JPS6134100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱可塑性樹脂シート（フイルムや板も
含む）のシートフオーミング用型に関する。

従来、真空成形・圧空成形など成形型を用いて
のシートフオーミングに於て、目的の成形品がア
ンダーカツト部を有するものであり、且つ素材シ
ートが硬質或は半硬質のものである場合にはアン
ダーカツトの入り込み程度がかなり小さいもので
も成形品の脱型が困難又は不能となるので、成形
型を割り型構成（スライド型構成も含む）にして
成形品の脱型を図るようにしている。

素材シートが軟質である場合にはアンダーカツ
トの入り込み程度がある程度大きくともシートの
柔軟性により成形品を大きくたわめることにより
型側のアンダーカツト部から成形品側のアンダー
カツト部を抜き外して成形品を脱型させ得るが、
アンダーカツトの入り込み程度がかなり大きな場
合には矢張り成形型を割り型構成にする必要があ
る。

しかし割り型は成形サイクル毎に型の組立て・
分解の工程が入り、これを手作業で行つていたの
では能率が悪く、又自動化するようにした場合に
は成形機の全体構成が複雑化・大型化し、又高価
格化する。

そこで、目的成形品のアンダーカツト部を成形
する型部分についてその部分を半硬質ゴム等の耐
熱弾性材で構成した成形型がある（例えば特公昭
42−17114号公報・特公昭43−20386号公報）。即
ち弾性材製型部分の弾性たわみ性により成形品の
アンダーカツト成形部の脱型を容易化するもので
ある。しかし(a)得られる成形品の成形面に、上記
アンダーカツト部を成形する耐熱弾性材製型部分
（以下アンダーカツト型部分という）と、該型部
分以外の型部分（以下本体型部分という）との両
型部分の境界線跡が転写され、それが製品品位を
低下させる場合が多い。(b)上記両型部分の材質の
違いにより、本体型部分の成形面に対応する成形
品面領域と、アンダーカツト型部分の成形面に対
応する成形品面領域の表面の感じ（光沢度等の肌
合い）が微妙に異なつたものになりやすい。

本考案は同じく目的成形品のアンダーカツト部
を成形する型部分を耐熱弾性材で構成した成形型
であるが、上記(a)や(b)のような不具合のないもの
を提供することを目的とする。

即ち本考案は、目的成形品のアンダーカツト部
を成形する型部分を半硬質ゴム等の耐熱弾性材で
構成した、熱可塑性樹脂シートのシートフオーミ
ング用型において、上記耐熱弾性材製の型部分を
含む型成形面の全面につぎ目のない一連の耐熱弾
性被覆層を形成してなる、シートフオーミング用
型である。

第１図は上記本考案に従つて構成したボードカ
バー成形用の真空成形型（凹型）の概略の横断側
面図である。

本例でのボードカバー１５は第２図に示すよう
に、予め成形された基板１６面に嵌着して基板外
面を隠蔽装飾するに用いる硬質又は半硬質の樹脂
シート成形化粧カバーで、両縁部１５_１，１５_１
が横断面略コ字形或はＵ字形に折り返し成形され
ていて、その折り返し縁部１５_１，１５_１を基板
１６の縁部に係合させることにより基板１６に対
して取付け状態にされる。

従つてその折り返し縁部１５_１，１５_１を成形
する型部分がアンダーカツト部となるので、第１
図の成形型１に於て上記の縁部１５_１，１５_１を
成形する型部分３，３を半硬質ゴム、ゴム弾性を
有する耐熱樹脂等の耐熱弾性材で構成してある。
このアンダーカツト型部分３，３は柔軟弾性のも
のであり過ぎると素材シートの真空成形過程での
押圧力で顕著な変形をして成形形状にくずれを生
じさせる結果となり、又かた過ぎると成形品の脱
型容易性効果が得られなくなるので、その中間の
半硬質的弾性のものにすると共に、成形のため予
め加熱軟化処理した素材シートの熱に十分耐える
耐熱性のものにする。該アンダーカツト型部分
３，３以外の本体型部分２は従来型と同様に金
属・耐熱樹脂・木材等の耐熱剛性材料で製型して
あり、上記の両型部分２、３，３を接着剤７や止
めねじ等の結合手段で一体化して全体所要形状の
成形型１に完成させてある。

９は上記のアンダーカツト型部分３，３を含む
型成形面の全面をカバーさせて形成したつなぎ目
のない一連の耐熱弾性被覆層（例えばステンレス
フイラメントをシリコンゴムやゴムラテツクス液
でかためた耐熱弾性材層）である。

４は型１の肉厚を貫通させて型成形面（耐熱弾
性被覆層９面）の各部に開口させた数多の真空吸
引孔、５は型内部の真空チヤンバで、各真空孔４
はそのチヤンバに連通している。６はチヤンバ５
に設けた真空ポンプ（図に省略）接続口で、ポン
プの作動によりチヤンバ５内が負圧となり各真空
孔４が真空吸引状態となる。型１の肉厚内には一
般に型冷却用パイプが配管内蔵されるが図には省
略した。

而して素材シートm₁の真空成形は上記の型を
用いて従来と同要領で実行する。８は素材シート
の四周を保持するシールクランプを示す。

成形品の脱型は冷却による成形済みシートｍ
（２点鎖線示）の硬化後、その成形済みシートｍ
を型１のアンダーカツト型部分３，３に対する引
つ掛かり力に抗して成形型面からまくり上げるこ
とにより行う。

この場合成形型１のアンダーカツト型部分３，
３については半硬質ゴム等の耐熱弾性材質である
から成形済みシートｍの脱型のためのまくり上げ
に伴なつて該型部分３，３にかかるシートｍの引
つ掛り力で該型部分３，３がその表面の耐熱弾性
被覆層９と共に弾性に抗してシートｍの脱型を容
易化する方向の圧縮変形又は／及びたわみ変形を
生じる。その結果その分だけシートｍ側の脱型の
ための必要たわみ量が軽減される。つまりシート
ｍをさして大きな力でまくり上げなくともシート
ｍのたわみと耐熱弾性材製のアンダーカツト型部
分３，３の上記変形作用とによりシートｍのアン
ダーカツト成形部分１５_１がアンダーカツト型部
分３，３から容易に抜け外れてシートｍの脱型が
容易に支障なくなされるものである。シートｍの
脱型の際一旦変形したアンダーカツト型部分３，
３はその表面の耐熱弾性被覆層９も含めて、シー
トｍが脱型されると元の形状に弾性復元する。

脱型した成形済みシートｍは成形品部分１５と
まわりの不要材料部分とを切断分離処理して製品
たるボードカバー１５を得る。

而して、耐熱弾性材製のアンダーカツト型部分
３，３を含む型成形面の全面につなぎ目のない一
連の耐熱弾性被覆層９を形成してあるから、型部
分２と型部分３，３との境界線跡の転写のない成
形品が得られる（前記(a)の問題点解消）。又本体
型部分２とアンダーカツト型部分３，３の材質の
違いによる、該両型部分２、３，３に対応する成
形品面領域面の肌合いの違い等を生じない（前記
(b)の問題解消）。

被覆層９表面に全面的にしぼ等の凹凸模様９ａ
（第３図）を形成したものにしたとき成形品のア
ンダーカツト部面にも他の成形面部分と一連の凹
凸模様が付与された美麗・高品位の成形品が得ら
れる。

以上真空成形型を例にして説明したが、圧空成
形型、ブロー成形型などその他の型を用いるシー
トフオーミング用型に本案を適用実施できること
は勿論である。

以上のように本案に依れば、目的成形品のアン
ダーカツト部を成形する型部分３，３を半硬質ゴ
ム等の耐熱弾性材で構成した熱可塑性樹脂シート
のシートフオーミング用型における、前述の(a)や
(b)の問題点が良好に解決され、所期の目的がよく
達成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案を適用したボードカバー成形用の
真空成形型の横断面図、第２図は成形カバーを装
着したボードの横断面図、第３図は表面に凹凸模
様を形成具備させた被覆層の部分的拡大断面図で
ある。 １は真空成形型、２はアンダーカツト部以外の
型部分、３はアンダーカツト部の型部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 目的形成品のアンダーカツト部を成形する型
   部分３，３を半硬質ゴム等の耐熱弾性材で構成
   した、熱可塑性樹脂シートのシートフオーミン
   グ用型において、上記耐熱弾性材製の型部分
   ３，３を含む型成形面の全面につぎ目のない一
   連の耐熱弾性被覆層９を形成してなる、シート
   フオーミング用型。 (2) 耐熱弾性被覆層９の面に凹凸模様が形成され
   ている、実用新案登録請求の範囲(1)項に記載の
   シートフオーミング用型。