレンジ、ユーカリ、ラベ
ンダー等を例示しうる。

上記薬剤は、必要に応じて効力増強剤、乾燥剤
（高吸水性樹脂等）等の各種添加剤を用いてもよ
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はその
縦断面図、第２図は噴射針の拡大断面図、第３図
は同平面図、第４図は一使用状況を示す縦断面
図、第５図はロツク時に於けるストツパーとガイ
ド溝の関係を示す説明図、第６図は非ロツク時に
於けるストツパーとガイド溝の関係を示す説明
図、第７図はガイド溝の段部とストツパーの関係
を示す説明図である。 図に於て、１は噴射器、２はストツパー、３は
噴射針、４は保護キヤツプ、５は補助スプリング
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 畳処理剤噴射用エアゾル噴射器より噴射される
   畳処理剤を、該噴射器の噴射部に垂直上方に向け
   て接続された畳刺入用噴射針を通じて畳内に噴射
   注入する形式の畳処理用噴射装置であつて、噴射
   器の頭部には、上下動及び回動自在であつて常時
   はスプリング付勢された状態で上動位置を保持す
   る、噴射針保護用の保護キヤツプと、該保護キヤ
   ツプの上下動制御用の固定ストツパが備えられ、
   上記保護キヤツプにはその天面に、これをスプリ
   ングに抗して押下げたとき噴射針の外部への進出
   を許容する穴が、またその内周面には前記ストツ
   パと共同して非使用時には保護キヤツプの下動を
   阻止し、使用時に於て保護キヤツプが所定角度だ
   け回動変位されたとき、保護キヤツプの下動を許
   すストツプ機構付のガイド溝が形成されているこ
   とを特徴とする畳処理用噴射装置。