JPS6134917Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、洗車機本体側に回転軸を介して左右
一対の揺動アームを取付け、これら揺動アームの
遊端間に上面洗浄ブラシを取付けると共に、この
上面洗浄ブラシに連動する回転駆動装置を前記揺
動アームに設けてなる自動洗車機に関するもので
ある。

このような自動洗車機において、上面洗浄ブラ
シの昇降バランスは、従来次のようにして取つて
いる。すなわち第１図において１は洗車機本体側
に回転軸２を介して取付けた左右一対の揺動アー
ムで、これら揺動アーム１の遊端間に上面洗浄ブ
ラシ３が取付けてある。そして揺動アーム１の基
端側にウエイト４が取付けてある。５はブラシ回
転方向、６はブラシ移動経路、７は自動車を示
す。かかる構成において前記上面洗浄ブラシ３
は、ウエイト４と、この上面洗浄ブラシ３が自動
車７の上面に当つたときの反力とによつて該上面
洗浄ブラシ３を支持することにより、一定範囲の
圧力で自動車７の上面に沿つて昇降することによ
り洗浄を行なつている。また、自動車７の上面の
突起物（タクシーのランプ等）を避けるときや、
洗浄の始めと終りのときに、上面洗浄ブラシ３の
回転軸２を駆動装置（エアシリンダなど）にて回
転させ、該上面洗浄ブラシ３を昇降させている。
このように、上面洗浄ブラシ３のアーム回転軸２
から見て、上面洗浄ブラシ３を取付けた側とは反
対側にウエイト４を取付けて、上面洗浄ブラシ３
の自重による回転力を減少させている。ところ
が、上面洗浄ブラシ３の自重による回転力の負荷
は、第２図に示すように揺動アーム１が水平のと
きに最も大きく、第３図に示す上昇限や第４図に
示す下降限の近くで減少する。このように、上面
洗浄ブラシ３の昇降駆動を行なうと、揺動アーム
１の角度によつて、ブラシ回転力とブラシ自重と
によりアーム回転軸駆動の負荷トルクが変化し、
水平付近で上昇が遅く（上昇しにくく）なり、ま
た上限や下限の位置のときには軽すぎることにな
つて、円滑な昇降が行なえなくなる。しかも、ウ
エイト４の慣性が大きくなつてスピーデイな昇降
の切り換えができない。さらにウエイト４の場合
には、重力やスペースが大きくなり、配設を好適
に行なえない。

本考案は、前記洗車機本体と前記回転軸との間
に、一定範囲の推力とストロークを持つ高圧ガス
封入シリンダを配設し、この高圧ガス封入シリン
ダは、上面洗浄ブラシが上下方向の中間位置のと
きに、その向きが最も大きい回転力を前記回転軸
に与えるような位置に配設したことを特徴とする
自動洗車機における上面洗浄ブラシの昇降バラン
ス装置を提案するものであり、かかる構成による
と、上面洗浄ブラシが水平付近のときの負荷トル
クに対応して、アーム回転軸に高圧ガス封入シリ
ンダによつて回転力を与えることができ、これに
より常に円滑な昇降を行なうことができると共
に、高圧ガス封入シリンダは慣性が小さいことか
らスピーデイな昇降の切り換えを行なうことがで
き、さらに高圧ガス封入シリンダの使用により重
量やスペースは小さくできる。

以下、本考案の一実施例を第５図〜第８図に基
づいて説明する。第５図において１１は門形の洗
車機本体で、複数個の車輪１２を介してレール１
３上に載置してあり、駆動装置（図示せず）の作
動により一定経路上を往復走行可能となる。前記
洗車機本体１１には左右一対の支持枠１４が設け
られ、これら支持枠１４に夫々回転軸１５が取付
けられる。両回転軸１５には夫々揺動アーム１６
の基端が固着され、また揺動アーム１６の遊端間
には上面洗浄ブラシ１７のブラシ軸１８が回転可
能に取付けてある。そして一方の揺動アーム１６
には前記ブラシ軸１８に連動する回転駆動装置１
９が設けられている。一方の回転軸１５には円板
２０が取付けられ、この円板２０の外周面に沿つ
て配設された索体２１の遊端を該円板に固着する
と共に、先端は洗車機本体１１側に取付けたシリ
ンダ２２のピストンロツドに取付けている。２３
は左右一対の側面洗浄ブラシで、互いに接近離間
移動可能に構成してある。すなわち洗車機本体１
１の側壁から内側に向けて左右一対のレール２４
が設けられ、これらレール２４に案内されて洗車
機巾方向に移動可能な一対の可動台２５が設けら
れる。これら可動台２５には夫々ブラシ軸２６を
介して前記側面洗浄ブラシ２３が回転可能に支寺
され、また可動台２５には対応する側面洗浄ブラ
シ２３に連動するモータ２７が夫々取付けられ
る。２８は左右一対の下部側面洗浄ブラシで夫々
モータ２９に連動し、さらにアーム３０を介して
互いに接近離間移動可能に構成してある。３１は
ブロア、３２はダクトを示す。前記回転軸１５か
らリンク３３が連設され、このリンク３３と洗車
機本体１１との間に、一定範囲の推力とストロー
クを持つ高圧ガス封入シリンダ３４をピン３５を
介して配設している。この高圧ガス封入シリンダ
３４は、上面洗浄ブラシ１７が上下方向の中間位
置のときに、その向きが最も大きい回転力を前記
回転軸１５に与えるような位置に配設してある。

第５図実線に示すように、上面洗浄ブラシ１７
が上下方向の中間に位置している状態で、シリン
ダ２２を収縮させることによりこの上面洗浄ブラ
シ１７を仮想線イで示すように上昇させ得、また
シリンダ２２を伸展させることにより仮想線ロで
示すように下降させ得る。この際に高圧ガス封入
シリンダ３４の配設は、第６図に示すように揺動
アーム１６が水平位置のときに、ピン３５をアー
ム回転軸１５を中心とする円弧の接線方向に該高
圧ガス封入シリンダ３４で押すようにしてあり、
したがつてブラシ自重を支える方向の回転力は最
大となる。第７図で示す上昇時や第８図で示す下
降時には、高圧ガス封入シリンダ３４のピン３５
を押す方向とアーム回転軸１５を中心とする円弧
の接線との角度（θ）を大きくして、揺動アーム
１６に与える回転力を減少させている。高圧ガス
封入シリンダ３４は、伸びた時に縮んだ時より約
20％小ささくなるため、ブラシ上昇のときには下
降のときより角度（θ）を小さくする。なお第６
図〜第８図において（L₁＞L₂＞L₃）となる。

上記構成の本考案によると、上面洗浄ブラシが
水平付近のときの負荷トルクに対応して、アーム
回転軸に高圧ガス封入シリンダによつて回転力を
与えることができ、これにより常に円滑な昇降を
行なうことができると共に、高圧ガス封入シリン
ダは貫性が小さいことからスピーデイな昇降の切
り換えを行なうことができる。さらに高圧ガス封
入シリンダの使用により、該高圧ガス封入シリン
ダ自身のもつ振動吸収機能によつて揺動アームの
上下方向への揺れを少なくできると共に、軽量か
つ小さいスペースに取付け可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は従来例を示し、第１図は概略
側面図、第２図〜第４図は作用説明図、第５図〜
第８図は本考案の一実施例を示し、第５図は側面
図、第６図〜第８図は作用説明図である。 １１……洗車機本体、１５……回転軸、１６…
…揺動アーム、１７……上面洗浄ブラシ、１９…
…回転駆動装置、２０……円板、２１……索体、
２２……シリンダ、２３……側面洗浄ブラシ、２
８……下部側面洗浄ブラシ、３３……リンク、３
４……高圧ガス封入シリンダ、３５……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗車機本体側に回転軸を介して左右一対の揺動
   アームを取付け、これら揺動アームの遊端間に上
   面洗浄ブラシを取付けると共に、この上面洗浄ブ
   ラシに連動する回転駆動装置を前記揺動アームに
   設けてなる自動洗車機において、前記洗車機本体
   と前記回転軸との間に、一定範囲の推力とストロ
   ークを持つ高圧ガス封入シリンダを配設し、この
   高圧ガス封入シリンダは、上面洗浄ブラシが上下
   方向の中間位置のときに、その向きが最も大きい
   回転力を前記回転軸に与えるような位置に配設し
   たことを特徴とする自動洗車機における上面洗浄
   ブラシの昇降バランス装置。