JPS6135058Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はロツク機構を解除しても蓋が全開し
ないようにした重力利用の補助ロツク機構の改良
に関する。

従来から、ケース本体と蓋とが一側において螺
着されたケース等が広く存在するが、ロツク機構
を解除すると蓋が全開するので、その用途によつ
ては不都合を生じていた。

例えば、アタツシユケースや航空カバン等のケ
ースにおいては、面倒でも本体側を下に平らにし
て置いた後、ロツク機構を外したうえ、蓋を上方
に開いて収納物の出し入れを行つている。

もし、立つたままの状態で蓋を開いた場合に
は、ロツク機構の解除操作は両手で双方のロツク
機構の解除ボタンを動かす必要があるために、ロ
ツク機構を解除した途端に、蓋がそれ自体の重量
および内部に収納されている収納物の重量によつ
て急激に開いてしまい、収納物が外部へ乱出して
しまうという欠点があつた。

この考案は上記のような欠点を解消し、ロツク
機構を解除しても、蓋を半開き状態に保持し、そ
の後の操作によつて蓋を全開する重力利用の補助
ロツク機構を提供することを目的とする。

以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。この考案は開閉自在な蓋を有する
ケース一般に適用することができるが、以下の実
施例ではその代表例であるアタツシユケース、航
空カバンに適用した場合について説明する。

この考案はヒンジ１で開閉自在に連結されてい
る本体２および蓋３と、重力を利用した補助ロツ
ク機構４とを有する。

上記補助ロツク機構４は、第１図、第２図の正
面図に示すように、本体２の内壁面に固着された
ケース５と、このケース５内に配置され、一端を
ピン６でケース５に回動可能に支承された第１の
リンク７と、一端を蓋３の内壁面のピン８で回動
可能に支承され、他端を第１のリンク７にピン９
で回動連結された第２のリンク１０と、傾斜部か
ら形成された第１のリンク７の係止端７ａ側の上
記ケース５内に収納された球（ロツク部）１１と
から構成される。

そして、この球１１は手提用ケースを立てた状
態では、重力によつて第１図の点線位置に移動し
係止端７ａと係合し、第１のリンク７の回動を規
制し、蓋３を半開き状態に維持する。逆に水平状
態では第２図の破線に示すように、係止端７ａと
の係合を解き、第１のリンク７の回動を許し蓋３
を全開できるようにする。

ここで、上記ケース５は第１図、第２図に示す
ように、その上面５ｂは球収納部５ａを除いて開
口され、ケース５内に第１および第２のリンク
７，１０が出入できるようになつている。そし
て、球収納部５ａは底部に傾斜形成された移動案
内部１２が設けられ、またこのケース５の側壁５
ｃ，５ｄ間の距離は球収納部５ａのみ球１１の直
径とほぼ同一となり、他の部分はこれより小さ
く、球１１が、外方へ飛び出しの防止がなされて
いる。

次にこの考案の動作について説明する。第３図
に示すように、手提用ケースを立つたままの状態
でロツク機構（図示せず）を解除し蓋３を開いて
も、補助ロツク機構４の球１１が重力によつて自
動的に下方へ移動し、第１のリンク７の係止端７
ａはケース５の側壁５ｃ，５ｄ、上面５ｂとの間
で挟持支持された球１１によつて、確実に係止さ
れる。

従つて、第１のリンク７の回動は規制され、第
２のリンク１０のみが回動し、第３図に示すよう
に、僅かに開いた状態に保持されるので、従来の
ように収納物が乱出することはない。

そして蓋３を全開させる場合には、手提用ケー
スを水平状態にすれば、球１１は重力によつて自
動的に移動し、第１図に示すように、係止端７ａ
の係合が解かれる。従つて、第１および第２のリ
ンク７，１０の双方の回動が許され、蓋３は全開
できることとなる。

尚、第２のリンク１０は長さを任意に選択する
ことによつて、半開きの開度を適当に選択するこ
とができる。また、補助ロツク機構４のケース
５、第１および第２のリンク７，１０を上記実施
例とは逆にそれぞれ、ケース５、第１のリンク７
を蓋３に、第２のリンク１０を本体２に設けても
よい。

第４図は補助ロツク機構の他の実施例を示し、
第１および第２のリンク７，１１の相互間を第１
のリンク７の長孔１３を摺動自在としたピン１４
によつて連結したものであり、上記実施例と同様
に作用する。

第５図も他の実施例を示し、重力を利用したロ
ツク部として、ピン１５によつて本体２内壁に回
動自在に支承された折曲状の係止片１６と、この
一端に取付けられた重錘１７とによつて構成され
ている。

そして、手提用ケースを立てた状態では重力に
よつて、実線で示すようにピン１５を中心として
回動し、係止片１６が第１のリンク７と係合し、
第１のリンク７の回動は規制され、第２のリンク
１０のみが回動し、蓋３は僅かに開いた状態に保
持される。そして、蓋３を全開させる場合には、
手提用ケースを水平状態にすれば、係止片１６は
逆回りに回転し係合が解かれ、上記実施例と同様
に蓋３を開くことができる。

以上のようにこの考案を手提用カバンに適用す
れば、重力を利用した補助ロツク機構を設けたの
で、立つたままの状態でも片手で蓋３の開閉がで
き、収納物が乱出することがない。

第６図は食器ケース等のようにケース自体を簡
単には上下左右に移動できないケースへ適用した
実施例である。

この実施例では第５図に示した構成をそのまま
食器ケース等に適用している。即ち、食器ケース
本体２の内壁に第１のリンク７と操作用ハンドル
１８を有する係止片１６とを設け、一方、ケース
本体２の側壁に操作ハンドル１８の操作用の長孔
９を設けて、外部から重力利用によつて係合した
係止片１６と第１のリンク７との半開き状態の係
合を解除することによつて、蓋（図示せず）を半
開き状態から全開状態とするものである。

以上のように、この考案の補助ロツク機構によ
れば、開閉可能な蓋を有するケースに取付けら
れ、重力の利用によつて蓋を全開および半開き状
態に係止できる等の実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の要部拡大縦断面
図、第２図はこの考案の要部の正面図、第３図は
蓋の半開状態の縦断面図、第４図は他の実施例の
要部拡大縦断面図、第５図は他の実施例の蓋の半
開状態の縦断面図、第６図は食器ケースに適用し
た場合の要部縦断面図を示す。 １……ヒンジ、２……本体、３……蓋、４……
補助ロツク機構、７……第１のリンク、１０……
第２のリンク、１１……球（ロツク部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開閉可能な蓋３を有するケースに取付けられ、
   重力の利用によつて該蓋を全開および半開き状態
   に係止し得る補助ロツク機構。