JPS6133370Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液体燃料燃焼装置に関するもので、着
火燃焼時の逆火を抑制し、燃焼性，安全性を向上
することを目的としたものである。

従来、第２図の様に、バーナ本体１′内に設け
たモータ７′の軸８′にロータ１１′とセンターフ
アン１２′とセンターフアン上板１３′とを固定し
たものもあつたが、この場合、強い再循環気流２
２′によつてセンターフアン上板１３′上及び燃焼
基板４′表面の温度が上昇し、燃焼速度が、１次
空気１９′の噴出速度より速くなり、その近辺に
飛散してる燃料微粒子に引火し、逆火するという
欠点があつた。

本考案は、この様な従来の欠点を一掃したもの
で、以下その一実施例を添付図面とともに説明す
る。

第１図に示すごとく本実施例では、バーナ本体
１に送風ケース上板３、下板２をそれぞれ取付
け、バーナ本体１の内部にはバーナの主要部であ
る、円板状の燃焼基板４と燃焼上板５と、バーナ
ヘツド６を設けている。また両板４，５には複数
個の２次空気孔４′と５′を穿設している。

さらにバーナ本体１の内部に設けたモータ７の
軸８の左側にはフアン９がフアンボス１０で固定
され、右側には外周方向に向つて径大のテーパ形
状をしたロータ１１とセンターフアン１２とセン
ターフアン上板１３がビス１４で固定されてい
る。

送風ケース上板３の中央部には給気口１５があ
り、そこから供給された空気は、モータ７の外周
にある通気口１６を通り１次空気１８は燃焼基板
４の中央部にある複数個の１次空気孔１７から入
り、ロータ１１の内外を通過し、センターフアン
１２とセンターフアン上板１３によつて燃焼炎２
０の方へ送り出される。

また、２次空気１９は、燃焼基板４の外方及び
燃焼上板５の内方に各々設けている複数個の２次
空気孔４′，５′から送り出され燃焼に供される。

２０は燃焼炎でそれによつて生じる再循環気流
２２は、熱交換器本体２３からセンターフアン上
板１３に向けて突出して設けた円筒状の遮熱体２
９に案内され、決して燃焼基板４側へ再循環する
ことなく、燃焼室２５の中心から外方へ拡散して
排ガスとして排出される。尚、２１はセンターフ
アン上板１３と遮熱体２９との設置隙間である。

尚、前記遮熱体２９の外径は前記センターフア
ン上板１３の外径より大きくかつ前記燃焼基板４
に穿設された複数個の２次空気孔４′が配置され
る位置即ち、燃焼基板４の中心に最も近い円周上
に位置する２次空気孔４′の円周外径より、小径
とするものである。前記センターフアン上板１３
の外径はセンターフアン１２より径大であるとと
もに遮熱体２９よりも径小である。

熱交換器本体２３の一部をセンターフアン上板
１３に向けて突出して遮熱体２９とし、この遮熱
体２９を水胴構成３０にしたので冷却効果も加わ
り、逆火抑制効果は高く、非常に安全なものとな
る。すなわち水胴を遮熱体と兼用したものであ
る。２４は燃料の微粒子である。

なお、２６は点火器、２７は適当な給油手段
（図示せず）より給油される給油管で、ロータ１
１の一面に臨んでいる。

上記構成に於いて動作を説明する。先ず、モー
タ７を駆動し、給油管２７より液体燃料を供給す
ると燃料は回転するロータ１１の一面に乗り遠心
力を得て微粒子２４となつて燃焼基板４と燃焼上
板５との間に噴射され、点火器２６によつて着火
し１次空気１８、２次空気１９を各々受け、特に
複数個の２次空気孔４′，５′より噴出される２次
空気流によつて細分割的に拡散賦合され青火の短
炎でクリーンな燃焼炎２０を形成し、完全燃焼す
る。燃焼された高温の燃焼ガスの一部は燃焼室２
５内にて第２図のように、再循環気流２２′を発
生し、ロータ１１より飛散された燃料の微粒子２
４へ引火し、ロータ部１１′の給油管２７の先端
部へ逆火を誘発する要因となるが、センターフア
ン上板１３に近接して設けられた遮熱体２９、の
水胴構成３０によつて、案内され拡散される。即
ち、第２図に示すような再循環気流２２′は生じ
ず燃焼室２５全域に広拡散される。従つて、燃焼
基板４上及びセンターフアン上板１３上の温度上
昇はなくなり、ロータ１１の外径近傍またはロー
タ１１内方への逆火はなくなり、安全で安定した
燃焼が維持できる。

一方、消火する際は、給油管２７への給油を断
てば、瞬時に消火することができる。

上記構成で説明したように、本考案は熱交換器
本体からバーナ本体内のセンターフアン上板に向
けて水壁を突出した遮熱体を設けたので、次のよ
うな効果が得られる。

(1) 再循環気流が、遮熱体で案内され、けして燃
焼基板側へ再循環しない為、燃焼基板の温度上
昇がなくなり、燃焼基板上に飛散してる燃料微
粒子があつても引火して逆火せず、安全性が向
上する。

(2) 再循環気流が、遮熱板で案内されて、スムー
ズに熱交換器本体の燃焼室全域に拡散して流れ
る為、燃焼炎の乱れがなくなり燃焼性能が向上
する。

(3) 遮熱体を、水胴構成としてその中に水を通過
させる様にしたので、遮熱体による冷却効果が
向上し、逆火抑制効果は高くなり、非常に安全
なものとなる。

また、遮熱体の部分が熱交換器の一部となるの
で、熱交換効率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における液体燃料燃
焼装置の横断面図、第２図は従来例の横断面図で
ある。 １……バーナ本体、４……燃焼基板、５……燃
焼上板、６……バーナヘツド、７……モータ、８
……軸、１１……ロータ、１２……センターフア
ン、１３……センターフアン上板、２３……熱交
換器本体、２４，２９……遮熱体、３０……水胴
構成。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナ本体と、このバーナ本体に対向して設け
   た熱交換器本体とを備え、上記バーナ本体の内部
   に複数個の２次空気孔を穿設した燃焼基板の中央
   部を貫通して設けたモータの軸に、前記２次空気
   孔の配置位置より内方にテーパ状のロータと、セ
   ンターフアンと前記センターフアンの外径より径
   大のセンターフアン上板とを固定し、前記ロータ
   の径小部面に給油管の先端を臨ませるとともに上
   記熱交換器本体側から上記センターフアン上板に
   向けて、その近傍まで水壁を有する熱交換器本体
   の一部を突設して遮熱体を配置させ、この遮熱体
   の外径は、前記センターフアン上板の外径より大
   であり、燃焼基板の中心に最も近い円周上の２次
   空気孔より内側に配設した液体燃料燃焼装置。