JPS6132292Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は一缶２回路式の温水器の熱交換器に係
わるものである。

（従来の技術） 従来の一缶１回路式の温水器の熱交換器は第１
図に示した如く方筒状の加熱胴Ａの上部を斜視部
Ｂを介して若干絞つてこの部分にフイン付の吸熱
部Ｃを取付けると共に該吸熱部Ｃに給水する胴パ
イプＤを加熱胴Ａに巻回して当該吸熱部Ｃに連結
している。従つてこの熱交換器では加熱胴Ａの胴
パイプＤで挾まれた部分は挾まれた双方の胴パイ
プＤから吸熱が行われる為問題ないが、その他の
部分、即ち最下方の胴パイプＤより下方部分並び
に最上方の胴パイプＤより上方の傾斜部Ｂ（共に
斜線で示す）は高熱となり、熱交換器の耐久性に
著しく悪影響を与える。尚上記した部分が高熱と
なる理由は下方部分においてはバーナの燃焼炎の
接触並びに燃焼輻射熱に依る為であり、傾斜部Ｂ
では燃焼ガスがこの部分で衝突する為であり、こ
の問題は１本の吸熱部Ｃと胴パイプＤの代りに上
下に隣接せしめた２つのパイプで形成した湯沸し
と風呂焚きの両機能を有する温水器の一缶２回路
式の熱交換器にも共通するものである。

（問題点を解決するための手段） 上記した問題点を解決するために本考案では、
比較的大インプツトを必要とする湯沸し用には大
径パイプを、湯沸しより小インプツトの風呂焚き
用には小径パイプを夫々吸熱部に用いることか
ら、この両パイプに夫々接続する径の異なる胴パ
イプを、加熱胴の上部では大径の胴パイプが上方
に下部では下方に夫々位置するように巻回した構
成としている。

（作用） 湯沸しを行う場合は大径の胴パイプを介して吸
熱部の大径パイプに通水が行われ、通水が加熱さ
れて給湯栓より給湯される。又風呂焚きを行うと
循環ポンプのポンプ作用で浴槽水は小径の胴パイ
プを介して吸熱部の小径パイプに送られ、ここで
加熱されて再び浴槽に戻され、かかる循環加熱に
より浴槽水が加熱される。上記湯沸し時ガスバー
ナは比較的大インプツトで燃焼され、従つて加熱
胴の最下部並びに傾斜部が強く加熱されるが、両
部分には大径の胴パイプが面するのでこのパイプ
内の通水によつて両部分から多量の熱が吸収され
ることになる。

（実施例） 第２図において熱交換器１の下方には共用のガ
スバーナ２を臨ませてある。３はガスバーナ２の
ガス路４に設けたガス比例弁で、湯沸し使用時に
給湯路５に取付けた温度検出器６の検出温度と設
定温度との間に差が生じた場合に弁開度を制御し
てガス量を調節するようにしてある。７は先止め
給湯栓である。８は給湯路である。９は浴槽水を
循環ポンプ１０の作動により熱交換器１に送る循
環往き管であり、１１は熱交換器１で加熱された
水を浴槽に戻す戻し管である。尚この実施例では
湯沸かしと風呂焚きの同時使用は行えず湯沸かし
の使用が優先するようにしてあり、又風呂焚き時
にはガス比例弁３の開度を少なく一定にしてその
時のガスバーナ２の燃焼量を湯沸し時に比較して
低インプツトにしてある。

第３図、第４図は本考案に係わる熱交換器の一
実施例を示したもので、方筒形の加熱胴１２の上
部を傾斜部１３を介して若干絞り、上端部に大径
のパイプ１４を上方に小径のパイプ１５をその下
方互いに隣接せしめて多数のフイン１６に挿通し
固着した吸熱部１７を横架し、当該吸熱部１７の
大小夫々のパイプ１４，１５に接続する胴パイプ
１８，１９を加熱胴１２の上方では大径の胴パイ
プ１８を上方に小径の胴パイプ１９を下方に位置
せしめて巻回し、両パイプ１８，１９を途中でＵ
字状に曲げ返して少くとも最下方の１周分は大径
の胴パイプ１８が下方に小径のパイプ１９が上方
に位置するように巻回してある。

以上の構成において、湯沸し時に高負荷燃焼を
行つた際斜線部（第４図）に従来例について説明
した理由で多量の熱が加わることになる。しかる
に上記構成ではこの部分は共に大径の胴パイプ１
８が面することになり、そして該パイプ内の通過
水量が大である為、このパイプ１８によつて多量
の熱が吸収され、それ故この部分での過熱度は著
しく緩和されるのである。

（考案の効果） 従つて本考案は以上に説明したように高負荷燃
焼を必要とする湯沸し用の大径の胴パイプをバー
ナ輻射熱の大きい部分及び燃焼熱のこもる部分に
近接せしめて当該部分の吸熱を促進させたので、
比較的大インプツトを必要とする湯沸かしとそれ
より小インプツトの風呂焚きの両機能を有する１
缶２回路式の熱交換器の熱による悪影響が従来例
に比して著しく緩和され、耐久性は良好で実用効
果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す縦断面図、第２図は本考
案の熱交換器を用いた実施例の構成図、第３図は
本考案の熱交換器を示す斜視図、第４図はその断
面図である。 １……熱交換器、１２……加熱胴、１４……大
径のパイプ、１５……小径のパイプ、１７……吸
熱部、１８……胴パイプ、１９……胴パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給湯路と連通する湯沸かし用の大径パイプと、
   浴槽水を熱交換器に送る循環ポンプを有する循環
   往き管と連通する風呂焚き用の小径パイプとを、
   大径パイプを上方に小径のパイプをその下方に位
   置せしめて多数のフインに挿着した吸熱部を加熱
   胴の上方に取付け、上記両パイプに夫々接続する
   径の異なる胴パイプを上下に隣接させながら巻回
   した比較的大インプツトを必要とする湯沸かしと
   それより小インプツトの風呂焚きの両機能を有す
   る温水器の１缶２回路式の熱交換器において、当
   該両胴パイプを、加熱胴の上部では大径の胴パイ
   プが上方に下部では下方に夫々位置するように巻
   回したことを特徴とする熱交換器。