JPS6132677Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は老人或いは病人などが寝たままで用を
たせる吸着式水洗便器に関する。

従来から、寝たきり老人或いは重症患者などの
ように便所まで歩いて行けない者を対象とした
種々の便器が提案されている。

例えば、実開昭56−59021号又は特開昭57−
110246号に開示されるように、チーブを介して吸
引装置とつながる受器に、把持部を形成し、排尿
する際には使用者が該把持部を持つて受器の開口
を排尿部位に押し当てて行うようにしたものがあ
る。

しかしながら、斯かる便器にあつては、使用中
常に受器を排尿部位に押し当てていなければなら
ず、病人・老人などにとつては極めて使用しにく
いという欠点がある。また洗浄装置が付設されて
いないため排便用として使用することができない
という問題もある。

また、特開昭54−104696号に開示されるよう
に、吸込パイプ部を有する軟質材料からなる本体
に、該吸込パイプ部と合致する吸込口及び給水口
を設けた軟質の膜面を形成し、吸込時に該膜面が
人体の排泄口周囲に吸着するようにしたものがあ
る。しかしながら、この便器は末端処理ができ
ず、且つ臭気を効果的に排除できないという不利
がある。

本考案は上述した従来の問題を改善すべく成し
たものであり、その目的とする処は、排便等の受
け部材を確実に人体に吸着せしめ得るとともに、
受け部材を吸着せしめた状態で排便・排尿更には
洗浄を行ない得る吸着式水洗便器を提供するにあ
る。

斯かる目的を達成するための本考案に係る吸着
式水洗便器は便器本体と人体に吸着せしめる受け
部材とを排泄パイプ・送水パイプ及び送・排気パ
イプで連結するとともに、上記受け部材を外殻部
材内に排泄パイプを挿着した二重構造とし、更に
上記送水パイプの先端部は排泄パイプ内に臨み、
排・送気パイプの先端部は外殻部材内に臨むよう
にしたことをその要旨としている。

以下に本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図は本考案に係る吸着式水洗便器の全体斜
視図であり、水洗便器は本体１と、この本体１と
排泄パイプ２、送水パイプ３及び送・送気パイプ
４を介して接続される受け部材５とからなり、こ
の受け部材５は第２図に示すように、ゴム或いは
プラスチツク等からなる外殻部材６に孔７を形成
し、この孔７に排泄パイプ２の先部を挿入して溶
着し、排泄パイプ２の先端開口部２ａが外殻部材
６の開口部６ａに対しその向きを可変とし得るよ
うにしている。而して、受け部材５は外側を外殻
部材６によつて、内側を排泄パイプ２によつて構
成された二重構造となる。尚、外殻部材６及び排
泄パイプ２は直接人体８に接触するものであるた
め、外殻部材６と排泄パイプ２との間の空間S₁を
負圧にした際にこれらが圧潰されない程度の軟か
い材料を用いることが好ましい。

また受け部材５にはコンセント部９を介して、
前記送水パイプ３及び排・送気パイプ４を接続し
ている。即ち、送水パイプ３は外殻部材６を貫通
してその先端部が排泄パイプ２内に臨み、排・送
気パイプ４は先端部が外殻部材６内、つまり上記
空間S₁に臨むようにしている。

一方、本体１は第３図に示すように、底部に取
外し可能とした排泄タンク１０を設け、この排泄
タンク１０上面に開口１１を形成し、この開口１
１に排泄パイプ２の基端部を接続している。そし
て、排泄タンク１０の上方には横置き筒状の洗浄
水タンク１２を取付け、この洗浄水タンク１２に
よつて囲まれる空間S₂に正逆回転可能なモータ１
３を配設するとともに、排・送気通路１４を区画
形成し、モータ１３の回転軸に同軸的に嵌合した
排・送気フアン１５及び冷却フアン１６のうち、
排・送気フアン１５を該通路１４内に臨ませるよ
うにしている。また、上記空間S₂を塞ぐ一方の端
板には自動弁の取付けを可能とした吸・排気口１
７及び通路１４と連通するパイプ止着部１８を形
成し、この止着部１８に排・送気パイプ４の基端
部を嵌込んでいる。

また、洗浄水タンク１２内の下部には水の出入
りを自在としたケース１９を設置し、このケース
１９内に送水翼２０を備えたモータ２１を設け、
ケース１９に一端を止着したパイプ２２を前記モ
ータ１３を巻回しつつ洗浄水タンク１２の上部に
導き、このパイプ２２と前記送水パイプ３とを止
着部２３を介して連結せしめている。

更に、モータ１３，２１と電源とをつなぐリー
ド線２４の途中には操作盤２５を介設し、この操
作盤２５には電源スイツチ２６、送水スイツチ２
７及び送風スイツチ２８をそれぞれ設けている。

次に上記の如き構成からなる便器の使用方法を
排便する場合について説明する。

先ず、使用者はベツド等に寝たまま、腰を枕の
ようなもので高くし、ベツドの脇のフツク等に掛
けておいて受け部材５を取り外し、外殻部材６の
開口部６ａを人体８に当てがう。この場合、排泄
パイプ２の開口部２ａが肛門部２９の周囲に一致
するようにする。

而る後、操作盤２５の電源スイツチ２６をオン
にすると、モータ１３が駆動して送・排気フアン
１５を排気方向に回転せしめる。その結果、受け
部材５内の空間S₁が負圧となり、受け部材５が人
体８に確実に吸着される。したがつて使用者は自
ら手で受け部材５を人体に押し付ける必要はな
い。そして、送水スイツチをオンにして水を流し
使用者が排便すると、便は排泄パイプ２内を通つ
て本体１の排泄タンク１０内に収容される。そし
て、排泄終了後も水を噴出させ、肛門部２９を洗
浄する。

そして、洗浄が終了したならば、送水スイツチ
２７をオフとし、送風スイツチ２８をオンにす
る。すると、モータ１３が前記とは逆方向に回転
し、排・送気フアン１５を送風方向に回転せしめ
る。その結果、受け部材５の空間S₁内に空気が送
られ、空間S₁は負圧でなくなるので、使用者は容
易に人体から受け部材５を外すことができ、受け
部材５を動かしながら、肛門周辺を乾燥させるこ
とができる。尚、この場合、送風される空気はモ
ータ１３によつて暖められているため、乾燥を効
果的に行えるとともに、人体に及ぼす影響も良好
である。

上記の如くして、乾燥まで終了したならば、排
泄パイプ２の開口部２ａを栓などで塞ぎ、送水ス
イツチ２７をオンとする。すると、洗浄水によつ
て排泄パイプ２内を洗浄することができる。

尚、以上は本考案の実施の一例を示したもので
あり、本考案は上記のものに限定されるものでは
ない。

例えば図示例にあつては、排・送気用のパイプ
を一本のパイプによつて構成したが、それぞれ
別々のパイプを用いてもよく、また本体内に配設
するモータも送風用及び排気用のものを別個に設
けるようにしてもよい。

また排泄パイプ、送水パイプ及び排・送気パイ
プはそれぞれ本体に対し着脱自在としたものを示
したが、中間部において或いは受け部材に対して
着脱自在としてもよい。

また、図示例では送水パイプは外殻部材を貫通
して排泄パイプ内に臨むようにしたが、排泄パイ
プに直接挿通するようにしてもよい。

更に、使用例にあつては排便について説明した
が、本考案に係る便器は排泄パイプの形状等を若
干変更するだけで、排尿用にも充分好適するもの
である。

以上の説明で明らかなように本考案によれば、
排泄物を受ける受け部材を外殻部材とこの外殻部
材内に挿着される排泄パイプとからなる二重構造
とし、外殻部材と排泄パイプとの間の空間を負圧
にすることで人体の排泄部位に該受け部材を吸着
せしめるようにしたため、排泄時に使用者は両手
を使わずに済むので極めて便利であり、また排泄
パイプには送水パイプを臨ませるようにしたた
め、排泄に連続して洗浄を行うことができ、更に
上記外殻部材内には排・送気パイプを臨ませるよ
うにしたので、排泄から乾燥までを容易に行え、
且つ排泄パイプ自体の洗浄も簡単に行えるので、
常に衛生的であり、構造自体も単純で製作も容易
である等多くの効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は本考案に係る吸着式便器の全体斜視図、第
２図は受け部材の縦断側面図、第３図は本体の縦
断側面図である。 尚、図面中１は便器本体、２は排泄パイプ、３
は送水パイプ、４は排・送気パイプ、５は受け部
材、６は外殻部材である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一方に向つて開口した外殻部材内に排泄パイ
   プを挿着してなる二重構造の受け部材と、先端
   部が上記排泄パイプ内に臨む送水パイプと、先
   端部が上記外殻部材内に臨む排・送気パイプ
   と、これら排泄パイプ・送水パイプ及び排・送
   気パイプの基端部がつながる便器本体とからな
   ることを特徴とする吸着式水洗便器。 (2) 前記送・排気パイプは１本のパイプからなる
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の吸着式水洗便器。 (3) 前記送・排気パイプはそれぞれ別個とされて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の吸着式水洗便器。