JPS6134597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、磁気デイスク装置の磁気ヘツド駆動
装置の改良に関する。

従来、回転アーム式の磁気ヘツド駆動装置にお
いては、第１図に示すように、磁気ヘツド１を支
持する回転アーム２の回転軸３は一般に、ニード
ル軸受４，４及びスラスト軸受５，５にて支持さ
れているが、これら軸受４，５における回転軸３
のがたつきを阻止するため、該回転軸３に、第１
図及び第２図に示すようなバネ６とパツド７を組
込んで回転軸３とニードル軸受４との間に相対的
押圧をなさしめ、更にスラスト方向にもスラスト
軸受５を回転軸３方向に偏圧するバネ８を設けて
いる。上記従来の磁気ヘツド駆動装置において
は、ラジアル方向の偏圧をなすバネ６とパツド７
を回転軸３に組込む複雑な加圧構造を必要とし、
しかも回転軸３及びパツド７は、ニードル軸受４
のころが直接当接するため、高硬度に熱処理をし
た特殊鋼を用いると共に表面仕上げも高精度にな
さなければならないという構造上製作上の困難性
を伴い、したがつて装置自体が高価なものとなる
という欠点を有している。

一方、上記した回転軸３のがたつきを阻止する
他の方策として、アンギユラ玉軸受を使用するこ
とも考えられてはいるが、この軸受を用いた場合
には、スラスト方向の予圧は軸受自身でなし得る
けれども、玉のヘルツ変形のために軸受剛性が低
いと共に共振周波数も低く、したがつて高速、高
精度の磁気ヘツド位置決めには適当でないという
欠点を生じている。

本考案は、上記欠点を除去するためになされた
もので、単純な構造でありながら十分な剛性を有
し、しかも高速、高精度の磁気ヘツド位置決めに
適する軸受部を設けた磁気ヘツド駆動装置を提案
せんとするものである。

上記の目的を達成するために本考案は、アーム
回転軸の両端部に円錐ころ軸受を装着し、一方の
軸受の外輪を支持体に面接触させると共に、この
外輪をスラスト方向並びにラジアル方向の両方向
に偏圧する弾性体をそれぞれに配設して成る回転
アーム式の磁気デイスク装置を提供するものであ
る。

以下、本考案に係る磁気デイスク装置を図面に
示した実施例に基づいて説明する。

第３図は本考案の磁気デイスク装置の一実施例
を示す部分断面図、第４図は本案装置の軸受部分
の平面図であり、同図において、本考案は、磁気
ヘツド１０を支持する回転アーム１１の回転軸１
２の両端部に円錐ころ軸受１３，１４を装着する
と共に、上記軸受の一方１３を偏圧するバネ等よ
り成るスラスト用の弾性体１５とラジアル用の弾
性体１６を設けて構成せられている。

上記軸受の一方１３は、その内輪１３ａが回転
軸１２に圧入もしくは接着にて固定され、外輪１
３ｂは支持体たるハウジング１７の内壁面にスラ
スト方向に摺動することができるように面接触し
ている。また、上記軸受の他方１４は、その内輪
１４ａが回転軸１２に、外輪１４ｂはハウジング
１７の内壁面にそれぞれ圧着もしくは接着せられ
て固定している。

上記スラスト用の弾性体１５は、ハウジングカ
バー１８に取付けられて上記軸受１３の外輪１３
ｂをスラスト方向に偏圧しており、また、ラジア
ル用の弾性体１６は、ハウジング１７に設けた溝
１７ａに装着されて上記外輪１３ｂをラジアル方
向に偏圧している。

本考案の磁気ヘツド駆動装置を上記したように
円錐ころ軸受１３，１４を用いて構成してあるの
は次の理由による。

すなわち、線接触のころ軸受は、点接触の玉軸
受に対して軸受剛性が非常に高く、剛性の面にお
いては好ましい軸受ではある。しかしながら、磁
気ヘツド駆動装置に従来用いられていたニードル
軸受や円筒ころ軸受ではスラスト負荷を受けるこ
とができず、またラジアル方向のがたつきも生じ
うるので、何らかの予圧構造とスラスト軸受を必
要とするものである。この点円錐ころ軸受は、ス
ラスト負荷を支持することができ、しかもスラス
ト予圧を加えることによつてラジアル方向のがた
つきを解消しうるころ軸受であるので磁気デイス
ク駆動装置に用いて構成するのが適切かつ有効だ
からである。

しかして、本案駆動装置にスラスト予圧のため
の弾性体１５のみならずラジアル予圧用の弾性体
１６を用いて構成しているのは次の理由による。

すなわち、アーム回転軸３の両端部に装着した
円錐ころ軸受１３，１４にスラスト予圧を加える
こととすると、このスラスト予圧によつて回転摩
擦トルクが大きくなり過ぎることがあり、したが
つてスラスト予圧調整を必要とする場合が生じ
る。かかる場合に、一方の軸受１３をスラスト方
向にハウジング１７に対して摺動移動することが
できるように嵌合せしめ、他方の軸受１４をハウ
ジング１７に固着する方式となし、かつ上記摺動
移動可能な軸受１３にスラスト予圧を与えておけ
ば、上記予圧調整が容易になしうることとなるか
らである。この場合、上記一方の軸受１３は、ハ
ウジング１７との間で嵌合装着していると共に、
回転摩擦トルクが大き過ぎない程度にスラスト予
圧を加えることから、がたつきを生ぜしめること
必至であり、そのため共振周波数を低くし共振レ
ベルを大となす不具合を生じる。そこで、本案は
この点を解消すベく、上記ラジアル用弾性体１６
を装着してラジアル方向の予圧を与え、ハウジン
グ１７の壁面と軸受１３との嵌装状態より生ずる
がたつきを消去しているものである。

第５図に示す実施例は、ラジアル方向の予圧を
２個の弾性体１６，１６により行なうものであ
る。すなわち、ラジアル方向に偏圧する弾性体１
６を、回転軸１２の軸心に対して所定の角度を有
して２個設けることにより、軸受１３のあらゆる
ラジアル方向への剛性を高めることができるもの
である。

第６図に示す実施例は、ラジアル用の弾性体１
６にリング型のバネを用いたものである。このよ
うに構成すると、スラスト方向に軸受１３が摺動
しやすくなり、スラスト方向のバネ圧の調整が容
易になると共に、熱膨張により生ずる余分な摩擦
力等の外力を消去することができるものである。

以上説明したように本考案は、アーム回転軸の
両端部に円錐ころ軸受を装着し、片方の軸受を固
着、もう一方の軸受を摺動方式となし、この摺動
する軸受にスラスト並びにラジアル方向の予圧を
加えて構成してあるので、軸受部の剛性を高める
ことができ、高速高精度の磁気ヘツド駆動装置を
具体化することができると共に、その構造も従来
の装置に比べて大幅に簡易化することができると
いう効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転アーム式磁気ヘツド駆動装
置の部分断面図、第２図は第１図のバネとパツド
を組込んだ部分の横断面図、第３図は本考案に係
る磁気ヘツド駆動装置の一実施例を示す部分断面
図、第４図は第３図の軸受部分の平面図、第５図
及び第６図はそれぞれ本考案の他の実施例を示す
図である。 １，１０……磁気ヘツド、２，１１……回転ア
ーム、３，１２……回転軸、４……ニードル軸
受、５……スラスト軸受、６，８……バネ、７…
…パツド、１３，１４……円錐ころ軸受、１３
ａ，１４ａ……内輪、１３ｂ，１４ｂ……外輪、
１５，１６……弾性体、１７……ハウジング、１
８……カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 回転アーム式磁気デイスク装置の磁気ヘツド
   駆動装置において、アーム回転軸の両端部に円
   錐ころ軸受を装着し、上記軸受の一方の外輪を
   スラスト方向に偏圧する弾性体と、該外輪を一
   定のラジアル方向に偏圧する弾性体とを有し、
   他方の軸受はその外輪を支持体に固着したこと
   を特徴とする磁気ヘツド駆動装置。 (2) ラジアル方向に偏圧する弾性体を、軸心に対
   して所定の角度を有して２個設けたことを特徴
   とする第(1)項記載の磁気ヘツド駆動装置。 (3) ラジアル方向に偏圧する弾性体にリング型の
   バネを用いたことを特徴とする第(1)項及び第(2)
   項記載の磁気ヘツド駆動装置。